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摩擦エスカレート、中国国有DRAMメーカーへの輸出禁止・起訴の展開

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米中間の摩擦がまた熱くなっており、中国の通信機器大手、中興通訊(ZTE)に続く形で、中国の半導体メーカーの一角でDRAMに取り組むFujian Jinhua Integrated Circuit Co.(JHICC)に対する米国サプライヤによる装置、材料など販売の禁止を米商務省が発している。さらに、JHICCとともに台湾・UMCおよび台湾人3人を、米マイクロンから企業秘密を盗み出した罪で起訴し、トランプ政権は中国の知的財産権の侵害取り締まりをさらに強める姿勢を示している。11月中にも米中首脳会談による歩み寄り、雪解けが探られているが、日々一喜一憂の駆け巡りとなっているこのところである。

≪JHICCを巡る推移≫

米国商務省による中国・JHICCに対する米国サプライヤの販売禁止措置が、月曜10月29日に以下の通り課されている。

◇U.S. Bans Exports to Chinese DRAM Maker (10月30日付け EE Times)
→米国・Commerce Dept.が月曜29日、中国の半導体メーカー、Fujian Jinhua Integrated Circuit Co.に対する米国メーカーの装置、ソフトウェアおよび材料の販売を禁止する命令措置、同社は米国の国家セキュリティにリスクを課している旨。Fujian Jinhua ICは、Fujian(福建省)南部の都市でDRAM fabの完成間近、その技術が米国から出ている様相の旨。Commerce Dept.はそれについての証拠は示さなかったが、米国および半導体各社はintellectual property(IP)盗用および強制技術移転などの慣行で長く中国を非難している旨。

JHICCに対する措置は、今年の通信機器大手、ZTEに続く2件目となる。

◇U.S. Restricts Exports to Chinese Semiconductor Firm Over Security Concerns-Trump bans US technology exports to Fujian Jinhua (10月30日付け TIME online/The Associated Press)
→Donald Trump大統領が、国家セキュリティ懸念があるとして米国サプライヤの中国の半導体メーカー、Fujian Jinhua Integrated Circuit Co.への技術輸出を制限の旨。これは今年中国ハイテクメーカーへの輸出に課された2つ目の制限の旨。

◇U.S. restricts exports to Chinese semiconductor firm Fujian Jinhua (10月30日付け Reuters)

JHICCを巡っては、DRAM半導体工場の構築に当たって米国マイクロンのintellectual property(IP)が盗用されていると、以前から係争沙汰があった経緯である。

◇米、中国の半導体会社に輸出規制、知財侵害で脅威認定 (10月30日付け 日経 電子版)
→米商務省は29日、中国の半導体メーカー、福建省晋華集成電路(JHICC)が米国の安全保障上の重大なリスクになっているとして、半導体製造装置など米国製品の輸出を規制すると発表、同社を巡っては米半導体大手のマイクロン・テクノロジーが知的財産を侵害していると訴えていた旨。米中のハイテク分野を巡る技術覇権争いが激しくなる中、新たな火種となりそうな旨。中国政府は国家戦略「中国製造2025」で半導体の国産化推進を掲げており、JHICCは重点支援対象の一つと目されている旨。

◇Taiwan's UMC halts R&D activities with Chinese semiconductor firm after U.S. ban (10月31日付け Reuters)
→台湾・UMCが、中国のパートナー、Fujian JinhuaとのR&D活動を一時的に中止、米国がこの中国国家が支援する会社を米国サプライヤから遮断して数日後の旨。米国Trump政権は、月曜29日にFujian Jinhuaを米国サプライヤから切り離す措置、同社がMicron Technology社からintellectual property(IP)を盗んだという申し立ての渦中のこと。

中国のメモリ半導体メーカーの状況については、現時点次の理解である。
 Tsinghua Unigroup傘下、Yangtze Memory Technologies(YMTC)
  →32-層3D NAND半導体発注対応
 Innotron Memory
  →2019年の8Gb DDR4半導体の量産
 Fujian Jin Hua Integrated Circuit(JHICC)
  →DRAM構築中
柱の一角のJHICCには、今回の措置は大きな影響を受けることとなる。

