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年末年始の敏感になる動き:半導体の押し上げ、脆弱性&安全性

2017年を締めるに当たっていまだ止まらない半導体の押し上げが、世界経済そして業界データに見られており、いつまでもと願う一方でいつまで続くのか、気を持たせるところとなっている。年初早々明らかになったCPUのデータ流出につながる脆弱性の問題であるが、米インテルが対応した修正ソフトに不具合が生じるなど尾を引く状況が続いている。新分野、新市場の台頭で半導体需要が高まる一方、安全、セキュリティはじめ完全な保護に向けた奮闘、戦いが求められる、変わり目含みの現時点を受け止めている。

≪時代を画す変わり目の予兆≫

世界経済全体が押し上げられる現在の状況である。

◇世界経済3.9%成長に、IMFが2018年予測を上方修正 (1月22日付け 日経 電子版)
→国際通貨基金(IMF)が22日改定した世界経済見通しで、2018年の成長率を3.9%とし、昨年10月時点の予測から0.2ポイント引き上げた旨。日本についても、0.5ポイント上方修正して1.2%と見込んだ旨。米国の大型減税で同国の景気が上振れし、日本など貿易相手国の外需も高まると指摘。先行きのリスクとしては「物価や金利の予期せぬ上昇」をあげた旨。

日本経済も然りであるが、2017年を締めるデータで特に高機能、高性能化による白物家電の久方の活況に目が止まっている。

◇時短・美容・新興勢… 白物家電販売20年ぶり活況 −2017年、節約・健康志向で (1月24日付け 日経 電子版)
→白物家電の売れ行きが好調。日本電機工業会(JEMA)が24日発表した2017年の国内出荷額は前年比2.0%増の2兆3479億円で、1997年以来の高水準となった旨。共働き世帯の増加や健康・美容志向の広がりで、大容量の冷蔵庫や髪を傷めにくいドライヤーなど高機能で値段が高めな家電の需要が伸びた旨。特定の家電を得意とする新興メーカーの台頭も市場を活性化している旨。

我が国の輸出に注目すると、アジア向け、中でも中国向けの半導体製造装置が目立つところとなっている。

◇アジア向け輸出が過去最大、貿易黒字2017年2.9兆円 (1月24日付け 日経 電子版)
→財務省が24日発表した貿易統計速報(通関ベース)。2017年の輸出額は2016年比で11.8%増の78兆2897億円、2年ぶりの増加。中国を含むアジア向けにスマートフォンに使う液晶デバイスなどを製造する半導体製造装置が大きく伸びた旨。年間の輸出額は中国、中国を含むアジアともに過去最大だった旨。2017年の輸入額は全体で14%増の75兆2986億円、3年ぶりの増加。原油価格の上昇を背景に、原粗油の輸入額が29.3%増と4年ぶりに伸びた結果、輸入額を押し上げた旨。輸出額から輸入額を差し引いた2017年の貿易収支は25.1%減の2兆9910億円。2年連続で黒字を確保したものの、黒字幅は縮小した旨。

米国、中国ともに好調な景況であるが、我が国の輸出では中国向けが米国向けを上回って過去最高を示している。

◇輸出、強まる景気拡大効果、中国向け過去最高、10〜12月、GDP 1.5ポイント押し上げ (1月25日付け 日経)
→財務省の貿易統計をもとにした民間調査機関7社の予測。2017年10〜12月期の輸出は実質経済成長率(年率換算)を1.5ポイント押し上げ、7〜9月の1.0ポイントを上回る旨。好調な米景気や世界的なスマートフォン需要が牽引役になっているほか、中国政府による環境規制も鉄鋼などの出荷を押し上げている旨。地域別に見ると中国向けは4兆2411億円と過去最高、2014年7〜9月以来、3年ぶりに米国向けを逆転。米国向けは4兆619億円と2007年10〜12月以来、10年ぶりに4兆円台を回復しており、米中を牽引役に日本からの輸出は順調に伸びている旨。

