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1月として史上最高の世界半導体販売高、18ヶ月連続前年比増

メモリ半導体の高値が引っ張って21.6%増、$412.2 billionと業界史上最高を記録した2017年の世界半導体販売高であるが、2018年になってこのペースがどうなるのか最大の関心の中、米国Semiconductor Industry Association(SIA)より1月の販売高データが発表され、$37.6 billionと1月としては史上最高、前月比1.0%減、前年同月比22.7%増となっている。前年比増はこれで18ヶ月連続であり、高い二桁の伸びを維持している。前月比減は年初の季節的なものか、引き続き激動の世界情勢とともに目が離せないところである。

≪1月の世界半導体販売高≫

米国SIAからの発表内容が、次の通りである。

☆☆☆↓↓↓↓↓
◯1月の半導体販売高が、前年比22.7%増−グローバル半導体市場が、18ヶ月連続で前年比増加;販売高前月比では僅かに減少 …3月5日付け SIA/NEWS

半導体製造、設計および研究の米国のleadershipを代表するSemiconductor Industry Association(SIA)が本日、2018年1月の世界半導体販売高が$37.6 billionに達し、前年同月の2017年1月総計$30.6 billionに対して22.7%の増加と発表した。1月のグローバル販売高は、前月の2017年12月総計$38.0 billionより1.0%下回り、通常の季節的市場傾向を反映している。月次販売高の数値はすべてWorld Semiconductor Trade Statistics(WSTS) organizationのまとめであり、3ヶ月移動平均で表わされている。

「2017年に史上最高の年間販売高をあげた後、グローバル半導体業界は2018年に向けて力強く有望なスタートを切っており、史上最高となる1月販売高および18ヶ月連続の前年比販売高の増加を示している。」とSemiconductor Industry Association(SIA)のpresident & CEO、John Neuffer氏は言う。
「すべての主要地域市場が昨年比二ケタの増加となり、Americasが40%以上の前年比の伸びで大きく引っ張っている。また、すべての主要半導体製品カテゴリーにわたっても販売高が前年比増加しており、グローバル市場は2018年に向けた力強くスタートの好位置にある。」

地域別では、前年比販売高がすべての地域にわたって大きく増加したが、前月比では僅かに増加したEuropeおよびフラットのままのChina以外は幾分減少している。
 Americas        (前年比 +40.6%/前月比 -3.6%)
 Europe         (    +19.9%/    +0.9%)
 Asia Pacific/All Other   (    +18.6%/    -0.6%)
 China         (    +18.3%/    0.0%)
 Japan         (    +15.1%/    -1.0%)


【3ヶ月移動平均ベース】

市場地域
Jan 2017
Dec 2017
Jan 2018
前年同月比
前月比
========
Americas
6.14
8.95
8.63
40.6
-3.6
Europe
2.84
3.37
3.40
19.9
0.9
Japan
2.79
3.24
3.21
15.1
-1.0
China
10.16
12.01
12.01
18.3
0.0
Asia Pacific/All Other
8.73
10.41
10.35
18.6
-0.6
$30.64 B
$37.99 B
$37.59 B
22.7 %
-1.0 %

--------------------------------------
市場地域
8-10月平均
11- 1月平均
change
Americas
8.54
8.63
1.1
Europe
3.36
3.40
1.1
Japan
3.20
3.21
0.3
China
11.65
12.01
3.1
Asia Pacific/All Other
10.33
10.35
0.1
$37.09 B
$37.59 B
1.4 %

--------------------------------------

※1月の世界半導体販売高 地域別内訳および前年比伸び率推移の図、以下参照。
https://www.semiconductors.org/clientuploads/GSR/January_2018_GSR_table_and_graph_for_press_release.pdf
★★★↑↑↑↑↑

これを受けた業界各紙の反応、取り上げ方である。

◇January chip sales reach record high for 18th month of straight gains (3月5日付け Market Watch)

◇January semiconductor sales up 22.7% compared to last year (3月6日付け ELECTROIQ)