◇中国、半導体国産化に痛手、米が製造装置輸出規制―規制対象のJHICC、中国製造2025の柱 (10月31日付け 日経)
→米商務省が米国製品の輸出規制の対象とした福建省晋華集成電路(JHICC)は、習近平最高指導部が2015年に発表した産業高度化の長期政策「中国製造2025」の柱となる企業。同政策に掲げられた半導体の国産化目標の達成のため設立されたが、米国側の措置で量産できるか不透明な情勢となっている旨。JHICCは2016年に福建省政府系企業などが出資して設立。台湾の半導体大手、聯華電子(UMC)の技術を使って、370億元(約6千億円)を投じ、DRAMの家電など向けの普及型を2018年秋から試験生産する予定だった旨。

JHICCのメモリ半導体の実装についての受注を見込んでいた台湾・SPILにも遅れる見方があらわされている。

◇Siliconware Electronics to see DRAM packaging orders delayed from China maker (10月31日付け DIGITIMES)
→業界筋発。国家セキュリティ懸念から米国が新たに中国のDRAMメーカー、Jinhua Integrated Circuitへの輸出を禁止、Fujian(福建省)の台湾・Siliconware Precision Industries(SPIL)の生産子会社へのDRAM半導体の最初の発注が遅れる様相の旨。Jinhuaは新しいDRAM fabの構築を完了、Silicon Electronics (Fujian)は当初2019年第一四半期にJinhuaからのDRAM実装受注を獲得する見込みであったが、米国商務省が10月30日に発表した予期しない輸出禁止でJinhuaの発注が少なくとも1四半期延期されそうな旨。

制裁措置を受けて、台湾・UMCがJHICCとのR&D連携を中止する動きをとっている。

◇UMC Halts R&D Project with China Chipmaker (11月1日付け EE Times)
→ハイテク製品にますます重点化している中国との貿易戦争を米国がエスカレートさせている中の動き。

◇UMC halts work with Chinese partner-FOLLOWING REGULATIONS:The company said that it would stop all research and development activities with Fujian Jinhua after the US placed it on a sanctions list-UMC suspends R&D activities with Fujian Jinhua (11月1日付け The Taipei Times (Taiwan))

そして、時間順序が定かではないが、米国司法省が、米半導体大手、マイクロン・テクノロジーから企業秘密を盗んだ疑いで、JHICCと台湾・UMC、台湾のマイクロン子会社に所属していた台湾籍の3人を連邦大陪審が起訴したという発表に以下の通り至っている。

◇Chinese, Taiwanese companies indicted for stealing U.S. trade secrets (11月1日付け United Press International)

◇‘Enough is enough’: US indicts Chinese and Taiwanese firms for stealing trade secrets from Micron, in defence of tech companies-‘The department will aggressively pursue trade-secret theft cases,’ said US Attorney General Jeff Sessions-He unveiled charges against Fujian Jinhua Integrated Circuit Co and United Microelectronics Corp-DOJ charges Chinese, Taiwanese companies over trade secret theft (11月2日付け South China Morning Post (Hong Kong))
→米国司法省が、Micron Technologyからのtrade secrets盗用について中国および台湾のメーカーを告発、該中国メーカー、Fujian Jinhua Integrated Circuit Co.ははじめは昨年Micronからのintellectual property(IP)盗用で告訴された旨。

◇U.S. Charges UMC, Fujian Jinhua With Technology Theft (11月2日付け EE Times)

◇中国国有半導体メーカーが知財スパイ容疑、米司法省起訴 (11月2日付け 朝日新聞DIGITAL)
→米司法省は1日、米政権による輸出規制の制裁対象になっている中国国有企業の半導体メーカー「福建省晋華集成電路(JHICC)」などを、経済スパイ活動に関与した罪で起訴したと発表、中国による知的財産の侵害は米中通商紛争の最大の火種で、司法省は捜査態勢を強化することも表明した旨。カリフォルニア州の連邦大陪審が、JHICCとともに台湾半導体メーカー「聯華電子(UMC)」、台湾人3人を、米半導体大手、マイクロン・テクノロジーから企業秘密を盗み出した罪で起訴、マイクロン側の従業員だった台湾人がUMCに移り、協力関係にあったJHICCにマイクロンの技術を不正に流出させた旨。

