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NANDフラッシュ、東芝とSamsungの差、再び縮まる

2014年第3四半期(7〜9月期)におけるNANDフラッシュ全体の売上額は、前四半期比12.2%増の85億8000万ドルに達した。トップSamsungと2位東芝との市場シェアは、前四半期の10.3%差から、7.1%差へと縮まった。NANDフラッシュ市場の成長はiPhone 6がけん引した。

表1 NANDフラッシュの上位6社ランキング 出典:TrendForce

表1 NANDフラッシュの上位6社ランキング 出典:TrendForce


これは、台湾に本拠を置く市場調査会社TrendForce社が発表したもの。同社は第4四半期も引き続き強い需要を保つだろうと見ている。以下、TrendForceの各社の生産量、売り上げに対する見方を紹介する。

SamsungではNANDフラッシュのビット容量出荷量が前四半期比10%増えた。単価がわずかに低下したため、売上額はやや低い8.2%増となった。Samsungは高集積eMMCとeMCP市場で増加し続ける。企業向けSSDは、安定している。この第4四半期にはビット成長率は同じく10%をキープ、2014年通年ではNANDフラッシュ業界全体の40〜45%成長よりは高いだろう。2015年には中国の西安工場におけるV-NAND SSD生産能力が増えるだろう。

東芝の売り上げは前四半期比23.7%と大きく成長した。戦略的顧客(編集室ではAppleと見ている)の堅調な需要とOEM側の在庫積み増しが増えるだろう。クライアント向けSSDと中国スマホ向けNANDフラッシュの競争が過熱しているものの、市場シェアは維持するだろう。15nm製品の比率がさらに増え、TLCベースの製品が増えると東芝のコスト構造がさらに改善され、安定した利益を確保できるだろう。

SanDiskの売り上げは同6.5%成長し、ビット容量成長率は9%になった。需給バランスをうまく保ったため、製品単価の値下がりはわずか3%に抑えられた。第2四半期から主流となった1y nm製品の比率が60%になり、次の15nm製品は2015年第1四半期に生産開始されるだろう。

SK Hynixも同21.7%成長の売り上げを達成し、2期連続20%以上の成長を示した。この第3四半期のビット成長率は26%で平均単価の下落は2%にとどまった。第4四半期もビット成長率は25%成長と見ている。

(2014/11/11)
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