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EUVが離陸、ASMLが1兆円企業突破

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オランダのリソグラフィメーカーASMLが売り上げ1兆円を突破、1兆2200億円(9053億ユーロ)の企業となった(図1)。純利益は2862億円(21億2000万ユーロ)と利益率は23.4%と大きい。営業利益率は29.3%。第4四半期での製品別ではArF液浸装置が売り上げの56%を占め、その次がEUV装置の25%になる。いよいよEUVが離陸する。

グラフ:2013-2017の売り上げ構成推移

図1 ASMLの売上額の推移 単位は百万ユーロ(1ユーロ=135円) 出典:ASML


半導体リソグラフィ装置の最大企業となったASMLの売り上げは2016年が同社の史上最高の67億9500万ユーロ(9170億円)だったが、2017年は軽く1兆円を突破した。半導体製品別では、最も大きいのがメモリで29億6800万ユーロ、次がすでに設置された装置の保守・運用サービス売り上げで26億7900万ユーロ、ファウンドリは22億8900万ユーロとなっている。

リソグラフィ装置の製品用途別の受注は、2017年第3四半期にメモリが77%、ファウンドリは9%という比率で、メモリが圧倒的に高かったが、第4四半期にはメモリの比率が55%と減り、ファウンドリが30%に跳ね上がった。売上額は第3四半期の21億5400万ユーロから第4四半期には29億3500万ユーロと伸び、微細化をけん引するファウンドリへの納入が増えたことは、EUV装置が本格的に出荷されることを表している。

波長13.5nmのX線を利用するEUVリソグラフィは2017年の第4四半期に4台出荷され、売り上げには5台計上されている。2017年に計画されたEUV装置の出荷台数12台のうち、1〜12月に10台を出荷し、残り2台のうち1台は出荷準備中、残りの1台は2018年1月に出荷予定となっている。EUV装置に計上された売り上げは11億ユーロに達した。

2017年のEUVリソグラフィ装置の販売額のうち、第4四半期にEUV装置5台分、第3四半期に同4台分を売上計上している(図2)。EUVの出荷台数は2017年後半から急速に増加している。EUV装置のスループットは125枚/時以上、平均的なアベイラビリティは平均90%以上の製品を出荷することをコミットしている。


グラフ:Net System sales breakdown in value

図2 EUV装置が2017年後半から続々出荷された 出典:ASML


また最近10台のEUVを受注し、受注残は28台に跳ね上がった。これは30億ユーロ以上の価値に相当するという。2018年には22台の出荷を計画し、2019年には30台以上を出荷するとみている。

2018年第1四半期における全社売上額は22億ユーロを予定しており、EUVはそのうちの1億5000万ユーロだとしている。2017年末時点での受注残はEUVも含めて全部で66億8500万ユーロにも達するとしている(図3)。


グラフ:Sysytem backlog in value

図3 受注残にはEUV装置が最も多い 出典:ASML


EUV装置の受注残はArF装置よりも第3、第4四半期とも45%、46%と大きく、EUVはようやく本格的な実用期を迎えることになる。

(2018/01/23)

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