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続く増勢、単月$30 billion以上19ヶ月、$35 billion以上8ヶ月連続

世界半導体業界の史上最高を塗り替える動きが続く販売高の表し方の1つとして上記のタイトルである。米国・Semiconductor Industry Association(SIA)から月次世界半導体販売高が発表され、この4月について、前月比1.4%増、前年同月比20.2%増の$37.59 billionとなっている。下記の中の図面グラフの青線が示す推移を眺めながら、現下の増勢の改めての確認である。
https://www.semiconductors.org/clientuploads/GSR/April_2018_GSR_table_and_graph_for_press_release.pdf
単月の販売高数値で見ると、$30 billion以上および$35 billion以上の大台越えがそれぞれここ19ヶ月および8ヶ月連続となる。

≪4月の世界半導体販売高≫

今回の米国SIAからの発表内容である。恒例のWorld Semiconductor Trade Statistics(WSTS)予測も、上方修正されて示されている。

☆☆☆↓↓↓↓↓
〇4月のグローバル半導体販売高が前年比20%増;2018年販売高二桁増の見通し−業界販売高予測、2018年12.4%増、2019年4.4%増 …6月6日付け SIA/NEWS

半導体製造、設計および研究の米国のleadershipを代表するSemiconductor Industry Association(SIA)が本日、2018年4月の世界半導体販売高が$37.6 billionに達し、2017年4月の$31.3 billionから20.2%増、前月の$37.1 billionを1.4%上回った、と発表した。月次販売高の数値はWorld Semiconductor Trade Statistics(WSTS) organizationのまとめであり、3ヶ月移動平均で表わされている。加えて、新たにリリースされたWSTS業界予測では、年間のグローバル市場伸長を、2018年12.4%そして2019年4.4%と見通している。

「グローバル半導体業界は2018年これまで一貫して力強い販売高を示しており、こんどで13ヶ月連続20%を上回る前年比増加となっている。」とSemiconductor Industry Association(SIA)のpresident & CEO、John Neuffer氏は言う。「1つにはメモリ市場における印象的な伸びが大きく高めているが、non-memory製品の販売高も4月は前年比二桁で伸びており、主要地域市場のすべてが前年比二桁増を示している。該グローバル市場は今年の大きな年間の伸びを経て、来年はより控え目な伸びを見込んでいる。」

次に示すように、地域別では、販売高前年同月比がすべての地域にわたって二桁の増加である。前月比ではAsia Pacific/All Otherが僅かに減少した以外は増加している。

Americas
前年同月比 +34.1%
/前月比 +0.8%
China
+22.1%/
+3.2%
Europe
+21.4%/
+1.4%
Japan
+14.6%/
+2.7%
Asia Pacific/All Other
+10.2%/
-0.8%
【3ヶ月移動平均ベース】
市場地域
Apr 2017
Mar 2018
Apr 2018
前年同月比
前月比
========
Americas
6.08
8.10
8.16
34.1
0.8
Europe
2.99
3.58
3.63
21.4
1.4
Japan
2.88
3.21
3.30
14.6
2.7
China
10.12
11.98
12.36
22.1
3.2
Asia Pacific/All Other
9.21
10.23
10.15
10.2
-0.8
$31.28 B
$37.09 B
$37.59 B
20.2 %
1.4 %
--------------------------------------
市場地域
11- 1月平均
2- 4月平均
change
Americas
8.63
8.16
-5.5
Europe
3.40
3.63
6.6
Japan
3.21
3.30
2.8
China
12.01
12.36
2.9
Asia Pacific/All Other
10.35
10.15
-1.9
$37.60 B
$37.59 B
0.0 %
--------------------------------------

加えてSIAは本日、WSTSの2018年春季グローバル半導体販売高予測を支持、2018年の該業界世界販売高を$463.4 billionと見通している。これは2017年販売高総計から12.4%の増加、業界史上最高の年間販売高となる。WSTSは、2018年について次の通りすべての地域市場にわたって前年比の増加を見ている。

