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後半急減の半導体市場、米中摩擦等国益の中核としての半導体:2022年

新型コロナウイルスによる累計感染者数は金曜30日夕方時点、世界全体で6億5956万人に達し、7日前から約359万人増と、前週比53万人減である。ほぼ1年前の12月25日午前時点では2億7875万人であった。現在は、中国で感染急増の一方、入国時の強制隔離撤廃など規制緩和が行われようとしており、その中国からの入国受け入れで各国の対応が分かれているところである。
米中摩擦、コロナ禍が引き続く中、ロシアがウクライナに侵攻、各国・地域の防衛意識が否応なく高まって、安全保障に向けた国益の中核を担う半導体のプレゼンスが一層注目された2022年である。2021年に史上最高を大幅に更新した販売高は、2022年前半はその増勢を維持したものの、後半は急な減少が見られているが、年間最高更新は確実な現時点の見方である。以下、この1年の半導体業界の動きを振り返っていく。

≪2022年の動きを振り返る≫

2022年の半導体業界について本欄のタイトル、計52件を分類する形で振り返って以下示しており、次の5つに分けて数字は項目数である。

【世界半導体販売高関連】 17件
【米国CHIPS Actを巡る動き】 8件
【米国の対中規制はじめ国益関連】 14件
【台湾、中国、韓国を巡る動き】 2件
【インテルはじめ各社の動き】 11件

1年前、2021年と比べてみると、次の通りである。

【世界半導体販売高】 13件
【半導体の不足】 7件
【各国・地域の半導体強化】 22件
【インテルの盛り返し】 6件
【巨大ITおよびAI関連】 3件

半導体の不足が引き金となって各国・地域の半導体強化の動きが圧倒する経過となった2021年から、ウクライナ侵攻が各国の防衛&国益意識を刺激して半導体の重要性が一層高まるとともに、米国CHIPS Act成立はじめ半導体の国内域内製造強化の取り組みが具体的に動き始めた2022年の半導体業界鳥瞰模様である。

以下、分類ごとに見ていく。


【世界半導体販売高関連】 17件

米国・Semiconductor Industry Association(SIA)からの月次世界半導体販売高データ関連が、以下の通りである。年間販売高の最高を大幅に更新した2021年の増勢が維持された2022年前半であるが、7月あたりから市況の変わり目が取り沙汰され、メモリ半導体はじめ急激な減少が見えてきて、販売高が漸次減少に向かう後半となっている。

2021年半導体販売高最高更新;CESでの半導体、電気自動車関連注目」 (1月11日号)

2021年販売高$555.9B史上最高:インテルおよびAMDそれぞれのM&A」 (2月21日号)

1月半導体販売高、$50B台キープ:ロシア制裁&ウクライナ支援関連」 (3月7日号)

2月世界半導体販売高、3ヶ月連続$50 billion超、韓国、台湾の急伸」 (4月11日号)

1-3月半導体販売高、前年比23%増;リスク取り沙汰の台湾半導体関連」 (5月2日号)

半導体販売高、5ヶ月連続$50 billion台維持、警戒の中の強気の読み」 (6月13日号)

5月世界販売高、増勢維持、6ヶ月連続$50 billion台、先行き懸念渦中」 (7月11日号)

半導体業界転換点の強まる見方、需要減&伸び鈍化から警戒感強まる」 (7月19日号)

6月半導体販売高、前年比13.3%増と伸び減、前月比1.9%減、転機の兆し」 (8月8日号)

7月の半導体販売高、昨年11月以来の$50 billion割れ、先行きへの警告」 (9月12日号)

この夏の間のDRAM販売高激減、米国の対中規制強化への各社の対応」 (9月26日号)

8月半導体販売高が3ヶ月連続前月比減:Samsung、Micronの長期打上げ」 (10月11日号)

9月半導体販売高、ついに前年比減へ:米規制に習指導部3期目の影響」 (10月30日号)

需要失速&米規制の中、半導体関連インパクトおよび今後への対策&対応」 (11月21日号)

本年後半の市場急減関連データ:APEC出席TSMC創設者、Morris Chang氏」 (11月28日号)

販売高予測、本年最高更新から2023年は減少へ:米国SIAの課題提起」 (12月5日号)

