2月世界半導体販売高、3ヶ月連続$50 billion超、韓国、台湾の急伸
新型コロナウイルスによる累計感染者数は金曜8日午後時点、世界全体で4億9634万人に達し、6日前から673万人増と高止まりの見え方である。早期封じ込めに失敗した上海での統制を強める動きが続いている。この2月の世界半導体販売高が、米国Semiconductor Industry Association(SIA)から発表され、$52.5 billionで前月比3.4%増、前年同月比32.4%増となっている。
昨年12月に$50 billionを突破した月次販売高(3ヶ月平均)であるが、これで3ヶ月連続となる。注目されるのが、市場地域別のAsia Pacific/All Otherでの急増(前月比18.6%増、前年同月比41.4%増)である。符合するかのように、韓国そして台湾での各社の非常に好調な業績発表が見られている。
≪2月の世界半導体販売高≫
今回の米国・SIAからの発表が、次の通りである。
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〇2月のグローバル半導体販売高が、前年同月比32.4%増、前月比3.4%増−Americas地域販売高が前年同月比43.2%増、すべての地域市場をリード …4月5日付け SIA/Latest News
Semiconductor Industry Association(SIA)が本日、2022年2月のグローバル半導体業界販売高が$52.5 billionで、前年同月、2021年2月の$39.6 billionに対し32.4%増、そして前月、2022年1月の$50.7 billionを3.4%上回る、と発表した。月次販売高の数字はWorld Semiconductor Trade Statistics(WSTS) organizationのまとめであり、3ヶ月移動平均で表わされている。SIAは、売上げで米国半導体業界の99%およびnon-U.S.半導体会社の約3分の2を代表している。
「2月のグローバル半導体販売高は依然力強く、前年比ベースで11ヶ月連続20%を上回る増加である。」と、SIAのpresident and CEO、John Neuffer氏は言う。「Americas地域販売高が引き続き他の地域市場を上回って、2月は前年比43.2%の増加である。」
Americas地域でのその前年同月比増加に加えて、Asia Pacific/All Other(41.4%), Europe(29.3%), China(21.8%), およびJapan(21.6%)とすべて増加している。前月比では、Asia Pacific/All Other(18.6%)およびEurope(1.4%)と増加したが、Japan(-1.3%), China(-2.3%), およびthe Americas(-3.0%)では減少した。
【3ヶ月移動平均ベース】
市場地域 | Feb 2021 | Jan 2022 | Feb 2022 | 前年同月比 | 前月比 |
======== | |||||
Americas | 8.13 | 12.00 | 11.64 | 43.2 | -3.0 |
Europe | 3.48 | 4.44 | 4.50 | 29.3 | 1.4 |
Japan | 3.16 | 3.89 | 3.84 | 21.6 | -1.3 |
China | 13.66 | 17.04 | 16.64 | 21.8 | -2.3 |
Asia Pacific/All Other | 11.22 | 13.37 | 15.86 | 41.4 | 18.6 |
計 | $39.64 B | $50.74 B | $52.48 B | 32.4 % | 3.4 % |
--------------------------------------
市場地域 | 9-11月平均 | 12- 2月平均 | change Americas | 11.53 11.64 0.9 Europe | 4.29 4.50 5.1 Japan | 3.95 3.84 -2.8 China | 17.02 16.64 -2.2 Asia Pacific/All Other | 13.31 15.86 19.2 $50.09 B $52.48 B 4.8 % |
--------------------------------------
※2月の世界半導体販売高 地域別内訳および前年比伸び率推移の図、以下参照。
⇒https://www.semiconductors.org/wp-content/uploads/2022/04/February-2022-GSR-table-and-graph-for-press-release.pdf
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これを受けた業界紙の取り上げが、以下の通りである。
