中国武漢のYMTCが128層の1.33Tビットの3D-NANDフラッシュを開発

図1　YMTCが開発した128層、QLCの3D-NANDフラッシュ製品　出典：YMTCのホームページ

中国武漢市にあるYMTCは、2月の武漢封鎖中でさえ、半導体は重要な産業であるという認識から、限定生産ながら工場の稼働が政府から認められていた。この製品は、封鎖解除によりフル生産に入ったというニュースの直後の4月13日に発表された。

YMTCは、メモリセルアレイとCMOS回路のチップをスタックするというXtacking技術を開発してきたが、これまでは64層のTLC（3ビット/セル）だった。Xtacking技術はメモリセルアレイとCMOS回路をそれぞれ最適化できるというメリットがあるスタック技術。今回は128層にして、Xtacking 2.0と呼ぶ改良技術でQLCも加えた。1.2VのVccqで、入出力速度1.6Gbpsを得ている。

今回のカギはコントローラを設計したパートナー企業のようで、彼らを含むエコシステムが出来たおかげで、Xtacking 2.0技術が生きたようだ。「世界の業界パートナーとの絶え間ないコラボレーションと当社の社員の素晴らしい貢献によって、信じられない相乗効果を生み出した結果です」と同社マーケティング・セールス担当のシニアVPであるGrace Gong氏は語っている。

今回、128層の1.33Tビット品だけではなく、128層の512GビットのTLC製品「X2-9060」も開発し、製品ポートフォリオを広げた。まずは民生向けのSSDから参入し、のちに企業向けにも参入するとしている。

参考資料
1. YMTC Introduces 128-Layer 1.33Tb QLC 3D NAND (2020/04/13)