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再編の「嵐」/科学技術関連Debate/グローバル雑学王−11

米国大統領選挙を間近に控えて、米国証券会社を発端とする金融再編の慌しい動きが世界を駆け巡っている。(Herbert Clark) Hoover大統領以来の事態ではないかとするテレビのニュース番組でのコメントがあったが、1929年の世界大恐慌のことを指しているとのこと。ここはその後積み重ねた知恵に基づく世界を見据えた勇気ある対応の決断が求められるということと思うが、半導体および関連業界にも時を合わせるかのような余波が見られている。

≪再編の「嵐」≫

米証券大手リーマン・ブラザーズの破綻をきっかけにした金融再編の「嵐」が渦巻いている。この7月の「世界景気天気図(インデックス)」なるものが日本経済研究センターから次のように公表されている(9月20日付けNIKKEI NET)。
・世界の景気は3ヶ月続けて、5段階で最も悪い「嵐」。
・米国とEUが「嵐」。
・日本の景気も「曇り」から「雨」に。
・アジアとBRICsは堅調さを示す「薄日」。
8月はさらに悪化となっているが、さて9月以降はどう表記されていくのであろうか?

半導体および関連業界も、この数日間だけでも再編絡みの以下の動き、激動が見られ、今後の推移に注目であるが、ここでも世界を見据えた対応が求められる、それほどに拡大したグローバル化というものを知らされている。

◇HP to slash 24,600 jobs in wake of EDS acquisition(9月15日付け EE Times)
→HPが15日月曜、Electronic Data Systems(EDS)社の$13.9B買収に伴う3年再構築計画の一環として、24,600 jobs、即ち同社従業員の約7.5%を削減する旨。

◇International Rectifier rejects takeover bid(9月16日付け EE Times)
→International Rectifier社が全員一致で決定、Vishayの$23/株takeover bidは同社および同社株主の最善の利益にはならない旨。

◇サムスン電子、米サンディスクに買収提案。(9月17日付け 日経)
→サムスン電子が17日、東芝の提携先である米サンディスクに買収提案したと発表、買収金額は58億5000万ドル(約6230億円)を提示した旨。サンディスク経営陣は評価額が低いとして提案を拒否した旨。 

◇Samsung likely to overcome hurdles to SanDisk buyout(9月18日付け EE Times)
→Samsung ElectronicsのSanDisk社に対する$5.9Bオファーは大きな障害に直面しているが、業界の低迷が激しく、SanDisk社の最大株主連が役員会に取引受け入れを迫ることになりそうな旨。  

◇Foundries Tower and Jazz complete merger(9月19日付け EE Times)
→Jazz Technologies社(Newport, Calif.)とその子会社、Jazz Semiconductor社の両方ともに、Tower Semiconductor Ltd(Migdal Haemek, Israel)の完全子会社になる旨。 


≪科学技術関連Debate≫

米国の技術競争力の停滞に危機感をもって、米SIAが昨年あたりから活発なキャンペーン活動を行っているが、今度は技術関連業界こぞって次期大統領候補に当てて議論を展開している模様、マケイン、オバマ両候補がインターネット上で回答している。概要、次の通り。
  
◇McCain, Obama weigh in on science issues(9月15日付け EE Times)
→John McCain氏がBarack Obama氏に続いて、2008年大統領選キャンペーンでの科学関連についての議論を推進するad hocグループが持ち出している14のトップ質問事項に回答の旨。

このad hocグループの1メンバーと思われる米SIAは、以下のコメントを出している。

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○SIAが大統領候補のScience Debateへの参画を称賛 …9月16日付けSIAプレスリリース

Semiconductor Industry Association(SIA)が本日、上院議員、McCain氏およびObama氏のScience Debate 2008への参加を讃えた。両候補は、米国のイノベーションにおけるリーダーシップを維持するための戦略など、重要なscienceの質問に対し詳細な文書回答を寄せている。両候補の応答全文は、

http://www.sciencedebate2008.com/

にて見ることができる。SIAはScienceDebate2008.com coalitionのメンバーである。

「半世紀以上の間、技術におけるリーダーシップによって米国の経済成長を引っ張る基礎が得られ、American workersの生産性が改善され、生活水準が高まって、我々の国家安全が保障されている。」とSIA President、George Scalise氏は言う。「Obama上院議員およびMcCain上院議員ともに、我々の国家の革新的な対応能力を新たに活気づかせるよう対策を施さなければならない、という認識である。」

