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東芝、ヘルスケアビジネスの中計を発表、15年度に6000億円へ

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「医療機器技術、加速器、半導体デバイス、とヘルスケア事業に必要なすべての技術を持っているのが東芝の強み」。東芝の代表執行役社長の田中久雄氏はこう述べ、ヘルスケア事業の中期計画を発表した。 (1)診断・治療、(2)予後・介護、(3)予防、(4)健康増進の分野からなるヘルスケア事業を2015年度に6000億円、2020年度1兆円に成長させると述べた。

図1 東芝が強い診断用医療機器 出典:東芝

図1 東芝が強い診断用医療機器 出典:東芝


東芝の医療機器は特に診断機器で実績が豊富だ。CT(Computed Tomography)スキャナーやMRI(Magnetic Resonance Imaging)のような大型機器などの診断装置に強い。CTは国内トップ、世界でも3位だという(図1)。これからは、大型装置だけではなく、ウィルス検査キットやDNA検査キット、呼気分析器などを使った分析器具にも力を入れる。さらに治療用の装置にも力を入れていく。例えば、陽子よりも重い粒子を加速して、がん細胞をたたく重粒子線がん治療システムを国内に1台設置しているが、このほかにも1台受注しており、導入を計画している病院は国内2件、海外2件あるという。

今年の1月にはカプセル型内視鏡製品を持つ米CapsoVision社と提携、出資したと今回発表した。同社のカプセル内視鏡は、360度の側方視による展開画像の撮影が可能であり、データをカプセル内部に搭載するNANDフラッシュにデータをためる(図2)。東芝は、NANDフラッシュやCMOSセンサ、LEDなどの半導体製品をCV社に供給する。同時に国内の独占販売権を取得する予定で、海外についても米国FDAの認可取得を申請中だ。


図2 NANDフラッシュにデータを溜めるカプセル内視鏡 出典:東芝

図2 NANDフラッシュにデータを溜めるカプセル内視鏡 出典:東芝


病気やけがの治癒後・介護では、在宅ケアを支援するためのIT機器向けの対話型GUIや音声認識技術、介護者の負担を軽くするロボット技術、健康データのクラウド管理などを想定している。

予防分野は、遺伝・生活・環境の三つの因子からなる。遺伝的なリスクをチェックするゲノム解析アレイチップについては、対象をを日本人に限定することで、解析すべきデータ量を1/3000に削減し、低コスト・短時間で解析するためのチップを開発中だ。また、生活因子では、体温や心拍数などを測定・管理するウェアラブルデバイスを製品化、あるいは開発している。さまざまなデータはクラウド上で管理する。大量に集まる患者のデータは解析により健康状態を予測するのに使う。

ウェアラブルデバイスとして、ブレスレット型の「ムーヴバンド」を1月に製品化した。「東芝には半導体、電池、通信の技術があるから、開発できた」と代表執行役副社長の須藤亮氏は述べている。この製品は歩数や移動距離、消費カロリーなどを測定する。

2014年度に製品化を予定しているのは、心電や脈拍、体温、体動、音などを常時測定するセンサ「Silmee」(図3)。このセンサデバイス向けの半導体チップを開発中である。圧力や加速度などを測るMEMSセンサとデータ処理するチップが必要になる。


図3 常時心電や脈拍、体温などを測定するセンサSilmeeを東芝は今年製品へ

図3 常時心電や脈拍、体温などを測定するセンサSilmeeを東芝は今年製品へ


東芝では、血圧や血管年齢、ストレス、視力などを測定するヘルスケアルームを設置、社員の健康データを記録し、助言する。将来は、社員の「健康力」を高める、このシステムを外販することを考えているという。

健康増進では、人間が生活していくための空気清浄機、浄水装置、植物栽培用の照明技術、クリーンルーム技術などに加え、抗菌・抗ウィルスを実現する新しい光触媒粒子スプレイ、野菜や果物に含まれるビタミンをできるだけ壊さないフードプロセッサーなどを、ヘルスケアというカテゴリーにまとめている。

(2014/02/27)

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