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シリコンウェーハ面積の頭打ちの傾向だが、半導体製品販売額は上昇続く

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2022年第1四半期(Q1)におけるシリコンウェーハの出荷面積が前年同期比10%増の過去最高となる36億7900万平方インチに達した、とSEMIが発表した。これはSEMIのSMG(Silicon Manufacturers Group)が発表したもの。前四半期比でも1%上昇している。このシリコンウェーハは研磨前、研磨後、エピタキシャル用の全てを含んでいる。

図1 シリコンウェーハの出荷面積(青)と世界半導体売上額(緑)の推移 出典:SEMIとWSTSの数字をセミコンポータルがグラフ化

図1 シリコンウェーハの出荷面積(青)と世界半導体売上額(緑)の推移 出典:SEMIとWSTSの数字をセミコンポータルがグラフ化


シリコンウェーハの出荷面積はそのまま半導体チップの個数と関係があり、半導体チップの要求をほぼ示していると考えてよい。ただし、半導体チップが出荷されるのは、シリコンウェーハが出荷されてから少なくとも3〜4ヵ月先になる。

半導体チップ製品は、自動車メーカーがすでに3ヵ月程度在庫を持っているようだが、それでもクルマメーカーはまだ足りないとしている。これはクルマの新しい需要、例えばEV(電気自動車)向けにインバータだけではなく、オンボードチャージャー回路やDC-DCコンバータ、BMS(バッテリ制御システム)などの新たな需要が生まれたこととも関係する。従来のクルマの生産ライン向け製品に加えて、これらの回路に使う半導体はクルマメーカーではなくティア1サプライヤーに納入されるものであり、これからOEMであるクルマメーカーに納めることになる。これらの半導体は、需要の拡大が期待される製品である。半導体ユーザーは、チップを手元に準備してくことが、次の半導体不足に対処すると考えているように見える。

一部では、2021年第4四半期には車載用半導体の在庫3ヵ月分を確保したことで、半導体不足は間もなく解消すると見られていた。しかし、車載以外の分野での半導体はまだ不足しているようで、WSTS(世界半導体市場統計)の2022年第1四半期の販売額の数字は、2021年第4四半期よりもいまだに4.3%も多い。ウェーハ面積はそろそろ頭打ちの傾向を示しており、3〜4ヵ月先にならないと結論めいたことは言えそうもない。

参考資料
1. "Worldwide silicon wafer area shipments edge higher to new records in first quarter of 2022, SEMI reports", SEMI (2022/05/02)
2. 「シリコンウェーハの出荷面積は5%増加するも売り上げは横ばい」、セミコンポータル (2021/02/05)

(2022/05/10)

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