Americas
+14.0%
Europe
+13.4%
Asia Pacific(中国を含む)
+12.3%
Japan
+8.6%

2019年の半導体市場の伸びは穏やかになって、各地域にわたって4-5%の販売高の増加を見込んでいる。WSTSでは、グローバル半導体メーカーの広範囲にわたるグループを招集、年2回の業界予測を表で表わし、半導体の流れの正確で時宜を得た指標を供給している。

※4月の世界半導体販売高 地域別内訳および前年比伸び率推移の図、以下参照。
https://www.semiconductors.org/clientuploads/GSR/April_2018_GSR_table_and_graph_for_press_release.pdf
★★★↑↑↑↑↑

この発表を受けての業界各紙の反応、表し方である。WSTSの本年予測から関連株価の上昇につながっている。

◇Sales increase 20% year-to-year in April; double-digit annual growth projected for 2018 (6月6日付け ELECTROIQ)

◇Global semicon sales projected to hit US$463.4b in 2018, says SIA (6月7日付け The Edge Markets)

◇Tech-related stocks rise on firmer semicon sales projection for 2018 (6月7日付け The Edge Markets)

◇Global semiconductor sales increase 20% in April, says SIA (6月8日付け DIGITIMES)

そのWSTSの春季予測内容が次の通りである。

◇WSTS Raises Chip Sales Forecast-WSTS: 2018 chip sales to increase 12.4% to $463B (6月6日付け EE Times)
→販売高データを共同利用する半導体サプライヤ55社以上の団体、World Semiconductor Trade Statistics(WSTS)発の最新予測。2018年のグローバル半導体市場は12.4%増の$463 billion、これは昨年11月まとめの2018年WSTS当初予測、7%増より強気の見方の旨。販売高はすべての製品カテゴリーおよび世界のすべての地域にわたって増加と見ている旨。WSTS最新予測データのまとめ、以下参照:
https://www.eetimes.com/document.asp?doc_id=1333357&image_number=1

2016年後半から盛り返して急激な増勢を保っている世界半導体販売高の推移が次の通りであり、当面は引き続き見守っていくデータ内容と思っている。
21ヶ月連続の前年同月比増があらわれるところとなっている。

販売高
前年同月比
前月比
販売高累計
(月初SIA発表)
 
2016年 7月 
$27.08 B
-2.8 %
2.6 %
2016年 8月 
$28.03 B
0.5 %
3.5 %
2016年 9月 
$29.43 B
3.6 %
4.2 %
2016年10月 
$30.45 B
5.1 %
3.4 %
2016年11月 
$31.03 B
7.4 %
2.0 %
2016年12月 
$31.01 B
12.3 %
0.0 %
$334.2 B
 
2017年 1月 
$30.63 B
13.9 %
-1.2 %
2017年 2月 
$30.39 B
16.5 %
-0.8 %
2017年 3月 
$30.88 B
18.1 %
1.6 %
2017年 4月 
$31.30 B
20.9 %
1.3 %
2017年 5月 
$31.93 B
22.6 %
1.9 %
2017年 6月 
$32.64 B
23.7 %
2.0 %
2017年 7月 
$33.65 B
24.0 %
3.1 %
2017年 8月 
$34.96 B
23.9 %
4.0 %
2017年 9月 
$35.95 B
22.2 %
2.8 %
2017年10月 
$37.09 B
21.9 %
3.2 %
2017年11月 
$37.69 B
21.5 %
1.6 %
2017年12月 
$37.99 B
22.5 %
0.8 %
$405.1 B
 
2018年 1月 
$37.59 B
22.7 %
-1.0 %
2018年 2月 
$36.75 B
21.0 %
-2.2 %
2018年 3月 
$37.02 B
20.0 %
0.7 %
2018年 4月 
$37.59 B
20.2 %
1.4 %


半導体販売高の先行きに大きく関連すると思われる世界情勢を追って、まずは、圧倒的な伸び率で引っ張っているメモリ半導体について、現状輸入に頼らざるを得ない中国が、主要3社、Samsung、SK HynixおよびMicronの公正取引面の調査に以下の通り踏み切っている。

