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最後にIHSからの2017年世界半導体ランキング

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調査会社による世界の半導体トップ10社ランキングがIHS Markitからも発表になった。これにより、2017年11月のIC Insights(参考資料1)、今年1月はじめのGartner(参考資料2)、GSA(参考資料3)に続き、各社から出そろう格好になった。

表1 IHSによる2017年世界半導体ランキング 出典:IHS Markit

表1 IHSによる2017年世界半導体ランキング 出典:IHS Markit


表2 GSAによる2017年世界半導体ランキング 出典:GSA

表2 GSAによる2017年世界半導体ランキング 出典:GSA


IHSもGSAも共に、メモリメーカーの大幅な売り上げを示している点はこれまでと大きな差はない。最も大きな伸びを見せたのはSK Hynixの81.2%、次がMicronの79.7%、そしてSamsungの53.6%となっている。GSAの2017年全体の数字では、若干相違はあるものの、SK Hynixは89.4%、Micronが77.9%、そしてSamsungが63.8%となっている。東芝は残念ながらIHSで19.8%、GSAでは28.5%にとどまっている。

SK、Micron、Samsung共DRAMとNANDフラッシュの両方を手掛けており、需給を見ながらDRAMを増やしたりNANDフラッシュを増やしたりしているが、東芝はNANDフラッシュしかないため、調整のしようがない。IHSはさらに、2017年はDRAMが76.7%伸びたのに対して、NANDフラッシュは46.6%増にとどまったと分析している。メモリ全体では60.8%成長した。このような中で東芝のメモリ部門は19.8%にとどまったのは、やはり経営陣のゴタゴタとそれに伴う投資判断の遅れが響いたのであろう。Samsungとの差が大きく開いたからだ。

いずれのランキング調査も細かい部分では数字が合っていないが、これは集計している企業の数によるところが大きい。例えば、WSTSの集計ではIntelやQualcomm、AMDなどは会員になっていないため、彼らの数字は推定したものである。WSTSに加盟する企業は43社。市場調査会社は対象とする企業の数を明らかにしていないが、GSAには半導体企業会員は118社の名前を連ねている。GSAはグローバル半導体協会の略であり、会員としては、半導体企業、サプライヤーパートナー、サービスパートナー、インダストリパートナー、政府関係研究機関・協会などがいる。今回の数字は半導体企業だけを対象としたもの。

また、IC Insightsは11月時点でランキングを発表しており、その時点での半導体各社の実績見通しをベースにしているため、見込みとはいえ大きく違うことはない。ただし、企業のどの部門を半導体売り上げとするかは、調査機関の扱いによる。例えばQualcommはチップ設計ビジネスとライセンスビジネス部門があり、チップ設計ビジネスだけを取り出している統計は数字が小さく、ライセンスビジネスも加えている統計は数字が大きい。

いずれの調査機関も対象とする企業数、売上額などが微妙に違うため、数字の絶対値を議論してもほとんど意味がないことに注意すべきである。

参考資料
1. 2017年世界半導体のトップはSamsungに (2017/11/21)
2. 2017年の世界半導体は22.2%増の4197億ドル−Gartner調べ (2018/01/17)
3. 直近の世界半導体ランキング、メモリメーカーが躍進 (2018/03/20)

(2018/03/30)

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