10月販売高、引き続き減:TSMCアリゾナ拠点建設式典 & $40B投資関連」 (12月12日号)

毎月始めの米国・SIA発表時点の月次販売高の推移が、2021年1月から2022年10月まで、以下の通りである。発表がこれからの残り2ヶ月で$45.72 billionを上回れば史上最高を更新することになり、確実視されるところである。

販売高
前年同月比
前月比
販売高累計
2021年 1月 
$40.01 B
13.2 %
1.0 %
2021年 2月 
$39.59 B
14.7 %
-1.0 %
2021年 3月 
$41.05 B
17.8 %
3.7 %
2021年 4月 
$41.85 B
21.7 %
1.9 %
2021年 5月 
$43.61 B
26.2 %
4.1 %
2021年 6月 
$44.53 B
29.2 %
2.1 %
2021年 7月 
$45.44 B
29.0 %
2.1 %
2021年 8月 
$47.18 B
29.7 %
3.3 %
2021年 9月 
$48.28 B
27.6 %
2.2 %
2021年10月 
$48.79 B
24.0 %
1.1 %
2021年11月 
$49.69 B
23.5 %
1.5 %
2021年12月 
$50.85 B
28.3 %
1.5 %
$540.87 B
 
→史上最高更新
 
2022年 1月 
$50.74 B
26.8 %
-0.2 %
2022年 2月 
$50.04 B
26.1 %
-1.4 %
2022年 3月 
$50.58 B
23.0 %
1.1 %
2022年 4月 
$50.92 B
21.1 %
0.7 %
2022年 5月 
$51.82 B
18.0 %
1.8 %
2022年 6月 
$50.82 B
13.3 %
-1.9 %
2022年 7月 
$49.01 B
7.3 %
-2.3 %
2022年 8月 
$47.36 B
0.1 %
-3.4 %
2022年 9月 
$47.00 B
-3.0 %
-0.5 %
2022年10月 
$46.86 B
-4.6 %
-0.3 %
$495.15 B
 
→1−10月累計


【米国CHIPS Actを巡る動き】 8件

半導体の国内域内製造強化に向けた動きを引っ張ったのが、米国のCHIPS Act法制化であり、上院をやっとのこと通過後、下院を経て、Biden大統領の署名が8月はじめに行われた経過があらわれている。成立を受けて、インテル、マイクロンの新工場が起工、そして上記にあるTSMCアリゾナ拠点建設式典と、米国での始動、立ち上げの動きが続いている。

米国半導体製造強化法案前進 & 2021年半導体販売高最高更新の余韻」 (2月7日号)

半導体業界への波動&波紋:CHIPS Act、米国政府働きかけ、上海封鎖」 (4月4日号)

半導体工場関連:Biden大統領Samsung訪問、TI起工、Foxconn合弁、…」 (5月23日号)

先行き景気後退、米国議会難航、対ロシア、半導体関連で見る動き」 (7月4日号)

一筋縄ではいかぬ進展:CHIPS Act米上院投票およびChip 4を巡る動き」 (7月25日号)

CHIPS Act、下院も可決、Biden大統領署名へ:SMICの7-nm品出荷の波紋」 (8月1日号)

CHIPS ActにBiden大統領署名、「一世一代」の投資と強調、様々な波紋」 (8月15日号)

CHIPS Act施行に向けたBiden政権の地固め:各社fabs起工、対中規制」 (9月20日号)


【米国の対中規制はじめ国益関連】 14件

車載半導体はじめ半導体の不足が深刻な影響をもたらして、国内域内での半導体製造の強化が行われた2021年であったが、引き続く米中摩擦の中、ロシアのウクライナ侵攻が加わって、安全保障に向けた国益の中核を担う半導体のプレゼンスが一層注目された2022年である。
「衆議院」のサイトより、国益の説明が次の通りである。
…「国益」とは、国家あるいは国民社会にとっての最良の価値、利益であり、それは、国家、特に政治指導者たる対外政策決定者がその対外行動において追求すべき価値であり、政治指導者の対外行動基準として機能すべきものと解されている。また、対外政策を通じて追求される国民全体的な利益を指し、国内政策における公益に相当するとの見解もある。…
米国の対中国の輸出禁止など規制の強化が行われたのをはじめ、各国・地域での関連する内容が以下の通りである。

