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2020年世界半導体販売高が6.5%増の$439 Billion、2018年に次ぐ額

新型コロナウイルスによる累計感染者数は金曜5日昼前時点、世界全体で1億481万人を超え、1週間前から約350万人増となっている。コロナワクチンの接種回数は67カ国で1億795万回を超え、我が国は治験中で、承認には至っていない段階である。米国・Semiconductor Industry Association(SIA)から世界半導体販売高のデータが発表され、今回は2020年12月および年間販売高があらわされている。12月も$39.2 billionと高水準を維持、年間では6.5%増の$439.0 billionという結果である。コロナ禍での巣ごもり需要など支えて、メモリの高値が引っ張った2018年の$468.8 billionの史上最高に次ぐ値となっている。本年がこれを越えられるかどうか、今後に注目である。

≪最高更新に向かって≫

米国・SIAからの今回の発表が、次の通りである。

☆☆☆↓↓↓↓↓
〇2020年のグローバル半導体販売高が、6.5%増の$439 billion−第四四半期販売高が、前四半期比3.5%増、前年同期比8.3%増 …2月1日付け SIA/Latest News

Semiconductor Industry Association(SIA)が本日、2020年のグローバル半導体業界販売高が$439.0 billionで、2019年総計$412.3 billionに比べて6.5%の増加。と発表した。2020年12月のグローバル販売高が$39.2 billionで、2020年11月総計を2.0%下回り、2019年12月と比べて8.3%の増加であった。第四四半期販売高が$117.5 billionで、前四半期を3.5%上回り、前年同期を8.3%上回った。月次販売高の数字はすべてWorld Semiconductor Trade Statistics(WSTS) organizationのまとめであり、3ヶ月移動平均で表わされている。SIAは、売上げで米国半導体業界の98%およびnon-U.S.半導体会社の約3分の2を代表している。

「2020年のグローバル半導体販売高は年間ベースで適度な増加、pandemicなどの要因による困難なマクロ経済環境を切り抜けている。」と、SIAのpresident and CEO、John Neuffer氏は言う。「グローバル半導体需要が増加の一方、米国で行われているグローバル半導体生産の比率は1990年代の37%から今日12%に低下、その不均衡はグローバルな状態を公平にする米国政府の活動なしではただただ強まっていく。米国が増大する需要から利益を被って、我々の経済、国家安全および重要インフラを強化するのに必要なより多くの半導体をつくれるよう、連邦政府は国内半導体製造に向けたincentivesおよび半導体リサーチへの投資を是非とも完全に行わなければならない。」

地域別では、Americas市場への販売高が際立っており、2020年に19.8%増加している。中国は依然、最大の半導体個別市場であり、2020年総販売高が$151.7 billionで5.0%増である。2020年年間販売高はAsia Pacific/All Other(5.3%)およびJapan(1.0%)でも増加したが、Europe(-6.0%)では減少した。2020年12月の販売高は、2020年11月に比べて、Asia Pacific/All Other(0.8%)およびJapan(0.1%)で僅かに増加したが、Europe(-0.2%),the Americas(-3.0%), およびChina(-4.5%)では減少した。

2020年年間地域別販売高増減

Americas
+19.8%
Europe
-6.0%
Japan
+1.0%
China
+5.0%
Asia Pacific/All Other
+5.3%

2020年12月地域別販売高増減

Americas
前年同月比  11.1%/
前月比 -3.0%
Europe
4.7%/
-0.2%
Japan
7.3%/
0.1%
China
4.4%/
-4.5%
Asia Pacific/All Other
12.7%/
0.8%

                 【3ヶ月移動平均ベース】

市場地域
Dec 2019
Nov 2020
Dec 2020
前年同月比
前月比
========
Americas
7.53
8.62
8.36
11.1
-3.0
Europe
3.21
3.36
3.36
4.7
-0.2
Japan
3.05
3.27
3.28
7.3
0.1
China
12.77
13.97
13.34
4.4
-4.5
Asia Pacific/All Other
9.60
10.74
10.82
12.7
0.8
$36.17 B
$39.96 B
$39.16 B
8.3 %
-2.0 %

--------------------------------------
市場地域
7- 9月平均
10-12月平均
change
Americas
8.02
8.36
4.2
Europe
3.03
3.36
10.8
Japan
3.07
3.28
6.8
China
13.48
13.34
-1.1
Asia Pacific/All Other
10.24
10.82
5.7
$37.84 B
$39.16 B
3.5 %

--------------------------------------

いくつかの半導体製品分野が、2020年に目立っている。ロジック(2020年販売高$117.5 billion)およびメモリ(同$117.3 billion)が販売高で最大の半導体カテゴリーであった。ロジック製品の年間販売高が2019年に対して10.3%増の一方、メモリ製品の販売高は10.2%増であった。メモリカテゴリーの中では、NANDフラッシュ製品が目立っており、2020年に23.1%増の$49.5 billionである。microprocessors(MPUs)などのカテゴリー、micro-ICsの販売高は、2020年に4.8%増の$69.6 billionである。non-memory製品をすべて合わせた販売高は2020年に5.2%の増加、該カテゴリーの販売高総計が史上最高に達している。

※12月の世界半導体販売高 地域別内訳および前年比伸び率推移の図、以下参照。
https://www.semiconductors.org/wp-content/uploads/2021/02/December-2020-GSR-table-and-graph-for-press-release.pdf
★★★↑↑↑↑↑

これを受けた業界各紙の取り上げが、以下の通り続いている。

◇Chip sales rose 6.5% globally in 2020 after year-end rush (2月1日付け Reuters)
→2020年のグローバル半導体販売高が6.5%増、終わり3ヶ月での回復がpandemic在宅命令が世界中で展開された3月および4月の急な落ち込みを打ち消している旨。