◇Global Semiconductor Sales Increase 32.4% Year-to-Year, 3.4% Month-to-Month in February (4月6日付け SEMICONDUCTOR DIGEST)
◇Global Semiconductor Sales Up 32% YoY in February (4月7日付け EE Times Asia)
◇February chip sales up 32.4%-February chip sales of $52.5 billion were up 3.4% on January's $50.7 billion and up 32.4% on the $39.6 billion of February 2021, reports the SIA. (4月8日付け Electronics Weekly)
2022年の世界半導体販売高は、年間史上最高を大きく更新した2021年を上回れるかどうか、2021年と対比しての以下の見方を行っていく。月次最高の2021年12月を若干下回った2022年1月であったが、2月は大きく盛り返して最高を更新、3ヶ月連続の$50 billion突破となっている。この増勢基調が続いていくかどうか、目が離せないところである。
2021年 1月 | $40.01 B | 13.2 % | 1.0 % | |
2021年 2月 | $39.59 B | 14.7 % | -1.0 % | |
2021年 3月 | $41.05 B | 17.8 % | 3.7 % | |
2021年 4月 | $41.85 B | 21.7 % | 1.9 % | |
2021年 5月 | $43.61 B | 26.2 % | 4.1 % | |
2021年 6月 | $44.53 B | 29.2 % | 2.1 % | |
2021年 7月 | $45.44 B | 29.0 % | 2.1 % | |
2021年 8月 | $47.18 B | 29.7 % | 3.3 % | |
2021年 9月 | $48.28 B | 27.6 % | 2.2 % | |
2021年10月 | $48.79 B | 24.0 % | 1.1 % | |
2021年11月 | $49.69 B | 23.5 % | 1.5 % | |
2021年12月 | $50.85 B | 28.3 % | 1.5 % | $540.87 B |
→史上最高 | ||||
2022年 1月 | $50.74 B | 26.8 % | -0.2 % | |
2022年 2月 | $52.48 B | 32.4 % | 3.4 % |
今回のSIA発表で注目されるのが、Asia Pacific/All Otherの2月販売高、$15.86 billionであり、前月比18.6%増、前年同月比41.4%増と大幅な増加である。内訳&対応は明確でない現時点であるが、該地域の主体である韓国および台湾の半導体各社の非常に好調な業績にも、以下の通り注目させられている。
まず、台湾について、TSMCの1月および2月販売高である。
◇Taiwan's TSMC posts historic monthly sales high in January-TSMC posts Jan. revenue of $6.18B -Taiwanese chipmaker posted US$6.18 billion in sales for the first month of the year (2月11日付け Taiwan News)
→TSMCが木曜10日、歴史的な1月販売高、NT$172.18 billion($6.18 billion)を発表、前月比10.8%増、前年同月比35.8%増。CNAによると、同社はこれで2ヶ月連続月次販売高最高更新の旨。
◇TSMC sets record monthly high in January sales (2月10日付け Focus Taiwan)
◇TSMC reports highest ever sales for February (3月10日付け Focus Taiwan)
→TSMCの2月販売高がNT$146.933 billion($5.21 billion)と2月最高を記録、前月比14.7%減、前年同月比37.9%増。2月はweek-long Lunar New Year holidayからwork daysが少ない旨。
NanyaおよびMacronixの第一四半期売上げである。
◇Nanya, Macronix post revenue increases in 1Q22-Macronix and Nanya report revenue increases on year in Q1 (4月8日付け DIGITIMES)