◇China to probe foreign chip makers including Micron, Samsung-Dominant suppliers of so-called DRAM chips say they are cooperating, but didn't say what investigation is about (6月4日付け Market Watch)

◇Micron Reveals China Regulatory Probe Amid U.S. Trade Tensions-Micron cooperates with antitrust investigation in China (6月4日付け BloombergQuint (India))
→中国のregulatory当局代表が、Micron Technology社の中国でのオフィスを訪問、米中間貿易係争拡大のなかもう1つの前線が開ける可能性の旨。

◇Korea urged to protect local chipmakers against China attack-Korea wants Samsung, SK Hynix to protect their IP in China (6月4日付け The Korea Times (Seoul))
→韓国政府がSamsung ElectronicsおよびSK Hynixのintellectual property(IP)保護に熱心な一方、中国は海外メーカーの公正取引の調査を行っている旨。中国の通商当局はDRAM pricingに懸念をもっており、「2000年台に台湾DRAM業界に起こったことが、中国にすべきでないことをよく思い起こさせている。」と、Bernstein Researchのseniorアナリスト、Mark C. Newman氏。

◇China probes DRAM chip makers - Samsung Elec, SK Hynix and Micron (6月5日付け Reuters)

◇中国、米韓半導体3社を調査、独禁法違反の疑い (6月5日付け 日経 電子版)
→米韓の半導体大手3社が高い市場シェアの支配的地位を乱用している疑いがあるとして、中国当局が独占禁止法違反の疑いで調査に着手したことが4日わかった旨。貿易摩擦で対立が続く米国との協議で新たな火種になりそうな旨。中国はハイテク分野で世界覇権をめざす産業政策を掲げており、米韓3社への調査は自国の半導体企業育成につなげる思惑もうかがえる旨。中国当局が調査を始めたのはスマートフォンやパソコンの情報の記憶に必要なDRAM。世界1〜3位の韓国のサムスン電子とSKハイニックス、米マイクロン・テクノロジーの3社の中国事務所に「市場での支配的な地位を乱用して価格のつり上げなど不公正な行為をしている可能性がある」
(関係者)として調べに入った旨。

次に米中の通商摩擦について。台湾・FoxconnのCEO、Terry Gou氏の該摩擦の性格の見方である。

◇Foxconn Chief: US-China Dispute Over Tech, Not Trade-The head of Taiwan's Foxconn, which assembles Apple iPhones and other tech products, says Washington's conflict with Beijing is over technology rather than trade.-Foxconn CEO sees US and China in a tech spat, not a trade war (6月6日付け U.S. News & World Report/The Associated Press)
→台湾・Foxconn Technology Groupの中国への最初の投資を記念するイベントにて、同社CEO、Terry Gou氏のvideoメッセージ。中国と米国の間の係争は、通商摩擦ではなく、むしろ技術の競合&比較である旨。

米中摩擦の具体的な懸案に挙げられた中国・中興通訊(ZTE)に対する米国の制裁であるが、その制裁の煽りでZTEが経営危機に陥ったということで、罰金はじめいくつかの条件を課して解除する方向に至っている。

◇中国・ZTE、制裁解除の見通し、米の巨額罰金受け入れ (6月6日付け 日経 電子版)
→中国通信機器企業の中興通訊(ZTE)に科せられた米国による制裁が、近く解除されるとの観測が出ている旨。複数の中国などのメディアが伝えた旨。米中間で細部の条件交渉は続いているが、中国の歩み寄りにより大筋で制裁は解除される方向。発動から間もなく2カ月となる制裁で、同社は経営危機に陥った旨。ZTEという中国スマートフォンの一企業は、米側の交渉カードとなった旨。

◇中国、国策企業保護へ譲歩、米、ZTE制裁解除見通し (6月7日付け 日経)
→中国通信機器企業の中興通訊(ZTE)に科せられた米国による制裁が、近く解除されるとの観測が出ている旨。複数の中国などのメディアが伝えた旨。米中間で細部の条件交渉は続いているが、中国の歩み寄りにより大筋で制裁は解除される方向。発動から間もなく2カ月となる制裁で、同社は経営危機に陥った旨。ZTEという中国スマートフォンの一企業は、米側の交渉カードとなった旨。米政府は、中国側にZTEの制裁解除の条件として、最大17億ドル(約1900億円)の罰金や、現経営陣の総退陣、事業存続に当たっての米国による監視強化などを挙げたとみられている旨。