◇Chip sales rose 6.5% globally in 2020 after year-end rush-SIA: Global 2020 chip sales increased 6.5% to $439B (2月1日付け Reuters)
→Semiconductor Industry Association(SIA)発。2020年の世界microchips売上げが、前年の$412 billionに対して6.5%増の$439 billion、第四四半期に売上げが加速の旨。COVID-19 pandemicによるlockdownの広がりで、work-from-homeおよびlearn-from-home活動からの販売高が高まった旨。

◇Chip Industry Rebounded in 2020 as Lockdown Fueled Demand (2月1日付け Bloomberg)

◇2020 semi industry grew 6.5%-The semiconductor industry grew 6.5% last year to $439 billion, says the SIA, compared to 2019’s $412 billion. (2月1日付け Electronics Weekly (UK))

◇Global semiconductor sales increased by 6.5 percent in 2020 to $439B (2月1日付け The Burn-In)

◇Semiconductor Sales Rose 6.5% in 2020-The industry recovered from a coronavirus-induced slump in March and April. (2月2日付け The Motley Fool)

◇SIA, IDC Report Strong Q4 Semi Sales, and Demand Headed Up (2月2日付け Printed Circuit Design & Fab)

米国の半導体製造の強化について、SIAより念押しされている。

◇Semiconductor Shortage Highlights Need to Strengthen U.S. Chip Manufacturing, Research (2月4日付け SIA Blog)
→2020年のグローバル半導体販売高は6.5%の増加、末端市場rangeにわたる半導体需要増大を示している旨。半導体の全体需要増大および経済全体を通して絶えず増大する重要性が、Washingtonのpolicymakersの注目を捉えている旨。この対応に向けて議会は、国内半導体製造に向けた連邦incentivesおよび半導体リサーチへの出資を求める法制化を今年はじめ施行の旨。

遡って、2016年後半から2年あまり史上最高を更新し続ける勢いの熱い活況が続いた半導体業界であるが、そこからの販売高の推移の見方を続けている。2019年後半の折角の戻し加減がコロナウイルス・インパクトにより大きく水を差されて、下振れが避けられない情勢の中、昨年の1月から7月まで$35 B前後を小幅にキープして踏み止まり、8月は$36 B台に、そして9月には$38 B近く、そして10月、11月、12月と$39 B台に乗せている。こうして、2020年の年間販売高が、2018年の史上最高に次ぐ結果となっている。2021年での最高更新が成るかどうか、先行き不安定性の中、増勢基調を保てるかどうか、引き続き注目するところである。

販売高
前年同月比
前月比
販売高累計
(月初SIA発表)
 
2016年 7月 
$27.08 B
-2.8 %
2.6 %
2016年 8月 
$28.03 B
0.5 %
3.5 %
2016年 9月 
$29.43 B
3.6 %
4.2 %
2016年10月 
$30.45 B
5.1 %
3.4 %
2016年11月 
$31.03 B
7.4 %
2.0 %
2016年12月 
$31.01 B
12.3 %
0.0 %
$334.2 B
 
2017年 1月 
$30.63 B
13.9 %
-1.2 %
2017年 2月 
$30.39 B
16.5 %
-0.8 %
2017年 3月 
$30.88 B
18.1 %
1.6 %
2017年 4月 
$31.30 B
20.9 %
1.3 %
2017年 5月 
$31.93 B
22.6 %
1.9 %
2017年 6月 
$32.64 B
23.7 %
2.0 %
2017年 7月 
$33.65 B
24.0 %
3.1 %
2017年 8月 
$34.96 B
23.9 %
4.0 %
2017年 9月 
$35.95 B
22.2 %
2.8 %
2017年10月 
$37.09 B
21.9 %
3.2 %
2017年11月 
$37.69 B
21.5 %
1.6 %
2017年12月 
$37.99 B
22.5 %
0.8 %
$405.1 B
 
2018年 1月 
$37.59 B
22.7 %
-1.0 %
2018年 2月 
$36.75 B
21.0 %
-2.2 %
2018年 3月 
$37.02 B
20.0 %
0.7 %
2018年 4月 
$37.59 B
20.2 %
1.4 %
2018年 5月 
$38.72 B
21.0 %
3.0 %
2018年 6月 
$39.31 B
20.5 %
1.5 %
2018年 7月 
$39.49 B
17.4 %
0.4 %
2018年 8月 
$40.16 B
14.9 %
1.7 %
2018年 9月 
$40.91 B
13.8 %
2.0 %
2018年10月 
$41.81 B
12.7 %
1.0 %
2018年11月 
$41.37 B
9.8 %
-1.1 %
2018年12月 
$38.22 B
0.6 %
-7.0 %
$468.94 B
 
→史上最高
 
2019年 1月 
$35.47 B
-5.7 %
-7.2 %
2019年 2月 
$32.86 B
-10.6 %
-7.3 %
2019年 3月 
$32.28 B
-13.0 %
-1.8 %
2019年 4月 
$32.13 B
-14.6 %
-0.4 %
2019年 5月 
$33.06 B
-14.6 %
1.9 %
2019年 6月 
$32.72 B
-16.8 %
-0.9 %
2019年 7月 
$33.37 B
-15.5 %
1.7 %
2019年 8月 
$34.20 B
-15.9 %
2.5 %
2019年 9月 
$35.57 B
-14.6 %
3.4 %
2019年10月 
$36.59 B
-13.1 %
2.9 %
2019年11月 
$36.65 B
-10.8 %
-0.3 %
2019年12月 
$36.10 B
-5.5 %
-1.7 %
$411.10 B
 
