中国MCU市場が62.9億個に到達

　2006 年第1 四半期から第3 四半期までのデータによると、2006 年の中国MCU 市場は62.9 億個361.6 億元（5,062.4 億円）に達し、前年比21.3%、22.2%とそれぞれ成長すると予想される。

　中国は、コンシューマエレクトロニクス産業の大国として、カラーテレビ、冷蔵庫、洗濯機、エアコン、小型家電の生産台数が世界トップである。これにより、MCU の需要も膨大である。中国におけるコンシューマ製品向けMCU 市場は、2005 年に29.6億個と中国MCU 市場全体の57%を占めており、金額ベースで127.5 億元（1,785 億円）と43.1%のシェアである。

　また、中国にはモニターディスプレイ、パソコン用マウス、キーボード、デジタルカメラ、USB デバイスなどパソコン周辺機器産業が拡大し、MCU に対する需要も急増している。2005 年における中国のパソコン関連向けMCU 市場は販売個数が11.9 億個とシェア全体の22.9%、販売金額が68.3 億元（956.2 億円）とシェア全体の23.1%になっている。

　産業用と通信用のMCU 市場規模は比較的小さい。2005 年には、中国産業用MCU市場は数量ベースで5.1 億個と全体比率の9.8%、金額ベースで44.6 億元（624.4 億円）と全体比率の15.1%である。中国通信用MCU 市場は、3.3 億個、32.4 億元（453.6 億円）とそれぞれの市場シェア全体の6.4%、10.9%である。

　新しいMCU アプリケーションとして、中国3 メーター（暖房メーター、ガスメーター、水道メーター）、自動車、ID カードリーダー、USB デバイスなどが脚光を浴びている。2005 年の中国自動車市場は、前年に比べて26.9%増の295.84 万台に達している。2005 年の中国自動車向けMCU 市場は、5,000 万個、7.6 億元（106.4 億円）と市場全体の1%、2.6%であった。

　現在、中国のMCU 市場では8 ビットMCU が最も高いシェアを占めている。2005年の実績では、8 ビットMCU は27.4 億個、167.2 億元（2,340.8 億円）で、それぞれのシェアは52.8%、60%となっている。4 ビットMCU は16.6 億個14.9 億元（208.6億円）で、それぞれのシェアは32%、5%であった。16 ビットMCU は、数量ベースで6.6%の市場シェアで、金額ベースでは市場シェア12.6%の37.3 億元（522.2 億円）であった。32 ビットMCU は、数量ベースで8.6%の市場シェアで、金額ベースでは市場全体の25.9%の76.5 億元（1,071 億円）と8 ビットMCU 市場に次いでいる。一方、フラッシュMCU は、OTP メモリのコスト優位性とEEPROM のプログラマブルの特性を有し、市場投入時間の短縮や製品の向上を実現できることで注目されている。

　2006 年〜2010 年の中国MCU 市場では、年間平均成長率が22%と推移し、2010 年には804.2 億元（11,258.8 億円）の市場規模に達すると見込まれる。

セミコンダクタポータルのコンテンツパートナー、アレグロ　インフォメーション・インク(以下アレグロ)による、中国のエレクトロニクス・半導体・液晶分野のマーケット情報です。アレグロは、同社独自の調査及び、中国国家統計局、CCID、中国電子報、経済参考報、国際金融報などから得たフレッシュな情報をベースに、特に中国のIT、エレクトロニクス、半導体・液晶関連の情報収集・提供、分析、調査を行っています。今回、提供したのは、同社の月刊レポート「中国レポート：Electronics and Semiconductor China」の2006年12月号からの一部抜粋です。