◇中国の産業スパイ急増…米、取り締まり強化へ (11月2日付け YOMIURI ONLINE)
→米司法省は1日、米半導体大手、マイクロン・テクノロジーから企業秘密を盗んだ疑いで、中国国有企業と台湾企業などを連邦大陪審が起訴したと発表、トランプ米政権は中国の知的財産権の侵害を問題視しており、産業スパイの取り締まりを強める姿勢を示した旨。起訴されたのは中国国有の半導体メーカー「福建省晋華集成電路(JHICC)」と台湾の半導体メーカー「聯華電子(UMC)」、台湾のマイクロン子会社に所属していた台湾籍の3人。被告の1人は台湾のマイクロン子会社からUMCに転職。JHICCから資金提供を受けて両社の協業を進める一方、マイクロン子会社の2人を取り込み、半導体メモリ「DRAM」の設計や製造に関する機密情報900件以上を盗み出させた旨。

マイクロンからは、この起訴を評価するステートメントが出されている。

◇Micron provides statement on U.S. Department of Justice indictments relating to theft of Micron trade secrets (11月2日付け ELECTROIQ)
→米国司法省の起訴の決定を評価する、とMicron Technologyのsenior vice president, legal affairs, general counsel and corporate secretary、Joel Poppen氏。

一方、UMCからは憤慨の反応である。

◇UMC dismisses US charges against it and Fujian Jinhua (11月2日付け DIGITIMES)
→UMCが、米司法省の申し立てを却下するステートメントを出して、「米国Attorney's OfficeがUMCに知らせず話し合いの機会を与えないで起訴するのは遺憾」の旨。

Trump大統領は今月中の中国との首脳会談をもってなんらかの打開に漕ぎ着けたいとし、これを好感して株価が連動する動きも見られている。

◇Here's What Analysts Say About Friday Rally on Trade Talk Hopes-Trump asks for draft of China trade proposal ahead of G-20 (11月2日付け Bloomberg)
→Donald Trump大統領が中国との関係の雪解けの可能性を示し、当局に通商提案の原案作成を指示して、グローバル市場が上昇、Trump氏は、今月のアルゼンチンでのGroup of 20 nations summitにて合意に達したい旨。

以上、この1週間のことながら推移を見てきたが、関連する動きとして、まず米中それぞれの摩擦対応である。

◇The U.S.-China Trade War Means Alibaba Is Producing Its Own Chips (10月26日付け Bloomberg)
→e-commerceのAlibabaが、同社cloudおよびAI事業に向けて半導体の設計を行う旨。

◇Many U.S. firms in China eyeing relocation as trade war bites: survey-Survey: Many US firms in China considering relocation (10月29日付け Reuters)
→American Chamber of Commerceによる中国南部での調査。中国南部で活動している米国の会社の大方が、米中通商摩擦により他の国々からの会社よりも損害を受けている旨。調査した70%以上が投資を中止して製造operationsを他の国々に移すことを考えているが、北米での製造の計画は1%止まりの旨。

メモリ半導体を牽引しているSamsungは、最高益を大きく更新する本年の業績見通しを発表する一方、先行きについては熱い活況に終わりが見えているとして投資の削減を打ち出している。

◇サムスン、営業益6兆円超え濃厚、2018年通期 (10月31日付け 日経 電子版)
→韓国サムスン電子の2018年通期の連結営業利益が、同社として初めて60兆ウォン(約6兆円)を超える見通しとなった旨。同社が31日発表した2018年7〜9月期連結決算は、営業利益が前年同期比21%増の17兆5700億ウォン。
1〜9月累計の営業利益は同25%増の48兆800億ウォンとなり、2018年12月期に最高益を更新することが濃厚に。サムスンの連結営業利益は、2017年12月期の53兆6500億ウォンが最高。

◇Samsung slashes capex, calls end to chip boom after record third quarter (10月31日付け Reuters)
→Samsung Electronics Co Ltdが水曜31日、2018年設備投資(capex)を4分の1以上削減、来年始めまで利益のさらなる低下を警告、第三四半期の最高記録の利益を焚きつけたメモリ半導体の2年の熱い活況に終わりを告げている旨。

