セミコンポータル
半導体・FPD・液晶・製造装置・材料・設計のポータルサイト
セミコンポータル

タブレット用IC、今年は37%で成長、16年には266億ドルへ

|

タブレット用の半導体ICが2013年は37%成長する、と米市場調査会社のIC Insightsが発表した。今、タッチスクリーンのタブレットは、パソコンのジャンルに含められている。ノートパソコン向けIC市場は今年4%の成長を遂げると同社は見るが、ノートパソコンの落ち込みを、高い成長率のタブレットが打ち消すことでプラス成長になるというもの。

図1 タブレットを含む全パソコン用半導体ICの市場予測 出典:IC Insights

図1 タブレットを含む全パソコン用半導体ICの市場予測 出典:IC Insights


デスクトップ、ノートブックの両方を含め、さらにキーボードも備えたコンピュータを標準パソコンと定義すると、この標準パソコンとタブレット、クラウドベースのモバイルコンピュータ向け(低価格パソコン)の半導体ICを合計した売り上げは、2013年は776億ドルに達すると見る。2012年の749億ドル、2011年の796億ドルから見ると下降線をたどっている。

このうち、標準パソコン向けICだけを見ると、2011年は7%減の723億ドル、2012年は12%減の637億ドル、2013年は2%減の625億ドル、と下がる一方だ。この下降傾向は標準パソコンそのものの不調による。標準パソコンの出荷台数は2013年3億4700万台で、2012年の3億4400万台から1%増えるだけにとどまりそうだ。

これに対してタブレットは、2013年に37%増の147億ドルになると見る。2012年は77%増の107億ドル、2011年は190%増の61億ドルだった。タブレットそのものの出荷台数は2013年に1億9000万台とIC Insightsは予測しており、デスクトップパソコンの1億5000万台を抜くことになる。タブレットは、2014年には2億1000万台を見込むノートパソコンの台数も抜き、2億5300万台に増えるだろうと予測する。

パソコン1台当たりに使うIC価格は、タブレット2.3台分に相当するとIC Insightsは見ており、タブレット1台に使うICの価格は平均77.5ドルになる。それもCPUはARMアーキテクチャがほとんどであり、x86系アーキテクチャは極めて少ない。しかもプロセッサそのものの価格はパソコン用のプロセッサの20%(1/5)以下と低い。タブレット用CPUはこれまでの標準パソコン用とは大きく変わることになる。

タブレット用ICの年平均成長率CAGRは2012年から2016年にかけて25%で、2016年には266億ドルに達すると予測している。これに対して標準パソコン用ICは、2014年以降緩やかに回復し、同期間2%のCAGRで2016年には685億ドルになると見ている。図1には表示されていないが、低価格のクラウドベースのモバイルコンピュータ用ICは、2012年の5億ドルから41%のCAGRで成長し2016年に18億ドルに成長するとIC Insightsは予測する。このクラウドモバイルの台数は2012年の500万台から16年には2700万台に達すると期待している。

(2013/06/28)

月別アーカイブ

Copyright(C)2001-2024 Semiconductor Portal Inc., All Rights Reserved.