半導体業界のメモリの熱い活況を反映して、SamsungおよびSK Hynixを擁する韓国では、GDPが押し上げられている。この2社で韓国の輸出の17%を占めるという大きさである。

◇韓国、今年も3%成長予測、ウォン・金利・原油、「3高」リスク警戒 (1月26日付け 日経)
→韓国経済の回復が続いている旨。韓国銀行(中央銀行)が25日発表した2017年の実質国内総生産(GDP、速報値)成長率は2016年比3.1%と、3年ぶりに3%台に乗せた旨。牽引役の半導体輸出は好調が続く見通しで、韓銀は2018年も3%成長を予測する旨。ただ、ウォン高や金利上昇、原油高の「3高」が成長持続のリスクになるとの指摘もある旨。2017年の経済成長を牽引したのは半導体メモリの輸出。サムスン電子とSKハイニックスの韓国2社で世界シェア6割を握り、韓国の輸出の17%を占める旨。

半導体業界のデータを見てみると、2018年の半導体販売高についてGartnerが早々大幅な上方修正を行っている。

◇Worldwide semiconductor revenue forecast to grow 7.5% in 2018 (1月22日付け ELECTROIQ)
→Gartner社発。2018年の世界半導体売上げ全体予測が$451 billion、2017年の$419 billionから7.5%増、Gartnerの2018年前回伸長予測4%のほぼ倍となる旨。

北米半導体製造装置業界では、12月も高水準の出荷で熱い締めを呈している。

◇North American semiconductor equipment industry posts December 2017 billings (1月24日付け ELECTROIQ)
→SEMIのNovember Equipment Market Data Subscription(EMDS) Billings Report発。北米半導体装置メーカーの2017年12月世界billingsが$2.39 billion(3ヶ月平均ベース)、前月比16.3%増、前年同月比27.7%増。
ここ半年の推移(金額:USM$):

Billings
Year-Over-Year
(3ヶ月平均)
July 2017
$2,269.7
32.9%
August 2017
$2,181.8
27.7%
September 2017
$2,054.8
37.6%
October 2017
$2,019.3
23.9%
November 2017 (final)
$2,052.3
27.2%
December 2017 (prelim)
$2,387.8
27.7%

[Source: SEMI (www.semi.org <http://www.semi.org> ), January 2018]

◇North American semi equipment industry posts strong December billings (1月26日付け DIGITIMES)

2017年が如何に大きく飛躍したか、2000年に遡って改めて知る半導体および製造装置の以下の推移データである。

◇Year End Wow! (1月24日付け ELECTROIQ)
→Custer Consulting GroupのWalt Custer氏記事。末端市場の観点から熱い高水準に終わった2017年について、以下の切り口。
 Strong year-end 2017 electronic equipment sales
 Resilient semiconductor supply chain
  …2000年から2018年まで1月および7月の半導体および製造装置販売高の推移のグラフ
  ⇒http://electroiq.com/wp-content/uploads/2018/01/Custer2-World-Semiconductor-SEMI-Equipement-Shipments.png

このような半導体の押し上げにより、今年の半導体出荷数量が1 trillion個の大台を突破するという熱い読みが見られている。

◇Semiconductor shipments forecast to exceed 1 trillion devices in 2018 (1月25日付け ELECTROIQ)
→IC InsightsのMcClean Report - A Complete Analysis and Forecast of the Integrated Circuit Industryの最新2018年版。年間半導体出荷数量(integrated circuits[ICs]およびopto-sensor-discretes[O-S-D]デバイス)が2018年には9%増の1,075.1 billion個に上る見込み、初めて1 trillion個を上回ることになる旨。1978年の32.6 billion個で始まって2018年まで、半導体数量のcompound annual growth rate(CAGR)は9.1%の見込み、40年にわたって堅実な成長figureである旨。

◇Semiconductor shipments to exceed 1 trillion devices in 2018, says IC Insights-IC Insights: More than 1T semiconductors to ship this year (1月26日付け DIGITIMES)
→IC Insightsの予測。2018年の半導体出荷数量総計が1.075 trillion個、2017年から9%増。optoelectronics, sensors and discrete(O-S-D)デバイスが70%を占め、integrated circuits(ICs)が30%となる旨。