DRAM価格も10月の始めと終わりで10%下がったとのデータである。

◇Global price of DRAM falls 10 pct on-month in Oct. -DRAMeXchange: Per unit average DRAM price dropped 10.7% in Oct. to $7.31 (10月31日付け Yonhap News Agency (South Korea))
→業界tracker、DRAMeXchangeがまとめたデータ。PCsで大方用いられている8GビットDDR4 DRAMの平均価格が、10月末時点で$7.31、1ヶ月前の$8.19から10.7%低下の旨。その前の5ヶ月にわたって比較的フラットのままであった価格が、2017年の水準に下がった旨。1月には前月比35.8%も上がった旨。

こちらはNANDフラッシュメモリの東芝メモリと米ウエスタンデジタルからは、四日市工場への装置導入の一部延期が示されている。

◇四日市工場、メモリ製造装置の導入延期、東芝メモリ・米WD、市況悪化で (10月31日付け 日経)
→東芝メモリと米ウエスタンデジタル(WD)は、共同運営する四日市工場(三重県四日市市)への製造装置導入を一部、延期する方針を固めた旨。現在進めている第6製造棟の整備のうち、2018年中の搬入を予定していた設備の搬入を数カ月先送りして、2019年春以後にずらす旨。スマートフォンの出荷台数が低迷している影響でメモリ価格が下落しており、増産ペースを遅らせる旨。

オーストラリアからも中国のテレコムメーカーに対する警戒である。

◇Australia's top cyber spy says Chinese tech is too good to be allowed near its key infrastructure (10月31日付け Business Insider)
→オーストラリアのセキュリティマニュアル担当機関、Australian Signals Directorateのdirector-general、Mike Burgess氏が月曜29日Canberraにて、Huawei TechnologiesおよびZTEのような中国テレコムメーカーについての禁止令は、オーストラリアの国家利益にあり、重大なインフラを保護する旨。

まさに日々刻々、一層目が離せない情勢変化への注目、そして対応である。


≪市場実態PickUp≫

【新型「iPad」】

米国アップルが、タブレット端末iPad Proの新機種の披露および発売を10月30日に発表、中核のNeural Engine搭載、データ処理用のA12X Bionic半導体はじめ関連する説明内容が以下の通り続いている。

◇The A12X: iPad Pro's Jump Into Machine Learning?-A longtime technology analyst predicts that Apple will unveil an A12X processor at its Oct. 30th event. -Apple expected to unveil A12X processor at "Making" event (10月29日付け EE Times)
→技術情報のned, maude, todd & rod社、Paul Boldt氏記事。Appleの火曜30日の“Making”イベントでどんな新しい機器が登場するか、だれから聞いて少なくとも1つ、新しいiPad Proがある旨。

◇Apple iPad Pro specs compared: how the iPads stand out-Apple's new iPad Pros pack processing punch (10月30日付け The Verge)
→火曜30日にNew Yorkで披露されたAppleの11-インチおよび12.9-インチ2018 iPad Prosは、データ処理にA12X Bionic半導体を使用の旨。このAppleが設計したeight-core A12X Bionicには、10 billion個以上のトラジスタがあり、CPU性能で90%増そしてgraphics processing unit(GPU)の性能で2倍の改善の旨。

◇The new iPad Pro doesn't have a headphone jack-iPad users will need to join the dongle life (10月30日付け The Verge)
→dongle…コンピュータ周辺機器の1つで、これが入出力ボードに接続されている場合にのみ特定のプログラムを実行できる:プログラムの不正コピー防止用

◇Apple debuts smaller, faster iPad Pros with Face ID and USB-C (10月30日付け VentureBeat)

◇What We Learned About Apple's A12X-As predicted, Apple introduced a new processor at its Oct. 30 event. Here's what we learned about it. (10月31日付け EE Times)
→10月30日のApple Eventにて、新しいMacBook Air, iPad ProsおよびMac Miniのお目見え。そしてやはり、iPad ProにはFaceIDおよびUSB-C portの搭載。大胆にもA12Xがあるとリスクをとって予測、該A12XにはNeural Engine, より大きなGPUそして同じCPUの旨。