→DRAM半導体メーカー、Nanya TechnologyおよびマスクROMおよびフラッシュメモリのメーカー、Macronix Internationalがともに、第一四半期売上げが前年同期比二桁%増加の旨。
次に、韓国のSamsungであるが、旺盛なメモリ半導体需要から2018年の最高を更新する利益が第一四半期について以下の通り見込まれている。
◇Samsung Elec likely to report highest Q1 profit since 2018 on chips-Analysts: Samsung Electronics to post Q1 profit of $10.9B (4月4日付け Reuters)
→アナリストの推定によると、Samsung Electronics Co Ltdが、堅調な需要で予想より堅実な価格、メモリ半導体の好調な利益が牽引して、2018年以来最高の第一四半期の利益を計上する見込みの旨。13人のアナリストによるRefinitiv SmartEstimateによると、同社営業利益は、3月締め四半期に13.3 trillion won($10.9 billion)に達する可能性がある旨。
◇Samsung Electronics Q1 profit tops market expectations on solid chip demand-IC sales expected to drive Q1 profit of $11.6B for Samsung Electronics (4月6日付け Reuters)
→Samsung Electronics Co Ltdが木曜7日、四半期営業利益が推定50%増加、2018年以来の最高の第一四半期利益を記録したと報告の旨。堅調な需要がメモリ半導体の価格を支えて予想を上回った旨。
◇Samsung expects 1Q profits to soar by 50% on strong memory chip demand (4月7日付け FierceElectronics)
→Samsungが、メモリ半導体の旺盛な需要とスマートフォンの好調な販売に基づいて、第一四半期の営業利益が50%急増し、2018年以来の最高水準に達すると予想している旨。
同社は予備報告で、第一四半期の利益を14.1 trillion won($11.6 billion)とし、4月28日に正式発表する旨。売上高は前年同期比18%増の最高記録、77 trillion won($63 billion)と見込まれている旨。
この間、非常に活況ならではの動きが取り沙汰されている。
◇サムスンが給与の5倍の奨励金、人材引き留めで待遇改善競争 (2月14日付け 日経XTECH)
→2021年に米Intelを抜き、世界半導体市場の売上高で1位となった韓国Samsung Electronicsと、歴代最多売上高を記録した韓国SK hynix。好業績に沸く両社が従業員に支給したボーナスと基本給に上乗せして払われる奨励金(インセンティブ)が大盤振る舞いだとして、韓国内で話題になっている。報道によると、サムスン電子のメモリー事業部で課長クラスの従業員は、給与のほかに4800万ウォン(約460万円)の奨励金を受け取るという。背景には韓国内の競合はもちろん中国企業を含めて人材の奪い合いが激化しており、待遇改善で優秀な人材を囲い込みたいという狙いがある。
欧米の半導体大手トップの韓国そして台湾を訪れる記事が目についている。
◇ASML CEO in S. Korea to discuss semiconductor cooperation amid global chip shortage (4月5日付け Yonhap News Agency)
→世界唯一のextreme ultraviolet(EUV) lithographyマシンの生産元、ASML(オランダ)のCEO、Peter Wennink氏が、半導体クラスタープロジェクトおよび現地従業員とのmeetingsのために韓国を訪問、半導体不足が続く中、韓国での事業を拡大している旨。
◇Intel CEO visiting Taiwan and Japan (4月6日付け Taipei Times)
→Intel社のchief executive officer(CEO)、Pat Gelsinger氏が、いろいろな業界に影響を与えているグローバルな半導体の混乱の渦中、TSMCおよび日本とインドの他のサプライヤと会う予定の旨。
◇Intel CEO visits Taiwan for additional capacity support from TSMC-Intel CEO met top TSMC executives in visit to Taiwan (4月8日付け DIGITIMES)
→IntelのCEOPat Gelsinger氏が台湾を短時間訪問、TSMCと会い、sub-7nmプロセスの製造能力だけでなく、28nmなどの成熟ノードのプロセス能力を確保して非常に逼迫した供給を緩和しようとしている旨。
