セミコンポータル
半導体・FPD・液晶・製造装置・材料・設計のポータルサイト
セミコンポータル

TSMCの独占続く、2017年のファウンドリランキング

|

ファウンドリビジネスの巨人TSMCは2017年、第2位のGlobalFoundriesとは売上額で5倍以上の開きがある。米市場調査会社のIC Insightsが発表した、ファウンドリビジネス世界のトップ8社におけるデータである。TSMCのファウンドリ市場シェアは51.6%にも達する。

表1 2017年の世界ファウンドリランキング 出典:IC Insights

表1 2017年の世界ファウンドリランキング 出典:IC Insights


この上位8社とは、ファウンドリビジネスで売上額が10億ドルを超える企業のみが8社として定義している。第1位のTSMCは2位のGFに対して260億ドル以上の差をつけており、TSMCだけでファウンドリビジネス全体623億ドルに対して51.6%もの市場シェアを取っている。まさに独占的な地位であるが、この上位8社を合計したシェアは88%もあり、10億ドルに達しないファウンドリはランキング外となる。

この上位8社の中で最も高い伸びを示したのは、中国の華虹集団(Huahong Group:華虹半導体と上海華力微電子を含む)で、18%という伸びを示した。2017年の半導体ビジネスはメモリが60%以上というバブル的な伸びを示したが、メモリ以外の半導体の成長率は10%程度にとどまっている。とはいえ、ファウンドリ全体の成長率は8%だが、このトップ8社になかで2桁成長したところは、4社もあるわけだから、ファウンドリビジネスはまずまずの出来だと言える。

ファウンドリ8社の内、7社がファウンドリ専門で、IDMと兼ねているのはSamsungのみだ。かつてはIBMや富士通のようにIDMながらフォウンドリも兼ねているところがいくつかあったが、全て業績が悪かった。IBMはGFに取り込まれた。現在、ファウンドリを手掛けるIDMは、富士通とIntelが代表的だが、いずれも10億ドルには達しない。Intelは、ファウンドリの最大の顧客であったAlteraを買収し組み入れたため、ファウンドリ事業は極めて小さくなった。

先端的なファウンドリは、TSMCとSamsungの2社しかいないが、両社は10nm、7nmプロセスをめぐって顧客獲得で激しく争っている。AppleのiPhone/iPad用のアプリケーションプロセッサはかつてSamsungにファウンドリを依頼していたが、AppleとSamsungはスマートフォンでは激しく争っているため、AppleはSamsung以外のファウンドリを使いたかった。TSMCが満足できる供給になるまで数年かかったが、それ以来TSMCがAppleのプロセッサを製造している。一方のSamsungはTSMCに顧客を取られたことで、売上額が落ちるはずだったが、Qualcommから10nm FinFETプロセスのSnapdragon 835の注文を受けることができるようになった。このため2017年の成長率は4%にとどめることができた。これがなければSamsungのファウンドリはマイナス成長になるところだった。

Samsungは微細化ではファウンドリ工場に7nmの大きな投資をしており、Qualcommという顧客をしっかり握っている。

(2018/04/27)

月別アーカイブ

Copyright(C)2001-2024 Semiconductor Portal Inc., All Rights Reserved.