半導体関連インパクト:ロシア侵攻、コロナ感染、米中&中台ほか摩擦」 (4月18日号)

中国、ロシアそしてインド、それぞれの半導体関連現時点注目の動き」 (4月25日号)

国益を支える要の1つとしての半導体、我が国はじめ各国の関連の動き」 (5月9日号)

日米の半導体強化:経済安保推進法成立、$52 Billion法案合意待ち」 (5月16日号)

経済安保の中核の半導体:Biden大統領日韓訪問、Davos会議、他関連」 (5月30日号)

国益を支える半導体関連の動きから:米中、中台、欧州そして我が国」 (6月20日号)

米中はじめ各国での半導体業界問題視点:知的財産、危機、後退、復権」 (8月22日号)

米国の対中国・ロシア輸出規制 & 台湾との関係強化:韓国のジレンマ」 (9月5日号)

市場需要急減に加え米国の対中新規制インパクト、各国&各社への波及」 (10月17日号)

台湾を巡る米中応酬激化の中、米国次世代技術新規制の波紋が拡大へ」 (10月24日号)

米国の対中規制関連:同盟国への追随要請、やむにやまれぬ動きなど」 (11月7日号)

相次ぐ動き:次世代半導体新会社、対中国設計変更、工場売却阻止、…」 (11月14日号)

米中深まる対立:輸出禁止リスト、WTO提訴:狭間での各国対応模様」 (12月19日号)

米中対立の地政学的インパクト、各国各社それぞれの反応、越年へ」 (12月26日号)


【台湾、中国、韓国を巡る動き】 2件

最大市場の中国、そして世界の半導体生産を引っ張る台湾、韓国について絞った取り上げは次の通りであるが、上記の【米国の対中規制はじめ国益関連】の中にその後の内容が織り込まれている。

年末&年初の注目:台湾の半導体専門大学院、西安封鎖の影響、・・」 (1月4日号)

中国、台湾、韓国の半導体市場関連を巡る早々の駆け引き&取り組み」 (1月17日号)


【インテルはじめ各社の動き】 11件

半導体最大手のインテルをはじめとして、各社の動きに注目した内容が以下の通りである。特に、sub-5nm、3-nm、そして2-nmと、TSMCが主導する最先端微細化の取り組み、インテルの技術並びに新工場の戦略的展開、など今後引き続き注目するところである。

インテルの巻き返し始動、オハイオ州新工場打ち上げ、先端EUV発注」 (1月24日号)

独占禁止&公正取引の壁を巡る様々な動き:Nvidia、AMD、インテル」 (1月31日号)

注目2件:M&Aの明暗…AMDおよびNvidia/「欧州半導体法案」の波紋」 (2月14日号)

ウクライナ侵攻インパクト関連:最先端半導体技術を巡る実態模様」 (2月28日号)

新技術&新製品の取り組み関連:Apple Silicon、TSMC、AMD-Xilinx」 (3月14日号)

今後への布石:インテルの欧州工場&拠点計画、Armの人員削減、他」 (3月22日号)

最先端&高性能を巡る最前線:sub-5nm競合、Nvidiaはじめ次世代対応」 (3月28日号)

インテルの活発な戦略展開、Arm買収を巡る動き、政府&業界連携関連」 (6月6日号)

最先端の微細化&新製品への各社アプローチから:3-nm量産、2-nm視野」 (6月27日号)

業績浮揚を図る中のインテル関連:Arizona新工場共同出資、Hot Chips」 (8月29日号)

半導体製造強化に向けた投資&連携呼びかけ:インテルの取り組みから」 (10月3日号)


