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コロナ・インパクト乗り越えに向け、半導体関連の見方&動き

新型コロナウイルスによる累計感染者数は金曜19日、世界全体で840万人を超え、前日18日には1日当たりで過去最多となる15万人以上の新規感染者が確認されて収束の兆しは見えない、と世界保健機関(WHO)より警鐘が鳴らされている。半導体業界関連でも、コロナ・インパクト打開に向けて生活がどう変わるか、いろいろ巡らす頭の中で培った技術で切り開きを図り、役立つ新製品の打ち出しが行われている。世界半導体販売高の今年の伸びの読みも、小幅なプラスとマイナスが並んで、落ち着かない現状を反映している。
半導体製造装置のこの5月の世界billingsが、前月&前年比ともに伸ばして現下を照らす材料となっている。模様眺めの今の見方&動きをまとめている。


≪業界関連展望 & 世界の概況≫

引き続くコロナ・インパクトの渦中での半導体業界関連の日々の見方&動きを、取り出している。

□6月15日(月)

今年の世界半導体販売高の伸びについて、各機関の読みが次の通りである。

≪世界半導体販売高伸長率予想≫

機関
2020
2021
WSTS
3.3 %
6.2 %
VLSI Research
0.7
15.2
Gartner
-0.9
Omdia
2.52
IDC
-4.2
IBS
-11.7

定まらないところは、次の記事でも然りである。

◇Semiconductor Industry vs. Global Pandemic (SEMI)
→以下の内容:
 PMI(Purchasing Managers Index)s Indicate Further World Manufacturing Contraction
 Global Electronic Equipment Sales Dropped in First Quarter
 Semiconductor Growth Slowing?
 Chip Foundries and Leading Indicators also Point to Slowing Ahead
半導体業界の収縮は、現在のグローバルpandemicおよびGDP低迷予想とも首尾一貫している旨。事態が変わる可能性があるが、2020年の見通しは依然ハッとするところがある旨。

そんな中、TSMCはじめファウンドリー業界の第二四半期は(低調だった)前年との比較では大きな伸びが見込まれているが、その先行きは予断を許さないところがある。

◇Foundry revenues increase by 20% YoY in Q2, but uncertainty remains-TrendForce: Q2 foundry revenues rise 20% on year (New Electronics)
→TrendForce発。2020年第二四半期のトップ10ファウンドリーの売上げ合計が、前年同期比20%を上回る増加の旨。

我が国での接触検知アプリは、以下にも示す通り19日に提供開始となっている。

◇接触検知アプリ、週内にも日本投入、マイクロソフト製 (日経 電子版 18:00)
→新型コロナウイルス感染者との濃厚接触を検知するスマホ向けアプリが週内にも日本で投入される旨。米マイクロソフトが受注した旨。だが政府の開発方針の迷走で予定が1カ月以上遅れ、運用面の課題も多い旨。普及率を6割以上に高め、アプリからの通知を自宅待機などにつなげる仕組みも整えなければ、感染の第2波を防ぐのが難しくなる旨。

□6月16日(火)

コロナ・インパクト対応の論調&アプローチが続いていく。

◇Lessons Learned: Covid-19 Impact on the DoD Supply Chain (EE Times)
→1.Covid-19危機に入って数ヶ月、如何に大きな世界の出来事がビジネスを混乱させ、会社の生き残りを脅かし、そして国家にリスクをつくり出すか、さらに学んでいる旨。「DoD[Department of Defense] supply chainのすべてのレベルで小さな事業の重要性を少なく言うのは不可能。」と、National Defense Industrial Association(NDIA)のpresident and CEO、Herbert J. “Hawk” Carlisle氏。
 2.Covid-19 pandemicにより、1,000sもの小さな事業が含まれるDoDの高度に複雑なsupply chainにおいてうまくいったことおよびいかなかったことを評価するDoDにとって独自の機会が得られる旨。

◇Applying AI Explainability To Covid-19 X-Ray Systems (EE Times)
→AIが的確に働かなければ、如何に定めるのが最善かを知るためにあるレベルのexplainabilityが必要になる旨。この問題に知られた技法を適用するNXPの取り組みについて。

◇Three mega-trends for a post-Covid world, and how they affect users of memory technology (EE Times)
→Winbondが、現在予想している環境の変化に照らして戦略的製品&技術計画の適応に努めており、post-Covidの世界が如何に形作られていこうとしているか、およびメモリIC市場へのサプライヤに置かれる需要についての広範なassessment、以下の点:
 1. Home working and home entertainment will become the new normal
 2. Societies will accept greater intrusion into private lives in the name of disease prevention
 3. Robots and AI will replace human workers at an accelerating pace

特に米国では、コロナに加えて人種差別反対を掲げて具体的な支援を打ち上げる各社の取り組みが続いている。

◇Cisco CEO announces new mission, big Covid-19 contribution (SILICON VALLEY BUSINESS JOURNAL)
→pandemic継続で今年はvirtual開催のCisco Live 2020にて、Cisco SystemsのCEO、Chuck Robbins氏基調講演。同社にとっての新しいmissionを提示、Covid-19のようなpandemicだけでなく、人種差別反対活動のplayerであるよう、コミュニティを支援する力となる位置づけの旨。2020年を"difficult and challenging year"とあらわしている旨。

