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Rambus、解像度は低いがレンズなしの超小型カメラ技術を提供

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テクノロジー開発会社のRambusが、1mm角以下の超小型カメラ技術を開発した。レンズを全く使わないため解像度はイマイチだが、多数並べて使うような応用に向く。IoTやセンサネットワークなどを狙ったセンサといえよう。

IoT時代にはさまざまなモノがインターネットにつながるが、その基本となるセンサモジュールは、センサと信号処理、電源、送受信回路からなる。Rambusは、Capture(センサで捕捉)、Secure(安全)、Move(転送)をカバーしているという。IoTのシステムでは、センサで情報を取得し、信号処理でセキュアなデータに加工・保存し、そしてクラウドへ転送する。


図1 超小型のカメラは多数並べる新応用を見込む 出典:Rambus

図1 超小型のカメラは多数並べる新応用を見込む 出典:Rambus


今回発表したセンサ技術はレンズを使わないため、桁違いに小さい(図1)。従来の小型CMOSセンサカメラでさえ、数mm角の面積で高さも数mmはあるが、これらよりもはるかに小さい。その代り、図1の顔写真に見られるように、鮮明ではない。この程度の画質でもカメラを多数並べることで新しい応用、例えばジェスチャーコントロールや距離の検出などに使えるとRambusは見ている。人がテレビやエアコンの前に来るだけでスイッチが入るといった応用にも使える。

この技術は、とにかくカメラを小さくすることに価値を置く。小さければ、多数並べることができ、新しい用途を見つけようという考えだ。Rambusのイメージセンサカメラは、レンズの代わりに回折格子を利用したもの。まず位相回折格子を使って、レンズのように光を集める(図2)。次に、回折パターンをらせん状の円形にして、画像データを収集する。さらに極めて深い焦点深度で像を解明する。焦点深度が深いため、焦点を合わせるためのオートフォーカスは必要ない。最後に、専用のオプティクスを利用して、特定の画像を抽出する。


図2 回折格子の位相を変えて結像するようにグレーティングパターンを設計する 出典:Rambus

図2 回折格子の位相を変えて結像するようにグレーティングパターンを設計する 出典:Rambus


Rambusは、この超小型カメラシステムをスマートセンサと呼び、カメラ性能を評価するボードも提供する。

(2014/05/30)

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