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シンガポールIMEが新FOWLP技術を開発、コンソーシアム会員に供与

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シンガポールの研究開発機関であるA*STARのInstitute of Microelectronics (IME)は、FOWLPの開発ラインを構築、同研究所が組織するFOWLP Development Line Consortiumのメンバーに開発ラインを供与すると発表した。FOWLPは、モールドファーストとRDLファーストの二つの技術を用意した。

FOWLP(Fan Out Wafer Level Packaging)技術は、iPhone 7から使われてきた技術で、多ピンのWLPパッケージを作るための技術で、TSMCはINFOという名称で生産している。少ピンパッケージの場合は、通常のWLP(ファンインWLPともいう)で設計できる。

モールドファーストは、半導体業界でこれまで使われてきた従来方法であるが、これと比べて、開発したRDL(Redistribution Layer:再配線層)ファースト法は極めて高い信頼性が得られる方法だという。コンソーシアムに参加しているパートナー企業と共にIMEは、次世代のFOWLP技術用の製造装置とプロセスを共同で開発していく計画だ。

この次世代FOWLP技術には、銅ピラーのメッキ技術、PVDプロセスなどを含み、ウェーハの反りを抑え、チップ-オン-ウェーハ向けのモールド可能なアンダーフィル技術を制御し、TSVなどで垂直に銅メッキ配線や、ピラーを持つウェーハをモールドするとしている。この場合にウェーハレベルのコンプレッションモールドや小さなビアの現像残差のプラズマ除去、反り調整などの技術を使うという。

FOWLP技術の可能性を前進させ採用を加速するため、IMEが構成するコンソーシアムには、OSAT(Outsource Assembly and Test)や材料メーカー、装置メーカー、EDAベンダー、ファブレスパートナーなどを含んでいる。コンソーシアムのメンバーは、オープンイノベーションプラットフォーム上のリソースを共有でき、複雑なシステムのスケーリングとヘテロジニアスなシステムの集積を実現するため、IMEの豊富な先端パッケージング技術を利用できるようになる。

FOWLP開発ラインは大手OSATで使われている既存の設備を活用するため、IMEで開発されたプロセスや材料、集積化フローをメンバー各社はスムーズに移転できる。この開発ラインを使ってファブレス半導体メーカーはパッケージ構造や集積化フロー、プロセス、材料や装置を自社の製品生産用に素早く決めることができるようになる。

なお、このFOWLP開発ラインコンソーシアムに参加している会員企業には、Applied Materials、Inc、旭化成、Dipsol Chemicals Co. Ltd、ERS Electonic GmbH、富士フイルム、JSR、Kingyoup Optronics、Kulicke & Soffa、Nordson Corp、Open-Silicon、Orbotech Ltd、STAT ChipPAC Pte Ltd、東邦化成、TOWAを含み、日本企業が14社中5社もいる。

(2017/11/10)

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