Samsungでも危機対応に向けたトップ主導の動きである。

◇Samsung Elec chief holds back-to-back meetings with CEOs of key units-Samsung chief meets with CEO of semiconductor and other units (Pulse by Maeil Business Newspaper (South Korea))
→Samsung Electronics Co. chief、Jay Y. Lee(李在鎔)氏が、ウィルス危機継続および米中の間の新たな貿易摩擦の渦中で難題増大のときcontingency plansを議論するために、メモリ半導体事業などkey divisionsのsenior executivesと立て続けのmeetingsを行った旨。

□6月17日(水)

◇Ultrasonic for Social Distancing Tags (EE Times)
→超音波センサがcontact tracingおよびsocial distancingを可能にするのに最も良く適するワイヤレス技術であり、より正確、高信頼性、そして電力&コスト効率良く行える、とTDKグループ傘下、Chirp Microsystemsのpresident、Joseph Bousaba氏。

◇Autonomous Vehicles in Covid Economy (EE Times)
→Covid経済はすでに自動車業界に負のインパクトを与え、大きな不安定性とともにさらなる変化が進んでいる旨。ここ数ヶ月から学んだことを用いて、ありそうな今後についての展望が得られる旨。

New Normal対応仕様の製品投入が行われている。

◇パソコン「新常態」仕様、各社投入、テレワーク対応強化 (日経)
→新型コロナウイルスの影響でテレワーク需要が伸びるなか、パソコン各社が「ニューノーマル(新常態)」に対応した製品を相次ぎ投入する旨。NECパーソナルコンピュータは利用者以外の視線を検知すると画面をぼかすなどの機能を搭載した製品を発売する旨。情報漏洩などへの対策を施し、単価も高い機種がパソコン需要を支えそうな旨。

□6月18日(木)

◇Humanitarian Engineering Organizations Develop a Better Global Future (EE Times)
→人道主義的活動はつねに必要とされるが、pandemicの最中では最前線でなおさらの旨。Purdue UniversityのSchool of Engineering Educationが定義づけるhumanitarian engineeringは、"人間性のより大きな善の手助けに向けてengineering理論および実践のskillおよびcapabilities"を活用の旨。

□6月19日(金)

SEMI発表の北米半導体装置メーカーの2020年5月の世界billingsが、以下の通り堅調な伸びを示している。世界半導体販売高もこの4月まではよく持ちこたえているが、コロナ禍での経済再開&回復の度合いを見据えながらの先行きである。

◇IC Gear Orders Boom as U.S. Export Controls Loom (EE Times)
→米中のハイテク冷戦の中で半導体装置が注目の中心へ、SEMIが$2.35 billion弱の伸びを維持した5月billingsを発表の旨。

◇North American Semiconductor Equipment Industry Posts May 2020 Billings (SEMICONDUCTOR DIGEST)
→SEMIのMay Equipment Market Data Subscription(EMDS) Billings Report。北米半導体装置メーカーの2020年5月の世界billingsが$2.35 billion(3ヶ月平均ベース)、前月、2020年4月の$2.28 billionを2.9%、前年同月、2019年5月の$2.07 billionを13.1%上回る旨。
「COVID-19の逆風および短期マクロ経済状況のvisibility制約にも拘らず、北米半導体装置メーカーの5月billingsは半導体業界の長期的弾力性を引き続き示している。」と、SEMIのpresident and CEO、Ajit Manocha氏。
ここ半年のbillings推移:

Billings
Year-Over-Year
(3ヶ月平均)
December 2019
$2,491.7
17.8%
January 2020
$2,340.2
22.7%
February 2020
$2,374.6
26.6%
March
$2,213.1
20.1%
April (final)
$2,281.3
18.2%
May (prelim)
$2,346.4
13.1%

[Source: SEMI (www.semi.org), June 2020]

◇Semiconductor equipment billings increase-SEMI: May's fab gear billings hit $2.35B, up 13.1% on year (DIGITIMES)

◇接触アプリ、19日午後に提供開始、厚労省 (日経 電子版 12:14)
→厚生労働省は19日、新型コロナウイルスの感染者と濃厚接触した可能性があることを通知するスマートフォン向けアプリ「COCOA」の提供を同日午後3時ごろに開始すると発表、アプリによって濃厚接触者を効率的に割り出し、迅速に検査することで感染拡大を防ぐ狙いがある旨。互いにアプリを利用していないと接触の記録は残らないため、普及率が実効性のカギを握る旨。

インドでのハイテク駆使がポイントのアプローチである。

◇India's First Mobile Lab Launched for COVID-19 Testing in Rural Areas (EE Times India)
→インド初のmobile labが、COVID19 testingについてインドの田舎および到達し難い地域におけるlast-mile testing accessの推進に向けて打ち上げの旨。

