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半導体販売高増加も強まる警戒感:米中摩擦、各社警告、業界データ

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いつもは月始めに行われる米国Semiconductor Industry Association(SIA)からの月次世界半導体販売高の発表が、今回は10月26日にこの9月分そして第三四半期(7-9月)について行われている。増勢が引き続いて、9月の$40.9 billion、第三四半期の$122.7 billionともに、月次、四半期の史上最高を更新している。この半導体販売高の熱い活況の一方では、このところもたげてきている市場の先行きへの警戒感が一層強まっており、米中摩擦のインパクト、半導体各社の業績予測での警告、そして製造装置のbillings、メモリ価格見通しのデータに色濃くあらわれてきている。

≪9月の世界半導体販売高、そしてその一方で≫

米国SIAからの今回の発表内容が、次の通りである。

☆☆☆↓↓↓↓↓
〇9月のグローバル半導体販売高が前年比13.8%増−第三四半期の販売高が最高を記録、前四半期比4.1%増、前年同期比13.8%増 …10月26日付け SIA/Latest News

半導体製造、設計および研究の米国のleadershipを代表するSemiconductor Industry Association(SIA)が本日、2018年第三四半期の世界半導体販売高が$122.7 billionに達し、前四半期比4.1%増および2017年第三四半期を13.8%上回った、と発表した。2018年9月のグローバル販売高は$40.9 billionに達し、前月比2.0%増、前年同月比13.8%増となっている。月次販売高の数値はすべてWorld Semiconductor Trade Statistics(WSTS) organizationのまとめであり、3ヶ月移動平均で表わされている。

「2018年の3つの四半期を経て、グローバル半導体業界は、昨年の史上最高の販売高、$412 billionを気持ちよく上回って、さらに上の最高の年間販売高を示すペースにある。」とSemiconductor Industry Association(SIA)のpresident & CEO、John Neuffer氏は言う。「ここ数ヶ月前年比の伸びは次第に少なくなっているが、9月は該グローバル業界の史上最高の月次販売高を示しており、第三四半期は記録上最高の売上げの四半期となっている。
9月の販売高は、すべての主要製品カテゴリーおよび地域市場にわたって増加しており、ChinaおよびAmericasへの販売高が引き続き引っ張っている。」

次に示すように、地域別では、販売高が前年同月比ですべての地域にわたって堅調に増加している。前月比ではAmericas、ChinaおよびEuropeがプラス、およびAsia Pacific/All OtherとJapanがマイナスとなっている。

前年同月比 +26.3%/
前月比 +1.8%
Americas
+15.1%/
+6.0%
Europe
+8.8%/
+1.2%
Japan
+7.2%/
-0.6%
Asia Pacific/All Other
+2.4%/
-0.1%

                     【3ヶ月移動平均ベース】
市場地域
Sep 2017
Aug 2018
Sep 2018
前年同月比
前月比
========
Americas
7.99
8.68
9.20
15.1
6.0
Europe
3.28
3.53
3.57
8.8
1.2
Japan
3.14
3.39
3.37
7.2
-0.6
China
11.36
14.10
14.35
26.3
1.8
Asia Pacific/All Other
10.18
10.43
10.42
2.4
-0.1
$35.95 B
$40.12 B
$40.91 B
13.8 %
2.0 %

--------------------------------------
市場地域
4- 6月平均
7- 9月平均
change
Americas
8.34
9.20
10.2
Europe
3.67
3.57
-2.7
Japan
3.39
3.37
-0.8
China
13.59
14.35
5.6
Asia Pacific/All Other
10.32
10.42
1.0
$39.31 B
$40.91 B
4.1 %

--------------------------------------

※9月の世界半導体販売高 地域別内訳および前年比伸び率推移の図、以下参照。
https://www.semiconductors.org/wp-content/uploads/2018/10/September-2018-GSR-table-and-graph-for-press-release.pdf
★★★↑↑↑↑↑

2016年後半から盛り返して急激な増勢そして高みを保っている世界半導体販売高の推移が次の通りである。26ヶ月連続の前年同月比増、そして15ヶ月連続した前年同月比20%以上増が7月で途切れて、7月17.4%増、8月14.9%増、9月13.8%増と高水準ながら下がってきている経過である。史上最高の月次販売高の更新が続いてきており、伸びしろはあるだけに引き続き推移のほどに注目である。

販売高
前年同月比
前月比
販売高累計
(月初SIA発表)
 