◇US reaches deal with China's ZTE, says Wilbur Ross-China's ZTE secures deal with US to lift ban (6月7日付け BBC)
→米国が、中国のハイテクメーカー、ZTEによる米国サプライヤからの購入についての禁止解除に合意、該合意のもと、ZTEは30日以内に経営陣の交代、罰金$1 billionの支払いおよび米国が選んだcomplianceチーム受け入れを行わなければならない旨。

◇米、中国ZTE制裁解除へ…罰金14億ドル追加 (6月8日付け YOMIURI ONLINE)
→米商務省は7日、中国通信機器大手・中興通訊(ZTE)への制裁を見直すことで同社と合意したと発表、ZTEが罰金など14億ドル(約1500億円)を支払うことで、商務省は米企業との取引再開を認める旨。
商務省によると、ZTEは10億ドルの罰金を支払うほか、新たな違反があったときに没収する分として4億ドルを預ける旨。ZTEは2017年にすでに約9億ドルの罰金を科せられており、総額は最大で約23億ドルとなる旨。また、ZTEは経営陣を交代させるほか、米国が選んだコンプライアンス(法令順守)の専門家が10年間、法令を守っているか監視することを受け入れる旨。代わりに、通信機器の製造に必要な部品を米企業から調達できるようになる旨。

イランへの輸出に端を発するこのZTE問題への米国の断固としたスタンスの中、政治決着が図られた様相がうかがえる。メモリ半導体の高価格は、中国側が神経を尖らせるところであり、今後の推移に引き続き注目していくところとなる。


≪市場実態PickUp≫

【東芝関連】

東芝が、Bain Capital率いる日米韓連合に東芝メモリの売却を完了、それぞれの今後に向けた方向性、取り組みが以下のようにあらわされている。

◇Toshiba Retains 40% Stake in Chip Unit (6月4日付け EE Times)
→東芝が、米国private equity会社、Bain Capitalが率いるコンソーシアムへの半導体部門のmajorityを売却する$18 billion取引の完了に続いて、該半導体事業における40% stakeのownershipを維持の旨。

◇Bain Capital to support Toshiba Memory pursue chip sector acquisitions (6月4日付け Reuters)

◇Toshiba Memory Targets Acquisitions Enroute to an IPO in 3 Years-Toshiba Memory will be a buyer, has a long-term IPO plan (6月4日付け BloombergQuint (India))
→Bain Capitalは、東芝メモリの買収に向けた積極的な志を支援する一方、3年でinitial public offering(IPO)上場の計画を追及していく旨。「我々の資金力は東芝メモリの大規模M&A取引への取り組みを可能にすると思う。」と、Bain Capitalの日本代表、杉本勇次氏。

◇新生東芝メモリ、3年で上場めざす、事業戦略説明会 (6月4日付け 日経 電子版)
→東芝メモリは4日、筆頭株主となった米投資ファンドのベインキャピタルと共同で事業戦略説明会を都内で開いた旨。東芝が1日に日米韓連合への売却を完了したことを受け、取締役5人のうちベインが3人を占めるようにする旨。ベインの杉本勇次日本代表は「ベイン主導で迅速な意思決定を実現する」と強調。3年後の株式上場を視野に入れる旨。新執行体制で成毛康雄社長や渡辺友治副社長は続投する旨。