いつまで続く熱い活況の一方で、この年初早々落ち着かない問題となっているCPU脆弱性であるが、Intelが施した修正でも起きている不具合が以下の通りである。

◇Intel Says Patches for Meltdown and Spectre are Flawed (1月23日付け EE Times)

◇Intel: Stop firmware patching until further notice-The chip giant believes it has found the root cause of the issue forcing Haswell and Broadwell chips to unexpectedly reboot.-Intel asks users to hold off on downloading, installing patch (1月23日付け ZDNet)
→Intelが、同社のHaswellおよびBroadwell半導体で起きている予知できない再起動から、同社プロセッサにおけるMeltdownおよびSpectre脆弱性に向けたfirmware更新を控えるよう求めている旨。「OEMs, cloudサービスプロバイダー, システムメーカー, ソフトウェアベンダー, およびエンドユーザが現状のバージョン運用を中止するよう求めており、予想を上回る再起動など予想できないシステム動作になる可能性がある。」と、セキュリティnoteにてIntelのData Center Group、general manager、Navin Shenoy氏。

◇インテル、CPU問題収束せず、修正ソフトも不具合 (1月24日付け 日経)
→CPUにデータ流出につながる脆弱性があった問題で、米インテルの対応が後手に回っている旨。2018年の年初に問題が見つかり、すぐに修正ソフト(パッチ)を公開したが、今度は修正ソフトを導入したパソコンやサーバーが再起動を頻繁に繰り返すトラブルに見舞われた旨。同社は22日、「再起動問題の原因が特定できた」と発表。ただ、新しい修正ソフトの公開は29日以降になる見通しで、「それまでは(現行の)修正ソフトの導入を控えてほしい」と利用者や取引企業に呼びかけている旨。

Intelは2017年半導体販売高でSamsungに追い越される中、年間販売高が最高との業績発表を行ったが、このセキュリティ脆弱性への対応が喫緊に求められるところとなっている。

◇Intel Promises More Secure Chips This Year (1月26日付け EE Times)
→Intelの2017年第四四半期販売高が前年同期比4%増の$17.1 billion、年間が6%増の$62.8 billionで最高を記録。現下の2018年第一四半期については$14.5 billion〜$15.5 billionと見ており、昨年は$14.8 billion。この業績発表後のアナリストとのconference callにて、Intelは最近明らかになったプロセッサセキュリティ脆弱性に対応する再設計半導体を今年後半にリリースし始める、と同社CEO、Brian Krzanich氏。

◇Intel's Rosy Sales Outlook Signals Demand Is Holding Up-Intel posts record quarter and year; outlook is better (1月26日付け Bloomberg)
→Intelが、2017年第四四半期および2017年について最高の業績を記録する一方、今年の第一四半期販売高は予想を上回ると予測している旨。同社プロセッサにおけるMeltdownおよびSpectre脆弱性によるセキュリティ関連への対応で、「進歩はしているが、やるべきことはさらにあると鋭く意識している。」と、アナリストに対して同社のCEO、Brian Krzanich氏。

◇インテル売上高最高、それでもくすぶる「脆弱性」 (1月26日付け 日経 電子版)
→米インテルは25日、2017年10〜12月期の売上高が前年同期比4%増の$17 billion(約1兆8600億円)で過去最高(四半期ベース)だったと発表、クラウドサービスへの投資が旺盛で、データセンター向けCPUの販売が伸びたための旨。ただ年明けに広範なCPUの脆弱性が発覚。インテルの対応作業も一進一退で、心臓部を1社に委ねるリスクを感じた顧客は多い旨。
脆弱性問題は「パソコン時代の会社」という印象を払拭しつつあった老舗のアキレス健になっている旨。