◇Post-Pandemic: Enough of Telehealth, Instacart, Chatbots? (EE Times India)
→Covid-19 pandemicが生活を如何に変えるか、この段階で知るのは困難だが、技術が変化の震央にあることは確かの旨。技術と言えば付き物、そのあるものは良く、あるものは悩ましく、そしてほかはまだto be determinedの旨。

コロナ禍、第2波懸念に引き続き覆われる世界の概況について、以下日々の動きからの抽出であり、発信日で示している。

□6月15日(月)

我が国では県境移動が下記の通り(6月19日(金))全面解禁であるが、欧州EUでも移動の緩和が進められている。

◇EU、域内移動緩和、スペインは7月、域外から受け入れ (日経 電子版 10:44)
→欧州各国は観光需要が高まる夏のバカンスシーズンを前に、新型コロナウイルスの感染拡大を防止する制限措置を相次いで緩和する旨。欧州連合(EU)は15日以降、まず域内の移動制限を緩和する旨。フランスのマクロン大統領は14日、コロナへの「勝利」を宣言した旨。スペインは7月1日からEU域外からも観光客を受け入れ、打撃を受けた観光業の回復を急ぐ旨。

□6月16日(火)

米国株式市場も、経済浮揚期待と「第2波」懸念の狭間で揺れる中、後半は懸念押し下げが優勢になっている。

◇NYダウ続伸、157ドル高、FRBの企業向け資金支援を好感 (日経 電子版 06:50)
→15日の米株式相場は続伸、ダウ工業株30種平均は前週末比157ドル62セント(0.6%)高の2万5763ドル16セントで終えた旨。米連邦準備理事会(FRB)が個別企業の社債の購入を開始すると発表し、積極的な景気支援を好感した買いが入った旨。朝方には新型コロナウイルスの感染第2波への懸念から急落する場面もあったが、午後に上昇に転じた旨。

□6月17日(水)

◇NYダウ526ドル高、乱高下続く、日中値幅800ドル超 (日経 電子版 05:31)
→米株式市場で株価の乱高下が続いている旨。16日のダウ工業株30種平均は大幅続伸したが日中の値幅は799ドルと不安定な値動きが続いた旨。15日までも日中値幅は3営業日連続で800ドルを超えた旨。経済対策への期待と新型コロナウイルスへの不安が交錯している旨。

◇5月の米小売売上高17.7%増、過去最大の上げ幅 (日経 電子版 06:53)
→米商務省が16日発表した5月の小売売上高(季節調整済み)は前月比17.7%増、4カ月ぶりの増加で統計を開始した1992年以来過去最大の上げ幅となり、ダウ・ジョーンズまとめの市場予測(7.7%程度の増加)を大幅に上回った旨。新型コロナウイルス流行に伴う外出規制で3月以降急速に落ち込んだ個人消費が、経済活動の再開を受けて回復してきたことを示した旨。

□6月18日(木)

◇Coronavirus roundup: Tech CEO tests positive for Covid | Peninsula street closures and biz reopenings (SILICON VALLEY BUSINESS JOURNAL)
→Hewlett Packard Enterprise Co.(HPE)のpresident and CEO、Antonio Neri氏が水曜17日tweetにて、Covid-19検査で陽性判定、家で隔離の一方、仕事を続ける旨。

◇NYダウ反落、170ドル安、新型コロナ感染拡大を警戒 (日経 電子版 05:42)
→17日の米株式市場でダウ工業株30種平均は4営業日ぶりに反落、前日比170ドル37セント(0.7%)安の2万6119ドル61セントで終えた旨。新型コロナウイルスの感染が米国の一部地域で拡大。経済活動の再開が鈍るとの見方につながり、景気敏感株を中心に売りが広がった旨。

米国の揺れ動く状況である。

◇経済再開か感染抑止か、米、コロナ「第2波」でも分断 (日経 電子版 08:25)
→新型コロナウイルスの感染「第2波」を巡り、米国内で対立が目立っている旨。経済再開を優先するトランプ米政権は「(第2波懸念は)大げさだ」とする一方、一部の州や市では経済の再開プロセスを一時停止する動きが広がっている旨。

□6月19日(金)

◇NYダウ小幅続落、39ドル安、コロナ拡大懸念が重荷 (日経 電子版 05:57)
→18日の米株式市場でダウ工業株30種平均は小幅に続落し、前日比39ドル51セント(0.2%)安の2万6080ドル10セントで終えた旨。新型コロナウイルスの感染「第2波」への懸念が重荷だった旨。週間の米新規失業保険申請件数が市場予想を上回ったのも売りを誘った旨。ただ、米景気が回復に向かうとの見方までは崩れておらず、下値は堅かった旨。

◇県境越え移動・接客営業、全面解禁、人の流れ一段と (日経 電子版 11:31)
→政府は19日、新型コロナウイルス対策として自粛を要請していた都道府県境をまたぐ移動を全面的に解禁した旨。東京の主要駅や空港では出張や旅行に向かう人々の姿が目立った旨。感染リスクが高いとされたライブハウスやナイトクラブの休業要請も同日解除された旨。感染リスクを抑えながら社会経済活動を再開する動きが一段と広がる旨。