「ダイナブック」で知られる東芝のパソコン事業が、台湾・鴻海(ホンハイ)精密工業傘下のシャープに売却され、それぞれの変転を映し出している。

◇ダイナブックの東芝、シャープにPC事業売却へ (6月5日付け YOMIURI ONLINE)
→東芝は、低迷が続くパソコン事業をシャープに売却する方針を固めた旨。
売却額は50億円前後となる見通し。経営危機から復活した東芝はエネルギーなどに成長の柱を絞っており、中国や台湾メーカーとの競争で苦戦していたパソコンの売却を模索していた旨。東芝の子会社で「ダイナブック」ブランドを展開する「東芝クライアントソリューション」(東京)の株式の過半数を今秋にもシャープに売却する旨。シャープは「メビウス」ブランドのノート型パソコンを手がけてきたが、競争激化で採算が悪化し、2010年に撤退していた旨。

◇「ダイナブック」再生へ鴻海の規模を力に、シャープ (6月6日付け 日経 電子版)
→シャープが台湾の鴻海(ホンハイ)精密工業の傘下入りして8月で2年を迎えるのを前に、成長戦略を打ち出した旨。5日には東芝のパソコン事業買収を正式発表。日本発のブランドを生かしつつ鴻海の製造能力でテコ入れする旨。鴻海・シャープの下でかつて世界首位だった「ダイナブック」ブランドがよみがえれば日本の電機産業に1つの再生モデルとなる旨。
シャープは「メビウス」ブランドで展開していたパソコンから2010年に撤退。このたび、パソコン事業を手掛ける東芝子会社の株式80.1%を10月をメドに40億円で取得、パソコン事業に再参入する旨。東芝本体が持つ中国・杭州のパソコン工場や欧米などの関連の事業も継承する旨。

【Armの対中国戦略】

中国のAI半導体開発にArmのトップの目が向けられるなか、ソフトバンクグループ傘下の同社が、100%子会社であるArm Technology Chinaの51%を中国の投資家およびecosystemパートナーに売却している。先立って、同社中国operationが現地半導体開発者について中国で直接技術ライセンス供与を受けられるようにしており、Armの本社は英国ということでEuropean Union(EU)より警鐘が発せられている。

◇CEO Outlook On Chip Industry-Part 2: Concerns grow about ethical choices and liability in AI-based safety-critical systems, and who will be responsible for making those decisions.-CEOs opine on semiconductor industry's future (6月4日付け Semiconductor Engineering)
→半導体業界を引っ張る技術として、artificial intelligence(AI), machine learning, deep learningおよびcryptocurrency miningなど。
「中国におけるウェーハの最大の購入者は、AI半導体をやっている人たち。」と、ArmのCEO、Simon Segars氏。

◇SoftBank's ARM cedes control of China ops to consortium for $775 million-Chinese investors to buy 51% of Arm Technology China (6月5日付け Reuters)
→Arm Holdingsが、Hopu Investment Managementが主導する投資家グループにArm Technology Chinaの51%を$775 millionで売却する旨。該SoftBank Group unitは、該提案取引のもとownershipの49%をもつ旨。

◇China Gets Hands on Chip Technology in SoftBank Deal-SoftBank's Arm Holdings will sell a majority stake in its Chinese business for $775 million (6月5日付け The Wall Street Journal)

◇Arm China JV planning IPO-Arm mini China to go public on Chinese stock exchange (6月5日付け DIGITIMES)
→中国市場向け製品開発に向けて昨年設立、中国の投資家が51%をもつ合弁、Arm mini Chinaは、現地証券取引所でのinitial public offering(IPO)に取り組んでいく、とArmのIP製品グループ、president、Rene Haas氏。

◇INTERVIEW: Arm president talks new Chinese venture (6月5日付け The Taipei Times (Taiwan))

◇SoftBank's Arm sells 51% stake in China unit to local consortium-$775m deal mitigates chip designer's exposure and adds flexibility (6月6日付け Nikkei Asian Review (Japan))

◇中国法人株51%売却、アーム、852億円調達 (6月7日付け 日経産業)
→ソフトバンクグループ(SBG)は子会社の英半導体設計アーム・ホールディングスが中国子会社の株式の一部を売却すると発表、アームの100%子会社である「アームチャイナ」の株式51%を複数の機関投資家や顧客企業などに売却することで、中国事業を強化する旨。売却額は7億7500万ドル(約852億円)。

