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摩擦のうねり…米国のZTE制裁緩和:中国の東芝メモリ審査通過

米中間の政治、経済の摩擦そして駆け引きの動きが、半導体関連業界にもうねりのインパクトとして続いている。イランへの輸出が問われて米国政府の制裁を受け売却の動きにまで陥っている中国の通信機器メーカー、ZTEについて、両国首脳間の話し合いから同社の事業活動を守るよう緩和する措置が模索されている。もう1つ、昨年来の懸案、東芝メモリの「日米韓連合」への売却について、最後の関門となっていた中国の独禁法審査が、折しも米中の貿易摩擦を巡る2度目の公式協議の日に承認が下されている。半導体需要が長期的に拡大し続ける「スーパーサイクル」がいつまで続くのか、それと相まって気もたせな展開が続く現時点の情勢となっている。

≪動かす手綱さばき≫

中国の通信機器メーカー、ZTEに対する米国政府の制裁は、同社スマートフォンの販売停止に追い込まれるなど大きな影響を生じて、トランプ米大統領と習近平(シー・ジンピン)国家主席両首脳の話し合いに至り制裁緩和が模索されるという以下の動きが見られている。

◇U.S. May Grant Reprieve to ZTE (5月14日付け EE Times)

◇Commerce Department Weighs Alternative Penalties for China's ZTE -Wilbur Ross says agency would soon consider whether to ease punishment imposed on telecom firm-Commerce secretary ponders alternative punishments for ZTE (5月14日付け The Wall Street Journal)
→米国のWilbur Ross商務長官が、中国のテレコムメーカー、ZTEへの懲罰の代替を検討しており、当初先月米国メーカーに対して同社へのコンポーネントおよびソフトウェアの販売を禁止している旨。Donald Trump大統領および中国の習近平(Xi Jinping)国家主席がZTEの事業活動を守る方法の模索を決定の旨。

◇In concession, Trump will help China's ZTE 'get back into business'-Trump: US to help sanctioned ZTE resume operations (5月14日付け Reuters)
→Donald Trump大統領が、米国商務省により制裁を受けている中国のZTEが"早く事業に戻る"支援を行うとツイッター投稿、中国があまりに多くのjobsを失うことになる旨。商務省は、米国製品をイランおよび北朝鮮に売ることから米国の会社に対しZTEへの販売を禁じている旨。

◇Trump in Reversal Says U.S. to Help China's ZTE Stay Afloat (5月14日付け BloombergQuint (India))

◇U.S., China working to get ZTE back into business: Trump (5月14日付け Xinhua News Agency (China))

◇トランプ氏、中国ZTEへの制裁緩和を示唆 (5月14日付け 日経 電子版)
→トランプ米大統領は13日、4月に制裁を科した中国の通信機器大手、中興通訊(ZTE)について「ビジネスに速やかに戻れるよう習近平(シー・ジンピン) 国家主席と共に取り組んでいる」と述べ、制裁の緩和を示唆した旨。米国企業との取引を7年間禁じられたZTEはスマートフォンの販売停止に追い込まれるなど、経営に大きな影響が出ている旨。

◇U.S. Commerce Dept. to Help Save ZTE? (5月16日付け EE Times India)

◇妥協点探り合う米中、ZTEも焦点、第2回貿易協議 (5月17日付け 日経 電子版)
→米国と中国の貿易摩擦を巡る2度目の公式協議が17日、ワシントンで始まる旨。巨額の貿易赤字削減へ圧力を強める米国に対し、中国側がどこまで譲歩案を示すかが焦点。農産物や液化天然ガス(LNG)などの輸入増を検討する中国側はハイテク企業の振興策の見直しなどには応じない構えで、米側は国有通信大手、中興通訊(ZTE)への制裁も絡めて揺さぶりをかけている旨。

上記の米中間第2回貿易協議の日に、東芝メモリの「日米韓連合」への売却について、中国の独禁法審査がやっとのこと承認という連絡が行われている。その直前には以下の動きが見られていた。