2016年 7月
 $27.08 B
-2.8 %
2.6 %
2016年 8月
 $28.03 B
0.5 %
3.5 %
2016年 9月
 $29.43 B
3.6 %
4.2 %
2016年10月
 $30.45 B
5.1 %
3.4 %
2016年11月
 $31.03 B
7.4 %
2.0 %
2016年12月
 $31.01 B
12.3 %
0.0 %
$334.2 B
 
2017年 1月
 $30.63 B
13.9 %
-1.2 %
2017年 2月
 $30.39 B
16.5 %
-0.8 %
2017年 3月
 $30.88 B
18.1 %
1.6 %
2017年 4月
 $31.30 B
20.9 %
1.3 %
2017年 5月
 $31.93 B
22.6 %
1.9 %
2017年 6月
 $32.64 B
23.7 %
2.0 %
2017年 7月
 $33.65 B
24.0 %
3.1 %
2017年 8月
 $34.96 B
23.9 %
4.0 %
2017年 9月
 $35.95 B
22.2 %
2.8 %
2017年10月
 $37.09 B
21.9 %
3.2 %
2017年11月
 $37.69 B
21.5 %
1.6 %
2017年12月
 $37.99 B
22.5 %
0.8 %
$405.1 B
 
2018年 1月
 $37.59 B
22.7 %
-1.0 %
2018年 2月
 $36.75 B
21.0 %
-2.2 %
2018年 3月
 $37.02 B
20.0 %
0.7 %
2018年 4月
 $37.59 B
20.2 %
1.4 %
2018年 5月
 $38.72 B
21.0 %
3.0 %
2018年 6月
 $39.31 B
20.5 %
1.5 %
2018年 7月
 $39.49 B
17.4 %
0.4 %
2018年 8月
 $40.16 B
14.9 %
1.7 %
2018年 9月
 $40.91 B
13.8 %
2.0 %

伸び率が低下してきているとは言え、依然増加基調にある世界半導体販売高であるが、先行きについて懸念、警告の見方や声が高まっている状況が一方にあり、まずは米中摩擦のインパクト関連である。

中国の現状を目にしたアナリストからは、米国の科学技術投資への不足が謳われている。

◇China Policy Needs a Reset-Analyst calls for more U.S. investment and engagement (10月19日付け EE Times)
→中国から帰ってきたばかりのveteran半導体アナリスト、Handel Jones氏。中国の中流層がアメリカの関税およびZTEを相手取った動きに怒ってきており、米国からの科学技術の独立性に出資する政府の動きにますます熱烈になっている旨。Trump大統領は、米国技術への連邦投資を大きく高める必要があり、「DARPA [ERI]プログラムは良いが、その規模の10倍あるいは100倍でも必要。」と同氏。

米中摩擦を注視するAppleのパートナーで最近買収されたDialog Semiconductorのコメントである。

◇Apple chip partner says its 'carefully' monitoring the US-China trade war-Dialog Semi steers its way through the US-China trade war (10月19日付け CNBC)
→iPhoneのAppleが社内半導体開発を高めるために$600 million買収取引に最近達したDialog Semiconductorは、中国と米国の間で激化する通商摩擦にしっかり注目している、とDialog SemiのCEO、Jalal Bagherli氏。「現状の流れはそれほど自分たちにインパクトはないが、他の国際ビジネスとまったく同様関税が如何に上がるか注意深く監視しなければならない。」と特に言及する同氏。

世界の数ある経済圏の多くについて、該摩擦から伸びが飽和してきている見方がうかがえている。

◇Global growth outlook for 2019 dims for first time: Reuters polls-Economists: US-China trade war will take toll on global growth (10月22日付け Reuters)
→Reutersが今月調査したエコノミストたちがグローバル経済圏44のうち18について見通しを格下げ、該調査では経済圏の約70%で伸びがピークに達している旨。低迷を予想する主な材料の1つが、米国と中国の間の通商摩擦であった旨。

米国はこんどは日本、EUそして英国と個別に交渉していく姿勢であり、SEMIからはグローバルなsupply chainsで動く半導体業界からの視点があらわされている。

◇U.S. announces trade talks with Japan, the EU, and UK; Action will benefit semiconductor industry (10月22日付け ELECTROIQ)
→SEMIのPublic Policy Manager、Jay Chittooran氏記事。先週、Office of the U.S. Trade Representative(USTR)がTrump大統領の指示を受けて、政権としての日本、European Union(EU), および英国との二国間通商交渉開始を議会に通告の旨。SEMIは、自由貿易および市場開放に力強く立ち、市場アクセスを高める努力を活発に支持してより多くの海外経済圏に入っており、特に日本とEUはともに半導体業界にとって中心となる旨。
$2 trillionのエレクトロニクス市場を可能にする半導体業界は、グローバルな通商に立脚しており、SEMIのメンバーは地球規模に及ぶ広大なsupply chainsネットワークに依存しており、世界中で作られるコンポーネントおよびtoolsを集めて、単一sub-systemに組み立て、半導体製造プロセスで用いられるより大型なtoolに統合している旨。

