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この第2四半期で300mmウェーハと200mmとの世代交替が明確になった

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SICAS(世界半導体生産キャパシティ統計)は、2011年第2四半期(4〜6月)の数字を発表、それによると参加企業が減った影響があり、生産能力・実投入数とも下がった。しかし、SEMI統計のシリコンウェーハ面積はむしろ対前四半期比4.6%伸びたため、実数としては、この程度の伸びを示したといえそうだ。

図1 統計参加企業の減少でSICASデータが減少 出典:SICAS

図1 統計参加企業の減少でSICASデータが減少 出典:SICAS


2011年第2四半期までは稼働率はほぼ一定で推移しており、第2四半期の数字は景気動向を表していない。統計に参加している大手企業が抜けたためである。シリコンウェーハ面積は前期比で4.6%増加しているため、伸びは止まっていない。


図2 SEMIが発表していた第2四半期のウェーハ面積

図2 SEMIが発表していた第2四半期のウェーハ面積


SEMIによると、2011年第2四半期におけるウェーハ面積は23億9200万平方インチであり、前四半期の22億8700平方インチから4.6%伸びている。このため、SICASのデータから4.6%多い実投入数を外挿してみると、統計から脱退した大手半導体メーカーの数字をおおよそつかむことができる。

半導体全体でのウェーハの実投入数は、第1四半期に211万3200枚/週であったため、大手半導体メーカーが脱退しないと仮定するとこの数字に4.6%をかけ、221万400枚/週になる。稼働率が全体で92.2%になったため、その大手半導体企業も同じ稼働率と仮定すると生産能力は239万7400枚/週となる。とすると、脱退した大手半導体メーカーは42万8700枚/週の実投入数、46万4800枚/週の生産能力であったことを推測できる。

これまでのSICAS市場統計(参考資料1)とは違い、今回はμm別の数字の動向は意味を持たないので掲載しないが、トータルでのウェーハサイズの動向には300mmウェーハへの切り替わりの様子をはっきりと知ることができる(図3)。すなわち、2011年第1四半期は200mm(8インチ)と300mm(12インチ)が交差した時期であり、第2四半期には300mmウェーハの方が大きく離したことがわかる。200mm、300mm共に4.6%増えるとしても、この交差は変わりない。


図3 300mmウェーハと200mmウェーハが交差した 出典:SICAS

図3 300mmウェーハと200mmウェーハが交差した 出典:SICAS


図3によるとリーマンショックの後の急激な不況により200mmウェーハは2009年第1四半期に300mmウェーハと世代交替するかに見えたが、その後持ち直し2010年第4四半期までは200mmの方が上回っていた。しかし、2011年第1四半期にわずかながら300mmウェーハが上回り、世代交替したように見えた。この第2四半期でこの世代交替がはっきりした。

今後はこの第2四半期をベースに動向を見ていく。半導体産業の景気は8月くらいから受注活動が鈍り、危険信号が点滅しているといわれている。先行きが懸念されることではあるが、この第2四半期をベースに第3四半期の統計データが発表される時点でその動向は明らかになろう。

参考資料
1. SICASの第1四半期データ分析から見えてくる、半導体産業の大きな流れ (2011/07/15)

(2011/10/25)

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