この脆弱性問題は大きな変わり目を呼ぶものと業界での論議が高まりを見せている。

◇Do Spectre, Meltdown Mean the Death of Moore's Law? (1月25日付け ExtremeTech)
→SpectreおよびMeltdownは、このmillenniumの始め以来表面化している最も大きなセキュリティ問題の2つである旨。特にSpectreは、静めるのが難しくなってきており、AMDおよびIntelともに自分たちのCPUsがこの問題にどう完全に立ち向かうか再設計しなければならない旨。これらが明らかになった後には、いろいろな人々が該欠陥はx86アーキテクチャーの終わり、あるいは今こそMoore's Lawの最後の終焉の鐘の音を意味すると意見を述べている旨。

自動運転に向かう動きが活発に行われる中、事故の発生が見られている。完全な安全性への果てしない挑戦が引き続き求められるところである。

◇Did Tesla Flunk ‘Interpretation' Test? (1月25日付け EE Times)
→今週始め、65 mphでAutopilot運転のTesla車が高速道路で止まっていた消防車に衝突の旨。

◇Verification Of Functional Safety-How to verify functional safety in chip design (1月25日付け Semiconductor Engineering)
→現在は特に車載electronicsについて、機能安全遵守事項の半導体設計への取り入れが、大きな課題となってきている旨。「最初は極めて複雑であった検証の問題が、おそらく一桁増大している。」と、Cadence Design SystemsのSystem & Verification Group、vice president of R&D、Apurva Kalia氏。

半導体が熱く押し上げる現況の中、脆弱性&安全性への警鐘が相次いで打ち鳴らされる、ともに敏感にならざるを得ない動きを感じている。


≪市場実態PickUp≫

【こんどはEUから罰金】

独占的な商慣行から中国はじめ罰金を科され、また、Broadcomには買収を仕掛けられと、いろいろ揉まれるQualcommであるが、こんどはEuropean Union(EU)からAppleへの独占供給合意について以下の通り罰金を言い渡されている。

◇EU Hits Qualcomm With $1.2 Billion Antitrust Fine (1月24日付け EE Times)
→Qualcommが水曜24日、Appleとの以前のmodem半導体供給合意に関してEuropean Union(EU) regulatorsが言い渡した$1.2 billionの罰金を控訴する予定の旨。QualcommとAppleの間の緊張した関係の渦中に出ている該決定により、近年Qualcommを相手取って科された罰金総額が約$4 billionに上る旨。

◇EU fines Qualcomm 997 mln euros for exclusive deals with Apple-Qualcomm fined $1.23B for Apple deal (1月24日付け Reuters)
→「Qualcommの振舞いは消費者および他の各社により多くの選択および革新を打ち消した。」と、ステートメントにてEuropean Competition(EC)のCommissioner、Margrethe Vestager氏。

◇Qualcomm Is Slapped With $1.23 Billion EU Fine for Illegal Payments to Apple -EU says Qualcomm abused its dominant position by paying billions of dollars to Apple for chip exclusivity (1月24日付け The Wall Street Journal)

◇欧州委、クアルコムに制裁金、勝者総取りに待った、スマホ半導体で「地位乱用」 (1月26日付け 日経)
→欧州連合(EU)の欧州委員会が米半導体大手、クアルコムに対し、スマートフォンの部品販売を巡り公正な競争を妨げたとして9億9700万ユーロ(約1350億円)の制裁金を科した旨。デジタル化の進展でモバイル端末に搭載される半導体の市場は活況だが、「勝者総取り」の仕組みもできやすくなっており、欧州委はそうした状況に待ったをかけた旨。クアルコムは2011〜2016年の間、アップルの「iPhone」などに自社製品を独占供給。その見返りに値引きなどで数十億ドルをアップルに支払い、実質的にライバル企業を締め出していた旨。

【MicronのSATA solid-state drives(SSDs】

競合する各社混み入って、どこが業界初なのか理解が難しくなるところがあるが、Micron Technologyが、同社の新しい64-層3D NAND技術によるenterprise SATA solid state drives(SSDs)を打ち上げている。

