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半導体製造装置の伸びはゆっくりだが、着実に成長へ

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日本製および北米製の半導体製造装置の2020年5月における販売額が発表された。それぞれ前年同月比16.2%増の2054億5900万円、同13.1%増の23億4640万ドルと1年前よりも2桁成長している。これらはいずれも3カ月の移動平均値で表している。

図1 日本製および北米製の半導体製造装置販売額の推移

図1 日本製および北米製の半導体製造装置販売額の推移


直近の前月比で比べると、日本製は1.3%減だが、北米製は2.9%増となっており、いずれも前月から大きく変化したというわけではない。SEMI会長のAjit Manocha氏は、「新型コロナウイルスという向かい風を受けて短期的にマクロ経済状況に制限されたように見えたものの、北米製の半導体製造装置メーカーは半導体産業の長期的な回復力を示し続けている」と表現している。

グラフでは前月比で停まっているように見えるが、長期的には順調に回復している様子を映している、と見てよいだろう。ゆっくりであるが、着実に上昇している。中国向けの半導体製造装置は制限されるものの、台湾、韓国、そして米国での半導体製造が期待されており、それにつれて製造装置市場も期待されるだろう。半導体製造の中でもリソグラフィ装置そのものはオランダのASMLが強いが、それ以外は日本と北米が強い。

中国における半導体製造の進展はどうか。半導体製造を中国政府が呼びかけているが、中国では学生が半導体メーカーに就職せず、アリババやテンセントなどインターネットサービス企業に集まるとSEMI Chinaの代表Lung Chu氏は筆者に語っている。政府が意図するように多くの人材を集めることができず、露骨に外国から人材を集め、特に台湾から3000人が中国に渡ったという報道もある。しかしこれでも不足しており、中国内で人を育てることがかなり難しいようだ。中国では簡単に金儲けできるビジネスに飛びつく傾向が強いからだ。中国国内での半導体人材の確保が、製造2025の最大の問題のようだ。

参考資料
1. 半導体製造装置は日本製、北米製とも順調に回復 (2020/05/27)

(2020/06/23)

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