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NANDフラッシュの2022年設備投資は過去最高へ、200層争いに突入

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2022年のNANDフラッシュメモリの設備投資額は過去最高の299億ドルになる見込みだ。このような見通しを発表したのは、市場調査会社のIC Insights(参考資料1)。2017〜18年のメモリバブルの時期でもDRAM投資よりもNAND投資の方が多かった。高集積化のための3次元多層化への新投資が求められたからだ。今回はなぜか。

Flash Memory Capital Spending / IC Insights

図1 フラッシュメモリの設備投資の推移 出典: IC Insights


2021年のNANDフラッシュの投資は前年比13%増の277億ドルだった。この数字はメモリバブルの2018年の278億ドルに迫るものであったが、超えてはいなかった。2022年の299億ドルはこれまで最高だった2018年を抜き去るほどのレベルとなっている。これはNANDフラッシュの最高値だった278億ドルよりも21億ドル、あるいは7.6%多いことになる。また、IC全体の投資額見込である1904億ドル(参考資料2)の16%にもあたる。

具体的にはどのような工場に投資されるのだろうか。IC Insightsは、主な工場としてSamsungの平澤工場のライン1と2(ただしこのラインはDRAMとファウンドリにも振り向けられている)、および中国西安工場のフェーズ2への投資、さらにキオクシアの第6棟、さらに岩手工場のK1棟への投資だという。さらに、シンガポールにあるMicronのNAND工場、SK HynixのM15棟の残りのスペースにも設備を揃えるという。

こういった新規の投資は、これまでの176層を超えて、200層以上の多層化による投資だとしている。200層以上のNANDフラッシュの生産が始まるのは2022年末か2023年になりそうだ。特にSamsungとMicronが今年末には200層以上の量産が始まると見ている。両社およびSK Hynixも176層NANDを量産している。特にMicronは176層のNANDフラッシュを使ったSSDも販売している。

Samsungの西安工場は今後NANDフラッシュの最先端技術を使う主力工場となりそうだ。ここには二つの工場があり、生産能力は最大12万枚/月になるとしている。SK Hynixは2023年に196層へシフトすると見られている。

参考資料
1. "2022 Flash Memory CapEx Expected to Reach $29.9B; Set New High", IC Insights News (2022/03/15)
2. 「2022年の半導体設備投資は前年比24%増の21兆円を超える見通し」、セミコンポータル (2022/03/02)

(2022/03/16)

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