◇Micron Puts 64-Layer 3D in Enterprise SSDs (1月23日付け EE Times)
→Micron Technologyの同社64-層3D NANDを用いる初のenterprise SATA SSDは先行品とまったく異なるものではないが、それがポイントの旨。同社は、online取引処理, virtual desktopインフラおよびメディアstreamingなどrotatingメディアが取り扱えないvirtualized workloadsに向けて設計された5200シリーズSSDsを投入の旨。

◇Micron launches industry's first enterprise SATA solid state drives built on 64-layer 3D NAND technology (1月23日付け ELECTROIQ)
→Micron Technology社が、同社の新しい64-層3D NAND技術で構築されたSATA solid state drives(SSDs)、Micron 5200シリーズを打ち上げ、business-critical virtualized workloadsに向けてコスト最適化SATAプラットフォームが得られる旨。

◇Micron launches 5200 series commercial SSD with 3D NAND-Micron claims the 5100 series follow-up is the first enterprise SSD with 64-layer 3D NAND flash.-Micron debuts commercial SSDs with 3D NAND flash (1月23日付け ZDNet)
→Micron Technologyが、同社64-層NANDフラッシュメモリデバイスで構築したSATA solid-state drives(SSDs)、5200シリーズを投入、該新SSDsは、enterprise cloudアーキテクチャーおよびvirtualized workloadsに向けている旨。

【SK Hynixも最高業績】

メモリ半導体の異常な高値でメモリ首位のSamsungがIntelに代わって昨年の半導体サプライヤランキングNo.1にほぼ確実であるが、メモリ2位のSK Hynixも史上最高が相並ぶ直近四半期の業績発表を行っている。

◇SK Hynix fourth-quarter profit rockets to record; chip demand seen surging this year (1月24日付け Reuters)

◇SK Hynix Exceeds Estimates on Resilient Memory Demand (1月24日付け Bloomberg)

◇Chip maker SK Hynix's 4Q net profit doubles to record high-High demand pushes SK Hynix earnings to $3B (1月25日付け Fox Business/The Associated Press)
→SK Hynixの2017年10-12四半期販売高が前年同期比69%増の9 trillion won($8.5 billion)、operating profitがほぼ3倍の4.5 trillion won($4.2 billion)、net incomeが倍増の3.2 trillion won($3 billion)。四半期販売高およびoperating profitとして同社史上最高。「メモリ半導体は技術paradigm変革に重要であり、その価値が上がり続けるよう期待する。」と、投資家に対し同社Chief Financial Officer、Lee Myoung-young氏。

◇SK Hynix enjoys another quarter of record revenues, profits (1月26日付け DIGITIMES)

【台湾ファウンドリー関連】

上記のIntel同様、伸びているもののあまりに熱いメモリ半導体に煽られている感じ方の台湾ファウンドリーであるが、TSMCは、最先端5-nmの生産を目指す台湾南部でのfab起工を行っている。来る6月に引退するMorris Chang氏が指揮する最後の式典とされている。

◇TSMC to break ground for 5nm fab this week-TSMC to start construction of its 5nm fab (1月23日付け DIGITIMES)
→TSMCが、Southern Taiwan Science Park(STSP)の5-nm dimensions半導体を計画しているウェーハ製造拠点の建設開始を今週予定、そこでは2020年に3-nm fabの建設も始まる運びの旨。向こう数年の明確な科学技術展開および運営青写真をもって、同社は主導市場シェアの統合をさらに求めていく、と業界筋の見方。TSMCのchairman、Morris Chang氏は来る該起工式を統轄、6月半ばの引退を控えて同氏による最後の式典になる旨。

◇TSMC breaks ground on 5nm fab in Taiwan (1月26日付け DIGITIMES)
→TSMCが本日26日、Southern Taiwan Science Park(STSP)でのPhase 1拠点、Fab 18の起工式を挙行、該工場は、TSMCの台湾での4つ目の12-インチgigafabであり、同社先端5-nmプロセスの生産を予定の旨。

もう1つ、UMCについて、artificial intelligence(AI)への今後に向けた取り組み打ち上げの一方で、足元の設備投資削減の動きが見られている。