◇Global January semi sales up 22.7% compared to last year (3月6日付け Evertiq)

◇Semiconductor Sales Pick up Where 2017 Left Off (3月6日付け EE Times)
→カレンダーは2018年にめくられたが、半導体販売高には2017年を特徴づけた焼けつくようなペースが鈍化する兆しが見られない旨。

2016年後半から盛り返して急激な増勢を保っている世界半導体販売高の推移が次の通りである。18ヶ月連続の前年同月比増があらわれるところとなっている。

販売高
前年同月比
前月比
販売高累計
(月初SIA発表)
2016年 7月
 $27.08 B
-2.8 %
2.6 %
2016年 8月
 $28.03 B
0.5 %
3.5 %
2016年 9月
 $29.43 B
3.6 %
4.2 %
2016年10月
 $30.45 B
5.1 %
3.4 %
2016年11月
 $31.03 B
7.4 %
2.0 %
2016年12月
 $31.01 B
12.3 %
0.0 %
$334.2 B
 
 
 
 
 
2017年 1月
 $30.63 B
13.9 %
-1.2 %
2017年 2月
 $30.39 B
16.5 %
-0.8 %
2017年 3月
 $30.88 B
18.1 %
1.6 %
2017年 4月
 $31.30 B
20.9 %
1.3 %
2017年 5月
 $31.93 B
22.6 %
1.9 %
2017年 6月
 $32.64 B
23.7 %
2.0 %
2017年 7月
 $33.65 B
24.0 %
3.1 %
2017年 8月
 $34.96 B
23.9 %
4.0 %
2017年 9月
 $35.95 B
22.2 %
2.8 %
2017年10月
 $37.09 B
21.9 %
3.2 %
2017年11月
 $37.69 B
21.5 %
1.6 %
2017年12月
 $37.99 B
22.5 %
0.8 %
$405.1 B
 
 
 
 
 
2018年 1月
 $37.59 B
22.7 %
-1.0 %


関連する市場の動きの敏感な捉え方が続いている。NANDフラッシュの需給が緩んできたのではという見方である。

◇NAND Market Shifts Toward Equilibrium (3月6日付け EE Times)
→DRAMeXchange発。力強い需要および逼迫した供給から2017年が最善の年の1つとなったNANDフラッシュ市場が、2017年第四四半期に需給バランスに一歩向かっており、歩留り率が改善されてPCs, タブレットおよびサーバにおけるNANDの契約pricingがフラットのままか、あるいは僅かに低下している旨。

DRAMのNanya Technologyの月次売上げの発表も分析の細かさが高まるところがある。

◇Nanya February revenues increase (3月7日付け DIGITIMES)
→DRAMメーカー、Nanya Technologyの2018年2月連結売上げがNT$5.93 billion($202.3 million)、前年同月比49.3%増。最高となった1月のNT$6.15 billionからは3.6%減。

◇Nanya Tech breaks sales uptrend-Nanya posts Feb. revenue of $202.5M, down 3.6% from Jan. (3月7日付け The Taipei Times (Taiwan))
→世界第4位のDRAMサプライヤ、Nanya Technology Corp(南亞科技)の2月売上げが$202.5M、前月比3.59%減。出荷低下および現地通貨強含みから、8ヶ月連続の伸びが破れている旨。

小生も1970年〜1980年代にDRAMの最前線を経験した1人であり、オリンピック周期とも言われた熱い激動の日々&時代感覚から抜けきれないところも、というのが正直な思い。次の記事から現時点、そして今後を見る目をリフレッシュするところを感じている。

◇Are the major DRAM suppliers stunting DRAM demand? (3月7日付け ELECTROIQ)
→歴史的に主要IC製品分野のうちで最も変わりやすいDRAM市場。良い例がここ2年で見られており、DRAM市場は2016年に8%の減少、そして2017年には77%の急増。今月後半リリース予定のMarch Update to the 2018 McClean Reportが、IC Insightsによる2018年DRAMおよびIC全体市場の最新予測を詳説の旨。1978-2012年の34年の期間で、DRAM price-per-bitが平均年率33%で下がっているのに対して、2012年から2017年にかけては僅か3%の旨。さらに2017年におけるDRAMのprice-per-bit、47%増は1978年以降で最大の年間増加、30年前の1988年に記録したこれまでの最高、45%を上回っている旨。


