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Inotera事故で半導体供給不足はさらに加速

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2017年5月の世界半導体販売額は、3カ月の移動平均値で前年同月比22.6%だとSIA(米半導体工業会)が発表した(参考資料1)が、5月単月の数字がWSTSから発表された。それによると、前年同月比23.8%増の316.2億ドルと単月で3カ月連続300億ドルを超えた。好調さは持続するようだ。

図1 世界半導体販売額の前年との差の推移 出典:WSTSの数字をセミコンポータルが加工したもの

図1 世界半導体販売額の前年との差の推移 出典:WSTSの数字をセミコンポータルが加工したもの


図1は、毎月の単独の販売額を前年同月の販売額との差額を表したものである。プラスに向いているかマイナスに向いているかを示したもので、プラスの振れ幅が大きいほど大きく成長していることを示す。わずかな景気の気配を見たいときは、3カ月移動平均ではなく単月の数字の方が見やすい。3カ月の移動平均は過去の大きな波を見る場合には優れているが、これからの動きを見るには情報が古すぎることになる。過去3カ月の平均値をとった値だからだ。

未来を知るためには、多少の凸凹や季節変動があることを考慮に入れた上で、単月の方が望ましい。過去を引きずらないからだ。さらに図1で差を取ったのは、比では変化が小さすぎるほど、半導体産業のグロスが大きくなったため、変化を見づらくなっているためだ。

図1の5月の販売差額を見る限り、半導体市況は依然上向いている。そろそろ頭打ちかと4月時点では思えたが、まだ力強い成長がみられる。季節的には四半期の期末、すなわち3月、6月、9月、12月にピークが来る傾向はある。このため、3月が大きく伸びた後の4月、5月はやや落ちるのが通常の季節的な数字となる。しかし、5月は落ちていないどころか、伸びたため、半導体景気はまだ頭打ちに来ていないといえそうだ。

さらに、台湾のDRAMメーカーInotera(Micron Technology Taiwan)が工場Fab-2ラインで、トラブルを起こし生産を停止していることもDRAM供給不足を加速する。Fab-2では窒素ガスの供給システムが誤動作し、工場内のウェーハや装置を汚染させてしまったという。Inoteraはこの結果、6万枚/月を失った。これまで12.5万枚/月を生産していただけに、7月には世界のDRAM生産の少なくとも5.5%分が不足すると見られている。DRAM価格は上がり気味になる。

また台湾系の市場調査会社TrendForce(参考資料2)によると、Inoteraはパソコン、サーバー、モバイル向けにそれぞれ生産しているが、モバイル向けのMicron LPDDR4は特にAppleのiPhoneに使われている。このためiPhoneの出荷にも影響を及ぼす可能性がある。

今回の半導体景気を支える2大要因(DRAMとNANDフラッシュ)のうちのDRAMがさらに供給不足になるため、半導体チップへの需要は当分減りそうにない。

参考資料
1. Global Semiconductor Sales Increase 22.6 Percent Year-To-Year in May (2017/07/03)
2. Suspension of Inotera’s Fab Disrupts DRAM Market; TrendForce Forecasts 5.5% Reduction in Glovbal Production Capacity in July and Futher Price Increases (2017/07/05)


(2017/07/11)

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