2020年 1月 
$35.39 B
-0.3 %
-2.2 %
2020年 2月 
$34.50 B
5.0 %
-2.4 %
2020年 3月 
$34.85 B
6.9 %
0.9 %
2020年 4月 
$34.43 B
6.1 %
-1.2 %
2020年 5月 
$34.97 B
5.8 %
1.5 %
2020年 6月 
$34.53 B
5.1 %
-0.3 %
2020年 7月 
$35.20 B
4.9 %
2.1 %
2020年 8月 
$36.23 B
4.9 %
3.6 %
2020年 9月 
$37.86 B
5.8 %
4.5 %
2020年10月 
$39.03 B
6.0 %
3.1 %
2020年11月 
$39.41 B
7.0 %
1.1 %
2020年12月 
$39.16 B
8.3 %
-2.0 %
$439.0 B


健闘の2020年半導体市場を裏付けるmicroprocessor(MPU)販売高そしてシリコンウェーハ面積出荷のデータである。

◇Total MPU Sales Surprise With Strong Gains in 2020, More Upside in 2021-Computer CPU processors remain largest MPU category in dollar volume; embedded MPUs demonstrate fastest growth. (2月2日付け IC Insights)
→2020年のmicroprocessor(MPU)全体市場の販売高の伸びが12%、最高記録の$87.7 billionに達した旨。

◇2020 MPU sales surprise-IC Insights: MPU market rose to $87.7B last year (2月3日付け Electronics Weekly (UK))
→IC InsightsのThe McLean Report最新版。2020年のMPU販売高は力強い増加で市場を驚かせ、今年はさらなる増加の予想の旨。

◇Chip Sector Finished Strong in 2020 (2月3日付け EE Times)
→2020年末統計、半導体ecosystemの結果は、大方のアナリストが昨年この時期にpandemicが猛威を奮い始めたときに予想したより良好に見える旨。SEMIのシリコンウェーハ面積出荷、2020年は12,407MSIで今まで最高の2018年に次ぐ、など。

◇Global 2020 silicon revenue remains stable with wafer shipments edging up, say SEMI (2月3日付け DIGITIMES)
→SEMI発。2020年の世界シリコンウェーハ面積出荷が5%増、売上げは$11.17 billionと2019年から変わらないままの旨。

さて、2021年は増勢基調が維持されるかどうか。DRAMの高値、そしてグローバルな不足で問題の車載用半導体価格について、現時点の状況である。

◇DRAM高騰、「旧世代」鮮明、スポット市場、2カ月で6割高、家電・車向け需要重なる (2月2日付け 日経)
→半導体メモリ「DRAM」のスポット(随時契約)市場で、旧世代品の上昇が際立っている旨。旧世代の指標品、DDR3型の2ギガビット品は2カ月で6割高く、主流品の上昇率を上回った旨。巣ごもり生活でテレビなどの需要が底堅いところに、自動車生産の急回復で車載周辺機器の需要が重なった旨。世界的な半導体不足が、供給に制約の多い旧世代品の需要を押し上げている旨。スポット取引は世界のDRAM市場の1割前後を占め、時々の需給を敏感に映す旨。

◇DDR3 RAM prices look set to soar despite imminent arrival of DDR5-DDR3 DRAM prices to rise this year, on the cusp of DDR5 (2月3日付け TechRadar)
→DRAMモジュールの需要が供給を上回って、DDR3の価格が2021年に50%ほど上がる可能性の旨。DDR4が7年ずっとあって、まもなくsuper-fast DDR5が引き継ぐ事実にも拘らず、Digitimesは、旧いDDR3メモリの需要が供給を上回り始めている、としている旨。

◇車載半導体価格、TSMC傘下「上昇続く」、当面逼迫の見通し (2月3日付け 日経)
→台湾積体電路製造(TSMC)傘下で、自動車用の半導体などを手掛ける世界先進積体電路(Vanguard International Semiconductor)は2日、記者会見を開き、世界中で不足する半導体について「今後も半導体価格は上昇していく」との見解を示した旨。需給の逼迫が当面続き、さらなる半導体価格の上昇は避けられない見通しを示した旨。

◇DRAM、市況回復鮮明、スマホ牽引、2カ月連続上昇 (2月3日付け 日経産業)
→半導体メモリの代表品種、DRAM価格の回復が鮮明になりつつある旨。新型コロナウイルスの感染拡大の影響で下落が続いていた指標品の大口取引価格は、2020年12月から2カ月連続で上昇している旨。高速通信規格「5G」向けスマートフォンの生産が増えているほか、巣ごもり需要によるパソコンやゲームなどの需要も底堅い旨。世界的な半導体不足が深刻化しており、メモリ市況の需給はタイト感が強まりそうな旨。

IC Insightsは、今年の世界半導体市場について二桁の伸びを見込んでいる。日々刻々、今後に注目するところである。

◇Top-10 IC growth categories to enjoy 2021-IC Insights: Double-digit growth seen for chip markets (2月5日付け DIGITIMES)
→IC Insightsの予測。今年の世界半導体市場は12%の伸び、業界分野トップ10の大方が2020年に対し二桁の伸びとなる旨。2021年のDRAM販売高が18%伸びる一方、NANDフラッシュメモリデバイスは17%増となる旨。


コロナ対応のなかなか収まらない状況推移に対して、直面する事態への警戒感を伴った舵取りが各国それぞれに引き続き行われている世界の概況について、以下日々の政治経済の動きからの抽出であり、発信日で示している。

□2月1日(月)

2020年のマイナス成長の後、米国の今年の経済の急回復の見方が、以下あらわされている。

◇CBO projects 4.6% growth in Biden's first year, jobs lag-CBO forecasts rapid economic growth in 2021 (The Associated Press)
→米国・Congressional Budget Office(CBO)が、今年の経済成長を4.6%と見通し、1999年以降最も早いレート、2025年に1.7%で落ち着く前に政府出資増からさらなる伸びが見込まれる旨。しかしながら、CBOはまた、pandemic前の雇用水準が回復するのは2024年以降、としている旨。

◇Economy to grow at fastest pace since 1999, says Congressional Budget Office-GDP seen growing by 4.6% after dropping 3.5% in 2020 - even without further stimulus (MarketWatch)

□2月2日(火)

