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ファウンドリランキング、中国企業が3社もトップテンに加わる

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半導体産業は例年クリスマスシーズンの第4四半期に1年のピークが来て、翌年の第1四半期は落ちる産業だが、今年のファウンドリ業界は落ちずにむしろ8.2%高まった。TSMCは相変わらず過半数の市場シェアを握る「巨人」だが、第1四半期では中国勢の健闘が目立った。SMIC、HuaHongに次ぐNexchipがTowerを抜き第9位にランクインしたのだ。

Table1: Top TEn Global Foundry Revenue Ranking 1Q22 (Unit: US$1 Million) / TrendForce

表1 2022年第1四半期におけるファウンドリのトップテンランキング 出典:TrendForce


Nexchipは、台湾のDRAMメーカー、Powerchip Technologyと中国の合肥市建設投資との合弁のファウンドリメーカー。NexchipがTower Semiconductorを抜き去り9位に入ったため、ファウンドリメーカートップ10社のうちの4社が台湾、3社が中国、米国2社、韓国1社という市場構成になった。特に今回のランキングで注目されるのは、中国勢の伸び率だ。中国ファウンドリの老舗SMICは16.6%の15.8億ドル、6位のHuaHongは20.8%成長の8.64億ドル、Nexchipは26.0%増の3.52億ドルと成長してきている。

7nmノードや5nmノードといった微細化の行き着くところまで携わっている企業はTSMCと2位のSamsungだけ。残り全てのファウンドリ企業は22nm以上のノードのプロセスを手掛けている。何も3nmや2nmだけが技術ではないし、しかも実際のチップ上の寸法は10nmを超えており、TSMCでの最小の実寸法は15nm前後のようだ。

1位のTSMCは、前四半期比11.3%増の175.3億ドルと市場シェアを53.7%に伸ばしたが、2位のSamsungは唯一マイナス成長で、同3.9%減の53.3億ドルにとどまった。システムLSIとCMOSイメージセンサ(CIS)、ディスプレイドライバIC(DDIC)がテレビやスマートフォン市場がクリスマス商戦で一段落したためとしている。微細化をそれほど追求しない3位のUMCは、ウェーハ価格を上げたことで、6.6%増の22.6億ドルになった。UMCの工場建設によるライン増設の効果はまだ現れていない。

4位のGlobalFoundriesもUMCと同様、ウェーハ単価の値上げにより、5.0%増の19.4億ドルになった。GFは、メイドインアメリカのファウンドリとして、宇宙航空防衛の分野で期待されており、特に45nmSOIプロセス製品を米国政府向けに2023年初めには出してくるという。

5位のSMICは、生産ラインの立ち上げがスムーズにいったことでウェーハ出荷量が増え、売り上げ成長につながったという。同時に民生用のPMICやLED向けDDIC、産業向けのPMICやマイコンなどは供給不足が続いており、売上額を押し上げた。

中国はディスプレイの一大生産地となっており、DDICは中国市場での要求が強い。DDICは0.1〜0.2µmあるいは90mで生産されることが多く、中国でも製造できる。

2022年第1四半期における上位10社の売上額合計が前四半期比8.2%増の319億5700万ドル(約4.1兆円)となっている。いつまでたっても日本からはファウンドリビジネスが生まれてこない。

(2022/06/21)

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