≪市場実態PickUp≫

【Qualcomm対Broadcom】

BroadcomによるQualcommの買収入札の件について、Broadcomが指名した取締役候補の是非を問うQualcommの株主総会を3月6日に控え、注目が集まっていたところである。

◇Qualcomm's Future, and the Jacobs Family Legacy, Goes to a Vote -Shareholders to consider directors nominated by Broadcom, which seeks a takeover-Qualcomm shareholders to vote on firm's future (3月4日付け The Wall Street Journal)
→Broadcomが指名したQualcomm board候補者名簿にQualcommの株主が火曜6日投票予定、半導体設計の同社を30年以上運営しているJacobsファミリーのもとでの長年の遺産を途絶させる可能性の旨。Chairman、Paul Jacobs氏は、父親のIrwin Jacobs氏を継いで2005年にCEOに就任、2014年まで務めてSteve Mollenkopf氏と交替している旨。

前日の5日、米国政府当局、Committee on Foreign Investment in the U.S.(CFIUS)からの手紙が両社弁護士に届き、株主総会の延期が求められる事態になっている。以下に示す通り、Qualcommはこれを受け入れて、少なくとも30日の延期を発表している。

◇U.S. security panel deals major blow to Broadcom's bid for Qualcomm-US asks Qualcomm to delay shareholder vote on Broadcom takeover (3月5日付け Reuters)
→国家安全の理由から海外勢による米国メーカー買収を阻止できるCommittee on Foreign Investment in the US(CFIUS)が、Qualcommに対しシンガポール・Broadcomによる同社買収に繋がり得る株主総会を延期するよう求めた旨。Qualcommは応ずるとした旨。

◇Qualcomm Postpones Meeting on Broadcom Bid-War of words escalates in hostile takeover (3月5日付け EE Times)
→Qualcommが、Broadcomによる同社買収入札の件について議決する火曜6日予定の株主総会を少なくとも30日延期する旨。Committee on Foreign Investment in the U.S.(CFIUS)が該$117 billion案件を調べるのにさらに時間が必要としたとして、Qualcommはこの決定に至っている旨。

◇クアルコム、株主総会延期を発表「最低でも30日間」 (3月6日付け 日経 電子版)
→米半導体大手、クアルコムが5日、今月6日に予定していた株主総会を少なくとも30日間延期すると発表、シンガポールに本社を置くブロードコムが提案している買収について、安全保障上のリスクなどを調べる対米外国投資委員会(CFIUS)の要請に応える旨。新たな総会の日程は決まっておらず「調査が完全に済むまで」としている旨。

手紙の中身の概要が次の通りであり、米国政府の高度な判断での介入があらわれている。

◇Broadcom Bid Gets U.S. Scrutiny-CFIUS details concerns over Qualcomm (3月6日付け EE Times)
→BroadcomのQualcommに対する敵対的買収入札を巡る米国政府当局、Committee on Foreign Investment in the U.S.(CFIUS)からの手紙が、"米国の国家安全にリスクを課す可能性"としている旨。該買収がワイヤレス通信標準、特許および製品における米国の位置づけを脅かし、中国に利する可能性、と述べている旨。この手紙は3月5日付け、両社からの弁護士に宛てている旨。

◇U.S. Government Intervenes in Broadcom’s Bid for Qualcomm-Move represents a highly unusual intervention by Washington (3月6日付け The Wall Street Journal)

◇クアルコム買収、米政府が介入、背後に米中ネット覇権争い (3月6日付け 日経 電子版)
→米半導体大手、クアルコムに対する同業ブロードコムによる買収の行方が混沌としてきた旨。対米投資を審査する米政府機関が「待った」をかけたため。次世代通信規格「第5世代(5G)」を巡り米中が覇権競争を繰り広げるなか、米代表としてのクアルコムの独立を求める声が米議会にある旨。
米中のつばぜり合いは鉄だけでなく通信の世界でも激しくなっている旨。

