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良いニュースはDRAM価格の回復、液晶はグローバルに好不調がまだら模様

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先週のニュースはビジネス的に良いニュースと悪いニュースのまだら模様だったといえよう。まず良いニュースはDRAMの価格が採算レベルに戻ったこと、半導体メモリーメーカにとってはほっと一息つく。経済にとって悪いニュースはエレクトロニクス産業における増資ラッシュとアルプスの海外拠点の閉鎖ニュース。そしてまだら模様は液晶ビジネスも。

11月19日の日本経済新聞によると、DRAMメーカーとパソコンメーカーが交渉して決める取引価格は11月前半分の1Gビット製品の単価は2.35ドルに上昇した。これはパソコン会社の需要が高まったためで、ここにきてようやく利益が出る状況になった。国内唯一のDRAMメーカーであるエルピーダメモリは8月に単月黒字になったと伝えている。パソコンメーカーはパソコン生産レベルを上げており、メーカーのDRAM在庫は0.7カ月くらいしかないという。在庫は通常、1ヵ月くらいは持つため、需給はタイトになっていると言える。

パソコンメーカーが増産するのは、単にWindows 7がリリースされたためだけではない。Windows 7は、Vistaに比べると使い勝手が良いOSで、タッチパネル操作も可能なソフトが入っているため、おおむね好評のようだ。しかし、OSでパソコンの売れ行きが左右されたことはこれまでもあまりないと関係者は言う。むしろ、企業向けパソコンの買い替え期をこれから迎えることが増産の大きな理由だとしている。

気になる未来志向のニュースは、NTTデータが電気自動車向け充電インフラサービスの実証実験を始めたというニュースである。通信業者であるNTTデータはもともとインフラビジネスに強い企業であるが、電気自動車という全く異なる業態に入り込み、新しい未来志向の成長分野に目を向けた。これと全く同様な視点が本日の日経新聞で報道された、IBMが水道事業のスマート化に乗り出すというニュースである。インフラ事業や企業向け事業を中心にやってきた両者が新しい成長産業に食い込むという姿勢は見習いたい。

悪いニュースは23日の日経新聞に掲載された「経営の視点」において取り上げられた、日立製作所の4000億円をはじめとする増資の話だが、この1月から日本企業は総額3兆4760億円を増資してきたという。成長するための増資というより傷んだバランスシートを修復するための増資であり、後ろ向きの投資と言える。このため株式市場は実態をよく見透かしており、株価は概して低迷している。既存株主にとっては、増資により株価が希薄化されることで価値を下げるため、裏切られた気持ちになっている。日経のこのコラムでは、抜本的な経営改革、産業改革こそが、成長するための仕組み作りになるとしている。

アルプスは英国と中国の生産拠点を閉鎖する。不況によって受注が見込めないためだとしている。

液晶パネルの生産では、中国の大手家電メーカーのTCLが8.5世代のガラス基板を使った液晶パネルの生産工場を建設する計画を発表した。深せん市のハイテクパークに3200億円を投じて2010年1月に着工する予定だという。

その一方で、上海広電NECディスプレイ社が液晶生産ラインを売却したことが明らかになった。中国の天馬微電子に327億円で売却したと伝えている。また東芝は東芝モバイルディスプレイ(TMD)を大日本写真印刷に貸し出すことで合意したと発表した。TMDは2009年3月期に債務超過に陥っており、工場を集約しているところだった。

一方、液晶テレビ用のバックライトLEDをシャープがソニーに供給する。シャープは豊田合成からLEDのライセンス供与を受け、LED照明、LEDバックライトなど今後のLED成長分野に力を入れる。ソニーはシャープからのLEDを供給してもらうことでLEDテレビ開発に力を入れる。

(2009/11/24)

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