□6月20日(土)

「第2波」警戒で締めとなった米国株式市場である。

◇NYダウ続落208ドル安、Appleが店舗再閉鎖、第2波警戒 (日経 電子版 06:26)
→19日の米株式市場でダウ工業株30種平均は3日続落、前日比208ドル64セント(0.8%)安の2万5871ドル46セントで終えた旨。米中関係の改善期待から朝方は買いが先行した旨。ただ、米南部や西部を中心に新型コロナウイルスの感染が再拡大し、米経済の正常化が遅れるとの懸念が次第に強まった旨。ダウ平均は午後に下げに転じた旨。
アリゾナ州やカリフォルニア州などで新型コロナの新規感染者数が過去最高を更新、感染急増を受け、スマートフォンのアップルが4つの州の一部店舗を再閉鎖すると19日昼ごろ伝わり、市場心理を冷やした旨。


≪市場実態PickUp≫

【米中摩擦関連】

米中の外交トップがハワイで会談、対話継続が確認されている。

◇米中、ハワイで近く高官協議か、米報道 (6月15日付け 日経 電子版 11:42)
→複数の米メディアはポンペオ米国務長官が近くハワイを訪問し、中国政府高官と今週初めにも会談すると報じた旨。新型コロナウイルスの感染拡大や香港情勢などを巡って米中対立が激化するなかでの高官協議となる旨。
緊張緩和につながる機会となるかは見通せない旨。
米CNNは14日、会談はハワイの米空軍基地で開かれる見通しだと伝えた旨。ロイター通信は会談相手が中国の外交担当トップ、楊潔チ(ヤン・ジエチー)中国共産党政治局員だと報じた旨。幅広い議題を話し合うとしている旨。

◇米中、対話継続を確認、外交トップがハワイで会談 (6月18日付け 日経 電子版 13:47)
→ポンペオ米国務長官は17日、訪問先のハワイで中国外交担当トップの楊潔チ(ヤン・ジエチー)中国共産党政治局員と会談、国務省の発表によると、ポンペオ氏は新型コロナウイルスの感染拡大を巡り、完全な透明性の確保と情報共有の必要性を強調した旨。中国メディアは今後も対話を続ける方針で一致したと伝えた旨。

米国では、5G国際標準化では米国の会社のHuaweiとの協働を認める動きである。

◇U.S. companies can work with Huawei on 5G, other standards: Commerce Department-Feds allow US firms to work with Huawei on 5G standards (6月15日付け Reuters)
→米国商務省が月曜15日、次世代5Gネットワークス標準化で協働できるよう、米国の会社の中国・Huaweiとのビジネス遂行に対する禁止を修正する旨のReuters報道を確認の旨。

◇New U.S. Huawei rule targets standards, security concerns remain: Ross-Commerce Dept. clears path to developing 5G standards (6月17日付け Reuters)
→Wilbur Ross米商務長官が、5G通信などの領域に向けた国際標準の開発でアメリカの会社がHuawei Technologiesと協働できるとする政府の動きを弁護の旨。同時に同氏は、米国政府はHuaweiが国家安全を脅かす産業スパイなどの活動を行っていると依然疑っている旨。

米国の半導体リーダーシップの確保と増強に向けて、米国議会が米国半導体業界に出資を図る動き、CHIPS for America Actを巡る内容が続いている。

◇SEMI Announces Support of CHIPS for America Act to Increase Semiconductor Manufacturing in the U.S. (6月12日付け SEMI)

◇SEMI Announces Support of CHIPS for America Act to Increase Semiconductor Manufacturing in the U.S. (6月12日付け SEMICONDUCTOR DIGEST)
→ここ20年にわたってグローバル半導体製造capacityの米国シェア50%低下に直面、米国議会がCreating Helpful Incentives to Produce Semiconductors for America Act(CHIPS for America Act)を提出、連邦investment tax credit(ITC)が焦点で、SEMIが力強く支持の旨。

◇Bipartisan, Bicameral Bill Will Help Bring Production of Semiconductors, Critical to National Security, Back to U.S. (6月15日付け SEMICONDUCTOR DIGEST)
→米国上院議員、Senate Select Committee on IntelligenceのVice Chairman、Mark R. Warner(D-VA)氏とJohn Cornyn(R-TX)氏が、Creating Helpful Incentives to Produce Semiconductors(CHIPS) for America Actを提出の旨。

◇U.S. Chip Revival Gains Traction (6月15日付け EE Times)
→post-Moore's Law基礎研究から先端半導体実装まで、半導体ecosystem全体にわたる技術革新推進に向けてlawmakersがbillions of dollarsの出資および優遇税制を提案、米国半導体製造を復興させる活動に新しい前線が開けている旨。Trump政権が輸出管理により米国半導体製造への中国のアクセスを阻止しようとする一方、CHIPS(Creating Helpful Incentives to Produce Semiconductors) for America Actは、国内半導体製造、R&D出資および安全確実なハイテクsupply chainsの再生を提案の旨。