これに対して、Broadcomは米国での次世代通信技術育成に向けて$1.5 billionの基金を設けるとして、米国政府当局の懸念を和らげる動きに出ている。

◇Broadcom Pledges $1.5 Billion Fund to Salvage Qualcomm Deal-Broadcom pledges $1.5B for Qualcomm's 5G R&D (3月7日付け Bloomberg)
→Broadcomが、Qualcommでの5GのR&Dに向けてのサポート継続で$1.5 billionを約束、Broadcomが買収した場合にQualcommが5G技術で後れをとるという政府当局の懸念を和らげる期待の旨。

◇Broadcom to stick with U.S. 5G investment after Qualcomm deal (3月7日付け Reuters)

◇ブロードコム、米の通信技術者育成に1600億円の基金−クアルコム買収で政府の懸念に対応 (3月8日付け 日経 電子版)
→シンガポールに本社を置く通信用半導体大手のブロードコムが7日、米国で次世代の技術者を育成するために15億ドル(約1600億円)の基金を創設すると発表、無線通信の分野での技術者教育や職業訓練に活用する旨。同社による米クアルコムの買収が安全保障上のリスクになると警戒する米政府への対応を打ち出す旨。ブロードコムが技術者育成の基金を設けるのは「短期利益を優先し、研究開発などの長期投資を重視しない」という対米外国投資委員会(CFIUS)の懸念を払拭するため。委員会はブロードコムの経営姿勢が「5G」などを牽引するクアルコムの技術力を弱め、米国の安全保障を脅かしうると指摘していた旨。

この間の事態、およびQualcomm買収の高い障壁が改めてまとめてあらわされている。

◇米当局、ブロードコム警戒、短期利益の志向、研究開発を抑制、クアルコム買収高い壁、華為技術との近さ懸念? (3月8日付け 日経産業)
→米半導体大手のクアルコムは6日、ブロードコムによる買収提案に関して、米財務省が弁護士に宛てた書簡を公開、6日に予定していた株主総会を1カ月延ばす理由となった安全保障上のリスクが記されている旨。次世代通信規格「5G」や、政府取引への影響だけでなく、ブロードコムの経営姿勢まで警戒する文面は、買収成立の難しさを物語っている旨。数日前までぴりぴりしていたクアルコム社内に安堵をもたらしたのは、総会延期を求めた財務省所管の対米外国投資委員会(CFIUS)の考えを示した5日付の書簡。議員らがかねて発言していた通り、華為技術(ファーウェイ)など中国勢と争う5Gの技術、規格策定の競争力や、国防総省によるクアルコムからの製品調達に悪影響が出ることを警戒する文言が並ぶ旨。

このように慌ただしい動きを追ったこの週末、世界そして国内の政治情勢がともに驚きの展開を迎えるなか、半導体業界でも食いつ食われつのさらに上を行く動きがあらわされている。

◇インテル、ブロードコム買収を検討か、米紙報道 (3月10日付け 日経 電子版)
→米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)電子版は9日、米半導体最大手、インテルがシンガポールに本社を置く半導体大手、ブロードコムの買収を検討していると報じた旨。ブロードコムが狙う米クアルコムの買収が実現すれば、大きな脅威となるため、対抗措置の一つとして買収案が浮上した旨。実際に買収に乗り出すかは不透明だが、半導体業界の再編機運が一段と高まっている旨。

【AI関連の具体的な動き】

人工知能(AI)を取り入れる具体的な動きが相次いでいる。韓国・LG電子のAI搭載有機ELテレビの発売である。

◇LG電子、AI付き有機ELテレビ発売、2018年10モデル (3月5日付け 日経 電子版)
→韓国・LG電子が5日、人工知能(AI)を搭載した有機ELテレビを発売すると発表、2018年に10モデルの販売を計画。音声認識を使って見たい番組を呼び出したり、気になる番組の情報を手軽に検索できたりする旨。AIを載せたスマートテレビはシャープなども販売しており、有機ELテレビ世界首位のLGの参入でテレビとAIの融合が進みそうな旨。