欧州の昨年の経済の落ち込みである。

◇Euro zone economy contracted by 6.8% in 2020 on Covid lockdown shock-Pandemic pushed down eurozone GDP by 6.8% in 2020 (CNBC)
→Eurostat発速報。2020年のeuro圏についてのGDP縮小が6.8%。

米国株式市場は、経済対策への期待など、上げ基調の今週である。

◇NYダウ反発、300ドル超高で推移、個人の投機的売買弱まる (日経 電子版 05:31)
→1日の米ダウ工業株30種平均は反発、15時現在は前週末比318ドル59セント高の3万0301ドル21セントで推移している旨。市場の混乱を引き起こしていた個人の投機的な売買が弱まり「損失が膨らんだヘッジファンドの持ち高調整が一巡した」(UBS)との見方が広がった旨。ダウ平均は前週に1000ドル強下落しており、長期的な株高を見込む投資家から押し目買いも入りやすい旨。

□2月3日(水)

◇NYダウ続伸475ドル高、ゲームストップ株は60%安 (日経 電子版 06:34)
→2日の米株式市場でダウ工業株30種平均が続伸し、前日比475ドル57セント(1.6%)高で引けた旨。上昇幅は約3カ月ぶりの大きさ。米景気回復や新型コロナウイルスの感染減少の期待から買いが強まった旨。一方、ゲームストップ株は60%安と急落した旨。

米中摩擦の中、台湾企業の中国との近い距離感の実態があらわされている。

◇台湾企業、中国勢との接近止まらず、米国の意向に逆行 (日経 電子版 13:10)
→台湾の大手が中国企業との連携を強めている旨。高速通信規格「5G」関連や電気自動車(EV)などの成長分野で、出資や合弁生産に踏み出す事例が相次ぐ旨。中台が補完し合い、中国市場で巨大な利益を分け合うのが狙い。
米国政府は昨年から台湾に接近して新たなサプライチェーン(供給網)を構築し、中国を排除する絵を描いてきたが、台湾大手がこれに逆行する動きをみせている旨。

□2月4日(木)

◇NYダウ、80ドル高で推移、追加経済対策への期待で (日経 電子版 05:31)
→3日の米ダウ工業株30種平均は3日続伸し、15時現在は前日比86ドル66セント高の3万0774ドル14セントで推移している旨。米政権の追加経済対策が実現に向け前進しているとの見方が広がり、投資家心理が改善している旨。前日夕に好決算を発表した検索サイトのグーグルの親会社、アルファベットの急伸も目立つ旨。

□2月5日(金)

◇NYダウ273ドル高、追加経済対策への期待で (日経 電子版 05:24)
→4日の米株式市場でダウ工業株30種平均は4日続伸、15時現在、前日比273ドル72セント高の3万0997ドル32セントで推移している旨。追加経済対策の成立への期待が高まったほか、相次ぐ米経済指標の改善で投資家心理が改善している旨。金融など景気敏感株の一角が上昇し、相場を押し上げている旨。

□2月6日(土)

◇NYダウ続伸、68ドル高で推移、経済対策の前進を好感 (日経 電子版 05:13)
→5日の米株式市場でダウ工業株30種平均は5日続伸し、15時現在は前日比68ドル36セント高の3万1124ドル22セントで推移している旨。米上院が5日朝に予算決議を採択し、バイデン政権の追加経済対策が成立に向けて前進したことを好感した買いが入った旨。


≪市場実態PickUp≫

【車載用半導体の逼迫関連】

グローバルな車載用半導体の不足による自動車生産への影響が、引き続き広がっている。

◇Automakers idle more plants as chip shortage worsens; Samsung warns of spread to cellphone production-Auto plants are idled; chip shortage could extend to phones-A recent report estimated that Detroit automakers alone could lose as much as $61 billion in revenue this year if the chip shortage continues. (1月29日付け NBC News)
→Ford Motorなどが自動車用microchipsのグローバルな不足から自動車生産を減らしたり止めているが、該不足が他の業界に波及する可能性の旨。Samsung Electronicsでは、スマートフォン生産に影響を与える重要な半導体の不足の広がりに懸念がある旨。

◇GM says chip shortage will shutter three plants for at least a week, with a fourth at half (2月3日付け FierceElectronics)
→General Motors、水曜3日発。グローバルな車載用半導体の供給不足が続いて、同社自動車生産にインパクト。月曜1日からKansas, Canada, Mexicoおよび韓国における4つの工場で少なくとも1週間休止の旨。

◇Chip crunch to impact global auto production into third quarter, says IHS (2月4日付け Reuters)
→IHS Markit、水曜3日発。車載用半導体の不足が、第一四半期にグローバル小型乗用車生産の672,000台にインパクトを与える可能性、該混乱が第三四半期に及ぶ可能性と警告の旨。

米国・SIA主催のイベントで、現実的な議論が交わされている。

◇Auto chip shortage could be helped with supply chain AI technology, analyst suggests (2月4日付け FierceElectronics)
→ある自動車executiveが今週、アナリストに問いただして、「$6あるいは$8の半導体に対してなぜ組み立てラインの速度を落とすべきか?」。そのEvercore ISIの半導体リサーチhead、C.J. Muse氏は、現代の車で半導体が果たす非常に重要な役割で、ある自動車メーカーは半導体のbuffer在庫をつくる必要と考えている、としている旨。木曜4日のSemiconductor Industry Association(SIA)主催のvirtualプレゼンにて、もっとお金を充てることと同氏。

◇UPDATE 2-Infineon strives to meet auto industry demand as supply chains creak-Infineon cranks out power chips, sensors for autos (2月4日付け Reuters)
→Infineon(ドイツ)が木曜4日、頼っているcontractメーカーでのcapacityの制約からmicrocontrollers(MCUs)に向けた自動車業界需要への対応の課題に直面している旨。しかし車載用半導体サプライヤのトップである同社は、power半導体およびセンサの需要増大に対応、ニーズにより良く供するようVolkswagenなど自動車メーカーとのより密接な直接の結びつきを案出の旨。

