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2017年販売高、初の$400 Billion越え、米SIA発、足元の株価乱高下

米国Semiconductor Industry Association(SIA)より昨年12月そして2017年年間の世界半導体販売高が発表され、12月であと$30 billion台前半以上として注目した販売高が$38.0 billionに達して、2017年販売高が21.6%増の$412.2 billionと、初の$400 billion台突破を達成している。$300 billion台越えでもたついたのと対照的であるが、メモリ半導体の価格上昇が大方を引っ張る内訳だけに、市況変化が非常に気になるところがある。先行きを暗示するかのように、米国発の株価乱高下の状況が見られている。

≪波乱含みの中の大台マイルストーン達成発表≫

米国SIAからの発表内容が、次の通りである。

☆☆☆↓↓↓↓↓
〇年間半導体販売高が、21.6%の増加、初めて$400 Billionを上回る−史上最高の年間、四半期および月次販売高を記録 …2月5日付け SIA/NEWS

半導体製造、設計および研究の米国のleadershipを代表するSemiconductor Industry Association(SIA)が本日、2017年のグローバル半導体業界販売高総計が$412.2 billionとなり、業界史上最高の年間販売高、2016年総計に比べて21.6%の増加と発表した。2017年12月のグローバル販売高は$38.0 billionに達し、2016年12月に比べて22.5%増、前月比0.8%増である。
第四四半期販売高、$114.0 billionは、前年同期比22.5%増、前四半期比5.7%増である。2017年第四四半期および2017年12月の間のグローバル販売高は、それぞれ業界史上最高の四半期および月次販売高である。月次販売高の数値はすべてWorld Semiconductor Trade Statistics(WSTS) organizationのまとめであり、3ヶ月移動平均で表わされている。

「半導体が自動車からコーヒーメーカーまで増加する一途の数の製品に一層重みを増して組み込まれ、artificial intelligence(AI), virtual reality(VR), およびInternet of Things(IoT)など発生期にある技術があらわれてきて、グローバル半導体需要は増加し、2017年の顕著な販売高および明るい長期的見通し模様につながっている。」とSemiconductor Industry Association(SIA)のpresident & CEO、John Neuffer氏は言う。「2017年のグローバル市場は全面的に伸びて、すべての地域市場およびほとんどすべての主要製品カテゴリーで二桁の販売高増加となっている。該市場の2018年はぐっと控えめな伸びを見込んでいる。」

2017年はいくつかの半導体製品分野が際立っている。メモリが、2017年の販売高が$124.0 billionで61.5%増と最も急成長し、販売高最大の半導体カテゴリーである。メモリカテゴリーの中で、DRAM製品販売高は76.8%増、NANDフラッシュ製品販売高は47.5%増である。ロジック($102.2 billion)およびmicroprocessors(MPUs)などのカテゴリー、micro-ICs($63.9 billion)とで、販売高での製品カテゴリー・トップ3となる。他に2017年で急伸した製品カテゴリーとして、rectifiers(18.3%), diodes(16.4%), およびセンサ & actuators(16.2%)などがある。 メモリ製品を除いても、他のすべての製品販売高合計は2017年に約10%増えている。

年間販売高は次の通りすべての地域にわたって大きく増えている。
 Americas         +35.0%
 China           +22.2%
 Europe           +17.1%
 Asia Pacific/All Other   +16.4%
 Japan           +13.3%

2017年12月についてはAmericas市場が伸びを引っ張る形で次の通りである。
 Americas        (前年比 +41.4%/前月比 +2.1%)
 China         (    +18.1%/    +1.0%)
 Europe         (    +20.2%/    +1.6%)
 Asia Pacific/All Other   (    +17.4%/    +0.2%)
 Japan          (    +14.0%/    +0.9%)

【3ヶ月移動平均ベース】
市場地域
Dec 2016
Nov 2017
Dec 2017
前年同月比
前月比
========
Americas
6.33
8.77
8.95
41.4
2.1
Europe
2.80
3.42
3.37
20.2
-1.6
Japan
2.84
3.21
3.24
14.0
0.9
China
10.17
11.90
12.01
18.1
1.0
Asia Pacific/All Other
8.86
10.39
10.41
17.4
0.2
$31.01 B
$37.69 B
$37.99 B
22.5 %
0.8 %
--------------------------------------
市場地域
7- 9月平均
10-12月平均
change
Americas
7.99
8.95
12.0
Europe
3.28
3.37
2.8
Japan
3.14
3.24
3.2
China
11.36
12.01
5.8
Asia Pacific/All Other
10.18
10.41
2.2
$35.95 B
$37.99 B
5.7 %
--------------------------------------

