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SICASの3QにおけるMOS ICの生産能力・実投入数から見える稼働率の減少

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SICAS(世界半導体生産キャパシティ統計)が発表した2008年第3四半期(7~9月)のMOS ICの生産能力は、214万枚/週、実投入枚数は187万枚/週となり、ウェーハプロセス稼働率は87.5%になった。前四半期は89.5%、その前の第1四半期は90.7%であったことから、稼働率は急激に低下したことがわかる。急にブレーキがかかった状態に似ている。

MOS計


ミクロン別のMOS実投入枚数を見ると、80nm未満のプロセスウェーハは順調に増えており、その稼働率は95.2%と落ちていないが、プロセスサイズが大きくなるにつれ落ちている。80~120nmプロセスは88.1%、120~160nmプロセス85.6%、160~200nmプロセス83.1%、0.2~0.3μmは79%、0.3~0.4μmは75.6%、0.4~0.7μmは74.4%、0.7μm以上74.1%と稼働率は下がってくる。すなわち、ウェーハ投入枚数は微細化すればするほど効率よく生産されており、微細化しないウェーハは生産されていないことを物語る。


μm別のMOS生産能力
μm別のMOS実投入数


これをウェーハ径別に見てみると12インチ(300mm)ウェーハ生産能力は8インチ換算で順調に伸びているが、8インチウェーハや8インチ未満のウェーハの生産数量を絞りつつある。稼働率を計算すると、第3四半期における12インチウェーハプロセスの稼働率は96.5%、8インチウェーハプロセスは84.3%だが、8インチ未満のウェーハプロセスは64.3%と次第に落ちてくる。すなわち5インチ、6インチウェーハの生産能力は余っているが12インチウェーハの生産能力は足りないことを表している。工場側はもちろん、口径の小さいウェーハの実投入数を絞り込んでいることが図から一目瞭然で読み取れる。300mmへのシフトが起きていることを物語っている。


ウェーハサイズ別のMOS生産能力
ウェーハサイズ別のMOS実投入数


ウェーハ生産能力はやや微増で増やしてきていたが、実投入数がアタマ打ちあるいは第3四半期になって減少という事態を迎えたことは、早めにブレーキを踏んだと考えてよいだろう。


(2008/12/08 セミコンポータル編集室)

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