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Intel、7nmプロセスの工場を建設、EUVリソが本格化

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Intelは、米アリゾナ州チャンドラに7nmプロセスの量産工場Fab42を建設すると発表した。投資金額は70億ドル(約8000億円)。工場の完成は3〜4年後になる見込み。ここで3000人の雇用を生みだすとしている。

図1 Intelが7nm工場の建設を予定しているアリゾナ州チャンドラ工場 出典:Intel

図1 Intelが7nm工場の建設を予定しているアリゾナ州チャンドラ工場 出典:Intel


この発表は、トランプ大統領とIntelのCEOのKrzanich氏が共同で行ったもの。アメリカに雇用を生み出すというトランプ大統領の方針に沿った。というのは、これまでになく、目標が雇用確保のためを強調しており、工場建設完了予定が3〜4年先というあいまいな設定だけに、政治的なにおいを感じるからだ。長期的にこの工場には1万人が新規に採用されるとしている

Krzanich氏は電子メールで従業員に次のように説明している。「今後もムーアの法則を継続し、そのペースに沿って生産能力拡大と研究開発のために投資を続ける。この工場によって、アメリカの地位が世界のトップを維持し続けることになるだろう」。

かといって、Krzanich氏はトランプ大統領を全面的に支持しているわけではない。そのことを明確にするため、わざわざ次のような当たり前のコメントも従業員に伝えている。「Intelはグローバルな技術メーカーであり、当社をアメリカのイノベーション企業だと思う。アメリカには独特で優秀な人たちが集まっており、ビジネス環境は活性化していてグローバル市場へのアクセスも良い。このため、Intelのような米国企業が経済成長とイノベーションを加速している。当社の工場は高い賃金と高い製造技術を持つ人たちをサポートし、米国経済のエンジンとなっている」。

確かにIntelは2015年に51億ドルの設備投資を行った、最大のハイテク設備投資企業である。研究開発投資でも米国で第3位の121億ドル(2015年)をつぎ込んでいる。

7nmプロセスではEUVリソグラフィが使われるという見方がもっぱらであり、IntelもEUV装置ユーザーの1社である。EUVリソグラフィ装置を製造・提供している唯一の企業であるASMLの決算報告(参考資料1)から、その現状を読み取ることができる。この資料は、2016年の成果を報告している。まず、生産能力(スループット)の目標値をクリアした。最新鋭機のNXE:3350Bをある顧客の工場でとったデータとして、3日間稼働した時の1日当たりの平均ウェーハ処理枚数は1500枚、と目標の1500枚/日を達成した。また、2台のNXE:3300Bを4週間稼働させた場合のアベイラビリティ(実効的に稼働している時間)は最高90%、平均80%、と目標の80%をクリアしている。

ただし、EUV装置の出荷台数は目標の6〜7台を下回り、4台にとどまった。この結果、現在の受注残は18台、約20億ユーロ分になった。ちなみにEUV機1台の価格がこのレポートから見積もることができる。図2に第4四半期の装置の売り上げなどを示しているが、この四半期売り上げ12億2300万ユーロに対して、EUVは1台販売し、その売り上げは12%となっている。すなわち1億4676万ユーロ、すなわち約176億円になる。


図2 ASMLの2016年第4四半期から見積もったEUV1台の価格 出典:ASML

図2 ASMLの2016年第4四半期から見積もったEUV1台の価格 出典:ASML


また直近の2016年第4四半期には6台のNXE:3400を受注した。2017年の第1四半期はさらに多い受注を見込んでいる。このことは、最近になってEUVリソがようやく本格的に立ち上がってきているという意味である。だからIntelは7nm工場建設に踏み切ると判断したと同時に、これを大々的に発表するため大統領にも加担させたといえるだろう。

参考資料
1. ASML reports record 2016 net sales and net income (2017/01/18)

(2017/02/09)

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