コロナ禍も3年目に入った2022年、各国・地域で状況に応じて、程度差はありながらそれぞれ対策が依然施されており、終わりが完全に見えるには至っていない現時点である。この環境の下での需要活況を受けて、世界半導体販売高の増加基調は2022年前半は続いたが、パソコン、スマホ市場の低迷が顕在化してきて、7月以降の後半は伸び率、そして販売高と低下してきており、史上最高を大幅に更新した2021年をさらに上回ると見られている2022年販売高であるが、確実視されるものの確認を要する現時点である。米中摩擦、そして世界的な半導体不足が依然引き続く中、米国国内の半導体製造の強化を目指す法案、$52 billion CHIPS Actの米国議会での推進が行われ、上院および下院の間での調整を経て、やっとこの8月にBiden大統領が署名して成立している。米国勢に加えて韓国、台湾などの各社の今後の米国新工場建設の進展に注目である。上海の都市封鎖(ロックダウン)、そしてロシアのウクライナ侵攻と、半導体関連市場にも深刻な波紋が生じているこの1年でもある。
経済安全保障の中核の1つとしての半導体の位置づけが一層高まって、世界の政治&経済情勢を敏感に映し出す動きを示している。この1年の半導体市場関連の注目の動きを、新型コロナウイルス感染状況の節目とともに、月ごと取り出したものを、ここで以下の通り示す。

2022年1月:
* 世界全体の新型コロナウイルスによる累計感染者数、3億人突破、新規感染過去最高
* TSMCおよびSamsungの2021年最高業績発表
* インテルが米国・オハイオ州に$20 billion新工場建設をホワイトハウスにてにて打ち上げ
* NvidiaのArm買収、AMDのXilinx買収それぞれの提案

2022年2月:
* 世界全体の新型コロナウイルスによる累計感染者数、4億人突破
* 米国議会下院が、先端技術の競争力向上を目指す包括法案を可決、$52 billion CHIPS Act進展
* NvidiaによるArm買収が、米英独禁当局の反対で中止に
* EUが、世界シェア20%を目指す「欧州半導体法案」を公表
* 米国・SIA発表、2021年年間半導体販売高が$555.9 billionと、史上最高更新
* ロシアのウクライナ侵攻、半導体はじめ技術輸出の対ロシア規制、ネオン、パラジウムの懸念

2022年3月:
* 半導体関連市場でも続くロシア制裁&ウクライナ支援に関係する動き
* アップルの「iPhone SE」、新PC「Mac Studio」発表、独自開発の新たな半導体「M1 Ultra」
* インテルの向こう10年を見据えた欧州での$88 billion規模の工場&拠点計画
* Nvidiaが、次世代GPUアーキテクチャー、Hopperを披露

2022年4月:
* 世界全体の新型コロナウイルスによる累計感染者数、5億人突破
* 上海の都市封鎖(ロックダウン)で深刻な波紋、西安でも移動制限
* 半導体人材&技術を巡り台湾と中国の間での軋轢
* ロシアでは、半導体国産化の計画線表、インドでは、国内半導体製造に本格的に乗り出す動き

2022年5月:
* 中国での上海など都市封鎖(ロックダウン)からくる消費下押し懸念
* 台湾への過度な依存のリスクが、複雑な地政学リスクとともに取り沙汰
* 国益を支える1つ、半導体を政府が引っ張る動きが、我が国はじめ各国で
* 我が国で、半導体などの供給網構築、先端技術の確保に取り組む経済安全保障推進法が成立
* Biden米国大統領の日韓訪問、最初の韓国到着後すぐSamsungの平沢市半導体工場訪問

2022年6月:
* 上海も封鎖が解除、我が国も入国制限が緩和
* インテルが、Samsungを電撃訪問、ソウルでのトップ会談、事業協力の協議
* 米国での入国時コロナ陰性証明不要
* パソコン需要鈍化への警戒がインテル、AMDから
* 米中摩擦の狭間の台湾、前例のない規模の投資打ち上げ
* 3-nm量産、2-nm視野の先陣をTSMCと競うSamsung

2022年7月:
* 我が国でも感染再拡大、「第7波」対応に追われる状況
* 世界半導体販売高、前年同月比20%以上増が13ヶ月続いたが、ここにきて割り込み
* Micronが非常に好調な第三四半期(5月締め)に対し、第四四半期の売上げ急落予想
* 米国半導体支援法案、27日上院でやっと可決、翌28日下院でも可決

2022年8月:
* 新型コロナ、我が国での新規感染1週間累計、世界最多に
* 米国半導体支援法案、CHIPS and Science Actに、Biden大統領が8月9日署名、「一世一代」の投資と強調
* インテルが、Arizona州の新工場に向けてカナダの投資会社との共同出資、そしてHot Chipsでは次世代プロセッサ高性能化に向けたチップレット技術プレゼン