「強力な半導体業界は、Americaの経済的力強さ、国家安全およびグローバル技術leadershipの土台である。」とNeuffer氏は言う。「議会およびTrump政権に対して、米国の革新を推進、Americaのビジネスが海外の対抗と一層公平な場で競えるようにする政策を2018年に実施するよう急ぎ求めていく。
半導体業界、より広い技術分野、そして我々の経済をさらに強くしていくよう、policymakersとの協働に期待している。」

※12月の世界半導体販売高 地域別内訳および前年比伸び率推移の図、以下参照。
https://www.semiconductors.org/clientuploads/GSR/December%202017%20GSR%20table%20and%20graph%20for%20press%20release.pdf
★★★↑↑↑↑↑

これを受けて業界各紙の取り上げである。

◇Annual semiconductor sales increase 21.6%, top $400B for first time (2月5日付け ELECTROIQ)

◇Chip Market Caps Record Year With Strong December Sales (2月6日付け EE Times)

◇Semiconductor Industry Exceeded $400 Billion in 2017-Sequential as well as annual growth sees 2017 go down in history as a year with record revenue. (2月6日付け EE Times India)

◇Semiconductor sales hit record US$412 billion in 2017, says SIA -SIA: 2017 chip sales were $412.2B, an industry record (2月6日付け DIGITIMES)

半導体関連の投資総額のデータでも、2015年から見れば驚くべき回復という表し方となっている。

◇Global spending on semiconductors increases markedly in 2017, says IHS-IHS Markit: Semiconductor spending SAM hit $292B in 2017, up 17% from 2016 (2月7日付け DIGITIMES)
→IHS Markit発。ほんの2年前の低迷から明らかな回復の兆候、メモリコンポーネントのpricing上昇並びにハイテク市場全体に及ぶ堅実な半導体spendingの伸びが焚きつけて、2017年の半導体グローバルspendingが5年ぶりの高水準に上がった旨。2017年の世界半導体spendingの全体served available market(SAM)が$292.0 billionに上り、2016年の$250.0 billionから顕著な17%増の旨。この二桁の伸びは、2013年の該予測期間の始め以降最も力強く、2015年の2%減少からは驚くような回復となる旨。

メモリ半導体でSamsungおよびSK Hynixと世界1位および2位のメーカーを擁する韓国では、国家戦略でも以下に示す"Gap 5"、"K2プロジェクト"と意気軒高な目標が掲げられている。

◇Gov't to bolster chip, display industries, improve localization-S. Korea sets initiative for "Gap 5" strategy for tech (2月8日付け Yonhap News Agency (South Korea))
→韓国政府が、同国ハイテクメーカーを先端技術の先頭に立ち続けるようにするプログラムを開始の旨。該政府は、技術で5年のリードを維持する考え方、"Gap 5"戦略を推進する一方、半導体メーカーが1,000倍高速、消費電力1,000分の1のmicrochipsを開発する"K2プロジェクト"を進めていく旨。

それに伴う製造拠点への投資について同国政府の見方である。

◇(LEAD) S. Korean tech firms to invest 80 tln won: industry ministry-Ministry: Korean firms to spend $74B on facilities (2月8日付け Yonhap News Agency (South Korea))
→韓国・Ministry of Trade, Industry and Energy(MOTIE)の見積もり。韓国の半導体およびディスプレイメーカーが、向こう数年で総額$74 billionの拠点投資を行う旨。Samsung ElectronicsがPyeongtaekおよびHwaseongのmicrochip工場に資金を充てる一方、SK HynixはCheongjuおよびIcheonの半導体製造拠点に資金投入の旨。

米国SIAからの月次世界半導体販売高のデータ推移を、増勢に転じた2016年後半に注目して、2016年の年初から追ってきているが、2017年12月までが以下の通りとなる。2017年販売高が$405.1 billionで上記の値と異なるが、以下は毎月始め発表時点のデータであり、その後に若干の補正が加えられている。