◇Toshiba upbeat about Chinese review of $18 billion chip unit sale-Toshiba stays positive about review of chip unit sale (5月15日付け Reuters)
→東芝が、同社半導体部門の$18 billion売却について中国のantimonopoly審査を通過する見通しについて楽観的であり、該審査が期限を超えて引きずる場合に代替計画を追及する可能性という報道を却下の旨。

◇メモリ売却、迷う東芝、社内や株主にくすぶる中止論 (5月16日付け 日経 電子版)
→東芝のメモリ事業子会社、東芝メモリの売却を巡る中国の独禁法審査の最終期限が28日に迫っている旨。だが承認が下りるかはなお不透明、審査が通らない場合は売却をやめて新規株式公開(IPO)の可能性を探る動きが社内や株主の中で出てきた旨。ただメモリ市況の悪化局面や、韓国サムスン電子との投資競争が不安要因として立ちはだかる旨。

中国当局の承認が明らかになって、業界関連各紙の即日の取り上げである。

◇「東芝メモリ」売却、中国独禁当局が「承認」 (5月17日付け YOMIURI ONLINE 19:05)
→東芝による半導体メモリ子会社「東芝メモリ」の売却を巡り、メモリを買収する予定の「日米韓連合」を率いる米投資ファンドのベインキャピタルが17日、中国の独占禁止当局から「承認した」との連絡を受けたことが分かった旨。中国当局が近く正式に発表するとみられる旨。東芝は速やかに売却手続きを完了させる見通しの旨。

◇東芝メモリの売却確定 中国の独禁法審査を通過 (5月17日付け msnニュース:共同通信社 19:28)
→東芝の半導体子会社「東芝メモリ」(東京)の売却手続きが、中国での独禁法審査を通過したことが17日、分かった旨。必要な承認を全て得たことになり、米ファンドのベインキャピタルを軸とする企業連合への売却が確定した旨。中国での審査は昨年12月に始まり、米中貿易摩擦などの影響もあって難航、審査期限は今月28日だった旨。東芝は策定中の5年間の中期経営計画を年内に公表、もうけの大半を稼ぎ出してきた東芝メモリを手放した後に、どう成長戦略を描くかが課題となる旨。

◇China, Signaling Thaw With U.S. Over Trade, Approves Toshiba Microchip Deal-Chinese officials greenlight sale of Toshiba microchip unit (5月17日付け The New York Times)

◇Toshiba Chip Sale to Bain Group Cleared by China Regulator (5月17日付け Bloomberg)

◇China Approves Toshiba’s $18 Billion Sale of Its Memory-Chip Unit -Bain received Chinese approval for the deal without any changes (5月17日付け The Wall Street Journal)

◇China Clears $18 Billion Toshiba Memory Sale (5月18日付け EE Times)
→東芝発。中国の公正取引regulatorsが、Bain Capital率いるコンソーシアムへの東芝のメモリ半導体部門$18 billion売却を承認、6月1日までの該取引終了の道が開けている旨。中国・商務部(MOFCOM:Ministry of Commerce of the People's Republic of China)による承認が完了に向けた最後に残るハードルであった旨。米国・private equity firm、Bainに加えて該コンソーシアムには、Apple, DellおよびSK hynixも入っている旨。

東芝そして東芝メモリの今後についての論調が続いている。

◇東芝、最大の難所越す―貿易摩擦が原因で遅れ?、米中協議の日に承認 (5月18日付け 日経)
→東芝メモリ売却の中国による承認が予定より大幅に遅れたのは米中貿易摩擦の影響があったとの見方が強い旨。売却先の「日米韓連合」の中心的存在は米企業のベインキャピタル。2017年12月上旬に始まった中国当局による審査は2018年3月末までの完了を見込んでいたが、5月中旬まで当局からの遅延の具体的な理由の説明もなかった旨。国策として半導体産業を育成する中国政府が日韓大手の連携を嫌がっている影響で審査が難航しているとの見方も関係者の間で広がっていた旨。東芝メモリの買い手企業には、韓国半導体大手、SKハイニックスも入っている旨。承認の報告が届いたのは17日夕。この日は米中の貿易摩擦を巡る2度目の公式協議の開催日の旨。