米国の中国に対する輸出制限強化の中、SamsungとHuaweiの5G半導体でのつながりが取沙汰されている。TSMCに続いてSamsungに米国の矛先が向く可能性を孕んでいる。

◇Samsung, Huawei may reach a deal on 5G chips: analysts-Analysts ponder possible Huawei, Samsung chip deal (6月14日付け Global Times (China))
→業界アナリスト発。米国政府による輸出制限に照らして、Huawei TechnologiesとSamsung Electronicsが、追い詰められた中国・Huaweiに対する韓国・Samsungの5G半導体の供給で合意に達する可能性の旨。
「Huawei抹殺はたぶん米国政府の真の目的ではないが、Huaweiの半導体開発を差し止めて中国の半導体業界の伸びを食い止めたいとしている。」と、ベテランの業界アナリストでHuaweiをしっかり追っているMa Jihua氏。

米国への警鐘の論調も見られている。

◇Huawei Sanctions: Bad for US Economy & Semiconductor Competitiveness (6月17日付け EE Times India)
→Strategy Analytics記事。Huaweiを狙った最近の米国貿易政策は、はじめは米国半導体メーカーの販売高を小幅に削減するが、長期的には米国半導体業界の科学技術的leadershipを壊す恐れの結果を伴う旨。

Huaweiのスマホ生産に、米国の規制の影響があらわれている現時点である。

◇ファーウェイ、スマホ減産へ、米規制が影響 (6月17日付け 日経 電子版 13:00)
→中国通信機器最大手の華為技術(ファーウェイ)は2020年のスマートフォンの生産計画を下方修正する旨。米政府が5月、米国製の装置でつくった半導体を同社に使わせない規制方針を打ち出しており、その影響を織り込んだもよう。スマホ市場は新型コロナウイルスの影響で各メーカーとも需要が落ちている旨。世界第2位のスマホメーカーの減速は、日本の取引企業のビジネスにも影響を及ぼす旨。

【Intel関連】

Intelの10nm Node取り組みの実態が、以下2つに分けて細かく分析されている。

◇Intel's 10nm Node: Past, Present, and Future (6月15日付け EE Times)
→ベテランのtechnology writer、Anton Shilov氏記事。10-nm製造技術でIntel社は、あまりにも積極的で該製造プロセスを用いるhigh-volume生産を遅らせ、同社ロードマップに変更を行い、そして同社戦略のいくつかの面の再考をもしなければならなかった旨。Intelは同社10-nmプロセスを進めているが、TSMCおよびSamsungは7nm, 6nm, 5nmおよびそれ以下と称するnodesに取り組んでおり、Intelは今日正確にはどこにいるのか?
今週後半に本記事Part 2発行の旨。

◇Intel's 10nm Node: Past, Present, and Future - Part 2-Intel's 10nm CPUs So Far: Cannon Lake, Ice Lake, and Tiger Lake-Intel's 10nm: The Fabs (6月17日付け EE Times)
→Intelは、10nm CPUsのHVM(high-volume manufacturing)を当初の予定から2.5 - 3年遅らせなければならなかった旨。Ice Lake製品に向けて該10nm技術を変更、2018 - 2019にはプロセッサ需要を満たすために14nm output拡大にbillions of dollarsを迫られた旨。これまでのところ、Intelの10nm戦略はうまくいっていない旨。10nm製品出荷が14nm製品を越えるのは、2020年末以降と見ている旨。さらに、Intelは今年始め、10nm nodeは先行世代ほどに儲からない、と認めている旨。

人事関連の動きが続くが、HP社前CEOのIntelのboard入りである。

◇Former HP Inc. CEO Dion Weisler Joins Intel Board-Intel names former HP Inc. CEO Weisler to board (6月17日付け CRN (US))
→Intelが水曜17日、HP社の前CEO、Dion Weisler氏をboard of directorsメンバーに任命、同氏が家族の健康問題でHPを離れて約1年の旨。

AI戦略に力を入れる新製品投入が次の通りである。

◇Intel introduces Cooper Lake processor, other additions to portfolio-Chip giant has introduced its 3rd gen Xeon Scalable processors and also announced the Optane persistent memory 200 series, new 3D NAND SSDs, and disclosed its upcoming Stratix 10 NX FPGAs. (6月18日付け ZDNet)

◇Intel Doubles Down On AI Strategy With New CPU, FPGA Silicon-Intel debuts a variety of products for AI applications (6月19日付け EE Times)
→Intelが、第3世代"Copper Lake" Xeon Scalableプロセッサ、専用artificial intelligence(AI)エンジン搭載Stratix 10-NX field-programmable gate array(FPGA)、OptaneメモリデバイスおよびNANDフラッシュ-ベースsolid-state drives(SSDs)を投入の旨。「我々の顧客の大方がAI on Xeonでの旅を始めるものと思う。」と、Intelのcorporate vice president and general manager, Xeon and memory group、Lisa Spelman氏。