◇アップルが新型「iPad」、サイズそのまま画面広く-顔認証にも対応 (10月31日付け 日経 電子版)
→米アップルは30日、タブレット端末「iPad プロ」の新機種を11月7日に発売すると発表、スマートフォンの「iPhone」と同様にホームボタンをなくし、従来型と同じ大きさのまま画面を大きくした旨。タテヨコどちら向きで使っていても顔認証機能を利用できる旨。機種をまたいで似たような使い勝手にすることで、複数のアップル製品を購入してもらいやすくする狙い。

◇新iPadはパソコン対抗、欠点を見事に解消 (11月1日付け 日経 電子版)
→ITジャーナリスト、石川 温氏記事。米アップルがタブレット端末「iPadプロ」、ノートパソコン「マックブックエアー」、小型パソコン「マックミニ」の新製品を発表した旨。マックブックエアーはアップルのパソコンのなかでエントリーモデルという位置づけ、軽量で比較的安価に設定されている旨。「プロ」の名称が与えられたiPadは、コンテンツ作成やビジネス用途での利用を強く意識したシリーズ。これら2つの製品で、ノートパソコン市場の攻略を目指す旨。

【IBMのRedHat買収】

米国・IBMが、クラウド向けソフトウエア大手の米レッドハット(RedHat)を約340億ドル(約3兆8000億円)とIBMにとって過去最大規模の買収を発表している。アマゾンはじめ「GAFA」に対する競争巻き返しの狙いである。

◇米IBM、クラウドソフト大手RedHatを買収、3.8兆円-アマゾンなどに対抗 (10月29日付け 日経 電子版)
→米IBMは28日、クラウド向けソフトウエア大手の米レッドハット(RedHat)を約340億ドル(約3兆8000億円)で買収すると発表、クラウド分野で米アマゾン・ドット・コムや米マイクロソフトなどへの競争力を高める狙い。
IBMにとって過去最大規模の買収となる旨。両社はこれまでもクラウド基盤の共通化などで技術提携を進めてきた旨。

◇背水のIBM、過去最大3.8兆円買収、クラウドに賭け (10月30日付け 日経 電子版)
→米IBMは28日、クラウド向けソフトウエアなどを手がける米レッドハットを約340億ドル(約3兆8000億円)で買収すると発表、IBMは急拡大するクラウド市場で米アマゾン・ドット・コムに出遅れたが、過去最大のM&A(合併・買収)で逆襲に転じる旨。アマゾンを含む「GAFA」など新興勢に追い詰められた20世紀のITの巨人が大型買収で賭けに出ている旨。

【Texas Instruments(TI)関連】

半導体市場の先行き懸念が囁かれる中、TIは新工場の計画を着々と進めるとしている。

◇Texas Instruments says slowdown in chip demand won't halt plans for potential Richardson plant-TI will proceed with planned factory in Texas (10月26日付け The Dallas Morning News)
→Texas Instruments(TI)が、需要が削がれているにも拘らず2021年までのRichardson, Texasの新しい半導体工場を依然計画している旨。「景気低迷は所定の次の300-mm工場shellを得る我々のタイミングにほとんど影響しない。」と、Chief Financial Officer(CFO)のRafael Lizardi氏。

今後の産業用computingに向けた新しいmicroprocessors(MPUs)として、TIがSitara AM6xを投げかけている。

◇TI Goes All in With Industrial (10月30日付け EE Times)
→Texas Instruments(TI)が火曜30日、同社新世代の産業用microprocessors(MPUs), Sitara AM6xを披露、"業界初のmulti-protocol gigabit time-sensitive networking(TSN)-enabledプロセッサファミリー"としている旨。

◇TI Aims Sitara at Industrial Applications-Pitches new microprocessor as key to its future in industrial computing (10月31日付け EE Times India)

【オープン2件】

GlobalFoundriesが、カスタムASICソリューションを提供する新しい完全子会社、Avera Semiconductorをオープンしている。

◇GloFo launches Avera-GlobalFoundries launches ASIC subsidiary (11月1日付け Electronics Weekly (UK))
→GlobalFoundriesが、新しい子会社、Avera Semiconductorをオープン、application-specific integrated circuit(ASIC)設計サービスおよびArmコアなど関連intellectual property(IP)を供給する旨。該ASICsは、14/12-nmおよびより成熟したプロセス技術で作られる一方、7-nm以降の代替ファウンドリープロセスへのアクセスが得られる旨。

