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2010年の世界の半導体販売額は過去最高の2910億ドルに、WSTS発表

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2010年の世界の半導体デバイス販売市場は、対前年比28.6%増の過去最高の2910億ドルに達するという予測をWSTS(世界半導体市場統計)が発表した。今回の発表は5月下旬に世界の主要半導体メーカー23社から35名が集まって各市場の実績を元に、電子機器とマクロ経済を加味して予測したもの。これでも、市場予測会社の見積もりより低い。

WSTSの世界半導体市場  2010年は過去最高

WSTSの世界半導体市場  2010年は過去最高


WSTSは2012年までプラス成長で伸びていくと予測しており、11年が5.6%増、12年4.2%増と見ている。2009年から2012年までの年平均成長率は+12.3%となる。2010年は、地域別にはアジア太平洋地域が最も伸び率が高く33.7%増、日本が最も低い16.9%増にとどまる。

日本の半導体は、円ベースでの伸び率は、2009年が-28.8%と最も低く、2010年でも13.5%しか伸びない。これは円ドルレートが2009年を93.4円、2010年以降を90.7円とみているためで、ドルベースでの表示は円高の影響で実際の円ベースよりも高く見えることに注意しよう。にもかかわらず、最も低い伸びであるから、いかに日本がひとり負けする、あるいはしているかがわかるというもの。

IC製品別では2010年、28.2%増の2440億ドルと見ている。今年の牽引製品はメモリーで前年比45.6%増、MOSマイクロは前年比22.7%増、ロジックは18.0%増、アナログは32.8%増となっている。


製品別の市場予測  出典:WSTS

製品別の市場予測  出典:WSTS


メモリーが最も高い伸びを示したが、これは、今回の世界不況が来る前にメモリーだけはひとあし先にビスタ不況に見舞われたその反動がきたためである。2008年に半導体全体が-4.2%だったがMOSメモリーだけは-19.9%とひどい状況に陥った。その代わり回復は最も早く、2009年に半導体全体が-8.8%だったが、メモリーだけは-3.3%にとどまった。サムスンも東芝もメモリーへの投資ができない、という苦境に立たされたが、2010年に入りこれまでの損失を取り戻せる活況になってきたため、今年45.6%という極めて高い予測の伸びを示した。

ただし、いずれのメーカーも今年になって投資を開始したため、その効果が表れる来年はようやく需給バランスがとれるようになる。このため伸びない、あるいは2012年には-1.4%になると見ている。ただし、メモリーは使用量が減る訳では決してなく、価格が低下するために販売高が減るという格好になる。

(2010/06/11)

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