【TSMCの米国半導体工場】

TSMCが米国アリゾナ州に最先端半導体工場を建設する発表が行われたのが、1ヶ月前のこと。該工場は人工衛星や軍用機など国の安全保障に関わる製品に用いられる半導体を、米国内で生産するのが目的とのことであるが、台湾そして当のTSMCの反応が続いている。

◇Taiwanese suppliers eyeing opportunities from TSMC's U.S. project-TSMC's Ariz. fab expected to draw Taiwanese suppliers to the US (6月15日付け Focus Taiwan)
→TSMCの台湾の装置および材料サプライヤ数社が、TSMCがArizonaに$12 billion fabを建設&稼働ということで、TSMCへの供給に向けて米国で投資する意向の旨。

◇TSMC breaking new ground in US (6月17日付け Taipei Times)
→台湾・Industrial Technology Research Institute(ITRI)のKnowledge-based Economy and Competitiveness Center、前head、Tu Tze-chen氏記事。TSMCが5月15日、Phoenix, Arizonaで主に4-nanometerプロセス技術を運用する先端半導体fabの建設を発表した件について。

◇Awaiting a Deal, TSMC Chairman Reiterates Support for Arizona Fab (6月18日付け EE Times)
→TSMCのChairman、Mark Liu氏は、Trump政権との交渉において米国・Arizona州での半導体工場の設立にいくつかの利点が見えている旨。最大は顧客により近いこと、と先週Hsinchu, Taiwanでのpress eventにて。大方のoperationsが台湾にあるTSMCには、世界中の人材へのアクセスも良くなる旨。

【M&A関連】

三菱電機のパワー半導体製造拠点開設、そして液晶から撤退の動きである。

◇シャープ、福山事業所の一部売却、三菱電機に (6月13日付け 日経)
→シャープは福山事業所(広島県福山市)の一部の土地・建物を三菱電機に売却することで合意、三菱電はパワー半導体の製造拠点を開設し、2021年11月に稼働させる旨。

◇三菱電機、液晶から撤退、2022年6月めどに生産終了 (6月16日付け 日経)
→三菱電機は15日、液晶事業から撤退すると発表、子会社のメルコ・ディスプレイ・テクノロジー(MDTI、熊本県菊池市)での車載向けなどの液晶モジュールの生産を2022年6月をめどに終了する旨。三菱電機の2019年度の液晶事業の売上高は285億円で、生産終了に伴い、2020年度の連結業績予想は修正しないとしている旨。

中国・BYDの半導体製造部門、BYD Semiconductorへの韓国・SK Groupおよび中国・Xiaomiの出資である。

◇SK buys stake in BYD's chip unit-SK acquires 1.47% stake in BYD's chip unit for $21M (6月16日付け Yonhap News Agency (South Korea))
→韓国第3位のconglomerate、SK Groupが火曜16日、中国最大のelectric vehicle(EV)メーカー、BYDの半導体製造部門におけるstakeを買収の旨。
該グループの中国関係会社の1つ、SK China Co.が、BYD Semiconductorにおける1.47 percent stakeを150 million yuan($21 million)で買収の旨。

◇Xiaomi invests in BYD Semiconductor to expand into the automotive component business-Xiaomi aims at auto ICs with BYD Semiconductor funding (6月18日付け DIGITIMES)
→中国・Xiaomiが、BYDが半導体製造関係会社、BYD Semiconductorに備えているSeries A+ round of financingに総額CNY50 million($7.06 million)の出資、XiaomiはBYD Semiconductorにおける0.49% stakeを買収の旨。
BYDは最近、韓国・SK Group, XiaomiおよびLenovoなどの投資家から該A+ roundで総額CNY800 millionの調達を発表の旨。

【日韓摩擦:半導体材料関連】

昨年7月1日、日本政府が韓国への半導体材料の輸出規制を厳しくすると発表、レジスト(感光材)、フッ化水素、フッ化ポリイミドの3品目が対象であり、現在に至るまで双方応酬の経緯があるが、このほど韓国・SK Materialsが、フッ化水素ガスの量産を始めたと発表している。

◇SK Materials begins mass production of etching gas (6月17日付け Yonhap News Agency)

◇Mass Production of High-purity Hydrogen Fluoride Started:SK Materials to Localize Photoresist Used for Semiconductor Lithography-SK Materials becomes a Korean source for chipmaking gas, resist (6月18日付け BusinessKorea magazine online)
→SK Materialsが、半導体製造のetchingプロセスで用いられるガス、高純度hydrogen fluorideの量産を開始の旨。同社は、photoresistを生産する工場にも投資、resistの日本のサプライヤに対する韓国半導体メーカーの依存を軽減していく旨。

