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WSTS、2021年の世界半導体市場が50兆円を軽く突破の20%成長と予測

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2021年の世界の半導体市場は前年比19.7%増の5272億ドル(約57兆5000億円)になりそうだ、とWSTS(世界半導体市場統計)が予測を発表した。その内、日本市場はわずか7.8%の411億ドルとなり、日本には半導体を使う電子機器メーカーが圧倒的に少ないことを示している。WSTSの市場は、チップを第三者に渡す場所、と定義している。

世界地域別市場予測 グラフ

図1 今年の半導体は20%成長とWSTSが予測 出典:WSTS


表1 2021年と2022年の世界半導体市場の地域別予測 出典:WSTS

世界地域別市場予測 表


半導体を使って電子機器を組み立てているユーザー企業はアジア太平洋地区(日本を除く)が圧倒的に多く、63%を占める。その次が米国の20%、と続く。つまり今さらながら、米国は電子機器を生産する製造大国の一つなのである。半導体を使って他社の製品と差別化し、優位に立つことのできる国である。

では、今年伸びそうな製品は何か。もちろんICで(表2)、それもメモリである(表3)。
ICの次はセンサである。ここでのセンサにはイメージセンサやディスプレイなど光を使うものは含まずMEMSなどを利用した素子と定義している。イメージセンサはオプトエレクトロニクスに分類されている。


表2 製品別の市場予測 ICとそれ以外で分けている。センサには光素子を含まない 出典:WSTS

世界製品別市場予測 表


表3 製品別の市場予測 ICをアナログ、マイクロ、ロジック、メモリと分けている 出典:WSTS

世界のIC 製品別市場予測 表


ICの中で期待されているメモリは、31.7%増の1548億ドルと最も大きい。この中の大半がDRAMとNANDフラッシュである。最も伸びの少ない製品がマイクロの8.1%成長でその金額は753億ドル。マイクロにはマイクロプロセッサとマイクロコントローラ(マイコン)を含む。WSTSの定義では、組み込み系のプロセッサやスマホに搭載されているアプリケーションプロセッサや、GPUなどはロジックに分類されており、マイクロの仲間ではない。

IC以外の中で最も伸びの大きいセンサのほとんどがMEMSを利用したセンサであり、22.4%増の183億ドルに達している。6年前の2倍以上の伸びを示しており、今後もこれまで以上に伸びが期待されている。特にデジタルトランスフォーメーションに欠かせないからである。センサには必ずと言ってよいくらい、アナログ回路が必要であり、アナログICも21.7%増の677億ドルと着実に伸びている。

WSTSは、新型コロナの影響で、在宅時間が増え、パソコンやタブレットなどの需要が高まり、また5Gスマートフォンの比率も高まっているためとしている。それに伴い、インターネットの通信トラフィック量が増え、クラウド設備需要も高まっていることもプラスに働いていると見ている。2022年は8.8%増の着実な成長と予測している。

(2021/06/09)

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