米中摩擦を受けた生産拠点の中国離れが引き続き進んでいる。

◇対米輸出拠点、中国離れ、貿易戦争受け日本電産やパナ (10月24日付け 日経 電子版)
→米政府による中国製品への制裁関税を受けて、企業が中国から米国に輸出している製品の生産拠点を移し始めた旨。自動車部品や家電製品などが対象、日本電産やパナソニックといった日本企業ほか、地元の中国企業も家電大手のTCL集団などが生産をメキシコや東南アジアに移す旨。米中の貿易戦争が長引くと判断し、生産体制を見直す動きが広がりそうな旨。

好調な米国経済を支える各企業に忍び寄る米中摩擦の影の分析があらわされている。

◇貿易戦争、好調の米企業にも影、原材料価格や中国減速 (10月25日付け 日経 電子版)
→好調さが続く米企業の収益基盤に、高関税措置や米中の貿易戦争が3つの経路で影を落とし始めている旨。決算発表の場で、鉄鋼関税などによる原材料コストの上昇、輸入して米国で販売する製品の価格上昇、中国市場の減速について企業からの言及が相次いでいる旨。受け止める株式市場も神経質な動きを見せている旨。
 ・中国に対する制裁関税   →製品の輸入コスト上昇
               →原材料のコスト上昇
 ・鉄鋼・アルミへの輸入関税 →原材料のコスト上昇
 ・中国市場の減速      →中国での販売減少

米国株式の乱高下、現下では安値が見られている。

◇米国株、急落、ダウ608ドル安で3カ月ぶり安値、世界景気に懸念 (10月25日付け 日経 電子版)
→24日の米株式相場は急落した旨。ダウ工業株30種平均は大幅に3日続落し、前日比608ドル01セント(2.4%)安の2万4583ドル42セントと7月上旬以来の安値で終えた旨。年初来の騰落率はマイナスに転じ、世界景気の先行き不透明感が意識された旨。引けにかけて売りが加速した旨。

次に、半導体各社の業績予測での警告が相次いでおり、メモリ半導体で最高更新の業績発表を行っている韓国・SK Hynixからも先行きへの懸念に備えた対応があらわされている。

◇SK Hynix warns of more chip price falls, capex cut as trade tensions bite (10月25日付け Reuters)

◇SK Hynix delivers another quarter of record revenues, profits-SK Hynix delivers downbeat outlook after a record quarter (10月25日付け DIGITIMES)
→SK Hynixの2018年第三四半期連結売上げがKRW11.42 trillion、net profitsがKRW4.69 trillion($4.12 billion)でともに最高を記録、2四半期連続の売上げおよびprofitsの新記録の旨。しかし同時に、近い将来について悲観的な予測、NANDフラッシュメモリデバイス価格が引き続き落ち込むとしている旨。中国からの需要が低下そしてスマートフォン販売が低迷、加えて2019年の設備投資(capex)を減らす見込みの旨。

台湾・UMCからは第四四半期について業績低下の見方である。

◇UMC cautious about 4Q18-UMC forecasts Q4 decreases in wafer shipments (10月25日付け DIGITIMES)
→UMCが、第四四半期についてウェーハ出荷が前四半期比4-5%減少、ASPも同4-5%低下を見込んでいる旨。UMCの第四四半期業績にコメントして同社co-president、Jason Wang氏:「顧客からのウェーハ需要軟化が見えており、1つにentry-levelおよびmid-rangeスマートフォンの売れ行き弱含みが続いている。」

Texas Instruments(TI)社およびSTMicroelectronicsから、先行き需要鈍化の警告が行われている。

◇Opinion: Texas Instruments says semiconductor demand is slowing, sending ripples of fear across the sector-Texas Instruments execs see ‘softer market,’ unsure of the extent of the downturn (10月24日付け Market Watch)
→半導体業界は、景気低迷がやってきている兆候の渦中、Wall Streetでもがいており、火曜の午後、疑う筋は確信を得ている様相の旨。
Texas Instruments(TI)社が、第三四半期earnings報告で2015年以来の需要の低迷が見られるとしており、同社Chief Executive、Rich Templeton氏が発表コメントの出だしで、「我々の製品への需要がほとんどの市場にわたって鈍っている」と宣告の旨。