2022年9月:
* 世界全体の新型コロナウイルスによる累計感染者数、6億人突破
* 米国の対中国、対ロシア、ハイエンドGPUs販売制限
* 2022年7月の世界半導体販売高、2021年11月以来の$50 billion割れ、先行き警告
* 米国CHIPS Actの施行に向け、インテル、マイクロンの新工場起工

2022年10月:
* 2022年9月の世界半導体販売高、ついに前年同月比減、2020年1月以来
* 米国政府が、中国に対する半導体および製造装置の販売にライセンス申請を求める新たな規制を発表
* 習近平政権が前例のない3期目入り、半導体関連において米国の新規制と合わせ、台湾、韓国、そして中国に重ね重ねの影響
* Samsung、Micronが、今後に備えて長期を見据えた取り組みの計画を打ち上げ

2022年11月:
* 米国の対中新規制の引き続く波紋、Biden政権が我が国はじめ"Chip 4同盟"に追随するよう要請
* 我が国で、政府支援の次世代半導体新会社が本格始動、2027年の国内量産を目指す
* APEC首脳会議に、台湾代表としてTSMCの創設者、Morris Chang(張忠謀)氏が出席、米中両国首脳と接触
* 需要失速を受けて、米国・マイクロンがメモリ半導体を2割減産

2022年12月:
* 中国の「ゼロコロナ」政策が、段階的緩和に向かう措置、一方、莫大な数の感染拡大の情報
* 2022年の世界半導体販売高、2021年を上回って史上最高更新が確実、2023年は減少の見方
* TSMCが、米国・アリゾナ拠点建設を祝う式典、および従来比3倍超の投資を発表
* 米国Biden政権が、中国のメモリ半導体メーカー、YMTCはじめ30社超を事実上の禁輸リストに追加


コロナ対応の完全には収まりきらない状況推移に対して、直面する事態への警戒感を伴った舵取りが各国それぞれに引き続き行われている中での世界の概況について、以下日々の政治経済の動きの記事からの抽出であり、発信日で示している。

□12月25日(日)

中国でのコロナ感染急増が伝えられる一方で、中国政府はコロナ規制を緩和、中国からの入国者受け入れの対応が各国で分かれる状況が以下にあらわれている。我が国は、12月30日から入国時コロナ検査を義務付けている。

◇中国コロナ感染急増;浙江省で1日100万人超え‐アップルなど供給網に懸念 (日経 電子版 19:12)
→中国浙江省政府は25日、新型コロナウイルスの1日あたりの新規感染者が100万人を超えたと発表、広東省東莞市や山東省青島市も数十万人にのぼり、急増している旨。中央政府の公式統計は実態を反映しておらず、情報公開への批判が国内外で高まりそう。
人口が約6500万人の同省は上海市に隣接し、中国ネット通販最大手のアリババ集団が本社を置く杭州市が省都。米アップルの取引先工場のほか、日本電産など外資系も多い製造業の集積地。感染拡大でサプライチェーン(供給網)への影響が懸念される旨。

□12月27日(火)

◇中国、1月8日から入国時の強制隔離撤廃;コロナ規制緩和 (日経 電子版 01:14)
→中国政府は26日、新型コロナウイルス感染拡大防止のため海外から中国本土に入る際に義務付けているホテルでの強制隔離を2023年1月8日から撤廃すると発表、感染症の危険度判断の引き下げも決めた旨。
現在は海外などからの入国者には、5日間の強制隔離と3日間の自宅隔離が義務付けられている旨。入国後のPCR検査と強制隔離を取りやめる旨。

◇中国からの渡航者、入国時コロナ検査義務付け;30日から‐陽性なら7日間隔離;首相表明 (日経 電子版 17:13)
→岸田文雄首相は27日、中国からの渡航者について新型コロナウイルスの水際対策を強化すると発表、30日から入国時に感染検査を義務付け、陽性だった場合は待機施設で原則7日間の隔離措置をとる旨。中国での感染急拡大が日本へ波及するのを抑える旨。