ARMが、AIおよびmachine learning(ML)応用に向けて性能を高める新しいコアを投入している。

◇Arm GPU Gets More AI Muscle-Mali G52 claims 3.6x boost for neural nets-Arm bulks up GPUs for AI, machine learning (3月6日付け EE Times)
→Armが、Mali G52 graphics processing unit(GPU)などディジタルtelevisionsおよびスマートフォン向けの4つの新しいコアを投入、artificial intelligence(AI)およびmachine learning応用に向けて性能が高められる旨。同社はまた、low-end製品用Mali G31 GPUコアを披露、Cortex-A55 CPUコア・ベースシステムと対で設計されている旨。

AIをWindows-ベースlaptopsおよびタブレットにもっていく道が開けるWindows MLが、Microsoftから発表されている。

◇With Windows ML, Intel AI to Invade Mobile PCs-Microsoft debuts Windows ML, paving path for AI in mobile PCs (3月7日付け EE Times)
→平均的なモバイルPCがmotherboard上にCPUsおよびGPUsだけでなくIntel/Movidius Vision Processor Unit(VPU)のようなembedded AI推論半導体をも盛り込むのは、そう先のことではないかもしれない旨。このシナリオの最初の糸口が、Microsoft社の本日Windows Developer DayでのWindows OSのmachine-learning tasksに向けたopen-standardの枠組み、Windows MLの打ち上げ発表で開かれた旨。Microsoftは、Intel/Movidius VPUに向けてWindows OS nativeサポートを拡張している旨。このメッセージには、Intel/Movidiusがdronesおよび監視カメラなどembedded応用だけでなく、Windows-ベースlaptopsおよびタブレットでも場所を見い出すに一歩近づいていることが示される旨。

MIPS 64-bit RISCコアが、AIプロセッサに取り組むWave Computingにより選択されている。

◇Wave Computing Chooses MIPS 64-bit RISC-Wave Computing picks MIPS 64-bit RISC core for AI processor (3月8日付け EE Times)
→名高いRISCプロセッサcoreメーカー、MIPSが蘇ってきており、新しい息吹となっているのは、新しい顧客、Wave ComputingおよびIntel/Mobileye, NetSpeed, Fungible, ThiCIおよびDensoなどいくつかの現状のclientsである旨。すべてが、多くは開発中か展開に備えているそれぞれのAIプロセッサ内のdevice management取り扱いおよび機能制御に向けてMIPS 64-ビットmulti-threadedプロセッサcoreを用いるとしている旨。
Wave Computingは、deep learningに向けたmassively parallelデータフローアーキテクチャー、Wave Dataflow Processing Unit(DPU)を設計している旨。

【通商関連の動き】

米国・トランプ政権の輸入制限発動が世界経済にインパクトを与えているが、アジアでの半導体関連から3点。メモリ半導体が絶好調の韓国では、米国からの新たな火種への懸念が見え隠れする次の内容である。

◇U.S. protectionist measures to have limited impact on S. Korean chip industry-Will the US put tariffs on Korean chips? (3月6日付け Yonhap News Agency (South Korea))
→Trump政権の通商政策は韓国の半導体市場へのマイナス効果が見えていないが、業界観測筋は各社が思いがけない展開に備えるべきと警告の旨。
Korea International Trade Association(KITA)のresearcher、Mun Byung-ki氏は、メモリ半導体が"半製品"であり、ビッグデータ、cloud computingおよびinternet of things(IoT)応用における重要な役割から関税の対象になることを少なくしている旨。

Foxconnの子会社の上海上場について、中国の監督当局の異例の速さの承認が行なわれている。

◇鴻海子会社、4月にも上海上場、異例のスピード審査 (3月7日付け 日経 電子版)
→電子機器の受託製造最大手、台湾の鴻海(ホンハイ)精密工業の中核子会社による上海市場上場が4月にも実現することが分かった旨。8日に中国の監督当局が最終的な審査を実施し、異例の速さで上場を承認する見込みの旨。鴻海は5千億円規模を調達し、中国でのスマートフォン製造の自動化などを進める旨。中国にとっては台湾の有力企業を取り込む足がかりになる旨。