上院議員Obama氏およびMcCain氏は、今回の選挙でscience関係がより大きく取り上げられるよう活動している超党派組織、ScienceDebate2008.comが提示した14の質問に詳細にコメントしている。

「McCain上院議員およびObama上院議員ともに米国の将来に対する科学技術の重要性を認識しているが、それぞれのアプローチには相違がある。半導体communityの方々には、11月に誰に票を投じるかを考えるのに、この候補者の科学技術に対する見解をお読みいただきたい。」とScalise氏は結んでいる。
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さて、この14の質問とは如何に、焦点をどこに当てているか。小生なりの解釈から次の通りである。

1. Innovation    米国が世界のイノベーションリーダーの座を守るための政策
2. Climate Change  グローバルな気候変動に向けての対策へのスタンス
3. Energy      経済的、環境的に持ちこたえられるエネルギー需要充足法
4. Education     科学、数学の学力低下、K-12 studentsへの連邦政府の対応
5. National Security   国家安全保障への科学技術の利用および重点化
6. Pandemics and Biosecurity  グローバルな流行病および故意のbiological攻撃から身を守る対策
7. Genetics research   遺伝学の進歩の利点と考えられるリスクの間のバランス
8. Stem cells     功罪が議論される幹細胞研究について政府規制および出資のスタンス
9. Ocean Health   重大な危機に瀕している海の健全保護
10. Water     水資源への需要対応
11. Space     宇宙関係の政策の優先順位
12. Scientific Integrity   科学情報と政治および個人的信念とのバランス
13. Research   来る予算での基礎研究への投資優先順位
14. Health   健康および生活の質を高める科学技術研究

両候補の回答は上記のインターネットのサイト参照であるが、グローバルな視点とオープンな米国の風土というものを改めて感じている。我が国の指導者層にも同じ質問を投げかけたい気持ちになってくる。


≪グローバル雑学王−11≫

『常識の世界地図』(21世紀研究会 編著:文春新書 196)が、ある意味、このコーナーの全体的な基礎を与えていると感じるところがある。今回は、数(かず)と色(いろ)について、世界の各地域の歴史が育んできた常識のイメージのおさらいという風情である。

○数の神話 色の神話
・地勢、方角について:
 イスラーム地域には、聖地メッカという特別の方角
 矢印表記 qibla(キブラ)⇒「聖地メッカの方角」
 方角の語順 日本 「東西南北」
         中国 「東南西北」
         英語 「北南東西」
・数に纏わる結びつき:
 一  根源、優勝者、神に近い
 二  対立や闘争    …お悔やみの品は二個を避ける(中国)
 三  調和と安定    …年輩者への贈り物、三個を避ける(中国)
 四  調和(欧州)    …縁起が悪い(日本、中国東北部、香港)
 五  世界共通の吉数  …ペンタゴン、五稜郭
 六  完全と調和(神が天地を創造するのに要した日数:ユダヤ・キリスト教)
 七  縁起の良い聖数
 八  繁栄(日本)  仲違い、戦い、破壊(欧州)
 九  「苦」に通じ嫌う(日本)  一桁奇数の最高位として好む(中国)
     繁栄に向かう数(欧米)
 十  完成した形(世界共通) モーセの十戒
 十八 西洋占星術でいう凶数
 十九 西洋占星術でいう吉数
・曜日の意識
 欧米で嫌われる「十三日の金曜日」
 古代の北欧の人々の曜日命名:
  火曜日 Tuesday   戦いの神ティーTiuの日
  水曜日 Wednesday ウォドゥン神Wodenの日
  木曜日 Thursday 雷神トールThorの日
  金曜日 Friday 豊穣の女神フリッガの日Frigg's day
・イスラームの国々、一年に一度、ラマダーン(断食月)
 …コーランの誕生を記念する月:太陰暦を用いるイスラーム暦の九月(毎年移動する)
・色 ⇒国や地域によって、様々な考え方、感じ方
 イタリア      葬式を連想させるような紫色は、ふだんの服の色とはしない。
 ブラジル      外国人が自分たちの国旗の色、緑と黄色の服を着るのは不愉快に映る模様。
 ラテン・アメリカ  女児のおしゃれ着といえば、白いワンピース
 タイ        曜日に色→その曜日に生まれた人の守護色
 日曜日:赤     月曜日:黄     火曜日:ピンク  
 水曜日:緑     木曜日:オレンジ  金曜日:青 
 土曜日:紫
※毎日色違いの出勤シャツは現地ではみっともないとの印象。

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