◇Foreign firms: China ‘turns corner’ by ending quarantine (AP NEWS)
→外国企業は、低迷しているビジネス活動を復活させるための重要なステップとして、海外からの旅行者の検疫を終了するという中国の決定を歓迎する一方、日本は火曜27日にインドに加わり、感染が急増するため、中国からの訪問者への規制を発表した旨。

□12月28日(水)

先行き懸念持越し年越しの中、上下して結局年間では4年ぶりに下げた本年最終週の米国株式市場である。

◇NYダウ続伸、37ドル高;中国関連株に買い (日経 電子版 06:24)
→27日の米株式市場でダウ工業株30種平均は小幅に続伸し、前営業日の23日に比べ37ドル63セント(0.1%)高の3万3241ドル56セントで終えた旨。中国政府が新型コロナウイルスの防疫措置を緩和する方針を示し、同国経済への不安が和らいだことが一定の支えとなった旨。半面、米景気を巡る先行き不安は根強く、上値は限られた旨。

米中の狭間で注目の台湾における有事対応である。

◇台湾、有事対応でシェルター10万カ所整備;人口の3倍超 (日経 電子版 19:10)
→台湾に進出する日本企業の間で、中国からの軍事侵攻などの有事に備えシェルター(防空壕)の利用など、現地での安全確保が課題となっている旨。有事が起きても日本へすぐには退避できない可能性があるため。台湾当局も人口の3倍超を収容できる10万カ所以上のシェルターを全土で整備するなど、安全対策を練っている旨。

□12月29日(木)

◇米政府、中国からの入国者にコロナ検査義務付けへ (日経 電子版 06:17)
→米政府は28日、中国からの入国者に新型コロナウイルスの検査を1月5日から義務付けると公表、中国での感染拡大が米国内に波及することを水際で防ぐ旨。感染を徹底的に押さえ込む「ゼロコロナ政策」を転換した中国に対し、各国・地域が対応を急いでいる旨。

◇NYダウ反落、365ドル安;ハイテク株に売り広がる (日経 電子版 06:56)
→28日の米株式市場でダウ工業株30種平均は3営業日ぶりに反落し、前日比365ドル85セント(1.1%)安の3万2875ドル71セントで終えた旨。米長期金利の上昇で高PER(株価収益率)のハイテク株に相対的な割高感を意識した売りが出た旨。中国での新型コロナウイルスの感染拡大が伝わったのも投資家心理を冷やし、相場を押し下げた旨。

□12月30日(金)

◇EU、中国からの渡航制限は「不適当」;域内の免疫力高く (日経 電子版 04:04)
→欧州連合(EU)の専門機関である欧州疾病予防管理センター(ECDC)は29日、新型コロナウイルスの感染が急拡大した中国からの渡航者について、検査や隔離などの措置を取ることは不適当だと判断した旨。EUの免疫力が高いため、中国からの流入は大きな影響を与えないなどとしている旨。

◇NYダウ反発345ドル高;ハイテクや消費関連株に買い (日経 電子版 06:19)
→29日の米株式市場でダウ工業株30種平均は反発し、前日比345ドル09セント(1.0%)高の3万3220ドル80セントで終えた旨。米長期金利の上昇が一服し、このところ売られていたハイテク株や消費関連株の買い直しが優勢となった旨。

金利上昇による株価低落、本年のインパクトの度合いである。

◇世界の金利上昇、1985年以降で最大;株・債券45兆ドル減 (日経 電子版 20:19)
→2022年はおよそ40年ぶりの急激な金利上昇の年となった旨。インフレ高進を受け世界の中央銀行が利上げし、世界の平均国債利回りは1年で2.4%上昇した旨。上昇幅は遡れる1985年以降で最大。低金利時代の終わりが意識され、株式や債券の時価は45兆ドル(約5900兆円、17%)減った旨。マネーは短期債に退避する一方、再生可能エネルギーなど先を見据えた投資もみられる旨。

□12月31日(土)

◇NYダウ反落、73ドル安;年間では4年ぶり下落 (日経 電子版 06:43)
→30日の米株式市場でダウ工業株30種平均は反落し、前日比73ドル55セント(0.2%)安の3万3147ドル25セントで終えた旨。米連邦準備理事会(FRB)の金融引き締めが米景気や企業業績を圧迫するとの警戒感が根強く、前日に上昇が目立った消費関連や景気敏感株への売りが相場を押し下げた旨。米長期金利が1カ月半ぶりの高水準に上昇し、株式の相対的な割高感が意識されたのも売りを誘った旨。
ダウ平均は年間で3191ドル(8.8%)下落、下落は4年ぶり。下落幅、下落率ともにリーマン・ショックのあった2008年(4488ドル、33.8%安)以来の大きさだった旨。