◇GLOBALFOUNDRIES introduces Avera Semi, a wholly owned subsidiary to deliver custom ASIC solutions (11月1日付け ELECTROIQ)

◇Globalfoundries sets up wholly-owned subsidiary to deliver custom ASIC solutions (11月2日付け DIGITIMES)

もう1つ、TSMCが中国・南京の新しい12-インチウェーハfab拠点の開所式を行っている。

◇TSMC opens 12-inch fab in Nanjing-TSMC's 12-inch wafer fab in Nanjing is officially opened (11月1日付け DIGITIMES)
→TSMCが水曜31日、Nanjing, China(江蘇省南京市)の新しい12-インチウェーハfab拠点を正式オープン、Chairman、Mark Liu氏およびChief Financial Officer(CFO)、Lora Ho氏が該式典に出席の旨。TSMCのFab 16は、12-インチ10,000枚/月生産、来年末までに15,000枚/月そして2020年には20,000枚/月に高める計画の旨。

【米国SIAの販売高発表】

恒例のSIAの月次半導体販売高発表の9月分、および第三四半期の発表が週の終わり、金曜日10月26日に行われたため、業界各紙の取り上げが次の通りとなっている。

◇Global semiconductor sales in September up 13.8% year-to-year (10月29日付け ELECTROIQ)

◇Q3 Chip Sales Reach All-time High-SIA: Q3 chip sales hit $122.7B, up 13.8% from a year ago (11月2日付け EE Times)


≪グローバル雑学王−539≫

サウジアラビアの著名ジャーナリストの殺害、日本人ジャーナリストの解放が最近のニュースで大きく取り上げられ、その舞台となっているトルコ、シリアについて、

『世界の路地裏を歩いて見つけた「憧れのニッポン」』
 (早坂 隆 著:PHP新書 1149) …2018年7月27日 第1版第1刷

より著者の目を通して理解を深めていく。アジアと西欧の接点の捉え方があるトルコと我が国の間の曰く因縁から「中東の親日国」の意味合いを改めて確認している。2011年3月から泥沼の内戦が続くシリアは、首都がダマスカス、神秘的で華麗な印象をもっていたが、「オリエントの真珠」と称されるとのこと。米国とロシアがにらみ合うこの文化&自然遺産に恵まれた地域、事態のできるだけ早い収拾を願わざるをえない。


第七章 トルコ・シリア―――時を越えた恩返しとトウモロコシ

□エルトゥールル号事件が生んだ「正の連鎖」
・本来のイスラム諸国とは、穏やかな雰囲気の漂う長閑な国々、多い親日的な人々
 →「中東の親日国」と聞いて最初に連想されるのはトルコ
・「エルトゥールル号事件」
 →1890年、オスマン帝国から総勢650名にも及ぶ使節団が、木造のフリゲート艦・エルトゥールル号で訪日
 →帰途の9月16日夜半、大型の台風に遭遇、和歌山県串本町沖の海洋で沈没
 →付近の住民たちによる献身的な救助活動により、69名の乗組員の命が救われた
 →トルコ国民の間では広く知られ、学校の授業で教えられることも多いという
 →現在、遭難の地、串本町には「エルトゥールル号殉難将士慰霊碑」と「トルコ記念館」建立
・1904年、日露戦争が勃発、日本はロシアを打ち破った
 →トルコの人々に大変な衝撃と歓喜
・第一次世界大戦後の1924年、日本と国交を回復
 →トルコは明治維新を手本として、国家の抜本的な近代化政策に取り組み、大きな成果
・「エルトゥールル号事件」から約100年後の1985年、「トルコ航空による邦人救出劇」
 →イラン・イラク戦争時、テヘランの在留邦人が完全に孤立した状態に
 →トルコ政府はトルコ航空機をイランに派遣、在留邦人たち215名はイランから脱出
・日本とトルコの間で示された友情の物語
 →世界史の中で稀なる「正の連鎖」として鮮やかな光彩