この活況を支える受注状況、およびDRAM価格の推移である。
◇IC foundries, fab toolmakers continue to see orders piling up-Sources: Foundries, IC gear vendors see customer orders grow (4月6日付け DIGITIMES)
→TSMCそしてUnited Microelectronics(UMC), Vanguard International Semiconductor(VIS)およびPowerchip Semiconductor Manufacturing(PSMC)など台湾を拠点とするその他のICファウンドリでは、最近の減速にもかかわらず、顧客の注文が増え続けている旨。
◇DRAM価格横ばい、3月大口、下落歯止めも需要鈍く (4月6日付け 日経)
→DRAMの3月の大口取引価格は2月からおおむね据え置きとなった旨。指標となるDDR4型の8ギガビット品は1個3.1ドル前後、容量が小さい4ギガビット品は同2.5ドル前後で、いずれも3カ月連続で同値水準になった旨。
2021年のウェーハcapacity世界比率があらわされており、韓国のSamsungおよびSK Hynix、台湾のTSMCがトップ5に入って、合わせて世界の41%を占めている。
◇Top Five Leaders Continue Expanding Share of Global IC Fab Capacity (4月7日付け SEMICONDUCTOR DIGEST)
→Knometaが最近リリースしたGlobal Wafer Capacity 2022レポート。
グローバルICウェーハcapacityトップ5社の世界比率の推移:
2021年末時点 57%
2020年〃 56%
2018年〃 53%
10年前 約40%
2021年末時点トップ5(200-mm換算):
Samsung | 4.050K枚/月 | 19% |
TSMC | 2,803 | 13 |
Micron | 2,054 | 10 |
SK Hynix | 1,982 | 9 |
Kioxia/WD | 1,328 | 6 |
トップ5計 | 12,217 | 57 |
◇Top-Heavy Capacity-Knometa Research: 5 wafer suppliers held 56% of market share -At the end of 2021, 57% of the industry’s total monthly wafer capacity was owned by the top five companies, according to Knometa Research's Global Wafer Capacity 2022 report. (4月8日付け Electronics Weekly (UK))
世界半導体販売高および内訳の推移に、引き続き注目である。
コロナ対応のなかなか完全には収まらない状況推移に対して、直面する事態への警戒感を伴った舵取りが各国それぞれに引き続き行われている世界の概況について、以下日々の政治経済の動きからの抽出であり、発信日で示している。
□4月5日(火)
米連邦準備理事会(FRB)による積極的な金融引き締めを警戒しながら、間で下げたものの出だしそして後半に上げた今週の米国株式市場である。
◇NYダウ続伸103ドル高、ハイテク株に買い (日経 電子版 05:58)
→4日の米株式市場でダウ工業株30種平均は続伸し、前週末比103ドル61セント(0.3%)高の3万4921ドル88セントで終えた旨。米連邦準備理事会(FRB)の積極的な金融引き締めへの警戒はくすぶっているが、成長性が高く、相対的に景気の影響を受けにくいハイテク株に値ごろ感からの買いが入った旨。新たな四半期に入り、期初に新規の投資資金が流入するとの期待も相場を支えた旨。
ウクライナでの虐殺の現場が衝撃を与えているが、西側結束してのロシアに対する制裁が強化されている。
◇U.S, EU to Announce New Sanctions on Russia, Hitting Investments-US, EU, G-7 reportedly to impose further Russian sanctions (BNN Bloomberg (Canada))
→情報筋発。米国とGroup of Seven(G-7)同盟各国およびEUが、ウクライナでの敵対行為に対応して、ロシアに対するさらなる制裁を発表する予定、伝えられるところによると、この措置には、ロシアの金融および国有企業に対するさらなる措置と、ロシア政府当局者に対する制裁が含まれる旨。
コロナ感染拡大で、上海のロックダウンが延長され、防御体制が強化されている。
◇中国・上海、都市封鎖を延長へ、コロナ感染拡大止まらず (日経 電子版 09:24)