≪市場実態PickUp≫

【TSMCの3-nm半導体量産開始】

台湾・台南でのTSMCの最先端半導体、3-nm半導体量産開始が発表され、式典が行われている。最先端の取り組みは、まずは台湾で完結させる、というスタンスが改めてあらわされている。因みに、米国・アリゾナ工場での3-nm半導体量産に対しては、4年先行する形となる。

◇TSMC、台南で3-nm半導体の量産開始;台湾重視の姿勢 (12月29日付け ロイター 日本語版)
→半導体受託生産最大手の台湾積体電路製造(TSMC)は、29日に台湾南部台南市で回路線幅3-nmの最先端半導体の量産を開始した旨。劉徳音会長は引き続き台湾で生産能力を拡大していくと述べた旨。劉会長は、台南での量産開始は「台湾で先進技術を開発し生産能力を拡大するための具体的な行動」を示すものだと説明。
さらに台湾北部と中部で2-nmの次世代半導体工場の建設を計画していると述べた旨。

◇TSMC、最先端半導体を台湾で量産開始:米拠点に4年先行 (12月29日付け 日経 電子版 16:40)
→半導体大手の台湾積体電路製造(TSMC)は29日、台湾の新工場で世界最先端の半導体「3ナノ品」の量産を始めたと発表、処理性能は従来品に比べ10〜15%向上し、サーバーやスマートフォンへの搭載を予定する旨。TSMCが米国に新設する工場では2026年の量産を計画しており、台湾の拠点が4年も先行する形となる旨。


【日米の半導体人材育成協力】

対中国を念頭に置いた半導体次世代技術に向けた日米の人材育成協力が、次の通り強化されようとしている。

◇日米、半導体人材育成へ協力強化;対中国の安全保障念頭 (12月29日付け KYODO)
→先端半導体技術を担う人材の育成に向け、日米両政府が協力を強化することが29日、分かった旨。軍事増強が目立つ中国との安全保障面での緊張を念頭に、人工知能(AI)やスーパーコンピューターなどの次世代技術で日米が得意な領域を補い合う旨。あらゆる産業に必要となった半導体の技術を世界でリードする狙いもある旨。

新年早々の1月半ばに日米首脳会談が予定され、半導体関連の取り上げにも注目するところである。

◇日米首脳会談、1月13日軸に調整 ワシントンで (12月28日付け 日経 電子版 22:40)
→岸田文雄首相は2023年1月13日にワシントンでバイデン米大統領と会談する調整に入った旨。2021年10月の首相就任後、初めてホワイトハウスを訪ねる旨。国家安全保障戦略など安保関連3文書を説明し、同盟の強化を確認する旨。


【アップル追徴課税】

巨大ITに対して公正取引を求める動きが続く中、東京国税局がアップルの日本法人に対し、iPhoneの消費税について以下の通り追徴課税が求められている。

◇Appleに130億円追徴 消費税免税、制度悪用見抜けず (12月27日付け 日経 電子版 02:00)
→・免税制度に穴、不適切な大量購入見逃し消費税とれず
 ・アップル日本法人に東京国税局が130億円を追徴課税
 ・背景に訪日外国人客の申告に基づく日本特有の制度
米アップルの日本法人、アップルジャパン(東京・港)が東京国税局の税務調査を受け約130億円の消費税を追徴課税されたことが26日、関係者への取材で分かった旨。

◇「世界最安」iPhone、1人数百台購入も;Apple追徴課税 (12月27日付け 日経 電子版 12:05)
→米アップルの日本法人が東京国税局から消費税を追徴課税されたことが判明した旨。1人で数百台購入するなど、免税の要件を満たさない不適切な販売が多数あったもよう。主力製品のiPhoneは世界の主要国で日本が最も安い水準にある旨。日本で仕入れて海外転売すれば利益が出やすい構図で、転売業者が暗躍していた可能性もある旨。

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