□イスタンブールの呼び込みの誘惑
・ヨーロッパとアジアが交わる地、多彩な魅力が怪しく漂うイスタンブール
 →世界遺産指定の「世界一美しいモスク」、スルタンアフメト・モスク(通称:ブルー・モスク)
  →6本のミナレット(尖塔)があるのは世界でもこのモスクだけ
 →活気と喧噪が溢れているグランドバザール
  →約4000軒の店舗
  →中心街を歩いていると、最も多いのは「絨毯屋」の呼び込み
   …日本で流行っている話題や音楽、ギャグなどを巧みに会話に織り交ぜ

□トルコが広げたコーヒー文化
・イスラム教徒が大半を占めるトルコ
 →周辺の中東諸国に比べると戒律には柔軟、飲酒もほぼ個人の裁量
・トルコには「ラク」と呼ばれる蒸留酒、葡萄が原料
 →イラク辺りのアラビア地域の伝統的な蒸留酒「アラック」がラクの原型か
 →蒸留の技術は、アラブ世界が発祥
・コーヒーを喫する文化も、オスマン帝国からその周辺へと伝わった
 →オーストリアの名物「ウィンナ・コーヒー」は、トルコ軍のウィーン包囲が契機に
  …戦争が一つの文化を周囲に押し広げるのは、世界史の習い
 →コーヒー豆を煎って粉末にしたものを湯で煮立て、その上澄みだけを啜るのがトルコ風の伝統的な飲み方
  →砂糖を多く入れるので、頗る甘いのが特徴
・現在、コーヒーはどちらかというと高級品、チャイ(紅茶)の方がより身近な飲み物として定着
 →現在、トルコにおける紅茶の生産量は、インド、スリランカ、ケニアに次いで世界で4番目の地位
 →トルコでの移動で便利で快適な高速バス、車内では無料で紅茶が振る舞われることが多い

□「オリエントの真珠」と讃えられたダマスカス
・トルコの南方に位置するシリア
 →(著者が)訪れたのは現在のような混乱に陥る前
 →首都はダマスカス、「世界で最も古くから人が住み続けている都市」
  →多く残る聖書にまつわる伝承 …エデンの園を追われたアダムとイヴ
  →メソポタミアと地中海を結ぶ東西交易の交差点、「オリエントの真珠」
・ウマイヤ朝の支配下、715年に建設されたウマイヤド・モスク
 →「世界最大級」「現在も利用されているモスクの中で世界最古」
 →敷地内に入る際には靴を脱がなければならない
 →イエスに洗礼を与えたというヨハネ(バプテスマのヨハネ)の「首塚」、 首が納めされているという

□シリアからシルクロードを経て日本へ
・ウマイヤド・モスクの周囲に広がる市場、スーク・ハミディーエ
 →金や銀の細工物を揃えた貴金属店が目立つ
 →日本の伝統工芸、「象嵌」の技法の発祥地はダマスカス
  →シルクロードを経由して日本に伝来
  →象は「かたどる」、嵌は「はめる」という意
  …鉄などの生地に金や銀の線を嵌め込んで多彩な文様を描く

□「シリアのトウモロコシは美味しい?」
・トウモロコシの原産地はメキシコ
 →ヨーロッパに持ち込んだのは、アメリカ大陸を発見したコロンブス
 →以降、中東のトルコにも及び、「トルコ小麦」としてアラビア世界に広がり

□彼らは今、どうしているのだろう
・(著者が)ルーマニアに住んでいた際、ブカレスト在住の一人のシリア人と知り合いに
 →彼が夫婦揃って(著者の)自宅を訪ねてくれた
  →ドライブ中、フロントガラスの外、酔っ払いと思われる中年男性が「立ち小便」
  →「なぜ? どうして? 日本ではそんなことが許されているのか?」と彼は大笑い
・日本には、小田原城攻めの際に豊臣秀吉と徳川家康が「連れション」をしたと壮大な英雄譚の中の話
 →訪日外国人が激増する昨今の状況の中、あくまでも物語の中でのみ楽しむのが賢明
・その後、その夫婦はダマスカスで暮らしていると聞いていた
 →2011年3月から激しい内戦が続いているシリア
 →あの夫婦はどうしているのだろう

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