ファウンドリーの圧倒的な最大手、台湾のTSMCについて、米国・GLOBALFOUNDRIESが中国に対して公正な市場競争を害していると以下の通り調査するよう求めている。

◇米GF、「TSMCは独禁法違反」、中国に調査要請、半導体受託生産、1強揺さぶり (3月8日付け 日経)
→半導体受託生産の世界2位の米グローバル・ファウンドリーズ(GF)が中国当局に対し、業界最大手の台湾積体電路製造(TSMC)について、独占禁止法違反で調査するよう要請したことがわかった旨。世界シェア5割強を占めるTSMCに対し、ライバル企業が揺さぶりをかけるのは、TSMCが市場を「総取り」する事態を警戒しているからの旨。自国企業に半導体産業を担わせたい中国政府の思惑も絡み、実質的創業者の引退を目前に、TSMCは難しいかじ取りを迫られている旨。GFがこのほど、TSMCが顧客を不当に囲い込み、公正な市場競争を害しているとして、中国国家発展改革委員会(NDRC)に調査を依頼した旨。複数の関係者が日本経済新聞の取材に対し明らかにした旨。仮に摘発につながれば、営業活動などを制限される可能性がある旨。

【合弁事業スタート】

台湾の実装&テスト最大手、Advanced Semiconductor Engineering(ASE)と我が国のTDKが、半導体基板生産で設けた合弁について台湾・高雄での操業を始めている。TDKの半導体技術およびASEの先端実装技術を組み合わせている。

◇ASE-TDK JV start operations (3月5日付け DIGITIMES)

◇ASE, TDK open Kaohsiung plant in joint venture-ASE and TDK commence operations for joint venture (3月5日付け The Taipei Times (Taiwan))
→Advanced Semiconductor Engineering(ASE)とTDKが、Kaohsiung(高雄), Taiwanの基板合弁オープンを挙行、ASE Embedded Electronicsは、モバイルおよびwearable機器に向けてTDKの半導体技術およびASEの先端実装を備えた組み込み半導体基板を生産する旨。TDKの技術は、半導体を50μmに縮小、4-層基板に組み込みを可能にする旨。

【盛り返しを図るMediaTek】

スマートフォン市場での競合で厳しい状況にあるMediaTekであるが、新しいpresidentの意気込み、そして新しい基軸を目指すAIスマートフォンの具体的な取り組みである。

◇Back on the growth track: Q&A with MediaTek president Joe Chen-Chen of MediaTek discusses the firm's turnaround (3月6日付け DIGITIMES)
→MediaTekの新しいpresident、Joe Chen氏。MediaTekの短期目標は、売上げ、gross marginおよび利益の点から成長軌道に戻すことにある旨。

◇MediaTek gearing up for AI smartphones-MediaTek prepares for smartphones with AI tech (3月8日付け DIGITIMES)
→MediaTekが、スマートフォンに向けてartificial intelligence(AI) capabilitiesを供給する同社Helio P60モバイルプロセッサについて来月量産出荷に備えている旨。AIは近い将来スマートフォンにとって重要なfeatureになる、と予想するMediaTekのワイヤレス通信製品事業部門head、TL Lee氏。