◇フッ化水素、SKが量産、半導体向け、韓国勢の国産化進む (6月18日付け 日経)
→韓国のSKマテリアルズは17日、半導体の生産工程で使うフッ化水素ガスの量産を始めたと発表、一定水準の高純度を実現し、サムスン電子やSKハイニックスが導入する旨。日本が対韓輸出管理を厳格化した半導体関連材料で韓国勢の国産化が進んでいる旨。
韓国東部の栄州(ヨンジュ)市の工場で量産を開始、SKマテリアルズによると、量産を実現したフッ化水素ガスの純度は99.999%で「ファイブナイン」と呼ぶ純度。日本の素材メーカーが輸出してきた9が11個並ぶ超高純度の「イレブンナイン」と比べて品質は劣るものの、半導体ウエハーの洗浄など生産工程の一部で導入が始まったとしている旨。

【「VLSI技術シンポジウム」から】

ホノルルで開催予定であった恒例の「VLSI技術シンポジウム(2020 Symposia on VLSI Technology and Circuits)」が、新型コロナウイルス問題から「オンライン会議」での今週開催となっている。目に留まった範囲、以下の2件について。

◇2020 VLSI Symposia: Intel Showcases Intelligent Edge and Energy-Efficient Performance Research (6月15日付け SEMICONDUCTOR DIGEST)
→今週の2020 Symposia on VLSI Technology and Circuitsにて、IntelのChief Technology Officer(CTO)、Mike Mayberry氏のplenary keynote, “The Future of Compute: How Data Transformation is Reshaping VLSI”。hardware/program-centricアプローチからdata/information-centricアプローチにcomputingを移行させる重要性に焦点の旨。

◇東大、3次元AIチップ開発、深層学習を高効率計算 (6月19日付け 日刊工業)
→東京大学生産技術研究所の小林正治准教授らは、極薄の酸化物半導体(IGZO)のトランジスタと抵抗変化型不揮発性メモリを3次元に積んだ人工知能(AI)チップを開発、深層学習(ディープラーニング)の計算を高効率に処理し、クラウドだけでなく、携帯端末などのエッジデバイスで高度なAI計算を可能にする旨。オンライン開催中の半導体技術と回路に関する国際会議「VLSI技術シンポジウム」で発表した旨。


≪グローバル雑学王−624≫

世界最強のアメリカ、世界を襲う中国ハッカー軍団、北朝鮮およびイランのサイバー空間、ロシアのハッカー脅威、などサイバー戦争の実態を、

『サイバー戦争の今』
 (山田 敏弘 著:ベスト新書 607) …2020年1月5日 初版第一刷発行

より追ってきたが、今回で読みおさめとなる。最後は我が国について、遅れる対策、足りない人材、など取り残される現状が、海外との比較で示されている。アメリカによる「サイバーの傘」で守られざるを得ない現状もあらわされているが、徐々にでも、独自に予算や技術力を投入して、サイバー空間で自立していく日本の姿が見たい、と締められている。島国の我が国でも、国境のないサイバー空間、サイバー攻撃に無縁でいられないのは、驚かされる被害のニュースで知るところとなっている。国全体で感度を上げなければと銘じるところである。


第8章 取り残される日本
 −日本にある足かせと「サイバーの傘」

◆遅れる対策、足りない人材、課題は千人力となるトップガンの養成
・サイバー空間には国境がない
 →能力さえあれば簡単に他国への攻撃が可能に
・にもかかわらず、対策の面では、日本にはまるで国境があるかのよう
 →国外との意識の差が歴然
・日本の防衛を担う防衛省や自衛隊には、「サイバー防衛隊」と呼ばれる組織が存在
 →220人ほどの隊員
 →対して、米サイバー軍は6200人以上
      フランスには2500人のサイバー部隊
      ドイツは1万4000にんほど
 →明らかに日本が頭数で劣っている
・国家のサイバーセキュリティ強化への大きな課題のひとつは人材の確保、と防衛省・自衛隊の関係者たち
 →現在、防衛省・自衛隊は年間に100万件以上のサイバー攻撃を受けている
  →現在の人数では対策が追いついていないというのが現実
 →専守防衛の日本では、サイバー攻撃に対する防御能力は磨かれているとの向きも
  →それでも不十分だという指摘も
 →「"トップガン"と呼ばれるような人材が欲しい」(ある自衛隊幹部)
  →"トップガン"…「トップクラスの優秀なサイバー要員」「凄腕のサイバー技術をもつ人」
 →「でもトップガンと言われている人たちのレベルになるまでには、大変な時間が必要」
・日本でもどんどん外部の民間などから、トップガンと言われるような、またはトップガンになっていくような人材を集めた方がいいのでは
 →防衛省には「官民人事交流制度」、そして「特定任期付職員制度」という弁護士などの専門性のある高度な人材を招き入れる制度も
・人材の確保は、カネだけでは解決できないのでは
 →日本も、そういった議論をさらに深めていく必要

