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2020年上半期の世界半導体トップテン

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2020年上半期の世界半導体トップテンランキングが発表された。米国の市場調査会社のIC Insightsが発表したもので(参考資料1)、1位から7位までの順位は2019年前半のランキングと変わらない。1位のIntelは前年同期比22%成長、2位のSamsungは同12%成長にとどまり、その差が開いた。最大の躍進は、華為科技の半導体子会社であるHiSiliconが10位に入ったこと。また、日本勢と欧州勢がトップテンから姿を消した。

表1 2020年上半期の世界半導体トップテンランキング 出典:IC Insights

1H20 Top 10 Semiconductor Sales Leaders ($M, Including Foundries)


HiSiliconは同49%増の大躍進で、前年上期の16位から10位に入り、Infineonを圏外に落とした。中国の半導体メーカーがファウンドリも含めてトップテンに入ったのはこれが初めて。また、唯一の日本勢だったキオクシアも消えた。

HiSiliconの製品の90%が社内向け(captive market)で、華為のアプリケーションプロセッサとモデムの入手が9月まで、と限られているため、大量に作り溜めしているためだと見られている。というのは、米国政府が、米国製半導体製造装置を使ってチップの製造を受注できるのは今年の5月までで、生産できるのが9月まで、と決めたからだ。華為はそれまでの間、可能な限りTSMCで製造してもらうことを決めている。作り溜めである以上、HiSiliconがこの順位に留まることはないだろうとIC Insightsは見ている。

7nmという最先端プロセスでHiSiliconのアプリケーションプロセッサICを製造できるのは9月までで、それ以降、華為はSMICの14/16nm製造ラインに期待する、あるいはある程度の規模までMediaTekやQualcommのチップを使う、などの手段しか使えなくなる。

ファウンドリのTSMCは、「HiSilicon特需」のため、前年同期比40%増という高成長を遂げた。TSMCの第2四半期の決算資料(参考資料2)によると、7nmプロセスは売上額の36%を占めている。7nmプロセスの大口ユーザーはHiSiliconとAppleであるため、この一つが抜けるとTSMCの売上額に大きく影響する。

IC Insightsのトップテンランキングにはファウンドリも含めているが、ファウンドリを半導体企業とみなさない調査会社もある。というのは、ファウンドリの売り上げは半導体メーカーのコストであり、トップテンメーカーを合計しても半導体市場を表さないためだ。このため、もしTSMCを除くと10位にInfineonが入ることになる。


参考資料
1. China-Based HiSilicon's Time in the Top-10 Ranking May be Short Lived (2020/08/11)
2. TSMC 2020 Secnd Quarter Earnings Conference (2020/07/16)

(2020/08/14)

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