◇Chip stocks fall after Texas Instruments, STMicro warn on slowing demand (10月24日付け Reuters)
→Texas Instruments社およびFranco-Italian半導体メーカー、STMicroelectronicsからの需要鈍化の警告を受けて、半導体株が水曜24日、値を下げた旨。

このような中、最大手のIntelからは、力強い売上げで気を吐くトーンの業績発表となっている。

◇Intel bucks chip industry woes; powered by PCs, iPhones (10月25日付け Reuters)
→Intelが、第三四半期について予想を上回る業績、profitsが39%増、PCプロセッサおよびiPhone modem半導体の力強い販売高、そして第四四半期売上げを$19 billionと予想の旨。

業界データについてであるが、恒例のSEMIからの北米製造装置のbillings月次データが以下の通り発表されている。

◇North American semiconductor equipment industry posts September 2018 billings (10月24日付け ELECTROIQ)
→SEMIのSeptember Equipment Market Data Subscription(EMDS) Billings Report。北米半導体装置メーカーの2018年9月の世界billingsが$2.09 billion(3ヶ月平均ベース)、前月、2018年8月の最終値、$2.37 billionを6.5%下回り、2017年9月の$2.05 billionからは1.8%上回る旨。

Billings
Year-Over-Year
(3ヶ月平均)
April 2018
$2,689.9
25.9%
May 2018
$2,702.3
19.0%
June 2018
$2,484.3
8.0%
July 2018
$2,377.9
4.8%
August 2018 (final)
$2,236.8
2.5%
September 2018 (prelim)
$2,091.9
1.8%

[Source: SEMI (www.semi.org ), October 2018]

◇SEMI September billings down 6.5% on August-IC gear billings fell 6.5% from Aug. to Sept., SEMI says (10月24日付け Electronics Weekly (UK))

◇Fab Tool Sales Growth Slows Again (10月25日付け EE Times)

◇North America semi equipment industry billings continue to decline (10月25日付け DIGITIMES)

今年前半まで続いた販売高の大きな二桁%の前年比の伸びが影を潜め、ここ数ヶ月販売高が減少に転じている推移である。

もう1つ、NANDフラッシュメモリについて来年は価格の落ち込みがさらに拡がるとの見方があらわされている。

◇NAND flash prices may see larger drop in 2019-Sources see NAND flash prices continuing to fall in 2019 (10月24日付け DIGITIMES)
→業界筋発。NANDフラッシュメモリデバイスの価格が2018年で50%低下、該市場分野に向けた業界のcapacity拡大から来年はさらに押し下げられそうな旨。DRAMモジュールおよびNANDフラッシュ半導体の台湾のメーカー、Adata Technologyのchairman、Simon Chen氏は、2019年のNANDフラッシュ価格の下げが速くなる一方、DRAM価格づけは比べて相対的に安定、と予想している旨。

日々刻々の市場推移、そして世界政治&経済の進路&情勢に、引き続き目が離せないところである。


≪市場実態PickUp≫

【モバイル通信規格関連】

4Gそして5Gと、モバイル通信規格に絡む記事、動きが相次いでいる。
cellular IoTに向けた4G展開が、高価なサービスに偏って動きが鈍いとあらわされている。

◇4G Cellular Slow to Dial in IoT-Slow rollouts and high costs of services blamed (10月22日付け EE Times)
→cellular IoTに向けた新しいLTE標準が、いくつかのcarriersが比較的高価なサービスに入っているばかり、鈍い出だしとなっている旨。それにも拘らず、wide-area IoT linksを作るシリコンにおける競合は力強く、3GPPのロードマップがcellular IoT向け半導体更新の波を引っ張る見込みの旨。長期的には、LTEのNarrowband-IoT(NB-IoT)版およびそのunlicensedライバル、LoRaがIoTにおけるwide-areaワイヤレス運用を席巻する見込みであるが、そこに辿り着くのに時間がかかる可能性の旨。

5Gについて、半導体各社の積極的な取り組みが見られている。

◇Qualcomm cuts 5G millimeter wave antenna size by 25% ahead of 2019 debut-Qualcomm shrinks 5G millimeter wave antennas (10月22日付け VentureBeat)
→Qualcommが、同社5Gミリ波アンテナを4分の1小さくしており、大きさに影響を与えないで電池などのコンポーネントに向けて5G phoneでのより大きなスペースが可能となる旨。同社のQTM052ミリ波アンテナモジュールは、2019年商用リリース予定の旨。

◇Qualcomm intros smaller 5G NR mmWave antenna module (10月24日付け DIGITIMES)