◇東芝、メモリ売却資金でM&A、次の稼ぎ頭育成急務 (5月18日付け 日経 電子版 02:00)
→東芝が経営再建の鍵となる半導体メモリ子会社、東芝メモリの売却で最大の難関を越えた旨。最後まで審査が通らなかった中国の独占禁止当局の承認が下り、早期の売却をめざす旨。鉄道やエレベーターなどの社会インフラを軸に「新生・東芝」の基盤を築く構えだが、国内市場は飽和しているうえ、海外での競争力は弱く、成長軌道に乗るのは簡単ではない旨。売却で東芝には1兆4500億円の売却代金が入り、焦点は新たな収益源を育てるための成長投資や株主還元などの資本政策に移る旨。

米中摩擦に関連する動きとして、これも仕掛かり状態のQualcommによるNXP Semiconductorsの買収提案に対する中国当局の対応である。

◇China to Restart Review of Qualcomm's Proposed NXP Deal-Review restart initiated of Qualcomm's proposed NXP buy (5月14日付け Bloomberg)
→中国・Ministry of Commerceが、中国と米国の間の通商問題を巡る懸念からくる遅れの後、QualcommによるNXP Semiconductorsの買収提案の見直しを復活させる旨。該買収が認められれば、Qualcommが特許licensing事業をモバイル決済などの領域に拡げる可能性、と中国の会社が不安視している旨。

◇Qualcomm-NXP deal still on hold in China, trade talks with U.S. eyed: sources-Sources: Qualcomm's NXP purchase remains stalled (5月15日付け Reuters)
→Qualcommによるライバル、NXP Semiconductorsの$44 billion買収提案について、中国での具体的なブレイクスルーがまだ見えておらず、米国との通商摩擦における小康状態が北京政府に該取引裁定を早めさせる期待を加減している旨。3人の本件精通筋によると、中国の承認はより広範な通商議論の進展に依存する様相、中国および米国の高官が今週、high-stake協議第2ラウンドに向けてWashingtonで会合をもつ旨。

メモリ半導体で活況のSamsungであるが、モバイルプロセッサのシステムLSI部門からは上記のZTEを含め拡販に努める動きである。

◇Samsung in talks with ZTE, others to supply mobile processor chips - executive-Samsung in discussions with mobile chip suppliers (5月15日付け Reuters)
→Samsungがモバイルプロセッサ半導体に関してZTEなどoriginal equipment manufacturers(OEMs)と話し合いを開始している。とSamsungのロジック半導体開発部門、System LSIのhead、Inyup Kang氏。「我々はすべてのOEMsに話しかけている。」と同氏。 同部門のflagship、Exynosモバイル半導体はSamsungのスマートフォン、Galaxyラインに搭載されているが、該チップセットの外部スマートフォンclientは中国・Meizu Technologyの1社のみの旨。

東芝の2017年度業績が次のようにあらわされている。

◇Toshiba Corp. back in black with record-high \804 bil. net income-Toshiba registers record net income for 2017 fiscal year (5月15日付け The Japan News by The Yomiuri Shimbun)
→東芝の2017年度net incomeが最高となる$7.3 billionを計上、1つに同社半導体メモリ事業、東芝メモリの売却があって、2018年度に高まっていく期待の旨。

欧州からも米国との通商摩擦回避に向けた動きが始まっている。

◇EU、対米通商協議検討、輸入制限「無条件除外」なら (5月18日付け 日経 電子版)
→欧州連合(EU)のユンケル欧州委員長は17日、米国が鉄鋼・アルミニウムの輸入制限の対象から欧州を無条件で除外すれば、自動車など工業製品を巡る新たな貿易協議に応じる準備があると表明、トランプ米大統領の関心が強い自動車分野で妥協姿勢を打ち出すことで、米国から輸入制限の恒久的除外を取り付け、米欧間の「貿易戦争」を回避したい考えの旨。


