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世界の半導体16カ月連続成長、9月は過去最高額300億ドルを突破しそう

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WSTS(世界半導体市場統計)の9月期の発表はまだないが、8月までの数字を見ている限り(図1)、9月は単月で過去最高の300億ドルを突破することは間違いないだろう。この8月までの世界の半導体売上額は、対前年同月比16カ月連続プラス成長で推移しており、9月が落ちるという兆候はいまの所見られないからだ。

図1 世界半導体出荷額の推移 3、6、9、12月にピークが来る 出典:WSTSのデータを元にセミコンポータルが加工

図1 世界半導体出荷額の推移 3、6、9、12月にピークが来る 出典:WSTSのデータを元にセミコンポータルが加工


9月、AppleがiPhone 6を発売して以来、iPhone 6に使われている各種の半導体の出荷量が増えている。むしろ9月はプラス要因こそあれ、大きなマイナス要因が見つからないからだ。強いて挙げれば、中国におけるスマートフォンの出荷台数がこの第3四半期は第2四半期よりも減少している点くらいだろう。

実は中国でさえ、iPhone 6を待望している。先日のEuroAsia 2014 Octoberに参加した中国の記者が、筆者の持っているiPhone 6を見て、「どこで買ったの?すぐに買いに行きたい」と言った。その記者は筆者が米国で買ったと勘違いしていた。スマホを使ったものであれば誰でもそうだが、ローエンド機種に逆戻りはできない。ローエンド機種を持っているものはハイエンドを欲しくなるものだ。現実にローエンド製品が売れ続けているという話はほとんど聞かない。

半導体を牽引しているのはやはりスマホであり、iPhone 6が発売されてわずか3日間で1000万台を突破したと言われている。アプリケーションプロセッサA8に加え、さまざまなセンサ信号を認識し、それを意味のある動作に変換するセンサ信号処理用のコプロセッサM8、さらにセンサ半導体そのものやタッチコントローラなど様々な半導体が搭載されている。実装基板の面積はますます小さくなり、その分電池の面積が大きくなり、バッテリ動作時間を確保している。

年間、億単位の数量が出るスマホ市場はやはり半導体の出荷量の最も多い分野である。中国市場が目まぐるしく順位が変わりつつあり、華為やZTEなど従来のスマホメーカーだけに依存しているとリスクは大きい。直近では、中国ではレノボや小米科技が伸びており、華為やZTEにやや陰りが見える。ここにiPhone 6が導入されると状況はさらに大きく変わりそうだ。中国ではもはや低機能、低価格ではない。高機能かつ納得のいく価格に代わっている。小米のスマホにはQualcommの最新チップが使われ、機能も先進国のスマホ並みだ。

例年なら、第3四半期の売り上げが最も大きく、第4四半期はやや落ちる傾向があるが、今年は第4四半期も伸びると見られている。2014年は史上最高の金額を記録することは間違いないだろう。

(2014/10/21)

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