◇SUBARU、半導体不足で下方修正、2021年3月期純利益51%減 (2月5日付け 日経 電子版 17:04)
→SUBARU(スバル)は5日、2021年3月期の連結純利益(国際会計基準)が前期比51%減の750億円になりそうだと発表、従来予想を50億円引き下げた旨。コンテナ船輸送の需給が逼迫して部品の輸送が滞ったうえ、世界的な半導体不足に伴い1月以降に国内外で減産しており新車販売が想定より落ち込む旨。

自動車メーカーのこの事態に対応するやりくりである。

◇Volkswagen looks at direct buying to secure scarce chips-VW will buy auto chips directly from IC manufacturers (2月2日付け Reuters)
→自動車メーカーがグローバルな半導体の不足との戦い、Volkswagenが半導体のメーカーからの直接購入を図っている旨。

◇トヨタ、今年度生産を維持、半導体不足、調達で克服 (2月4日付け 日経産業)
→トヨタ自動車は新型コロナウイルスや半導体不足といった逆風をしのぎ、2020年度の世界生産計画を維持する旨。国内だけでも2度の緊急事態宣言を経験し、昨年10月には旭化成の宮崎県の工場火災で部品供給に懸念が出た旨。昨秋以降の世界的な半導体不足も響いた旨。緻密な調達計画や生産車種の調整によって影響を最小限に抑え、想定通りの生産につなげた旨。

政治関連で、米国では、自動車立地の州の上院議員がBiden政権に打開を働きかけている。

◇U.S. senators urge White House action on auto chip shortage-Senators make push to deal with auto chip shortfalls (2月2日付け Reuters)
→多数党院内総務、Chuck Schumer氏(D-N.Y.)および上院議員、John Cornyn氏(R-Texas)など上院議員15人が、車載-グレード半導体の世界的不足からの救済をBiden政権に働きかけの旨。「新政権が、アメリカのworkersに対する該不足の最悪のインパクトを緩和する上で引き続き助けになる役割を果たせる、と信じる。」と、White House宛て書簡にて。

増産要求が世界から押し寄せた台湾政府が、米国との本件話し合いの場をもっている。米国、そして我が国にも半導体製造の問題意識が広がる気配がうかがえている。

◇Taiwan-US supply chain dialogue focuses on CPTPP-American companies want the US to join CPTPP trade pact -US corporations urge US to join CPTPP and invite Taiwan, South Korea (2月5日付け Taiwan News)
→台湾のEconomics Minister、Wang Mei-hua(王美花)氏が金曜5日、米国各社が彼らの政府に対しComprehensive and Progressive Trans-Pacific Partnership(CPTPP:アジア太平洋地域における経済連携協定)への参加を望んでおり、台湾および韓国を招いている旨。同氏は、台湾および米国からの100を上回る参加者が車載用半導体のグローバルな不足などの問題を議論したvideo conference roundtableの後で語ったもの。

◇半導体、持たざる経営に転機、有事に供給リスク−台韓、生産で日米欧を逆転 (2月6日付け 日経 電子版 05:27)
→半導体メーカーが進めてきた生産の外部委託が転機を迎えている旨。米国や欧州企業の多くは開発に重点を置く効率経営で競争力を高めてきたが、特定の受託生産会社への依存度が高まり有事の製品安定供給に懸念が生じている旨。足元では台湾や韓国の受託会社のほか、中国企業も半導体の生産能力の増強を急ぐ旨。米中摩擦が供給寸断につながる恐れもあり、米日などは国産強化を模索する旨。

インパクトの拡大が、Xilinxよりあらわされている。

◇Chipmaker Xilinx says car supply crunch goes beyond semiconductors-Xilinx CEO: Shortages abound in industry, not just auto-Shortage of other inputs also poses uncertainty for rosy 2021 growth outlook (2月4日付け Nikkei Asian Review (Japan))
→Xilinxのpresident and CEO、Victor Peng氏。自動車業界に影響を与えている供給危機はすぐには打開されず、問題が半導体製造を越えて他の材料&コンポーネントの供給に及ぶ旨。

【メモリの取り組み】

メモリ半導体を引っ張るSamsung、SK HynixおよびMicron Technologyの取り組みの打ち上げが、足並みを揃えて行われている。

まずは、2021年に向けて、Samsungの最先端を駆使する積極的な内容である。

◇Samsung lays out memory ambitions for 2021 amid hyper-competition (2月2日付け FierceElectronics)
→Samsung Electronicsが、2021年にDRAMおよびNANDメモリ革新に向けた大きな計画、"コスト競争力を高めるために"1z-nanometer DRAMおよび第6世代V-NANDへの移行を加速、そして後半には、世界初のmulti-step extreme ultraviolet lithography(EUV)-ベース1a-nm DRAMおよび第7世代V-NANDなど次世代製品を投入、また、ファウンドリー事業では5 nm EUVプロセスの量産拡大を目指す旨。

SK Hynixからは、利川(イチョン)市の最先端fab、「M16」の稼働、Intelの中国・大連工場買収などこれも積極的な取り組みである。

◇SK Hynix signs MOU for further developments in China-SK Hynix expands production in China, buying Intel fab (2月1日付け DIGITIMES)
→SK Hynixが、Dalian Municipal People's Government of ChinaおよびAdministrative Committee of Jinpu New District, Dalianとのmemorandum of understanding(MOU)に調印、SK HynixのIntelのDalian半導体製造工場買収並びにSK Hynixの今後の大連への投資について共同コラボの旨。

◇SK Hynix Completes Latest Fab (2月2日付け EE Times)
→SK Hynixが、韓国での新しいM16 fabに専念、今年後半1anm(10-nmプロセス)DRAMの製造開始の旨。また今年後半、該fabでは176-層4D NAND Flash製品の製造も開始、現状製品に比べて生産性が改善される旨。