販売高
前年同月比
前月比
販売高累計
2016年 1月 
$26.88 B
-5.8 %
-2.7 %
2016年 2月 
$26.02 B
-6.2 %
-3.2 %
2016年 3月 
$26.09 B
-5.8 %
0.3 %
2016年 4月 
$25.84 B
-6.2 %
-1.0 %
2016年 5月 
$25.95 B
-7.7 %
0.4 %
2016年 6月 
$26.36 B
-5.8 %
1.1 %
2016年 7月 
$27.08 B
-2.8 %
2.6 %
2016年 8月 
$28.03 B
0.5 %
3.5 %
2016年 9月 
$29.43 B
3.6 %
4.2 %
2016年10月 
$30.45 B
5.1 %
3.4 %
2016年11月 
$31.03 B
7.4 %
2.0 %
2016年12月 
$31.01 B
12.3 %
0.0 %
$334.2 B
 
2017年 1月 
$30.63 B
13.9 %
-1.2 %
2017年 2月 
$30.39 B
16.5 %
-0.8 %
2017年 3月 
$30.88 B
18.1 %
1.6 %
2017年 4月 
$31.30 B
20.9 %
1.3 %
2017年 5月 
$31.93 B
22.6 %
1.9 %
2017年 6月 
$32.64 B
23.7 %
2.0 %
2017年 7月 
$33.65 B
24.0 %
3.1 %
2017年 8月 
$34.96 B
23.9 %
4.0 %
2017年 9月 
$35.95 B
22.2 %
2.8 %
2017年10月 
$37.09 B
21.9 %
3.2 %
2017年11月 
$37.69 B
21.5 %
1.6 %
2017年12月 
$37.99 B
22.5 %
0.8 %
$405.1 B
…前年比21.2%増


今後がどうなるか、この増勢がいつまでどのように続くのか、しばらくは関連する動きを微妙な変動含めて地震探知のように行うしかないかというところがあるが、早々足元で米国株の目まぐるしい乱高下が2月5日から8日の米国株式市場で以下の通り慌ただしく起きている。

◇米国株、急落、ダウ1175ドル安で史上最大の下げ幅、調整局面入りとの見方 (2月6日付け 日経 電子版)
→5日の米株式相場は急落、ダウ工業株30種平均は大幅に3日続落し、前週末比1175ドル21セント(4.6%)安の2万4345ドル75セントと昨年12月8日以来ほぼ2カ月ぶりの安値で終えた旨。下げ幅は史上最大となり、指数の全構成銘柄が下げた旨。米長期金利の急速な上昇が投資家心理を冷やし、相対的に運用リスクが高い米株の持ち高を手じまう売りが膨らんだ旨。
9年近く続いた米株式相場の上昇が「調整局面に入った」との見方が広がり、幅広い銘柄に利益確定や手じまいの売りが膨らんだ旨。
半導体のクアルコムが大幅安。同業のブロードコムが5日に買収価格を引き上げたが、これ以上の引き上げが見込めないとみた売りが優勢となった旨。

◇Wall Street roars back, traders eye volatility ahead-Volatility takes over Wall Street (2月6日付け Reuters)

◇米国株、ダウ3日ぶり反発、2年5カ月ぶり上げ幅、午後に買い直し (2月7日付け 日経 電子版)
→6日の米株式市場でダウ工業株30種平均は3営業日ぶりに反発し、前日比567ドル02セント(2.3%)高の2万4912ドル77セント(速報値)で終えた旨。上げ幅は2015年8月26日以来ほぼ2年5カ月ぶりの大きさ。ダウ平均は前日に過去最大の下げを記録し、短期的な戻りを見込んだ買いが優勢となった旨。

◇米国株、ダウ続落し再び1000ドル超下落、2万4000ドル下回る、長期金利上昇を警戒 (2月9日付け 日経 電子版)
→8日の米株式市場でダウ工業株30種平均は大幅に続落し、前日比1032ドル89セント(4.1%)安の2万3860ドル46セントで終えた旨。米長期金利の上昇圧力の高まりが警戒され、PER(Price Earnings Ratio:株価収益率)が高いハイテク株を中心に幅広い銘柄が売られた旨。米株の価格変動率の高まりも投資家心理を冷やした旨。

市況反応性の高いメモリ半導体が引っ張る市場に、引き続き敏感に注目するところである。


≪市場実態PickUp≫

【Broadcomの買収価格引き上げ】

BroadcomがQualcommに対して仕掛けている買収の件、提案価格を17%増の$121 billionに引き上げたが、Qualcommはまだ本来の価値を大幅に下回るとして、これを拒否している。折しも、米国株の乱高下の渦中、これ以上の引き上げが見込めないとみた売りが優勢となる結果が見られている。