≪市場実態PickUp≫

【2018年第一四半期半導体販売高ランキング】

IC Insightsより該ランキング・トップ15が、以下の通りあらわされている。メモリが引っ張って全体が引き上げられる構図が続いている。この情勢から首位のSamsungが続くIntelとの差を広げている。

◇Thirteen Top-15 1Q18 Semi Suppliers Register Double-Digit Gains -Samsung extends its number one ranking and sales lead over Intel to 23%. (5月15日付け IC Insights)
→IC InsightsのMay Update to the 2018 McClean Report。2018年第一四半期の世界半導体販売高ランキング・トップ15について次の内訳:
  本社所在地…米国 8社、欧州 3社、韓国 2社、台湾 1社、日本 1社
   →シンガポールから移転したBroadcomは米国でカウント
  業容   …IDM 10社、ファウンドリー 1社、ファブレス 4社

◇Samsung Lengthens Chip Sales Lead Over Intel (5月16日付け EE Times)

◇Intel Losing Further Ground to Samsung in Sales (5月17日付け EE Times India)

◇Thirteen Top-15 1Q18 semi suppliers register double-digit gains (5月16日付け ELECTROIQ)
→IC Insights発。2018年第一四半期半導体販売高・トップ15データ、下記参照:
 ⇒http://electroiq.com/wp-content/uploads/2018/05/eba206a7-9b27-43ee-a994-a6d427a0067e.png
2018年第一四半期のトップ15半導体メーカー販売高合計が前年同期比26%増、世界半導体業界全体では同20%増であり6ポイント高。驚くことに、Samsung, SK Hynix, およびMicronのメモリサプライヤBig 3は、おのおの前年同期比40%超増加の販売高。トップ15のうち14社が$2.0 billion以上の販売高、前年同期は4社であった旨。

◇Most of top-15 semi suppliers register double-digit gains in 1Q18, says IC Insights (5月17日付け DIGITIMES)

対応する市場の動き&データが以下の通りである。DRAMはじめメモリへの敏感な注目が中心であり、韓国でも2018年は堅調という見方となっている。

◇Global DRAM revenues increase 5.4% in 1Q18, says DRAMeXchange (5月15日付け DIGITIMES)
→DRAMeXchange発。2018年第一四半期のグローバルDRAM市場販売高が、前四半期比5.4%増の$23.08 billionと最高を記録、メモリ価格の盛り返しが引っ張っている旨。グラフィックスDRAM価格が第一四半期に前四半期比15%高、仮想通貨mining市場からの比較的低いbaseおよび需要増大がある旨。
一方、他の応用についてのDRAM製品価格は同3-6%増である旨。

◇メモリ天井感強まる、半導体スポット価格、スマホ向け需要停滞、メーカーの量産続く (5月15日付け 日経)
→半導体メモリの大口契約価格より需給に敏感に反応するスポット(随時契約)価格に天井感が強まっている旨。代表品種であるDRAMの指標品は年初比7%安い旨。高値を敬遠する業者の調達手控えが続くとともに、パソコン用の需要減に加え、牽引役だったスマートフォン用の需要沈静化も一因。
スマホ停滞をいち早く映したNAND型フラッシュメモリは同25%ほど安い旨。ただ、メモリ以外の半導体は需要堅調が続くとの見方は多い旨。

◇Server DRAM revenues among top-3 suppliers climb 10% in 1Q18, says DRAMeXchange (5月17日付け DIGITIMES)
→DRAMeXchange発。Samsung Electronics, SK HynixおよびMicron Technologyを合わせたサーバDRAMの2018年第一四半期売上げが$6.975 billion、前四半期の約$6.32 billionから10.3%増、市場供給逼迫から生じる高いASPsによる売上げの伸びの旨。IntelのPurleyプラットフォームの浸透の高まりとともにサーバDRAMの平均content/boxが増加、32GB DDR4 2666MHzモジュールなど高密度&高伝送サーバモジュールの稼働率が第一四半期に大きく上がっている旨。