→東部と西部の2地域に分けて都市封鎖(ロックダウン)を実施している中国・上海市は4日、病気による治療などを除いて引き続き西部地区で外出制限を継続すると発表した旨。上海市は西部で1日から都市封鎖を実施し、5日未明に解除すると公表していたが、事実上の延長を決めた格好。
□4月6日(水)
◇NYダウ反落280ドル安、長期金利上昇でハイテク株に売り (日経 電子版 07:31)
→5日の米株式市場でダウ工業株30種平均は3営業日ぶりに反落し、前日比280ドル70セント(0.8%)安の3万4641ドル18セントで終えた旨。米連邦準備理事会(FRB)が積極的に金融を引き締めるとの観測が広がり、米長期金利が3年ぶりの高水準を付けた旨。金利が上昇すると相対的な割高感が意識されやすい高PER(株価収益率)のハイテク株が売られた旨。金融引き締めが米景気を冷やすとの懸念も相場の重荷だった旨。
◇NYダウ続落で始まる、FOMC議事要旨控え警戒感 (日経 電子版 22:57)
→6日の米株式市場でダウ工業株30種平均は続落で始まり、午前9時35分時点は前日比291ドル44セント安の3万4349ドル74セントで推移している旨。米連邦準備理事会(FRB)が利上げを決めた3月開催分の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨が午後に公表される旨。金融引き締めに積極的なタカ派の内容になるとの警戒感が高まっており、幅広い銘柄に売りが先行している旨。
□4月7日(木)
世界貿易機関(WTO)の議論も、ロシアの侵攻で停滞である。
◇WTO議論、侵攻で停滞、ロシア参加のECルールなど (日経 電子版 05:44)
→ロシアが参加する国際枠組みで議論が停滞している旨。世界貿易機関(WTO)は電子商取引(EC)のルールをつくる交渉が止まった旨。軍事技術などの輸出管理の枠組みは対象とする技術を指定しにくくなる旨。ウクライナ侵攻を続ける同国と協力が困難なうえ除名の規定もなく身動きがとれない旨。冷戦後に旧共産圏を取り込んできた枠組みのあり方が問われる旨。
□4月8日(金)
◇NYダウ反発、87ドル高、ヘルスケア・日用品株に買い (日経 電子版 06:05)
→7日の米株式市場でダウ工業株30種平均は3営業日ぶりに反発し、前日比87ドル06セント(0.3%)高の3万4583ドル57セントで終えた旨。米連邦準備理事会(FRB)による積極的な金融引き締めを警戒した売りが先行したが、売り一巡後は下げ渋った旨。業績が景気に左右されにくいヘルスケアや日用品などディフェンシブ株を中心に買われ、午後に上げに転じた旨。
□4月9日(土)
◇NYダウ続伸137ドル高、長期金利上昇で金融株に買い (日経 電子版 05:34)
→8日の米株式市場でダウ工業株30種平均は続伸し、前日比137ドル55セント(0.4%)高の3万4721ドル12セントで終えた旨。米長期金利が朝方に2.73%と3年ぶりの高水準を付け、利ざや拡大の見方から金融株が買われた旨。業績が景気動向に左右されにくいディフェンシブ株への買いも相場を押し上げた旨。半面、ハイテク株は売られ、相場の重荷となった旨。
≪市場実態PickUp≫
【ロシアの侵略関連】
西側の経済制裁を受けるロシアに関連する事態が以下の通り。
銀行決済カード用の半導体製造で、ロシアが中国に向かっている。
◇Russia turns to China for microchips for in-demand domestic bank cards-Russia needs chips for in-demand domestic bank cards (4月5日付け Reuters)
→ロシアでの事業に対するボイコットのため、ロシアは、Mir決済システムにリンクされた銀行カードに必要なICを供給するために、中国でのmicrochip製造契約を行っている旨。「私たちは新しいmicrochipサプライヤを探しており、認証プロセスが進行中の中国でいくつか見つけている。」と、National Card Payment Systemのボードメンバー、Oleg Tishakov氏。
ロシアでの事業停止に、インテルが加わっている。
◇Intel joins Big Tech companies suspending Russian business operations (4月6日付け SILICON VALLEY BUSINESS JOURNAL)
→Intelが火曜5日、ロシアでの事業operations停止を発表、「ロシアの1,200人の従業員を含め、この困難な状況を通じてすべての従業員をサポートするよう努めている。」と声明にて。
◇Intel suspends business in Russia, condemns war in Ukraine-Intel pauses operations in Russia, cites war in Ukraine-US chipmaker is latest firm to exit the country following Moscow's invasion of Ukraine. (4月6日付け Al Jazeera)