◇UMC Expects AI to Grow to $3 Billion Business-UMC sees AI chips providing $3B in 2021 revenue (1月24日付け EE Times)
→UMCは、edge computingおよび車載機器が離陸して、artificial intelligence(AI)が2021年までに同社売上げ$3 billionの貢献をすると見ている旨。各社ますます自動運転車からcryptocurrency miningまであらゆるものにmachine learningを採用、AIが向こう数年の間最も急成長する市場の1つと予想される旨。MarketsandMarketsによると、グローバルAI半導体市場は2016年から2022年にかけて63%のcompound annual rateで伸びて、2022年までに$16 billionに達する見通しの旨。

◇UMC Slashes Capex (1月25日付け EE Times)
→台湾・UMCが、今年の販売高増が大きく見込めないとして、今年の設備投資を$1.1 billionに減らす旨。2017年の$1.4 billionから約4分の1の削減となる旨。該削減は、激しい競合の渦中での28-nm製品の苦しい売上げからきている旨。

【Samsungの外販化】

メモリ半導体で名実世界トップに急躍進のSamsung Electronicsが、本来内製のモバイルプロセッサ、Exynosの外販化を始めるとしている。該プロセッサ生産用のウェーハプローブカードを台湾メーカーから購入する一方、スマホ半導体でライバルの台湾・MediaTekに対抗する拡販図式となっている。

◇Samsung to sell Exynos processors to other smartphone vendors-Other smartphone makers could buy Exynos processors from Samsung (1月24日付け DIGITIMES)
→業界筋発。Samsung Electronicsが、同社スマートフォン半導体プラットフォームの規模を拡げるために、社内開発のExynosモバイルプロセッサの他のスマートフォンベンダーへの販売を始める計画の旨。このSamsungの動きは、自らのウェーハファウンドリー稼働率を高め、スマートフォン半導体市場シェアを上げることにあり、特に台湾のIC設計、MediaTekが重点化しているmidrangeが対象、Samsungの積極的な活動の矢面に立つ様相の旨。

◇Wafer test specialist CHPT taps into Samsung chipset supply chain-Sources: Chuangwa Precision Test Tech wins Samsung orders (1月25日付け DIGITIMES)
→supply chain筋発。台湾のICテスト装置プロバイダー、Chuangwa Precision Test Tech(CHPT)がSamsung Electronicsのsupply chainに参入、midrangeおよびlow-endスマートフォン向けのSamsungのExynosシリーズチップセット生産サポートに必要なウェーハプローブカードの受注を最近獲得の旨。Samsungの社内開発Exynos applicationプロセッサの一部を社外のmidrange to low-endスマートフォンベンダーに販売する動きが台湾のIC設計、MediaTekへの圧力を高めているが、CHPTほかウェーハプローブカードの台湾のサプライヤには新しいopportunitiesがもたらされる旨。


≪グローバル雑学王−499≫

国家間の合意に基づいて成立し,主に国家間の関係を規律する法、と1つとしてあらわされている「国際法」であるが、

『国際法で読み解く戦後史の真実  −文明の近代、野蛮な現代』
 (倉山 満 著:PHP新書 1116) …2017年10月27日 第1版第1刷

より、外交のルールであると同時に、自国の行為を正当化する武器とも以下で示されている。チトー大統領の後のユーゴの混乱とその後の姿をまとめて知るとともに、クリントン、ブッシュ(息子)、オバマ、そしてトランプに至る米国のそれぞれの代の「国際法」から見た立ち位置を改めて考えている。
当事者能力のあるパートナーとしての裁量が問われている我が国の現時点である。