◇S. Korean chipmakers' outlook solid for 2018-Global chip market to continue growth in 2018 (5月17日付け Yonhap News Agency (South Korea))
→IC Insightsは、グローバル半導体市場が伸長を維持して、韓国の半導体メーカーは今年も高い販売高としている旨。SEMI Silicon Manufacturers Groupは、史上最高の四半期水準に達して、2018年第一四半期の世界Siウェーハ出荷が3,084 million平方インチに飛躍と発表の旨。

【Siウェーハ出荷面積】

半導体市場の熱い活況をここでも反映、SEMIの四半期ごと発表のSiウェーハ出荷面積が、この第一四半期で史上最高を更新して、3,000 Millions平方インチの大台を突破している。

◇First Quarter 2018 Silicon Wafer Shipments Increase Quarter-Over-Quarter to Record Level (5月14日付け SEMI)
→SEMI Silicon Manufacturers Group(SMG)のSiウェーハ業界四半期分析。
史上最高の四半期水準に到達、2018年第一四半期の間での世界Siウェーハ出荷面積が3,084 million平方インチ、2017年第四四半期の2,977 million平方インチから3.6%増、2017年第一四半期から7.9%増。半導体応用だけのSiウェーハ出荷面積の最近の推移(Millions of Square Inches):
 1Q 2017  2Q 2017  3Q 2017  4Q 2017  1Q 2018
  2,858   2,978   2,997   2,977   3,084
                       [Source: SEMI, May 2018]

◇First quarter 2018 silicon wafer shipments increase quarter-over-quarter to record level (5月14日付け ELECTROIQ)

◇Silicon wafer shipments reach record levels for first quarter of 2018-Global silicon wafer shipments reach 3M square inches in Q1 (5月15日付け New Electronics)

◇Silicon Wafer Shipments Hit Record Level (5月15日付け EE Times India)

◇Silicon wafer shipments hit record high in 1Q18 (5月15日付け DIGITIMES)

【Arduino】

2005年にイタリアの居酒屋で5人の仲間が思いついたというハードウェア&ソフトウェアの画期的なプラットフォーム、Arduino。今やInternet of Things(IoT)開発の波に乗って、大規模製造を目指す商用プロジェクトに取り入れられている。

◇The Little Platform That Could (5月12日付け EE Times/Semi Conscious)
→誕生から15年、ディジタル製造の潮流を指すトレンド、maker movementを大量に生み出しているハードウェア&ソフトウェアの画期的なプラットフォーム、Arduinoについて。

◇Arduino Catches IoT Wave (5月12日付け EE Times)
→最初に考え出されて15年、Arduinoは依然多くのエンジニアがhobbyistの玩具と思っているが、大方はInternet of Things(IoT)の増大のお蔭でより大規模の商用プロジェクトに取り入れられている旨。

◇Maker Movement Hits Its Teen Years-Maker Faire allows startups, others to show off new designs (5月12日付け EE Times)
→2005年に遡って、 Italian bar、Arduinoで5人の仲間がelectronics設計の喜びを拡げるためにAtmel半導体ベースの安価な8-ビットmicrocontroller(MCU)ボードに向けたアイデアを思いついたのがArduinoの発端。今年のMaker Faire(5月18-20日:Bay Area)にて、startup、zGlue(Mountain View, CA)が、同社の低コストchip-stacking技法を用いるwearablesのreference設計を展開する旨。

◇Linux-Friendly Arduino Simplifies IoT Development (5月12日付け EE Times)
→3月のEmbedded Linux Conference+Open IoT Summit NAにて発表されたArduinoのLinux IoT機器およびsingle-board computers(SBCs)へのサポートは、edge computingに範囲を拡げてcloud-connected IoT開発へのArduinoの重点化を強固にしている旨。

◇Arduino unveils connectivity boards -Arduino plans to bring new connectivity boards to market (5月14日付け New Electronics)
→Arduinoが、Internet of Things(IoT)開発の合理化を支援する2つの新しいワイヤレスconnectivityボードを打ち上げ、まもなくMKR WiFi 1010およびMKR NB 1500 connectivityボードを披露、来月から出てくる旨。
MKR WiFi 1010からは2.4 GHz Wi-FiおよびBluetooth connectivityが得られる一方、MKR 1000モデルと比べると電力消費が減少、そしてMKR NB 1500は新しいnarrowband internet of things(NB-IoT)標準に適合、cellularおよびLTE networksとともに動作するよう設計されている旨。