→Intelが、ロシアのウクライナ侵攻に対応して、ロシアでのすべての事業運営を保留にした旨。「インテルは、ロシアのウクライナとの戦争を非難し、迅速な平和への復帰を呼びかけるために、引き続きグローバルコミュニティに参加する」とし、加えて、ロシアの1,200人の従業員を支援し、「グローバルな事業の中断を最小限に抑えるための事業継続措置を実施する。」と声明にて。
◇Intel suspends operations in Russia (4月6日付け TechCrunch)
Samsungは、ロシア事業について板挟みの状況である。
◇サムスン、ロシアで板挟み、スマホ首位で撤退決断難しく−猛追の中国勢を警戒 (4月7日付け 日経 電子版 23:00)
→韓国サムスン電子がロシア事業を巡り苦悩している旨。ウクライナ侵攻を受けて欧米企業中心にロシア撤退の動きが広がる中でも、明確な態度を示していない旨。スマートフォンやテレビで高いシェアを握り、撤退すれば、猛追する中国勢に市場を奪われるとの懸念が強いため。LG電子や現代自動車といった韓国企業も同様の板挟みに直面している旨。
【中国市場関連】
米国の制裁下にあるHuaweiの中心として思い浮かべる孟晩舟(Meng Wanzhou)氏が、deputy chairwomanに就いている。
◇Huawei CFO Meng Wanzhou named as deputy chairwoman (4月2日付け South China Morning Post)
→*Huaweiの創設者、Ren Zhengfeiの娘であるMengは、同社の米国との争いにおいて中心的な役割を果たした旨。
*米国は、国家安全保障上の懸念を理由に、2019年から2020年にかけて一連の貿易制限を同社に課した旨。
中国半導体メーカーの昨年の世界市場シェアに注目している。
◇Chinese Companies Hold Only 4% of Global IC Marketshare-U.S. companies captured 54% of the total worldwide IC market in 2021, propelled by a 47% share of IDM sales and a 68% share of fabless sales. (4月5日付け IC Insights)
→5月にリリースされるIC InsightsのMcCleanレポート2022の第2四半期の更新。IDM(ウェーハファブを伴う企業)、ファブレス企業、およびICの総売上高の地域市場シェアは、2021年は米国本社企業が主導した旨。
※2021年世界半導体メーカーシェア:本社所在地別
IDMシェア | ファブレスシェア | 半導体全体シェア | ||
米国 | 47% | 68% | 54% | |
韓国 | 33 | 1 | 22 | |
台湾 | 3 | 21 | 9 | |
欧州 | 9 | <1 | 6 | |
日本 | 8 | 1 | 6 | |
中国 | <1 | 9 | 4 |
破産したTsinghua Unigroupへの資金注入があらわされている。
◇Beijing bails out bankrupt Chinese chipmaker Tsinghua Unigroup-Beijing saves bankrupt Tsinghua Unigroup with $9.4B funds injection -This matters for China - and for HPE, Intel … and possibly Apple (4月5日付け The Register (UK))
→中国政府の支援を受けたBeijing Jianguang Asset Management Co. Ltd(JAC Capital)が主導するコンソーシアムが、多くの大手ハイテク業界プレイヤーに評価される取引、不安定な中国の半導体メーカー、Tsinghua Unigroupに$9.4 billionを注入の旨。
【英国・Newport Wafer Fab売却の件】
2017年にNXP Semiconductorsスタンダードプロダクト事業部門から独立したNexperiaが、いまは中国企業の傘下。ここに英国最大の半導体工場、Newport Wafer Fabを売却する件について、英国政府が承認したのかどうか、まだ見定めを要する以下の現状である。
◇Calls to block sale of Newport Wafer Fab to Chinese controlled Nexperia (4月2日付け The Times)