◇SK Hynix pushes for cost competitiveness with new DRAM and NAND plans (2月2日付け FierceElectronics)
→SK Hynixが、1A nanometer DRAMおよび176-層4D NAND Flash製品を1年以内の性能を改善した生産を誓う旨。

◇SK Hynix completes DRAM plant equipped with EUV tools-SK Hynix finishes DRAM fab; will use EUV lithography (2月2日付け DIGITIMES)
→SK Hynixが、新しいDRAM工場、M16の建設を完了、extreme ultraviolet(EUV) lithography装置据えつけの旨。

◇SKハイニックス、新工場稼働、最先端DRAM量産、1兆5000億円超投資 (2月2日付け 日経)
→半導体大手の韓国SKハイニックスは1日、本社を置く利川(イチョン)市に新工場棟を稼働させた旨。主要なメモリ製品のDRAMの最先端品を量産する旨。建屋の建設費用だけで3兆5000億ウォン(約3270億円)となり、今後導入予定の生産設備も合わせれば合計で1兆5000億円以上の投資規模となる見通し。新工場棟「M16」は縦横336メートル×163メートルの土地に高さ105メートルの3層構造で建設され、同社最大の製造棟となる旨。

Micron Technologyからも世界に先駆ける1-alpha node DRAMおよび176層NANDフラッシュが、打ち上げられている。

◇SSD adoption among notebooks to accelerate in 2021 -Micron exec: More notebooks to have SSDs this year (2月1日付け DIGITIMES)
→Micron Technologyのexecutive vice president and chief business officer、Sumit Sadana氏。NANDフラッシュメモリデバイスの低価格化から、2021年にはhard-disk drives(HDDs)ではなくsolid-state drives(SSDs)搭載のnotebook computerモデルが増える旨。NANDフラッシュメモリ市場は現在供給過剰の旨。

◇Micron, current king of DRAM and NAND, sees big auto chip demand (2月2日付け FierceElectronics)
→Micron(Boise, Idaho)が最近、1-alpha node DRAM製品のvolume出荷を発表、bit密度, 低電力および高性能が40%改善される世界最先端DRAMプロセス技術の旨。該1a nodeは、MicronのDRAM製品portfolioにわたって用いられる旨。この発表は、先の世界最高速グラフィックスメモリおよび初出荷の176-層NANDの発表に続く旨。

◇米マイクロン、アジアから挽回、最先端NAND型メモリ量産、現地政府の支援テコに (2月2日付け 日経)
→米半導体大手マイクロン・テクノロジーが出遅れていたNAND型フラッシュメモリ事業でアジアから挽回に動く旨。シンガポールの工場から記憶素子を176層積み重ねた最先端品を世界で初めて量産出荷、手厚い政府支援など地の利を生かし、激化する投資競争のなかで生き残りを目指す旨。

【Apple car】

アップルのコメントは見られないものの、自律走行型の電気自動車(EV)、「Apple car」を巡る話が以下の通り先行している。韓国・起亜、そして我が国も入る複数の自動車メーカーに生産を打診としている。

◇Hyundai, GM, European manufacturer seen partnering on the 'Apple Car' (2月2日付け SILICON VALLEY BUSINESS JOURNAL)
→TF Securitiesのアナリスト、Ming-Chi Kuo氏。Apple社が、開発している自動車の初期モデルについてHyundai Motor Co.と密接に取り組んでいる旨。また、AppleはGeneral Motors Co.および欧州メーカーGroupe PSAと協力して車をつくる可能性の旨。

◇「アップルカー」、韓国・起亜が生産受託交渉、米報道 (2月4日付け 日経 電子版 09:45)
→米CNBCテレビは3日、米アップルと韓国・現代自動車傘下の起亜による自律走行型の電気自動車(EV)の生産委託交渉が合意に近づいていると報じた旨。「アップルカー」の計画を巡っては2020年末以降、米国と韓国で関連報道が続いている旨。CNBCの報道について現代自はコメントを避けた旨。アップルのコメントは得られていない旨。

◇An Apple car could be built at a Kia assembly plant in Georgia in 2024, sources say (2月4日付け FierceElectronics)
→CNBCに最近語ったunnamed筋発。AppleとHyundai-Kiaが、Appleのautonomousおよびelectric vehicle(EV)をWest Point, GeorgiaにあるKia組み立て工場で構築する取引に取り組んでいる旨。Appleが該車の設計&開発を行う旨。

◇アップル、日本勢にEV生産打診か、水平分業の決断迫る (2月5日付け 日経 電子版 05:19)
→米アップルが電気自動車(EV)を巡り、日本を含む複数の自動車メーカーに生産を打診しているもよう。3日、米CNBCは韓国・現代自動車傘下の起亜との交渉が合意に近づいていると報じた旨。サプライヤー幹部は「少なくとも6社くらいで交渉が進んでいる」と指摘する旨。自動車各社は設計・開発と生産を分担する「水平分業」モデルを受け入れるかどうかの難しい判断を迫られている旨。

【米中摩擦の打撃】

米国の対中輸出制裁によるファーウェイのスマホ、そしてSMICの本年の設備投資に対する打撃のほどが、以下の通りあらわされている。ともに大幅な落ち込みであり、中国国内でつくり出すというsupply chainの動きと合わせて、今後の推移に注目するところである。

◇ファーウェイ、スマホ出荷台数4割減、10〜12月、制裁影響鮮明に (2月3日付け 日経)
→中国の華為技術(ファーウェイ)のスマートフォン事業が急減速している旨。米調査会社IDCによると2020年10〜12月期の出荷台数は3230万台と、前年同期比42%減、シェアは5位に下がった旨。米政府による輸出規制で半導体の調達を厳しく制限された影響が大きい旨。出荷台数が前年同期の実績を割り込むのは5四半期連続。世界シェアは2020年4〜6月期に初めて首位に立った後、低下が続いている旨。