◇Chipmakers keen to expand 5G offerings beyond smartphones-Sources: Chip firms look beyond smartphones for 5G uses (10月23日付け DIGITIMES)
→業界筋発。5G cellular通信はhandset開発者に幸運をもたらすかもしれないが、microchipベンダーは、artificial intelligence(AI), 自動運転車, cloud-ベースサービス, internet of things(IoT)などの応用における該技術の使用に注目している旨。MediaTekおよびQualcommなど半導体メーカーが、スマートフォン関連売上げへの依存を減らしている、と特に言及の旨。

また、5Gについて大手各社間の連携発表が以下の通り続いている。

◇Samsung, Qualcomm partner in 5G small cell, networking push-The companies say the joint effort will boost future massive 5G networks.-Samsung teams with Qualcomm for 5G small cells, networks (10月23日付け ZDNet)
→Samsung ElectronicsとQualcommが、5Gネットワーク・インフラの部分である5G small cells, radio機器およびアンテナの開発でコラボ、両社は、モバイルブロードバンドアクセス応用に向けて5G New Radio標準を用いる旨。

◇Samsung and NEC announce 5G partnership-NEC said it will combine its expertise across IT with Samsung's expertise in 5G technology to expand their portfolios.-Samsung, NEC team to meld 5G communications with IT (10月24日付け ZDNet)
→Samsung ElectronicsがNECとコラボ、5G cellular通信をITと対にしていく旨。両社はステートメントで、該連携によりモバイルcarriersへの地域特有仕様を備えた柔軟な5G offeringsが得られ、カスタムサービスを可能にする、としている旨。

◇Fujitsu and Ericsson to join forces on 5G base stations-Partnership comes on the heels of Samsung-NEC tie-up-Fujitsu will work with Ericsson on 5G base stations (10月26日付け Nikkei Asian Review (Japan))
→富士通とEricssonが、5G基地局の開発および製造のコラボで合意、富士通の技術的ノウハウをEricssonのグローバル販売ネットワークと対にする旨。

【米国の半導体製造】

半導体最先端の取り組みについてTSMC、Samsungに対する10-nmの遅れがこのところ取り上げられているIntelが、製造グループの組織改編を行っている。

◇Intel splits up manufacturing group amid production delays (10月19日付け The Oregonian)
→Intelが月曜15日、製造部門を3つに分けると従業員に伝えている旨。2016年以来該製造組織を共同で引っ張ってきているSohail Ahmed氏が、来月退く旨。該改編は、同社の次世代10-nm半導体技術が予定より何年も遅れているIntelの製造における危機の渦中で出ている旨。Intelは、当初2015年予定の10-nm半導体の量産は来年後半以降になるとしている旨。Ahmed氏の辞任で、Intelは技術&製造グループを次の3つに分ける計画の旨。
 Technology development
 Manufacturing and operations
 Supply chain

予想を上回る四半期業績発表を行ったIntelは、その場で10-nmについては変わりない受け答えの模様で、記事タイトルにも冷めた表現が見られている。

◇Intel Reports Tepid Progress on 10 nm-Intel makes some progress on its 10nm process (10月26日付け EE Times)
→Intelが、10-nm歩留まり改善を進めており、2019年holiday seasonまでに10-nm半導体を出荷していく公約を反復の旨。

もう1つ、7-nmの取り組み中止を決めたGlobalFoundriesは、米国国防総省および軍事/航空宇宙用半導体顧客との結びつきが強く、先行きを問題視する論調が見られている。

◇A Crisis In DoD's Trusted Foundry Program?-GlobalFoundries' decision to put 7nm on hold is raising concerns across the mil/aero industry. (10月22日付け Semiconductor Engineering)
→米国国防総省(DoD)のTrusted Foundryプログラムが、GlobalFoundriesの7-nmの取り組みを中止する最近の決定により流動的になっており、米国防衛communityにわたって国家セキュリティ懸念を生じている旨。米国DoDおよび軍事/航空宇宙用半導体顧客は現在、米国の"安全確実な"ファウンドリーcapacityを14-nmまでアクセスしているが、それで終わりになってしまう旨。他のファウンドリーは只今米国ではそれを越えた同様の"安全確実な"ファウンドリーcapacityの供給がなく、米国防衛業界が世界中で科学技術的に不利な立場に置かれる可能性の旨。

