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インドの政府主導半導体ファブ、SCL、アップグレードへ

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IBMとAtmel入札か

 インドの政府主導の半導体ファブ、Semiconductor Complex Limited (SCL)のグレードアップに、IBMとAtmel社が入札している。

 グレードアップの方針は二通り。投資額を多くして0.25ミクロンレベル対応とするか、あるいは、改良型装置の導入により0.35ミクロンレベルに抑えるか、いずれかとなっているが、IBMやAtmel社が介入するとなると、前者の方策が採られることになる可能性が濃い。
 Hindu Business Lineによると、SCLは、現在、数千万ルピー(日本円換算で5千万〜7千500万円ほど)を投資してファブの改良を行う予算を持っている。


Semiconductor Complex Limited (SCL)


 ニューデリーから北西250kmのChandigarhに位置するSCLは、1983年設立された。超LSIやその応用製品の設計、開発、製造を目的として設立されたSCLは、設立翌年の1984年、米国のAmerican Microsystems社と技術提携し、5ミクロンCMOS技術での量産を開始した。その後、3→2→1.2→0.8ミクロンと世代交代を続け、主としてミックスド・シグナル・デバイス、マイクロパワー、DSP、EEPROMに注力し、同社は通信や産業用の半導体製造を手がけてきた。現在は、インドの宇宙航空省(Department of Space)の100%管轄下にある。現時点でのFabの能力は0.8ミクロンレベルである。
 SCLファブのグレードアップは、主として、Indian Space Research Organisation(ISRO)の車両・衛星分野、国防の戦略プログラム、さらには民生エレクトロニクス分野向けを主体に、信頼でき、安価でかつ地場の半導体需要供給を目的としている。
 今回のグレードアップの二者選択において、0.35ミクロンレベルへの向上に抑える案は、決して先端技術といえないまでも、0.35ミクロンはインドにおいてまだまだローエンド需要に応えられるものであり、航空宇宙産業や自動車、防衛、バイオメディカル、ローエンドコンシューマーエレクトロニクス分野でも非常に大きな需要が期待されていることに基づく。ISROの役人は、「0.35ミクロンデザインは、アナログ・ミックスドシグナル設計や低パフォーマンスデジタルICを中心にまだまだ利用されており、費用対効果は、需要が今後大きく伸びることが期待されるインド市場の成長曲線にまさに合致しているとも言える」と述べている。1台の宇宙船は、1〜1.5億ルピー(2.5〜3.8億円)の半導体を必要とし、全電子部品の半分近くとも言われている。
 アップグレードの技術方針決定は10月中旬頃と予想され、受託先が決まり次第、18〜24か月先にファブのアップグレードが完成する見込み。

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