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モバイルのおかげで到来したユビキタス時代〜ASSCCに見るトレンド

アジアの半導体回路会議であるAsian Solid-State Circuits Conference (A-SSCC) 2014が2014年11月10〜12日、台湾の高雄市で開催される。ISSCCのアジア版といった会議であるが、今年のメインテーマは「集積回路が可能とするユビキタスコンピューティングとビッグデータ」。もはやトピックスは世界共通となった。

この会議は、集積回路を構成する様々な技術分野での投稿論文と基調講演、パネルディスカッションからなる。セッションは、アナログ、データコンバータ、デジタル、SoC、RF、Wireline、新技術・応用、メモリに加え、産業界からのセッションとしてインダストリプログラムがある。学会活動は、産業界からアカデミアへと移ってきた。産業界からの投稿が少なくなってきたため、あえて産業界からの発表論文として、インダストリプログラムを設けた。テーマは二つ;Communication SystemsとIndustry Digital Subsystemsである。前者はセンサネットやスマートフォン向けのワイヤレス通信技術、後者は組み込みシステムやコンピュータ向けLSIのメモリとその周辺技術についてである。

基調講演は、4件ある。1件目はジャパンディスプレイのCSO(Chief Strategy Officer)兼CTO代理の大島弘之氏による「モバイルディスプレイ技術−過去、現在、未来」。2件目は韓国の通信オペレータであるSK TelecomのEVP兼ICT R&D部門長のAlex Jinsung Choi氏による「Evolution towards a Hyper-Connected Society(超接続社会への進展)」。そして3件目は台湾TSMCのR&D担当VP兼CTOのJack T.-C. Sun氏による「Semiconductor Innovation into the Next Decade(次の10年に向けた半導体の革新)」であり、半導体技術そのものだ。最後の基調講演は、米国Intel社のフェローでありCircuit Technology LaboratoriesのディレクタであるVivek De氏による「Energy Efficient Computing in Nanoscale CMOS: Challenges and Opportunities(ナノスケールCMOSを用いたエネルギー効率の高いコンピューティング:課題と可能性)」である。

1件目の基調講演1では、スマホやタブレット向けのディスプレイが更なる高解像度と低消費電力に向かっている様子と、タッチパネルのようなユーザーインターフェースについて語る。2件目の基調講演2では、IoTとそれに伴うクラウドコンピューティング、ビッグデータ解析などに求められる半導体ICとネットワークのセキュリティなどについて述べられる。

基調講演3ではCMOSスケーリングの未来と3次元チップ積層技術の進展により、スーパーチップの時代が来ると述べ、それを達成するためのコラボレーションとプラットフォームについて語る。基調講演4では、チップの消費電力を下げるための細粒度の複数電圧、電圧可動範囲など電力効率を追求する話について語られる。

パネルディスカッションでは、「シリコンの価値をソリューションの価値に拡張する良い方法?(What is a good way to expand a silicon value to a solution value?)」というメーカーが直面する問題を議論する。台湾、韓国、中国、日本からパネリストがそれぞれ、医療及び健康や、スマートフォン、IoT、カーエレなどの各アプリケーションの状況と拡張モデルについて議論する。モデレータはIntelのGregory Chen氏。

参加者はこの5年間は350〜390名で推移している。

(2014/09/30)

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