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パナソニック、半導体事業を完全子会社化

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パナソニックの半導体事業のこれからが明らかになった。魚津・砺波・新井の北陸3工場のTowerJazzへの売却(参考資料1)の次として、半導体事業そのものを分社化すると発表した。

パナソニックは2月4日、2013年度第3四半期決算発表会を都内で開き、その席で半導体事業を完全子会社とすることを明らかにした。半導体ビジネスを、設計と前工程製造と、パッケージング実装の後工程に分類すると、設計と前工程を国内におき、後工程部門を海外のOSAT(Outsourced Semiconductor Assembly and Test:後工程専用の請負サービス企業)であるUTACホールディングス社の100%子会社であるUTAC Manufacturing Services社に譲渡する。

設計と前工程の事業は、ICとディスクリート、LEDなどからなり、これらを統合したパナソニック セミコンダクターソリューションズ(株)(PSCSと呼ぶ)を2014年3月10日に設立する。旧松下電子工業の本社があった長岡京市神足焼町1番地を本拠とする。ディスクリート半導体の製造・販売を行っていたパナソニックデバイスディスクリートセミコンダクター(株)と、LEDの製造・販売を行っていたパナソニックデバイスオプティカルセミコンダクター(株)を統合することで、これまで分かれていた半導体事業を一つの会社(PSCS)で行うことになる。TowerJazzとの合弁会社は予定通り4月1日に設立する。

これまでのディスクリートやLEDの製造・販売を行っていた二つの会社は、パナソニックの100%子会社だった。今回、2社を統合するPSCS社もパナソニック株式会社の100%子会社となり、連結対象からは外れない形になる。構造改革の一環で2つの前子会社の減資を行い、新会社の資本金は4億円。

後工程では、シンガポールとマレーシア、インドネシアにそれぞれ半導体の組み立て工場があるが、これら3社をUTACへ株式を譲渡する。効力発生日は2014年6月1日を予定。売却目的はアセットライトを進めるため。譲渡した後も、パナソニックは半導体事業の組み立てを生産委託先として活用する予定だとしている。

現在のパナソニックの半導体事業は、オートモーティブ&インダストリアルシステムズ事業部門の中にある。この事業部門全体の売り上げ規模は2013年度(2014年3月期)で2兆7110億円となる見込みだが、半導体事業部の売り上げは1800億円を予定している。2013年5月10日時点での売り上げ予想も1800億円と変わらず、33億円の赤字であった。しかし、今回(2月4日時点)の予想では、営業損益は278億円の赤字、と損失が増えている。この原因は、構造改革費用と在庫が増えたことによる、と同社常務の河井英明氏は述べている。

参考資料
1. パナソニック、製造部門を分離、ファウンドリとして競争力強化を狙う (2013/12/24)

(2014/02/05)

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