【ReRAM技術】

resistive RAM(ReRAM)に取り組むCrossbar(Santa Clara, CA)のartificial intelligence(AI)向け技術について、Microsemi Corporation(Aliso Viejo, CA)がライセンス供与を受けている。ReRAM採用に向けた起爆剤になるかどうか、今後に注目である。

◇Crossbar to license ReRAM technology-Crossbar makes ReRAM for AI available for licensing (5月15日付け Electronics Weekly (UK))
→ReRAM技術specialist、Crossbar(Santa Clara, CA)が、artificial intelligence(AI)向けReRAM技術についてlicensing可能である旨。

◇Crossbar announces licensing relationship agreement with Microsemi (5月16日付け ELECTROIQ)
→Crossbar社(Santa Clara, CA)が、軍事&宇宙航空用半導体の最大商用サプライヤ、Microsemi Corporation(Aliso Viejo, CA)との合意を発表、MicrosemiがCrossbarのReRAM core intellectual property(IP)ライセンス供与を受ける旨。該合意の一環として両社は、Crossbarの固有ReRAM技術のリサーチ、開発および応用でコラボ、Crossbarのembedded ReRAMを1x nmプロセスnodeで製造のMicrosemi製品と統合するMicrosemiからの次世代製品で行う旨。

◇Crossbar Pushes Resistive RAM into Embedded AI-Deal with Microsemi and foundries means its nonvolatile embedded memory can be integrated into the most advanced chips (5月16日付け IEEE Spectrum)

◇Microsemi Deal May Spur Broader ReRAM Adoption (5月18日付け EE Times)
→メモリ業界アナリストの見方。Crossbarからnon-volatile resistive RAM(ReRAM)技術のライセンス供与を受けるMicrosemiによる取引は、ReRAM採用を広げる道を開く大きな促進剤になる可能性の旨。

【新たなスタート】

まずは、GlobalFoundriesのCEOに就任のTom Caulfield氏。TSMC、SamsungそしてIntelなど、先端度を競うロジック/ファウンドリー市場で、IBMに遡る同社の蓄積発揮が問われている。

◇GF Seeks Fab, ASIC Partners-Reorg focuses on financial performance (5月14日付け EE Times)
→GlobalFoundriesの新しいCEO、Tom Caulfield氏は、該privately held半導体メーカーの財務体質を改善するとしており、半導体を作る熱い競合の中で大差がついた2位の同社に向けてパートナーを求めている旨。同氏は、たぶん3-nmの次世代fabを建設、そしてASICサービスを拡げて新しい顧客を引きつける手腕を必要としている旨。

もう1つ、同じ半導体組立&テスト世界最大手、同じ台湾同士ということで注目されたASEとSPILの合併に向けた準備が始められている。OSAT(outsourced semiconductor assembly and testing)業界の今後の景観変化に注目である。

◇OSAT Consolidation Continues-The merger of ASE Group and SPIL alters the competitive landscape, but more changes are still ahead.-ASE, SPIL begin preparations to merge operations (5月14日付け Semiconductor Engineering)
→Advanced Semiconductor Engineering(ASE)とSiliconware Precision Industries(SPIL)が、operations合併準備を開始、究極的には該合併は、"OSAT(outsourced semiconductor assembly and testing)領域の競合的性格を高めていく"と、JCET Groupの販売&マーケティングsenior vice presidentでSTATS ChipPACのexecutive vice presidentおよびchief sales officerを務めるHal Lasky氏。


≪グローバル雑学王−515≫

「地球上で最も顧客第一主義の会社」を謳い上げるアマゾンの全社レベルの戦略3つとして「コストリーダーシップ:差別化:集中」を挙げる中身を、

『アマゾンが描く2022年の世界すべての業界を震撼させる「ベゾスの大戦略」』
 (田中 道昭 著:PHPビジネス新書 387) …2018年1月17日 第1版第4刷発行