【中国半導体業界】

中国半導体業界関連でいくつか。まずは、中国のIC展開に向けて重大な人材不足の懸念である。

◇Serious talent shortage posing challenges for China IC development-Sources: China's chip hopes stymied by a shortage of talent (10月22日付け DIGITIMES)
→業界筋発。中国国内の半導体業界の展開が、北京、上海および深センからさらに広がっており、主要大都市圏以外での技術人材不足に晒されている旨。これから中国以外からのエンジニア採用につながる可能性、と特に言及の旨。

中国でのLED半導体価格のこのところの低下である。

◇China LED chip prices expected to fall nearly 10% in 4Q18-Sources: China's LED chip prices to dip nearly 10% in Q4 (10月22日付け DIGITIMES)
→業界筋発。中国での2018年第四四半期のLED半導体価格が、主に季節性からくる供給増加および需要減少により前四半期比約10%低下する見込み、年全体では20-30%の低下となる旨。

RISC-Vプロセッサの開発に向けた中国でのコンソーシアムが形成されている。

◇Consortium formed in China to rev up development of RISC-V processors-RISC-V consortium established in China (10月22日付け DIGITIMES)
→China RISC-V Industry Consortiumが、IC設計用open-source RISC-V instruction-setアーキテクチャー利用に向けて団結の旨。複数の半導体設計会社が、internet of things(IoT) connectivityなどの応用に向けたRISC-V技術の使用を推進するためにacademic機関に加わっている旨。

中国のcontractメーカー、Wingtech Technologyが、NXP Semiconductorsのスピンオフ、Nexperia Holdingを買収する計画を発表しているが、またもや米国の審査でどうなるか、注目となる。

◇China's Wingtech to acquire Dutch semiconductor firm Nexperia for $3.6 bln-Chinese firm to buy Nexperia for $3.6B, adding chip portfolio (10月25日付け Reuters)
→Huawei TechnologiesおよびXiaomiなど中国のスマートフォン最大手向けのcontractメーカー、Wingtech Technologyが、Nexperia Holding(オランダ)のmajority interestを25.2 billion yuan($3.63 billion)で買収する計画の旨。NXP Semiconductorsから分離した半導体メーカー、Nexperiaの4分の3以上をもつことになり、米国のCommittee on Foreign Investmentなどregulatorsの見直しを受ける取引の旨。

◇Chinese Firm to Buy NXP Spinoff (10月26日付け EE Times)

【AI半導体startup】

新たな顔ぶれが相次いであらわれるAI半導体関連であるが、今回まず、比較的成熟した製造プロセスでのNovuMindの初登場、AI半導体である。

◇NovuMind's AI Chip Sparks Controversy (10月24日付け EE Times)
→かつてBaidu社で名高い科学者、Ren Wu氏が2015年に設立したstartup、NovuMind(Santa Clara, California)が、初登場のAI半導体、NovuTensorの詳細を披露する運び、Wu氏は、NovuMindが今月始めGlobalFoundriesから最初のサンプルを得て、“conservative” 28-nm CMOSプロセス技術で製造の該NovuTensorは予想を上回る性能の旨。

もう1つ、卓越したハイテク6社のAI半導体への出資を得ているSyntiantである。

◇Tech Heavyweights Back AI Chip Startup (10月24日付け EE Times)
→Microsoft, AmazonおよびIntelなど卓越したハイテク6社のventure capital部門が、当初は音声認識に重点化しているAI半導体startup、Syntiant(Irvine, Calif.)に出資の旨。

◇Big Names Betting on Machine Learning Chip Startup-Machine learning IC startup is backed by Amazon, Intel, others (10月24日付け Electronic Design)
→machine-learning microchipsを開発しているstartup、Syntiant(Irvine, Calif.)が、Microsoftのventure capital子会社が主導、AmazonのAlexa Fund, Applied Materials, Intel, MotorolaおよびRobert Boschが参加しているprivate fundingで$25 millionを獲得の旨。該startupのmassively parallelプロセッサは、40-nmプロセスで製造のNORフラッシュメモリ・ベースの旨。

【先端の取り組み】

メモリ最大手、韓国のSamsung, SK HynixそれぞれのDRAMsに向けたEUV lithography R&Dの取り組みである。

◇Samsung, SK Hynix stepping up DRAM EUV technology R&D-Samsung and SK Hynix boost EUV lithography R&D for DRAMs (10月23日付け DIGITIMES)
→韓国のメディア報道。Samsung ElectronicsとSK Hynixが、それぞれのDRAM EUV技術R&Dをすでに開始、Samsungはまもなく該プロセスを商用生産に移す様相の旨。韓国・Business Postによると、SamsungはまもなくEUV技術を7-nm製造プロセスに取り入れてから、該技術をDRAM生産に拡げていく旨。Samsungは、10nm(1y-nm) nodeでEUV技術の採用を始める計画、それから10nm以降に拡げて、超高速およびultra-capacity DRAM製品の科学技術的競争力を高めていく旨。SK Hynixも最近、利川市(Icheon City, South Korea)の新しいDRAM工場を建設する計画を発表、該工場で現在開発中の最新EUV技術を採用の旨。

