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半導体製造装置は4月増税による駆け込み需要?ならば検収とは何?

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日本半導体製造装置協会(SEAJ)が発表した、3月の受注額は1183億6500万円、販売額が1440億4500万円、BBレシオは0.82となった。販売額が異常に増加し、BBレシオが景気の目安となる1.0を割った。これをどう分析するか。

図1 日本製半導体製造装置の受注額・販売額・BBレシオ 出典:SEAJ

図1 日本製半導体製造装置の受注額・販売額・BBレシオ 出典:SEAJ


受注額は今年の1月から順調に増加傾向にある。一方、景気後退期に入るという情報は、今はない。にもかかわらず、なぜBBレシオは1.0を割ったのか。図1のグラフを見る限り、販売額が急激に伸びている。これまでの1年間を見ても3月の伸びは異常ともいえるくらいである。

日本製半導体製造装置を日本市場に販売する場合には消費税の5%から8%への増加分を加える必要がある。4月以降になると消費税増加分を半導体メーカーが装置メーカーに支払わなければならない。3月中だと5%のままで済む。これまで日本の半導体メーカーは、装置メーカーに対する支払いを検収という「名目」で延ばしてきた、という事実がある。このグラフは3月中に支払いが集中したと見るべきだろう。ということは改めて検収とは何かを問い直してみる必要がある。検収が3月に集中するとは考えにくいからだ。

また、3月の販売額急増が駆け込み需要だとすると、4月の販売額はその反動によりマイナスになるはずだ。受注は増加傾向にあるため、4月のBBレシオは再び1.0を超えることになる。


図2 日本製FPD製造装置の受注額・販売額・BBレシオ 出典:SEAJ

図2 日本製FPD製造装置の受注額・販売額・BBレシオ 出典:SEAJ


日本製FPD製造装置は残念ながら販売額が落ちている(図2)。受注額は順調に伸びていることから、装置の生産が間に合わないのであろう。受注額は317億4800万円、販売額は211億4100万円となり、BBレシオは1.50と昨年の4月以来の1.0超えとなった。現状のFPD製造装置では駆け込み需要はないのかもしれない。

(2014/04/22)

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