→英国政府が、英国最大のmicrochip製造工場の1つを中国に売却することを阻止するよう圧力をますます受けている旨。
大臣と当局者は、中国のスマートフォンメーカー、Wingtech Technologyが管理するNexperiaによる、ウェールズ南部のNewport Wafer Fabの買収を許可するかどうかを検討するために数か月を費やした旨。
◇Chinese takeover of Newport Wafer Fab approved-UK clears purchase of Newport Wafer Fab by Nexperia (4月4日付け Electronics Weekly (UK))
→Nexperiaが提案したWalesのNewport Wafer Fabの買収が、中国・上海のWingtechが保有するNexperiaの所有権について懸念があるにもかかわらず、英国政府によって許可されている旨。Nexperiaは、Newport Wafer Fabの100%を所有するために$82 million以上を支払い、Welsh政府からの$22 millionのローンを返済した旨。
◇Concerns grow over sale of UK's largest semiconductor plant to Chinese company-The British government denies the sale has been 'quietly approved,' as MPs call for stricter measures. (4月7日付け Radio Free Asia)
→英国政府が一年前に見直しを命じたにもかかわらず、売却を"静かに"承認したという報道の中で、英国最大の半導体工場を$82 millionで買収するという国営の中国企業の計画に対する懸念が高まっている旨。
【東芝関連】
さらに別の大株主からの要求が以下の通り見られているが、改めて再編に向かう現時点の動きである。
◇Another big Toshiba shareholder calls for major change-3D Investment Partners calls for the sale of Toshiba -3D Investment Partners wants to sell, labels company a 'governance embarrassment for Japan' (4月7日付け The Register (UK))
→東芝の最大の株主の1人、東芝の7.6%を所有する3D Investment Partnersが、該日本の最大手の全部または一部を買収するための入札を求めるように同社の取締役会に呼びかけた旨。
◇東芝、非公開化にらみ特別委、会社分割は中断 (4月7日付け 日経 電子版 23:25)
→東芝は7日、株式非公開化を含む戦略的選択肢の検討に向け、特別委員会を設置すると発表、グループ全体を2分割する再編は中断する旨。特別委は社外取締役全6人で構成し、買収提案の吟味などを行う。2分割を前提としていたエレベーターと照明の両事業の売却手続きも中断する旨。
◇Toshiba to restart strategic review that could see it go private-Toshiba revives strategic review of operations (4月7日付け Reuters)
→東芝の6名の社外取締役からなる委員会が、同社の将来計画を戦略的に検討していく旨。東芝は声明のなかで、該新委員会は"多様な利害関係者に最適な民営化の提案を特定する"と述べた旨。
◇東芝、社外取主導で空転の1年、新設特別委も同じ顔ぶれ (4月8日付け 日経 電子版 12:02)
→東芝が新たに特別委員会を設けることを決めた旨。グループ全体を2分割する再編案は中断し、株式非公開化を含む戦略的選択肢を検討する旨。最初の非公開化提案から1年たち、再編は振り出しに戻る旨。特別委は分割案を主導した戦略委員会とほとんど顔ぶれが変わらない旨。「失われた1年」を取り戻せるかは未知数。
【2件のM&A】
AMDのデータセンター関連に向けてのPensando買収である。
◇AMD to buy Pensando, maker of packet processors, for $1.9 B (4月4日付け FierceElectronics)
→AMDが月曜4日、AMDのデータセンター製品提供の仕上げに向けて設立5年のPensandoを$1.9 billionで買収する契約に達したと発表の旨。
◇AMD to buy Pensando for $1.9B-AMD spends $1.9B to purchase Pensando (4月4日付け VentureBeat)