◇Broadcom Boosts Offer for Qualcomm to $121 Billion (2月5日付け EE Times)

◇Broadcom unveils $121 billion 'best and final' offer for Qualcomm-Broadcom increases offer for Qualcomm to $121B (2月5日付け Reuters)
→Broadcomが、Qualcomm買収入札価格を24%引き上げて$82/株、すなわち総額$121 billionとし、Qualcommの$38 billionでのNXP Semiconductors買収提案を複雑にしている旨。

◇クアルコムへの買収提案額、ブロードコム、17%上げ (2月6日付け 日経)
→米半導体大手、ブロードコムが5日、同業クアルコムに対する買収提案の金額を17%引き上げ、1株82ドルにすると発表、負債引き受けを除く買収総額は$121 billion(約13兆円)となる見込みの旨。買収手続きが合意後1年以内に終わらなかった場合に株主に延滞料を払うことや、クアルコム創業家のポール・ジェイコブス会長などを現経営陣から招くことも表明、条件の改善により、クアルコム側の譲歩を引き出す狙いの旨。

◇クアルコム、13兆円の買収拒否、ブロードコムに書簡 (2月9日付け 日経 電子版)
→米半導体大手、クアルコムが8日、同社の買収をもくろむブロードコムが今月5日に再提案した約13兆円(負債引き受け分を除く)の買収条件を拒否すると発表、再提案は昨年11月時点の買収額を17%引き上げるものだったが、クアルコムの取締役会は全会一致で「企業価値を大いに下回る」と結論付けた旨。

◇Qualcomm rejects Broadcom's revised buyout offer, proposes meeting-Qualcomm declines Broadcom's buyout offer (2月9日付け Reuters)

◇Qualcomm and Broadcom Spar Over Latest Merger Proposal-Chip maker says new $121 billion bid undervalues it but offers to meet with Broadcom (2月9日付け The Wall Street Journal)

【Mobile World Congress(MWC)に向けて】

Mobile World Congress 2018(2月26日〜3月1日:Barcelona)に備える動きが以下の通りである。韓国・平昌での冬季五輪にて披露される5G技術が、先行して注目されるところである。

◇Carriers Step Away from ASICs -Cavium, Mellanox support P4 (2月5日付け EE Times)
→来るMobile World Congressにて、テレコムcarriersのグループが、独自固有のシステムからopen sourceソフトウェアへ移行する進展を披露、該Open Networking Foundation(ONF)が、Barefoot Networks, CaviumおよびMellanox製の半導体を用いるシステム上で動くP4 programming言語ベースの最新codeを示す旨。

◇Nokia, Q’comm Prep for 5G Trials-Lab demo is latest step in cellular marathon-Nokia and Qualcomm test 5G New Radio tech (2月7日付け EE Times)
→NokiaとQualcommが、Oulu, FinlandにあるNokia labにて10のcarriersに向けた5G New Radio connectivityテストに成功、5G field trialsに備えていく旨。pre-standard 5G技術はPyeongchang Winter Olympics(平昌冬季五輪)にて披露される一方、今月のMobile World Congress(MWC)イベントではいくつかの5G-関連発表が行われる見込みの旨。

【TIの業界最小オペアンプ】

Texas Instruments(TI)が、業界最小、0.64mm2でオペアンプと低電力コンパレータを作り、小型X2SONパッケージに収めた製品を発表している。多彩な用途で高性能を維持できるとしている。

◇Tiny but mighty: smallest amplifiers deliver high performance for challenging system designs (2月6日付け ELECTROIQ)
→Texas Instruments(TI)が、業界最小、0.64mm2でのoperational amplifier(op amp)および低電力comparatorsを投入、小型X2SON(Extra Small Outline No-Lead)パッケージでの最初のamplifiersとしてTLV9061 op ampおよびcomparatorsのTLV7011ファミリーは、エンジニアがシステムサイズおよびコストを減らす一方、携帯電話, wearables, 光モジュール, motor drives, smart gridおよび電池駆動システムなどいろいろなInternet of Things(IoT), personal electronicsおよび産業応用における高性能を維持できる旨。