◇Arm Sells Stake in China JV as EU Warns of Unfair Practice (6月7日付け EE Times)
→microprocessor(MPU) IPのArm(英国)を傘下にもつ SoftBank Groupが今週発表、Armは、中国unitの51% stakeを中国投資家およびecosystemパートナーに$775.2 millionで売却、Armの中国での事業に向けて合弁をつくる旨。該合意のもと、ArmはArm Chinaから生じるlicense, royalty, ソフトウェアおよびサービス売上げの大きな比率を依然受ける旨。
Armはすでに先月、同社IPを該合弁に譲渡、中国operationが現地半導体開発者について中国で直接技術ライセンス供与を受けられるようにしている旨。このことがEuropean Union(EU)内で警鐘を呼び起こしており、通商担当委員(EU Commissioner for Trade)、Cecilia Malmstrom氏が先週、欧州メーカーのintellectual property rights(IPRs)を蝕む中国の法制度を相手取ってWorld Trade Organization(WTO)での法的手続きを打ち上げている旨。

【Morris Chang氏引退】

1990年代の半ば、台湾の半導体工業会(TSIA)の発足式に我が国業界として出席した折り、TSMCのトップ、Morris Chang氏を満場総立ちの拍手で迎えた光景を思い出すが、30年余り同社をファウンドリーそして世界半導体の最大手の一角に進展、拡大させた同氏が引退を迎えている。

◇TSMC head warns of industry risks from U.S., China trade spat (6月5日付け Reuters)

◇After spawning a $100 billion industry, the “godfather” of computer chips is retiring-TSMC's Chang officially retires (6月5日付け Quartz)
→TSMCの創設者、Morris Chang氏が、該専業ファウンドリーを運営して31年で引退、electronics supply chainを混乱させる可能性のある米中貿易戦争に対して警告の旨。TSMCのpresident and co-CEO、Mark Liu氏が同社chairmanに、一方、同じpresident and co-CEO、CC Wei氏がvice chairman and CEOに指名された旨。

◇TSMC names new chairman (6月5日付け DIGITIMES)

TSMCの現下の状況について2点。メモリが大きく引っ張るなか、ロジック系も堅調な引き上げを示す同社の業況となっている。

◇TSMC 2Q18 revenues to meet guidance (6月8日付け DIGITIMES)
→市場watchers発。TSMCの第二四半期売上げが、同社の4月半ば時点のguidanceに適合する見込み、前四半期増を記録して第三四半期売上げが始まる旨。TSMCの2018年5月連結売上げがNT$80.97 billion($2.72 billion)、前月比1.1%減、前年同月比11.2%増。第二四半期売上げが$7.8 billion〜$7.9 billionとなる見込み、前四半期比7-8%減。2018年1-5月売上げ累計がNT$410.92 billion、前年同期比13%増。

最先端を走ると目されている7-nmプロセス技術対応が、今後の成否を大きく左右する市況が見られている。

◇TSMC accelerating 7nm process production plan to meet demand (6月8日付け DIGITIMES)
→業界筋発。TSMCが、MediaTek, HiSiliconおよびQualcommなどファブレスclientsからの需要増大を受けて、7-nmプロセス技術を予定より早めて量産化にもっていく様相、主要ファブレスclientsがますます10-nmプロセスを飛ばして7-nmに直接向かう意向となっている旨。

【MEMS市場】

IoTはじめさまざまな分野に浸透、進境著しいMEMSであるが、現在のベンダー状況、今後の市場展開をYole(フランス)が次の通りあらわしている。
RF MEMSの活況からBroadcomが売上げトップに躍り出るとともに、半導体市場全体におけるMEMSの比率の高まりがあらわされている。

◇One Big Hot MEMS Vendor & 17 Little Ones-State of global MEMS industry 2018 (6月1日付け EE Times)