欧州のImecおよびASMLは、Post-3nm Lithographyで連携するとしている。

◇Imec, ASML Team on Post-3nm Lithography (10月24日付け EE Times)
→研究機関、Imecとlithography装置メーカー、ASMLが、post-3nmロジックnodeに向かってprinting nanoscaleデバイスを探求する共同リサーチlabを設ける計画の旨。

TSMCの新コンセプト、System-on-Integrated-Chips(SoIC)である。

◇What is TSMC's SoIC? (10月23日付け C Times)
→最近TSMCが、新技術、“System-on-Integrated-Chips(SoIC)”に複数回触れており、同社第三四半期earnings conferenceにて該SoIC技術が2021年に量産に入るとしている旨。SoICとはどんなものか?TSMCの技術フォーラムでの前回の表し方では、SoICは一種の革新的なmulti-chip stacking技術であり、10-nm以降の半導体製造においてwafer-bondingを行うのに用いられる旨。該技術には、突出なしのbonding構造があり、高性能化が得られる旨。

Moore則後の議論が飛び交う中、先端実装が今後のカギの1つという見方が広がってきている。

◇ASE enhancing development of advanced packaging technologies (10月19日付け DIGITIMES)
→ASE Technology Holdingの台湾南部、高雄(Kaohsiung)の工場にて10月18日開催された第6回industry-academics実装技術プレゼンにて、同社senior vice president、SC Hung氏。smart home, smart cityなどAIおよびIoT分野への多角的なセンサの応用の渦中、実装プロセスでのheterogeneous integrationが勢いを得ており、先端SiP(system in package)技術に向けた需要を大きく引っ張っている旨。

◇Advanced packaging technologies are key for semiconductor innovation (10月24日付け ELECTROIQ)
→Yoleが今月リリースするレポート、Status of the Advanced Packaging Industry。先端実装市場が2023年に約$39 billion規模に達する、とアナリストのSantosh Kumar氏。


≪グローバル雑学王−538≫

チトー大統領が長年にわたってまとめていたユーゴスラビア。1980年、彼の没後、まずコソボ自治州で独立運動が始まり、民族間対立や所得格差による対立など次第に表面化、歯止めが効かず民族主義を主張する政党が各地で躍進、1991年にクロアチアが独立を宣言し、泥沼のユーゴスラビア紛争を経て、ユーゴスラビアは2003年に世界地図からその名前が消えたという経緯。
その分かれた国々について、セルビアからボスニア・ヘルツェゴビナへ、

『世界の路地裏を歩いて見つけた「憧れのニッポン」』
 (早坂 隆 著:PHP新書 1149) …2018年7月27日 第1版第1刷

より、著者の目を通して戦禍を経た現地の状況に触れていく。つい最近バレーボール女子の世界選手権でセルビアチームの優勝を目にしたばかり、そして1984年のサラエボ冬季オリンピックのスタジアムが今では一面の墓地、と下記を読んでかけ離れた明暗の場面が浮かんでくる現時点である。


第六章 旧ユーゴスラビア―――コソボの「ワールドカップ」

□東日本大震災で多額の義援金を送ってくれた国
・2011年3月の東日本大震災
 →ヨーロッパ諸国の中で最も素早く日本への支援を開始したのがセルビア共和国
 →セルビアで謳われたスローガン:「ユーゴ紛争時の日本による支援への恩返し」
  →今もベオグラード市内には、日本からの一般無償資金協力供与の100台近くのバスが走行
・(著者が)初めてセルビアを訪れたのは、2001年の秋
 →当時、セルビアは「ユーゴスラビア」の一部
  →ユーゴスラビアという国家は、第一次世界大戦後に誕生、「南スラブ人の国」という意
 →首都のベオグラードには、バロック風の瀟洒な建築物と、社会主義時代に建てられた無機質なアパート群が混在
  →その景観は無惨に傷ついていて、「ここは空爆通りさ」と雑貨屋の主人