◇Consumer Peripherals: Tiny Op Amp and Comparators Reduce the Footprint of Internet of Things and Wearable Devices-TI debuts a very small op amp (2月6日付け Electronics360)

◇TI claims smallest op amp-TI claims to have produced the industry’s smallest op amp and low-power comparators at 0.64 mm2. (2月7日付け Electronics Weekly (UK))

【自動運転車システム連携】

自動運転車システム構築についての連携が相次いでいる。こんどはNvidiaが、ドイツのtier one車載サプライヤ、Continentalと連携、NvidiaのDrive技術による"top-to-bottom AI自動運転車システム"を開発するとしている。

◇Nvidia Partners with Continental on Robocars (2月5日付け EE Times)
→Nvidiaが、ドイツのtier one車載サプライヤ、Continentalと連携、Nvidia Driveプラットフォームで構築された"top-to-bottom AI自動運転車システム"を開発する旨。両社は、2021年からの市場投入を計画している旨。

◇Continental teams with NVIDIA on self-driving car system-Continental, Nvidia to produce autonomous-car system (2月5日付け CNBC/The Associated Press)
→partsサプライヤ、Continental(ドイツ)とソフトウェアproducer、Nvidia(California)が、自動運転車システム構築開始で連携、両社は、NvidiaのDrive技術を用いて2021年に該システム展開を目指す旨。

◇Continental taps Nvidia for its full-scale autonomous vehicle platform (2月5日付け TechCrunch)

【physically unclonable function(PUF)】

cybersecurity改善に向けて半導体設計にintellectual property(IP)、physically unclonable function(PUF)を取り入れるアプローチが、以下の通り行われている。セキュリティ脆弱性が問題になっている中、今後の展開に注目するところである。

◇Taiwanese IP Firm Bets on Crypto Technology-IP firm offers PUF tech for greater chip security (2月6日付け EE Times)
→1)世界第7位のIPベンダー、eMemory Technologyが、同社のphysically unclonable function(PUF)技術により、半導体業界におけるセキュリティ問題の優先順位が高くなる折、同社の力強い成長が続くと見ている旨。PUFsは、半導体の指紋であり、シリコン構造に固有の独特な物理的特質で個々の半導体の同定に用いられる旨。
 2)eMemory Technology(台北)は、physically unclonable function(PUF) intellectual property(IP)を持ち、cybersecurity改善に向けて半導体設計に取り入れられる旨。同社のNeoPUF技術は、半導体の自らでの乱数発生を助け、該半導体のセキュリティの用心を損なうthird partyのリスクを減らせる旨。

◇Imperfect Silicon, Near-Perfect Security: Physically unclonable functions (PUF) seem tailor-made for IoT security.-IoT security gets boost from PUF tech for chips (2月7日付け Semiconductor Engineering)
→半導体設計におけるphysically unclonable functions(PUFs)は、internet of things(IoT)応用で用いられているICsのセキュリティ保護を改善できる旨。


≪グローバル雑学王−501≫

半導体業界の新分野、新技術のキーワードとして、日々目にする人工知能(AI:Artificial Intelligence)であり、後れを取ってはならないと、手っ取り早くということで、目に入った小冊子の新書、

『知識ゼロからの 人工知能入門』
 (清水 亮 著:スマート新書 003) …2017年12月1日 初版第1刷発行

に目を通していく。AIの専門家の著者による最新の研究成果をもとにした解説であり、まずは、人工知能にできること、できないこと、そして人工知能が描く絵について触れている。囲碁AI、自動運転技術などへの期待の一方、仕事を奪われるのではという不安も取り沙汰されているが、AIは、楽しくない労働から人々を解放する可能性を持っている一方、あなたが好きな仕事を奪うことはない、とあらわされている。


≪はじめに≫

・あらゆる産業への応用が期待されている人工知能
・いま、人工知能が話題になっている背景
 →深層学習(ディープラーニング)という技術革新
 →これまで決して機械にはできないと思われていたことまでもが次々に実現
・最先端の知見を最短時間で知りたいという人のために本書を上梓