◇State of the MEMS Market 2018-A thorough look at 18(!) MEMS players and the market as of mid-2018 (6月1日付け EE Times India)
→Yole Developpement(Lyon, France)発。昨年はBroadcomが、RF MEMSの売上げ増大が奏功、MEMS業界の通常メンバーすべてを初めて上回る売上げ。
2017年において、MEMS, センサおよびactuatorsがグローバル半導体販売高、$420 billionの11%に。半導体市場全体におけるMEMSシェアはさらに伸びていって、2023年までに15-20%に高まると見る旨。

【Qualcomm関連】

米中通商摩擦の煽りを受けるNXP買収の様相がみられるQualcommであるが、同社の創業者の一人、Irwin Mark Jacobs氏が同社の今後そして半導体業界の現状についてコメントする記事が次の通りである。

◇Irwin Jacobs on Q'comm and Moore (6月4日付け EE Times/Blog)
→Qualcommの前途および半導体業界の状況について、同社設立者、Irwin Jacobs氏の見方、見解。

一方、同氏の息子で2014年3月まで同社のCEOをしていたPaul Jacobs氏は、Qualcomm買収を依然視野に入れながら5Gおよび次世代ワイヤレス技術に特化する新会社を設立している。

◇Former Qualcomm CEO Paul Jacobs is starting a new 5G company while still pursuing Qualcomm takeover-Qualcomm's ex-CEO to start next-gen tech company (6月6日付け CNBC)
→前QualcommのCEO、Paul Jacobs氏が、5Gおよび次世代ワイヤレス技術に特化する新会社、XCOMを前Qualcomm executivesの2人とともにスタートしており、同氏は依然、Qualcomm買収に向けた資金調達に取り組んでいる旨。

◇クアルコム前会長が5G新会社、「非上場化」計画も継続 (6月7日付け 日経 電子版)
→米クアルコム前会長のポール・ジェイコブス氏が6日までに、次世代通信規格「5G」の技術を扱う新会社を設立したことがわかった旨。「XCOM」と呼ぶスタートアップで、クアルコムの元幹部らと共同創業した旨。ジェイコブス氏はかねて自身の買収によるクアルコムの非上場化を目指しており、米メディアによると同計画は継続している旨。


≪グローバル雑学王−518≫

地球から4万km離れた宇宙空間までが人類の活動領域とのこと。当面、宇宙インターネット事業、宇宙空間ビッグデータ事業、有人宇宙旅行事業、将来的には、惑星探査・惑星ステーション事業などを視野に手がけていこうというジェフ・ベゾス氏の宇宙戦略に、

『アマゾンが描く2022年の世界 すべての業界を震撼させる「ベゾスの大戦略」』
 (田中 道昭 著:PHPビジネス新書 387) …2018年1月17日 第1版第4刷発行

より迫っていく。この壮大な夢の実現に向けて、さまざまなIT企業やベンチャー企業が参入、宇宙産業の裾野が広がり、かつてない活況とのことである。日本がメガテックにおけるグローバルな競争から敗戦を続けるようになってすでに久しいが、これだけ変化が大きく激しい時代においては、脅威を機会と捉える問題意識や危機感こそがイノベーションの源泉になるのでは、と本章の締めにある。


第4章 ジェフ・ベゾスの宇宙戦略

◆「ロケット少年」ベゾスの夢
・アマゾンを創業して20年余り、世界最強のエブリシング・カンパニーに育て上げ
 →なお、ベゾスの夢は、宇宙に
・2000年、個人事業として航空宇宙企業「Blue Origin」を創業
 →2015年には初飛行にこぎ着け
 →AWS(Amazon Web Services)でも宇宙事業を開始、すでに収益化達成

◆「多くの人が宇宙に住めるようにしたい」
・これまでにベゾスの500億円もの自己資金を投入したBlue Origin
 →再利用可能な有人宇宙船「New Shepard」などのロケットを開発
 →2018年には顧客を乗せて10分間の宇宙旅行提供を目指す
・ベゾスの宇宙事業の「道」
 →ミッション:「多くの人達が宇宙に住めるようにすること」
 →ビジョン:「宇宙ビジネスのプラットフォームを構築すること」
 →バリュー:顧客第一主義、超長期思考、イノベーションへの情熱
  →低料金で安全な宇宙旅行