□「居酒春」と「Ninja sword」
・旧ユーゴの国々を歩いている際に心地が良いのは「人々の無反応」
 →そうさせているに違いない、この地が持つ「歴史の重み」
 →民族の違いによって凄惨な紛争が続いたこの地
  →「民族の差異」とは非常にセンシティブな問題
・セルビアの名物料理、「チェヴァピ」
 →牛肉やラムの挽き肉にスパイスを混ぜ、棒状に伸ばしてグリル
  →ルーマニアにも同様のもの。どちらもトルコの「ケバブ」と同根
・セルビアの有名なビール、「イェレン」
 →セルビア語で「鹿」の意
・ベオグラードにも小さな「ニッポン」が沢山
 →とある玩具屋には、日本のタミヤ製のプラモデルが多く並んでいる
  →「芸術品」と言われるほど、海外で高い評価
  →タミヤの本社は静岡県。徳川家康の時代に城下で発展した木工技術がそもそも
  →徳川家康とベオグラードの玩具屋の間に一本の糸が見え隠れ
  →店内には、チャンバラごっこ用の刀も。袋には「Ninja sword」
 →ハンガリーでは「居酒屋」ならぬ「居酒春」とプリントされたTシャツを着ている青年の姿

□空しく朽ちたオリンピックマーク
・セルビアからクロアチアとスロベニアを回ってから、ボスニア・ヘルツェゴビナへ入国
 →一連のユーゴ内戦の中で、最も多くの犠牲者を出した国
 →首都であるサラエボ
  →イスラム教のモスクの尖塔
   …長きにわたってオスマン・トルコの支配を受けてきたこの街の歴史
  →街は国連関係の人々で溢れていた
・サラエボの街中を網羅して走っている市民向けの黄色いバスの車体には「JAPAN」の文字
 →日本のODA(政府開発援助)により、1998年に送られたもの
 →街には、修復工事中の建物や、全壊してそのままの建物など、戦争の傷跡が未だ随所に
 →街の北部にはオリンピックスタジアム
  →1984年に冬季オリンピックが開催
  →このオリンピックスタジアムが、見渡す限り一面の墓地に

□「毎日、ポケモン、ポケモンで。本当に大変よ」
・サラエボ滞在中、「SOSビレッジ」という施設を訪問
 →戦争で親を亡くした子供たちが一緒に共同生活
 →施設の子と近所の子が一緒になって遊んで、元気で明るい
・しかし、スタッフの案内で施設内のとある一室
 →ベッドで横になった子供たちが虚ろな表情
 →精神に大きなダメージ、話したり笑ったりできない
・広場で遊んでいた一人の近所の女の子が、「私の家においでよ」
 →「毎日、ポケモン、ポケモンで。本当に大変よ」と、子だくさんの母親
 →日本のアニメは誰も傷つけることなく、「紛争の街」に生きる歓びを振りまいている
・サラエボの中心街には、ムスリムのモスクも、セルビア人の正教会も、ク
ロアチア人のカトリック教会も、目と鼻の先
 →歴史的にも昔から折り合いをつけてきた証明

□コソボの貴乃花ファン
・セルビアから長距離バスでマケドニアを経て、コソボ自治州へ
 →当時のコソボは、国連コソボ暫定行政支援団(UNMIK)の統治下
 →国連のスタッフや多国籍軍の軍人たちの姿で溢れ返る州都・ブリシュティナ
・街で一際目立つ建物が、「ボーロ&ラミズ」という名前の体育館
 →名前の由来は、セルビア人とアルバニア人のそれぞれの英雄の名前から
・その近くの市場で果物を売っている店の主人が、(著者を)呼び止め
 →「タカノハナ! ヨコヅナ!」

□多国籍軍サッカー大会の応援合戦
・ブリシュティナ滞在中、たまたま1つのイベント、「ワールドカップ・イン・コソボ」に遭遇
 →国連や多国籍軍の人たちによるミニサッカー(フットサル)のチャリティ大会、全21チームが試合
・各国の応援団がそれぞれ陣取って、多様な肌の色や服装、言語、国旗

□「日本は出ていないんだ」「どうして?」
・会場で隣に座っていたオーストリアの軍人とのやりとり
 →「日本チームの調子はどう?」
  「日本は出ていないんだ」
  「どうして?」
・会場から最も大きな歓声が上がったのは、コソボのチームが登場した時
 →一つにまとまり、「コソボ・コール」
・自分がいるこの空間こそ、「国際社会の現場」
 →それぞれの強烈な民族性と、適度な愛国心の肯定が、真の国際社会をつくる
・旧ソ連では、自身の民族的帰属は成人時に自分で決めることができたという
 →旧ユーゴでも同じ、自分の民族的帰属は自己申告制
・民族という思考の枠組みとは、実は「幻想」なのかもしれない

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