◇SMIC says it is unable to keep up with customer demand amid chip industry shortage and sanctions squeeze-Sanctions, shortages affect SMIC (2月4日付け Reuters)
→中国最大のファウンドリー、Semiconductor Manufacturing International Corp.(SMIC)は、米国の制裁および業界での不足の両方で無力にされているが、同社はcapital expenditures(capex)に$4.3 billionを充てる計画、その予算の大方はnon-FinFET capacity向けの旨。同社Co-CEO、Zhao Haijun氏はアナリストに対し、「外的な力は制御できないけれども、危機および変化に直面して新しい可能性およびopportunitiesを開拓していく。」

◇SMIC、投資25%減、今期、米制裁で設備調達難か (2月5日付け 日経)
→中国の半導体受託生産最大手、中芯国際集成電路製造(SMIC)は4日、2021年12月期の投資額を前期比で25%減の43億ドル(約4500億円)にする計画を発表、米国の制裁で先端技術を使う海外の製造設備の調達に不確実性が生じていることが一因とみられる旨。中国政府の半導体産業の育成策に打撃を与える恐れがある旨。


【注目の動き】

これはと感じる注目の動き3つ。まずは、TSMCでの生産が逼迫として、AMDがGPU生産をSamsungに委託するかどうか。

◇AMD might solve GPU stock woes by outsourcing some production to Samsung-Could AMD fix GPU shortage by outsourcing to Samsung?-TSMC is reportedly struggling to keep up with demand (2月1日付け TechRadar)
→Advanced Micro Devices(AMD)はTSMCですべてのgraphics processing units(GPUs)を作っているが、あるGPU生産でSamsung Electronicsの協力を得てGPU/グラフィックスカードの不足を和らげられる旨。韓国のハードウェアforum、Clien.netは、TSMCがファウンドリー顧客すべてで過重負荷になっており、最善の代替はAMDがNvidiaがやっているようにSamsung Foundryに委託すること、としている旨。

「5G」の高信頼のsupply chain構築に向けて、我が国、米国、英国およびオーストラリアが連携する基金の設立である。中国対抗であるが、特に半導体の共同開発に注目である。

◇米、5G・半導体の開発・供給で基金、日英豪と中国対抗 (2月1日付け 日経 電子版 11:08)
→米政府は高速通信規格「5G」や半導体の開発・供給で日英豪などと連携する基金を設立、信頼できる同盟国とサプライチェーン(供給網)の構築で協力し、通信機器大手の華為技術(ファーウェイ)など世界で競争力を高める中国企業に対抗する旨。1月に成立した2021会計年度(2020年10月〜2021年9月)の「国防権限法」に盛り込まれた旨。「多国間通信セキュリティー基金」は日本のほか、英豪など機密情報を共有する「ファイブ・アイズ」と、安全性の高い通信機器を開発したり供給網を強化したりするのに使う。規模は今後詰めるが、企業間の提携を支援する旨。7月をメドにつくる「多国間半導体セキュリティー基金」は、米国並みの厳しい輸出管理を運用する同盟国と半導体を共同開発する取り組みを資金面で支える旨。中国に依存しない半導体のサプライチェーンづくりを後押しする旨。

3つ目は、これから新たな体制で臨むIntelについて、アナリストの提案ということか。GlobalFoundriesを買収して製造グループをとの内容であるが、GlobalFoundriesもとうに最先端微細化の取り組みを止めた経緯がある。ともかくIntelの挽回の動きには注目である。

◇This is How Intel Gets Out of Manufacturing-Viewpoint: How, why Intel should stop making chips-It won't be easy, but it could be done (2月2日付け EE Times)
→Intelが、activist hedge fundからの圧力を受けて、新しいCEOをもってきてmicrochip製造のあるものを外部委託と、いくつかの大きな変更を行っている旨。「製造グループをスピンオフするのではなく、IntelはGlobalFoundriesを買収すべき」と、Tirias ResearchのJim McGregor氏が本記事にて。


≪グローバル雑学王−657≫

GAFAはじめ注目する11社がつくる3つのメガトレンドの最初、「業種の壁崩壊とコングロマリット化の再来」について、2回に分けて

『2025年を制覇する破壊的企業』
 (山本 康正:SB新書 525) …2020年11月15日 初版第1刷発行

より迫っていく2回目である。このメガトレンドの波を受けて激変していく業種について、前回の運輸、映像に続いて、以下、農業、セキュリティ、モビリティ、建設、ヘルスケア、そして物流と、計8つが挙げられている。はてさて、2025年にはそれぞれいま予見している読みが当たっているかどうか。技術、サービスの実現化は必死の努力で達成に向かう過程の一方、市場&顧客の受け入れ、そして効率的な収益化が果たして伴うかどうか。定期的にまめにアップデートを要するところと思う。


第1部 2025年はどうなっているか

第2章 11社がつくるメガトレンド(1)
 業種の壁崩壊とコングロマリット化の再来 …2分の2

●激変する業種(3):農業――東京の20階建てビルで高級野菜が育つ
・農業は、消費者に近い都会で行う流れに
 →特にハイブランドで希少価値の高い農作物の生産が注目
・アメリカでの事例:Oishii Berry
 →極上品のおいしい苺を栽培
 →ニュージャージー州にある自社のオフィス内で生産、「苺の植物工場」
 →経営者はUCバークレー卒業の日本人
・農業でも自動化ならびにデータ活用の推進
 →ソフトウェアや人工知能といった業界からの参入
 →ドローンが農薬の散布や水撒きで活躍
  →人工知能を搭載すれば、人を介することなく自動で働いてくれる
・GAFAの農業参入においては、Amazonが最有力候補だと見ている
 →Amazon牛乳、Amazon苺、Amazonメロンなど
 →高級食料品を扱うスーパーマーケットチェーン、Whole Foods Marketを2017年に買収
・農業の未来でユニークな取り組みをしているもう1つ、コマツ
 →山で木を伐採した瞬間に、カメラで木の状態をスキャン
 →マーケットでどれほどの値段がつくのか瞬時に分かるシステムを開発、実際に活用
・農業などの一次産業は、これが究極の未来のかたちの1つだと私は考えている
 →たとえば漁業、魚を釣った瞬間に、船に搭載されているカメラなどで解析、値段がその場で分かるように
 →さらには収穫してからしばらく経った生産物の鮮度なども、自動で明示してくれるように