◆AWSはすでに宇宙データを収益化している
・宇宙事業の実態
 →「Blue Origin x アマゾン本体 x AWS」という三位一体型の事業
・Blue Origin→宇宙旅行だけに限らず、輸送、衛星、惑星探査まで
・アマゾン本体→地球・宇宙間の宅配事業やドローン事業を構想
・AWS→「宇宙ビッグデータxAI事業」に着手、すでに収益化
  →宇宙事業を行なうデベロッパーに対して、地球観測データやそれを扱うプラットフォームを提供する事業
   →気象、農業、エネルギー、建設・不動産、金融、リスクマネジメントなどの業種向け

◆NASA、アマゾンとタッグを組む
・膨大なデータ量の取り扱いに苦慮している現状がある衛星データの活用
 →クラウドサービスの活用で業界シェアNo.1であるAWSと提携
・世界の衛星関連事業は過去10年間で2.4倍に成長
 →衛星データというビッグデータを融合し、新たなサービスを提供

◆宇宙空間におけるアマゾンの「地の利」
・宇宙空間の「地の利」
 →テクノロジーの進歩によって、陸海空およびサイバー空間と並ぶ、人類の重要な活動領域に
・軍事戦略専門家、エリノア・スローン(Elinor C. Sloan)氏
 →4つの宇宙空間の分類分け
  →1)低高度軌道…地表から上空150km〜800km:人工衛星は地球を14〜16周/日
  →2)中高度軌道…地表から800km〜3万5000km:2〜14周/日
  →3)高度軌道…上空3万5000km以上の空間:1周/日以内
  →4)静止軌道…地球の1点で静止しているように
 →地球から4万km離れた宇宙空間までが人類の活動領域に
 →主に4つの宇宙空間の活用分野
  →1.宇宙ステーションのような民生
  →2.通信関連のような商用
  →3.監視、偵察のようなインテリジェンスの分野
  →4.軍事通信や弾道ミサイルの探知など軍事の分野
・メガテック企業が武器としているAI、IoT、ビッグデータ、サイバーセキュリティなど
 →宇宙事業においても新たなビジネスやイノベーションをもたらす
 →主な市場として、当面、宇宙インターネット事業、宇宙空間ビッグデータ事業、有人宇宙旅行事業、将来的には、惑星探査・惑星ステーション事業など

◆宇宙戦争勃発!?
・軍事的にもシナジーが大きいサイバー空間と宇宙空間
 →サイバーセキュリティの技術と宇宙事業に要求される技術の重複
・中国では国を挙げて、2030年までに米国と並ぶ「宇宙強国」になるという計画
 →2022年には中国版宇宙ステーションの運用開始も予定
 →2015年には空軍と宇宙開発を統合した「空天軍」を創設

◆宇宙ビジネスはIT企業が牽引する時代
・宇宙産業の市場規模は現在約3兆円
 →さまざまなIT企業やベンチャー企業が参入、宇宙産業の裾野が広がり、かつてない活況

◆技術大国イスラエルで見聞した宇宙事業の未来
・イスラエルのR&D最高峰、ワイツマン科学研究所のアディ・シャミア(Adi Shamir)博士
 →サイバーセキュリティの代表的技術、RSA暗号の開発者の1人
・宇宙事業の分野でもサイバー攻撃から防御する独創的なサイバーセキュリティ技術の開発でもイスラエルは先行
 →政治・宗教・信条などが異なる国々に取り囲まれている厳しい環境のイスラエル
 →軍事技術を最先端にまで高める必要に迫られる
 →軍事技術の基軸を宇宙にまで広げていくことを他国に先行して予測
 →サイバーセキュリティの分野では米国をも凌駕するポジションを確保
・「陸の孤島」であり、「小国」でもあるイスラエル
 →最初から世界市場を目指すしか生存する見込みがないという過酷なビジネス環境
・日本がメガテックにおけるグローバルな競争から敗戦を続けるようになってすでに久しい
 →これだけ変化が大きく激しい時代においては、脅威を機会と捉える問題
  意識や危機感こそがイノベーションの源泉になるのでは

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