◆数百億個のIoT機器から、一斉に攻撃される可能性も
・サイバー攻撃の脅威は、いまや世界共通、日本も攻撃にさらされている
 →日本の憲法や法律がどんなことを謳っていても、遠隔操作で攻撃を行えるハッカーらには関係ない
・今後は、日本の政治にも中国などのライバル国がサイバー攻撃で介入してくる可能性も
・2018年12月、防衛計画の大綱と中期防衛力整備計画(2019〜2023年度)が閣議決定
 →「死活的に重要」であるサイバーの強化を掲げ、active defence(積極的な防衛体制)にも言及
 →「我が国への攻撃には宇宙・サイバー・電磁波の領域を活用して攻撃を阻止・排除する」
 →あくまで「検討」という域を出ておらず、世界のサイバーセキュリティを巡る対策のスピードに、後れを取っていると言わざるを得ない
・現在、世界には300億個を超えるIoT機器が設置されているとされる
 →スマートテレビや監視カメラ、ディジタルビデオレコーダーや複合機、自動運転車などがインターネットにつながり、遠隔操作を可能に
 →近々、爆発的に増加すると見込まれ、背景にあるのは、日本でも2020年からサービスがスタートする5G(第5世代移動通信システム)
  →1km2あたり、約100万台の機器を接続できるように
・私たちの身の回りではほとんどのモノがインターネットに接続される時代に
 →2030年までに、5000億個のIoT機器がネットワークにつながれる(米Cisco Systemsの予測)
・総務省は2019年2月20日から、サイバー攻撃に悪用される危険性のあるIoT機器を調査する取り組みを開始
 →『NOTICE(National Operation Towards IoT Clean Environment)』
 →セキュリティの弱い機器をあぶり出し、機器利用者へ注意喚起することを目的
・とにかくどんどんこうした対策を進めていくべきだろう

◆アメリカによる「サイバーの傘」で、日本は本当に守られるのか
・最近、「脅威インテリジェンス」と呼ばれるサイバーセキュリティ対策が台頭
 →サイバー攻撃の兆候を事前に察知、攻撃についての情報収集をして分析
 →攻撃される側は、積極的なセキュリティ対策を行うことができる
 →2025年までに130億ドルを超えるとも言われる市場
・脅威インテリジェンスでは、ダークウェブや暗号化されたツール、SNSや掲示板など、ありとあらゆるソースから情報を集める
 →世界の情報機関や警察当局などは、virtual agent(仮想の捜査員)を送り込んでいる
・日本の当局は、国外の民間サイバーセキュリティ企業に脅威インテリジェンスの部分を頼っている現実がある
 →日本はテクノロジーやサイバー能力でポテンシャルがあるだけに、現状を憂う外国人のサイバーセキュリティ専門家も少なくない
・2019年4月、日本のサイバーセキュリティ分野にとって重要な動き
 →米Washingtonで行われた、日米の外務・防衛担当閣僚による安全保障協議委員会(2プラス2)
 →初めて、日本に対するサイバー攻撃には、米国の対日防衛義務を定めた日米安全保障条約第5条が適用されると明文化
 →日本がサイバー攻撃を受けた場合、米国が集団的自衛権を行使して、日本のために戦ってくれることに
・今回の合意より前から、米国と日本はサイバー攻撃に対しても互いに助け合うと了解
 →2011年からサイバー協議を進めていた日米両政府は、2015年に日米防衛協力に合意
・軍や情報機関などにいる米国サイバー攻撃チームの攻撃能力は世界で最高レベル
 →米国は10年前の時点ですでに攻撃的サイバー工作を実用兵器として使っていた
・従来の戦争とは概念そのものが違う。それを踏まえてどう判断するのか。どう反撃するのか。
 →日本ではサイバー防衛予算が年々増えており、2019年度は852億円が計上
 →対して、米国や中国の予算は2兆円規模に
・2プラス2で米国の傘の下に入ったこと
 →米国や中国、ロシアや北朝鮮、イランなどが群雄割拠する無法地帯のサイバー空間で、それが今の日本が取れるベストな方法
・今後は徐々にでも、独自に予算や技術力を投入して、サイバー空間で自立していく日本の姿が見たい
 →すでに出遅れている日本は、早急に動かなければならないことを自覚すべき

≪あとがき≫

・サイバー空間では今、冷戦時代のような分断が生じ始めている
 →米国をはじめとする西側の価値観を持った国々⇔中国やロシアなど強権的な国家
 →中国やロシアでは国民がアクセスできるインターネットが制限されている
・2019年、サイバーセキュリティに関する国連オープン・エンド作業部会(OEWG)による取り組み
 →中国やロシアとの考え方の隔たりは大きく、そう簡単には溝を埋められそうにない
・AIの分野では、中国が世界をリード
 →人権もプライバシーも関係のない中国では、政府が思うように国民のデータを吸い上げることができる
・最近欧州では、GDPR(General Data Protection Regulation:EU一般データ保護規則)という個人情報保護法制が2018年から施行
 →様々な個人のデータを勝手に使えなくする規制
・どちらがこれから繁栄するのか
 →そんな価値観の衝突が起きつつある
・世界で起きている現実と、日本の状況について、本著から感じ取っていただけたなら幸い

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