より「5ファクターメソッド」による読み解きで迫っていく。現在に通じる中国の古典的な戦略論、「孫子の兵法」をベースにした「道」「天」「地」「将」「法」の五事から、解読、分析が展開されている。ベゾス氏が常々口にする3つのバリュー、「顧客第一主義」「超長期思考」「イノベーションへの情熱」それぞれの実態的な意味合いを、小生なり随所考えさせられている。


第1章 アマゾンの大戦略を5ファクターメソッドで読み解く

◆「5ファクターメソッド」と経営
・5ファクターメソッド
 →中国の古典的な戦略論、「孫子の兵法」をベース
・五事…「道」「天」「地」「将」「法」
 →戦いをデザインするにあたって戦力の優劣を判定するカギ
 →経営の本質をついている
・「道」…目標を記したグランドデザイン
 →ミッション、ビジョン、バリュー、戦略
・「天」…「天の時」:外部環境の変化を予測した「タイミング戦略」
 →SWOT分析、PEST分析、業界構造分析、3C分析
・「地」…「地の利」:有利な環境を活かし、不利な環境をカバーする戦略
・「将」と「法」…戦略を実行に移す際の両輪
 →リーダーシップとマネジメントの関係

◆アマゾンの戦略ピラミッド――地球上で最も顧客第一主義の会社!?
・アマゾンのミッション&ビジョン
 →「地球上で最も顧客第一主義の会社」
 →5つの顧客:
   BtoCサービス→消費者
   BtoBサービス→販売者
          …cloud computingの「AWS(Amazon Web Services)」の顧客
         →デベロッパー
         →企業・組織
         →コンテンツクリエイター
          …動画配信に参画
・財務目標「長期におけるフリーキャッシュフローの極大化」
 →将来儲けるために、今の利益を手放すという戦略
 →米国の成長企業について配当をしていないことが投資の基準、とある著名な米国投資家

◆アマゾンに「イノベーションのジレンマ」はあるか
・ベゾスが常々口にする3つのバリュー
 →「顧客第一主義」
  「超長期思考」
  「イノベーションへの情熱」…アマゾンの競争優位性の1つ
・イノベーションのジレンマ
 …さらなる破壊的なイノベーションにより、既存のビジネスとの間にカニバリゼーション(cannibalization)が起きるリスク
・ベゾスは、大企業でありながら破壊的イノベーションを自ら起こす企業であり続けようとしている
 →囲い込むのではなく、オープンにする
  →競争のなかから破壊的イノベーションが生まれてくる期待

◆ベゾスがナプキンに書いたビジネスモデル
・アマゾンを起こすときにあらわしたビジネスモデル
 →「セレクション(品揃え)を増やす」
    ↓
  「お客様の満足度が上がる」…Customer Experience(顧客の経験価値)
    ↓
  「トラフィックが増える」…人が集まってくる
    ↓
  「そこで物を売りたい」販売者が集まる
・前提になる低コスト体質
 →「顧客は第一に低価格と品揃え」を求めているというベゾスの認識
 →徹底した価格戦略によって競合を排除しようという思惑も

◆ユーザー・エクスペリエンスこそが最優先される
・アマゾンは、「ビッグデータxAI」という手段を採用、高い競争優位性を実現
 →ユーザ・エクスペリエンス(顧客の経験価値)を高める目的
  …製品やサービスを通じて得られる経験の総称。UXとも
・アマゾンにおいてはユーザ・エクスペリエンスこそが最上位概念
 →電子書籍リーダー、キンドルがよい例
・2016年、無人コンビニ「アマゾン・ゴー」の発表
・アマゾンが開発した音声認識技術「アレクサ」搭載の音声アシスタント端
 末「アマゾン・エコー」
 →米国で大ヒット中、2017年10月に年内日本発売を発表