→Advanced Micro Devices(AMD)が、Pensandoを$1.9 billionで買収することに合意した旨。分散サービスプラットフォームメーカーのPensandoは、データセンターで使用するための完全にプログラム可能なパケットプロセッサとソフトウェアスタックを備えたプラットフォームを提供している旨。
◇AMD to buy chip software start-up Pensando for $1.9bn (4月4日付け Silicon Republic)
◇AMD to buy Pensando - a Milpitas startup led by Cisco vets - for $1.9B (4月4日付け SILICON VALLEY BUSINESS JOURNAL)
→AMDが買収するスタートアップは、これまでのベンチャー企業のいくつかをCisco Systems社に売却したエンジニアとエグゼクティブのチームからの最新のものである旨。
Qualcommが、車載ソフトウェア関連に向けてVeoneerの1部門、Arriverの買収である。
◇Qualcomm completes Arriver acquisition to bulk up software prowess in ADAS, self-driving vehicles-Qualcomm completes buy of Arriver, adding ADAS software (4月4日付け The San Diego Union-Tribune)
→Qualcommが月曜4日、Veoneerのadvanced driver assistance/自動運転車ソフトウェア部隊の買収を締めくくり、スマートフォンを超えて多様化する中、自動車メーカーに向けた主要なテクノロジーサプライヤーになることを強調の旨。
【自前設計】
Samsungが、自社スマホ専用のチップセットを開発するとのこと。
◇Report: Samsung says it is working on a chipset ‘unique’ to Galaxy smartphones-Report: Samsung develops chipset for Galaxy smartphones (4月6日付け 9to5Google)
→Samsung MobileのPresident、TM Roh氏が、SamsungがGoogleのPixel 6スマートフォンでのTensor microchipと同様に、Samsungのhandsets専用のチップセットを開発と言っている、とされている旨。SamsungのExynos半導体は他のAndroidスマートフォンメーカーが利用できる一方、この新しいチップセットはSamsungのGalaxyスマートフォンでのみ使用できる旨。
中国・OPPOも、来年にも社内開発チップセットを打ち上げるとしている。
◇OPPO's first in-house AP chip could launch as soon as next year (4月6日付け XDA Developers)
→QualcommおよびMediaTekが、モバイルチップセットの分野で間もなく深刻な競争を繰り広げる可能性がある旨。伝えられるところによると、中国のスマートフォンメーカー、OPPOは、将来の同社スマートフォンに搭載する社内のモバイルチップセットに取り組んでいる旨。
【Samsung難航?】
5-nmそして3-nmと最先端微細化を巡るTSMCとSamsungのしのぎ合いが当面の注目するところであるが、Samsungの苦境のトーンがを感じざるを得ない以下の内容である。
◇TSMC Boosts 5nm Production To 150,000 Wafers/Month Amidst Strong Demand (4月1日付け WCCF TECH INC.)
→TSMCが、5-nanometer(nm)プロセス技術ファミリーの出荷を増やしている旨。これはTSMCのポートフォリオの中で最先端技術であり、ファブは今年後半に3nm製造に進むことを目指している旨。本日のレポートは、台湾の出版物、DigiTimesの好意によるもので、特に韓国の半導体メーカー、Samsung Foundryが現在直面している歩留まりの問題の報道を受けて、該生産量の増加はパーソナルコンピューティング業界の数社からの注文を促進するためである旨。
◇サムスンが超大型顧客を奪われた?イ副社長「半導体の青写真」の将来は (4月6日付け コリア・エレクトロニクス)
→最近、サムスン電子ファウンドリ(半導体チップ委託生産)部門の超大型顧客であるグローバルグラフィック処理装置(GPU)企業「エヌビディア」が、今年の製品受注を台湾のTSMCに委託したことが明らかになり、サムスン電子の関連事業に対する懸念の声が高まっている。ファウンドリ事業での主要顧客離れは、2030年までにシステム半導体部門1位を達成するというイ・ジェヨン副会長の「システム半導体ビジョン2030」の足を引っ張る可能性があるという分析だ。韓国メディア「ヘラルド経済」が報じた。