第1章 人工知能にできること、できないこと

□いま人工知能が注目を浴びている理由
・これまでのコンピュータと、いま注目されている人工知能との根本的な違いは何か
 →ひとつのキーワードは深層学習(ディープラーニング)
・深層学習
 …コンピュータが勝手にいろいろなものごとの性質を捉え、これまで機械には不可能だった高度な判断や識別できる学習方法
・これまではどうしても人間でないとダメだと思われていた作業が、次々とコンピュータによって代替されていく
 ⇒AI革命
・(著者による)AIの区分
 →「第一世代AI」…電卓やゲーム機程度のごく基本的な機能を持つコンピュータ
 →「第二世代AI」…インターネット接続機能を備えた現代のPCやスマートフォン
 →「第三世代AI」…深層学習を備えた最新の人工知能
・第三世代AIでは、人工知能は与えられたデータから勝手に学習し、自分なりの考えを持つようになる
 →深層学習によって人間の想像を遥かに超える成果を生み出すように

□第三世代AIができること
・第三世代AIの開発を生業とする私(著者)の答え
 →「人間ができる単純作業は、だいたい第三世代AIができます」
・私(著者)たちは顧客のニーズを満たすAIを開発する
 →まずは、どのようなタイプのAIならその仕事をこなすことができるか考える
 →そして、AIが学習するための環境をプログラムによって作る
・AIの学習には大量のデータが必要であるが、現実には大量のデータが存在しないことの方が多い
 →データを水増しするためのプログラムを書くことに

□AIは私たちの仕事を奪うもの?
・あらゆる業界が第三世代AIの可能性に注目
 →実際、目覚ましい成果が生まれている
・AIに仕事を奪われることを心配する声もあるが、それは杞憂だと私(著者)は思っている
・AIは、楽しくない労働から人々を解放する可能性を持っている
・AIにできないこととは?
 →それは仕事を好きになること
・AIはあなたが好きな仕事を奪うことはない
 →反対に離職率が高いことを心配するような職場は、AIによってどんどん代替されていく

第2章 人工知能が描く絵を見れば、いまの彼らに何ができるかわかる

・いまの人工知能に何ができるか
 →それをとても端的に、効果的に知ることができるのは彼らが描いた絵を見ること

□手書き数字もうまく書けるAI
・たとえばいまの人工知能は、7万字という大量の手書き数字だけを学習
 →自分なりに解釈したものを再び手書き数字風の絵として再現できる
・AIは人間にはかなり難しいことができる
 →つかんだ特徴は人間が把握するそれと違い、「ベクトル」としてかなり具体的なデータの組み合わせで表現できる
  …「特徴ベクトル」
・ふたつの点(ベクトル)を結ぶ途中にあるベクトル
 →ふたつの手書き数字の形を見事に補間するかのようになめらかな形状変化を呼び起こす
・このような形状変化は、AIがあくまで大量のデータ群を学習した結果、自発的に獲得した結果である

□笑顔の女性から男性の顔もつくれる
・同じことが、手書き数字ではなく人間の顔のような複雑な絵に関しても可能
 →二次元的な変形と合成でごまかす「morphing」といった昔ながらの手法と異なり、AIが自発的に獲得した表現である
 →特徴表現はベクトルであるため、数学的に足し算や引き算が可能
・AIには1組の画像をペアとして学習する手法があり、これもまた興味深い
 →衛星写真と、同じ場所の地図の画像をセットでAIに学習させる
 →どんな衛星写真を与えても自動的に地図の絵を描くことができる
・その逆の「地図から衛星写真」も同時に生成することもできるようになる
 →AIにとっては地図と衛星写真はどちらも学習対象となる絵であり、区別がない

□私(男)がもしも女優だったら……?
・これを応用したイタズラ
 →地上波テレビ放送を受信し、AIが自動認識して、日本の女優の顔写真だけを大量に抜き出す
 →顔認識ソフトを用いて目や鼻の位置、輪郭などを抽出した線画を得る
 →顔の線画から女優の顔を生成するAIが完成する
・私自身の顔を線画化、それをもとに女優の顔を生成
 →私と同じ表情の女優の絵が得られる
 →ただし、この方法では、ある程度は学習する領域(domain)を絞らないとうまく学習できない

□Amazonの商品写真を使ったさらにおもしろい研究
・さらに最近の研究では、ペアを作ることもなく、ただひたすら、複数の種類(ドメイン)の画像を大量に学習させることでおもしろい結果が得られる
・Amazonの商品写真の中から、大量のカバンの画像と、大量の靴の画像をそれぞれ独立して学習
 →「このカバンがもしも靴だったら……」ということをAIが想像して描くことができるように

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