◆コストリーダーシップ戦略と差別化戦略を両立
・全社レベルでの戦略は3つ
 →コストリーダーシップ:差別化:集中
・アマゾンの特徴は、全方位に向けて事業を展開しているということ
 →コストリーダー戦略と差別化戦略を両立
・マーケティング戦略…セグメンテーション
           ターゲティング
           ポジショニング
・アマゾンは、「ビッグデータxAI」の掛け合わせ、ユーザ一人ひとりに対する、リアルタイム1対1マーケティングも可能に
 →ユーザ一人ひとりの、刻一刻と変化するニーズを反映した、0.1人規模のセグメンテーション
 →「個」の分析の究極へ

◆2018年、宇宙の旅へ
・アマゾンは、天の時を次々と事業化
 →クラウド、AI、ビッグデータ、IoT、インターネットxリアル、宇宙事業など
・「超長期思考」の動き
 →2000年設立の航空宇宙企業、Blue Origin
 →高速PDCA、わずか20年足らずで宇宙旅行を成功へ

◆規模の経済、範囲の経済、速度の経済――アマゾンの「地」
・昨今のアマゾン
 →インターネット世界で地の利を得た企業がリアル世界でも地の利を得る
・規模の経済(scale economy)、範囲の経済(scope economy)、速度の経済(speed economy)の三位一体
 →規模の経済…低コストストラクチャー構築
  範囲の経済…商品間のシナジーがあると判断できるものは取り扱いを始める
        事業間のシナジー
  速度の経済…規模の経済がもたらす恩恵→当日配送など
・アマゾンの進化
 →オンライン書店⇒everything store⇒everything company

◆「小売り、物流の巨人」から「クラウドの巨人」へ
・AWS(Amazon Web Services)は、cloud computingの世界でシェアNo.1
 →アマゾンはすでに「世界最強のシステム会社」でも
・AWSは、ネット通販を支えるために多大な人、モノ、カネを投入して開発したcloud computingの仕組みを社外に開放、ビジネスとしたもの
 →世界のクラウド市場のシェアの3割
 →サイバーセキュリティという新たな脅威が追い風に
・「AWSであげた利益を他の事業に回している」という構造
・いま、三菱UFJなど日本の大手企業がITシステムをAWSに移管している動き
 →「サイバーセキュリティの安全性で選ぶならアマゾン」
 →ITの世界では、日本のサイバーセキュリティのレベルが後進国というのは周知の事実
・サイバーセキュリティは、AI、IoT、自動運転、宇宙事業技術などのメガテックと表裏一体の関係
 →AWSとアマゾン本体での競争優位

◆ベゾスは火星人!?――アマゾンの「将」と「法」
・ベゾスはすべてにおいて両極端な人物のよう
 →「超長期」の視点と「超短期」の視点
・ベゾスのパーソナリティがアマゾンをアマゾンたらしめている
 →顧客第一主義が単なるお題目に終わらず、すべて貫徹、「やり切る」
 →常識的な人間には、不可能

◆新たな時空価値の誕生
・時間価値の「天の時」と空間価値の「地の利」を掛け合わせた「時空価値」
 →「いつでも・どこでも」「今・ここで」「すぐにできる」という世界が実現へ
・時空価値という軸から整理したアマゾンの主戦場
  →要衝としてのプラットフォーム(「アマゾン・アレクサ」)
  時空接点としてのハード(「アマゾン・エコー」)
  コンテンツとしてのソフト
  価値としての顧客体験
  データ資源
・開かれたプラットフォームであることの重要性
 →1)プラットフォーム側の汎用性や有用性の高い機能を外部から手軽に利用できる仕組み作りがアマゾンの生命線
  2)「イノベーションのジレンマ」の仕組みを内在化
・時間的・空間的制約を超えてヒト・モノ・カネなどを結びつけるエコシステム
 →「アマゾン・アレクサ経済圏」
・「100年単位で1日を見直す」ような「超長期x超短期」の組み合わせを事業化しているのがアマゾン

◆5ファクターメソッドの本質――「視点・視野・視座」のフレームワーク
・「5ファクターメソッド」の本質
 →「視点・視野・視座」の戦略分析フレームワーク
 →ひいては、自らの組織の大戦略を策定していくためのフレームワーク

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