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サーバー市場、台数は17%増だが、売上額は33%増

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2018年第1四半期のサーバーの出荷台数が前年同期比17.3%増の305万2091台、売上額は33.4%増の166億9249万ドルとなった、とGartnerが発表した。売上額第1位は米Dell EMCの35億9392万ドルで51.4%増、以下2位米HPE、3位中国Inspur Electronics、4位中国Lenovo、5位米IBMと続く。

表1 2018年第1四半期のサーバーの売上額トップ5社 出典:Gartner

表1 2018年第1四半期のサーバーの売上額トップ5社 出典:Gartner


1年前はHPEがトップを占めていたが、売り上げで逆転を許した。台数でもDell EMCが19.1%増の55万5792台に対して、HPEは8.5%減の40万958台に減らした。それでもHPEの売り上げは10.4%増となっていた。サーバー市場全体でも、売り上げは33.4%増の166億9249万ドルと増えたが、台数ベースでは17.3%増の305万2091台にとどまっている。伸びが最も大きかったのは、中国のInspur Electronics(旧名は浪潮)で、台数は43.9%伸びたが、売上額は120.4%と2倍以上も伸びた。

このからくりは、DRAM単価の値上がりによる。DRAMが値上がりしてもサーバーはデータセンターにとっては欠かせないからだ。これに対して、スマートフォンはDRAMの値上げに対して価格を値上げすると台数はほとんど増えなかった。消費者が買い控えたからだ。

Gartnerによると、サーバーは大規模なデータセンターから企業のオンプレミス、中規模のデータセンターに至るまで、手広く増えた。クラウド用のサーバーはもちろん、地政学的なリスクに備えたコロケーションとしてのサーバーも増えたとみている。この結果、スマホと違ってサーバーは台数ベースでも2桁成長した。

サーバー市場は、地域的な違いがかなり大きい。中でも日本だけが大きく落ち込んでいる。売上額では北米が34%増、日本を除くアジア太平洋地域は47.8%増、欧州アフリカを含むEMEA地域では32.1%増、ラテンアメリカ(中南米)が19.2%増、と軒並み2桁成長を遂げているのに対して、日本だけが5.0%減と落ち込んでいる。ただし、台数ベースでは地域でバラついており、北米は24.3%増、アジア太平洋21.9%増、EMEAが2.7%増、ラテンアメリカは1.8%減、日本は7.3%減となっている。

日本はDRAMが値上げしたからと言って、サーバーの価格はそれほど値上げしなかったために、売り上げもマイナス成長となった。世界の他の地域は全て、DRAMの値上げに対してサーバーも値上げしたためプラス成長し、日本だけが沈む結果になったと言えそうだ。サーバー市場として日本しか見ていないと世界から取り残されてしまうことを表している。

(2018/06/27)

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