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好調、日本製の半導体製造装置、海外半導体の設備投資意欲高い

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半導体製造装置市場は、海外半導体メーカーのポジティブな設備投資意欲が表明され、好調に推移している。SEAJ(日本半導体製造装置協会)が発表した、2016年1月の製造装置の受注額は3ヵ月連続増加し1186億7100万円、販売額はまだ追いつかない880億4400万円、そのB/Bレシオは1.35となった。

図1 日本製半導体製造装置の受注額・販売額・B/Bレシオ 出典:SEAJ

図1 日本製半導体製造装置の受注額・販売額・B/Bレシオ 出典:SEAJ


2015年10月を底として、日本製半導体製造装置は3ヵ月連続のプラス成長となった。SEAJの数字は全て3ヵ月の移動平均であるから、現時点は好調であるといえる。

B/Bレシオだけで景気の判断はできないが、受注額・販売額も絡めて、総合判断が必要である。しかし、受注額と販売額のかい離が激しいと、景況判断はさらに難しくなる。日本製のFPD(フラットパネルディスプレイ)製造装置は、1年くらい受注額が販売額を大きく離してきて、B/Bレシオは1.00を大きく上回っていた(図2)。しかし、これも景況を表す実態とはずいぶん違っていた。


図2 日本製FPD製造装置の受注額・販売額・B/Bレシオ 出典:SEAJ

図2 日本製FPD製造装置の受注額・販売額・B/Bレシオ 出典:SEAJ


筆者は少々恥ずかしいのであるが、FPD製造装置における受注額と販売額とのかい離の原因が最近ようやくわかった。スマートフォンの飽和傾向、パソコン市場の低迷、テレビの投げ売りなどにより、ディスプレイはそれほど良い景況ではないはず。にもかかわらず、液晶や有機ELなどのフラットパネルディスプレイの製造装置の受注額が大きすぎ、販売額と大きくかい離している。B/Bレシオは1.70〜1.80を中心に推移していた。

FPDの生産は、日本のジャパンディスプレイやシャープなどにおいて好調に推移しているとはとても思われない。また、韓国のSamsungやLGもFPDの生産を抑え気味だ。唯一、中国だけが生産を進めていた。しかし、最近わかったことだが、中国ではテレビもモニターもディスプレイは在庫の山だという。やはり中国は共産主義の国だ。共産中国が市場の声を聞かずに生産してきたことは、今に始まったことではない。中国だけが液晶ディスプレイを作っていることに、製造装置メーカーは躊躇していたのである。賢明な選択だといえる。だからこそ今、FPD製造装置のB/Bレシオは景況を全く表していない。

参考資料
1. 日本製半導体製造装置の回復は本物 (2016/01/21)

(2016/02/23)

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