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中国の半導体ICは減速するも内需拡大策の振興で、携帯電話・TV・自動車に期待

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中国のIC産業が世界同時不況の影響を受け、2008年の伸び率は5%にとどまり、2007年の24.3%から大幅に低下している。2009年も4%前後の伸びと予測されている。中国は国家を上げて内需拡大を推進してきているが、半導体ICは世界の工場として生産してきたものが多いため、どちらかといえばICを使う最終セットもこれまで輸出志向であったため、ICの輸出分と、中国国内で消費するICでさえセットを輸出するという産業構造から、世界恐慌の影響を受けているという訳だ。

中国集積回路生産実績と予測


中国の2009年の成長率4%は、設計産業は7%と伸びるものの、チップ製造とアセンブリ、テストが2008年と同様悪く、2009年も足を引っ張る形になり、4%という伸びの予想になった。

半導体ICの中国市場での明るい話題は、政府が指導する「家電下郷」政策。これまで発展してきた沿岸部から農村部にも家電を行き渡らせようという運動だ。直近では、旧正月前の1月25日〜31日の1週間で小売売上が3兆8000億円と、対前年比で13.8%伸びたと政府商務部が発表した。その家電で期待できる製品は、携帯電話とテレビであろう。


携帯電話では2つの動きがある。一つは、3Gへの移行だ。中国では3つの方式で電話サービスを行う。世界標準の2つの方式、W-CDMA、CDMA2000 1xと、中国独自の方式TDS-CDMAである。それぞれのキャリヤ(通信オペレータ業者)が決まった。2009年から2010年にかけて2年間の3Gへの総投資額は4兆4800億円になると見込まれている。


中国携帯電話生産実績と予測


もう一つの動きは「山寨機(サンサイキ)」と呼ばれる性能も機能も全く同じのコピーブランドの携帯電話である。性能や機能が劣っている偽物商品ではないため、価格が安い分、人気があるとしている。これは台湾のファブレスメーカーが販売している携帯電話向けのICチップを使っており、それを本物ブランドの携帯電話機メーカーも「山寨機」携帯電話機メーカーもともに使っているためだと言われている。

中国のテレビは、CRTからフラットパネルTVへとシフトしつつある。2009年の旧正月商戦において、中国ブランドの32インチの液晶テレビの販売価格は4万円、42インチだと8万円、52インチになると13万6000円と下がってきた。今CRTテレビの視聴世帯は4億世帯いるという。これから、「家電下郷」政策による効果が表れ、薄型テレビへのシフトが起きると見られている。ただし、テレビは携帯電話機に比べ商品寿命が長いため、「山寨機」コピーブランド機は流行らないと見られている。


中国液晶TV生産実績と予測


「家電下郷」政策以外の動きでは、自動車市場の内需拡大がある。2008年には、中国の自動車生産台数は5.21%増の934.51万台、販売台数は938.05万台となっている。2009年は1000万台前後になると見られており、自動車エレクトロニクス市場が半導体の大きな市場になると見込まれる。


セミコンダクタポータルのコンテンツパートナー、アレグロ インフォメーション・インク(以下アレグロ)による、中国のエレクトロニクス・半導体・液晶分野のマーケット情報です。アレグロは、同社独自の調査及び、中国国家統計局、CCID、中国電子報、経済参考報、国際金融報などから得たフレッシュな情報をベースに、特に中国のIT、エレクトロニクス、半導体・液晶関連の情報収集・提供、分析、調査を行っています。今回、提供したのは、同社の月刊レポート「中国レポート:Electronics and Semiconductor China」の2009年2月号からの一部抜粋です。


(2009/03/05 セミコンポータル編集室)

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