≪グローバル雑学王−505≫

 日々人工知能(AI)がキーワードの業界記事を目にするということで、サッと入門書に目を通したが、もう少し関連含めて探っていこうと、

『AIロボットに操られるな!人工知能を怖れず使いこなすための教養』
 (大塚 寛 著:ポプラ新書 139) …2017年12月7日 第1刷発行

を読み進めていく。著者は、身体の重心のかけ具合で自在に動く印象のある電動立ち乗り二輪車、セグウェイ(Segway)の日本法人の代表であり、日本クレイ、壁紙ドットコム、日本SGIを経て、現職就任とある。最先端のIT技術、AIとロボットが融合した「AIロボット」市場が、2020年くらいから一気に広がってくるという予想のもと、AIおよびロボットとこれから如何に共存していくか、今後、将来に向けたポイントの議論が展開されていく。今回はそのまえがきである。本書の帯表紙に、人間が下す判断の質が変わる時代に向かうとして、以下の事例が挙げられている。
 移動難民を救う自動運転車
 荷物を自力で運ぶ自律型セグウェイ
 音声病態分析でうつ病を判断するドクターロボ
 労働人口の減少と無人化する仕事
 家、リビング空間のスマートホーム化
 AI秘書としてのスマートスピーカー
 遠距離勤務を当たり前にするVR技術


≪はじめに≫

・音声入力にフォーカスした新しいコンピュータ、スマートスピーカー(AIスピーカー)
 →グーグルの「Google Home」とLINEの「Clova WAVE」
  …2017年秋に国内販売を開始
 →該市場7割のシェアを誇る「Amazon Echo」が日本での販売をスタート
 →日本のメーカー各社も続々参入へ
・AIスピーカーの実態は、「据え置きのスマホ」に近いもの
 →アメリカでの出荷、2017年だけで2450万台…約4軒に1軒が購入
・照明器具やエアコンなどの電化製品やセキュリティシステム、スマホなどがネットワークでつながり、相互作用することで今までにない快適な空間に
 →「スマートホーム」の実現に向けた布石
・パソコン、インターネット、そしてスマホの登場に次ぐ、ロボットとの共存社会に向けた大きな一歩
  *  *  *
・本来テクノロジーとは人間の機能を拡張し、人間の負担を軽くするための手段
 →人類史とは「サボり史」でも
・「自動化が行き過ぎて、人間がAIやロボットに従う社会が来るのかどうか」
 →(著者の)答えは、「半分イエスで、半分ノー」
・今後の重要なキーワード
 →AIやロボットに操られるようなことがないように「自分らしさや人間らしさとは何か」という哲学的な問い
 →「ロボットとの距離感」という今まであまり意識することがなかったこと
・AIにしてもロボットにしても世間で騒がれているほど進化はしていないと感じている
 →まだまだ人間が使う道具の1つにすぎない
 →コンピュータが自発的に目的意識をもち、情報を集め、判断を下し、アクションを起こすというわけではない
・もはや人間では予測不可能なほどテクノロジーが進化を遂げる転換点「singularity(技術的特異点)」
 →活かし切るためのプログラム(自発的に考えるAI)が登場するまでに相当時間がかかる、というのが私見
  *  *  *
・少なくとも今の日本では致命的に欠けていること
 →「目的」についての議論
 →「ロボットを作り、自動化をして、どんな社会を実現したいのか?」という目的についての議論が欠けている印象
・効率化を追い求めるだけで人間の幸せを担保できるのか
  *  *  *
・(著者は)SGI(シリコングラフィックス)にて、社内にロボット開発を担う新規事業部を立ち上げ
 →その時に出会ったのがPersonal Mobility(PM)の開拓者、アメリカのセグウェイ
 →販売権を獲得した関係でセグウェイジャパンの設立に関わることに
・アイデアや志を持った企業や人がロボット開発にもっと関与すべき
 →(著者は)今、東京大と一緒に「音声病態分析」と呼ばれる技術に取り組んでいる
  …スマホに声をかけるだけでうつ病などの判断ができるという技術
・点在するテクノロジーの組み合わせ次第で、さまざまなことが自動化できるように
  *  *  *
・おそらく2020年ぐらいを目処
 →最先端のIT技術、AIとロボットが融合した「AIロボット」市場が一気に広がる
 →新しいロボットが続々登場してくると予想
・AIという言葉が世間にかなり浸透、ロボットが一層身近な存在になり出している今
 →あらゆるものが自動化されていく社会、そして人間とAIロボットが密接に共存していく社会について正しく議論する好機
 →本書は、そうした議論のきっかけになってほしい

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