●激変する業種(4):セキュリティ――コロナ後にさらにリモートワークを加速
・アンチウィルスソフトやVPN(Virtual Private Network:仮想専用線)で構築したセキュリティ網は、破られる傾向に
 →ホンダ、ソニー、三菱電機、防衛省関連企業など、ニュースになった多くの事例
 →さらに問題、従来のセキュリティ方法では、被害に遭っていることに気づくのに数日、数ヶ月もの期間を要すること
・従来のセキュリティ手法ではなく、新しい手法が採用される動き
 →本書で注目する11社の1つ、CrowdStrike

●激変する業種(5):モビリティ――ロボタクシーがUberのライドシェア事業を破壊

◎「自動運転」がキーワード
・自動車の動いていない時間を自動運転技術を活用、タクシーとして利用
 →ロボタクシー
 →動かない車両という無駄、大幅な運賃削減、今後大きく普及する可能性
・最初に動いたのはTesla
 →自社で販売した車両ならびに顧客先という強いパイプ
・GoogleはWaymoという傘下企業
 →今はスタッフも同乗する自動運転による乗車サービス
 →すでに空港への送迎サービスを展開
・Amazonも2020年6月20日、Zooxという企業を買収
・Appleも参入
 →ただ具体的に何を、どのようなサービスを考えているのか、現在、分かっていない
・ソニーは、「VISION-S」というモビリティを、2020年1月発表

・ロボタクシーの普及
 →Uberならびに同事業に携わっている関係者は、相当警戒
 →Uber自身がロボタクシーの開発を急いでいる
・Uberに限らず、シェアリングサービスは、今回の新型コロナウイルスで相当打撃
 →ロボタクシーでは、自動消毒機能のようなサービスが出てくれば、ウィズコロナの時代になったとしても、十分成長

◎自動車メーカーが淘汰される
・自動車メーカーがロボタクシー事業に参入する動きも
 →GM(Genaral Motors)
  →ベンチャー、Cruiseを買収
  →ロボタクシー専用の車両GM「Cruise Origin」、2020年2月、車両公開
 →GMにはホンダが出資、車体も共同開発
・GAFAが自動運転というテクノロジーを武器に、自動車業界の大改革を行っている

●激変する業種(6):建設――Amazon、スマートホームを狙う
・現時点、業界の壁を突破できていない建設業界
 →改革のキーワードの1つ目のポイントはデータ
  →まだまだ人の作業に依存大
 →2つ目のポイントは、人が行っていたオペレーションをロボットに置き換える、無人化や自動化へのシフト
・コマツはシリコンバレーのベンチャー、Skycatchと組み、ドローンを活用した測量の効率化を推進
 →パワーショベルの自動・無人化も
・他の業界から建設業界に入ってくる流れは、特にGAFAにおいては可能性は低い
 →利益水準が低過ぎる
・Amazonが、2021年にはグループ会社から小型ドローンで家の中を監視できる製品、Ring AlwaysHomeCamが発売予定
 →家の中の商品はすべてAmazonが扱う品
 →Amazon Home

●激変する業種(7):ヘルスケア――アップルウェルネスセンター誕生!?

◎ウエアラブルデバイスが健康状態を常にチェック
・ヘルスケア領域への参入もGAFAは行っている
 →キーワードはデータ・クラウド
・Apple Watchの開発推進
 →バージョン4から心電図や心拍数の測定が可能
 →バージョン6からコロナ対策にも使えそうな血中酸素濃度測定機能の追加や医療機器の認証も取得
・Googleは、2019年秋、ベンチャー、Fitbitを買収
・すべての人がウエアラブルデバイスを身につけ、そこから得られた健康データを元に、ヘルスケアサービスを受ける、そんな未来
 →ヘルスケア領域の未来は、密接に関係のある保険業界にとっても好材料
  →保険会社がデバイスを無料で顧客に配る可能性も
・Amazonがヘルスケア関連のデバイス、Amazon Haloを発表
 →保険業界にはすでに参入

◎旧来の医療機器メーカーは淘汰される
・癌の診断を人工知能が画像解析で行うことも、2025年の未来では行われている可能性
 →ヘルスケア領域は、データサイエンスにより間違いなく進化
 →未来の医療業界では、クラウドにつながっていない医療機器は皆無になるはず
・既存の医療機器メーカーは淘汰、あるいはAppleやGoogleにOEMを依頼される
 →そのような未来が来ると私は予測
・医療機器分野では、Microsoftも参入
 →ホロレンズ
 →患者が入室、自動的に個人を特定、同時に、カルテなど診察に必要な情報が前方の空間に表示
  →そんな可能性は十分
・Appleは2022年にテキサス州オースティンに建設中の新社屋内にホテルを開業予定
 →アップルウェルネスセンターが出てくる可能性は十分

●激変する業種(8):物流――ドライバーがあなたの家の冷蔵庫まで荷物を届ける
・顧客ファーストのAmazon、すごいところは、ジェット機やドローンを配備しただけで終わらないところ
 →現在は配達員が届け先の住宅のデジタル鍵を持つ実験的なサービスも
  →宅配ボックスの一歩先
  →配達員が家の中に入り、冷蔵庫にしまっておいた方が顧客は喜ぶ
 →実際に利用してみても、Amazonの便利さは圧倒的

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