第5章 冷戦が終結し、世界はさらに野蛮になった …3回に分けパート3

□コソボ紛争――ミロシェヴィチだけが「悪」だったのか
・ソ連が亡び、冷戦が終わった後の1990年代の世界の中心人物
 →セルビアの大統領、スロボダン・ミロシェヴィチ
・複雑な構成の旧ユーゴスラビア連邦
 →「7つの国境、6つの共和国、5つの民族、4つの言葉、3つの宗教、2つの文字、だけど1つのユーゴスラビア連邦」という数え歌
 →6つの国を取りまとめていた指導者のチトーが亡くなった翌年、1981年3月4日、暴動をきっかけに全土に騒乱が広がる
  …セルビア
   スロベニア紛争(1991年)           ⇒独立
   クロアチア紛争(1991〜1995年)        ⇒独立
   ボスニア・ヘルツェゴビナ紛争(1992〜1995年) ⇒独立
   モンテネグロ                ⇒独立
   マケドニア紛争(2001年)           ⇒独立
   コソボ紛争(1996〜1999年)
 →残った共和国はセルビアだけに。自治州だったコソボは残された。
・大セルビア主義を掲げるミロシェヴィチは、コソボ自治州をセルビアに併合しようとした
 →アメリカやNATOはコソボ独立派(アルバニア系)の支援に回った
 →コソボ紛争はセルビア側の敗北に終わった
・クリントン大統領は、ミロシェヴィチとセルビアだけを悪者に
 →果たして、ミロシェヴィチだけが悪なのか

□第三次世界大戦を起こしかけたクリントン
・1999年3月24日、アメリカとNATO軍がコソボ空爆を開始、セルビアを攻撃
 →バルカン半島では、米露が一触即発になるような事態も
・その年の年末、1999年12月31日、エリツィン政権が倒れた
 →エリツィンが掲げた「民主化」の根幹は、「人を殺してはならない」という価値観をロシアに徹底させること
 →エリツィンに冷たく当たってロシアを苦境に追い込み、失脚させたのがクリントン
・エリツィンの代わりに台頭してきたプーチン
 →気に食わない人間は片っ端から排除

□息子ブッシュの失敗の数々
・クリントンの後始末をさせられることになったブッシュ(息子)の時代
 →余計にアメリカの国益を見い出すことは困難に
・9・11テロは犯罪。やられたらやり返すしかない
 →しかし、捕まえたテロリストをグアンタナモで拷問にかけるなど、国際的な非難を浴びることに
 →復仇は国際法上認められてはいる権利であるが、自力救済を超えるものは単なる違法行為でしかない
・イラク戦争が始まった以上はサダム政権の打倒は絶対条件
 →目的を限定できないということは、その戦争は行き着くところまで行かないと終われない戦争になることを意味
・イラク戦争の口実は「大量破壊兵器」がありやなしやの大騒ぎ
 →空振りに過ぎず、イラクにはアメリカがいうような「大量破壊兵器」はなかった

□オバマによる「アメリカ引きこもり」で得した国はどこか?
・2009年に政権を取ったオバマ
 →最悪なのは軍事費を削り、軍を弱体化させたこと
 →覇権国家の地位から滑り落ちることは、最も国益に反する行為のはず
・オバマの8年間の任期で目立つもの
 →ポリティカル・コレクトネス、マイノリティーの台頭
 →保護政策を行う原資を作り出している中間所得層はサイレント・マジョリティー化
・2016年、「アメリカ・ファースト」を掲げるトランプ登場
 →覇権国家は自らの国益を守るべき
 →その意味では、トランプの主張は、何ら筋を外したものではない

□トランプ政権によるシリアへの「警告」空爆
・2017年4月7日、アメリカ・トランプ政権は、化学兵器使用を理由に、シリアを空爆
 →オバマ政権の8年間止まっていた「警告」としての空爆の復活
 →アサド政権が化学兵器を使用した疑いは濃厚
・単なる人道的な介入以上に、周辺国にとってはこれ以上の難民が増えることを阻止してもらえるという意味
 →こういうのは侵略とはいわない
 →国際法とは、外交のルールであると同時に、自国の行為を正当化する武器

□複雑でわかりづらい中東情勢をどう読み解くか
・中東を区別すると、ユダヤ教のイスラエル以外はすべてイスラム教国
・2010年、チュニジアから始まった「アラブの春」
 →エジプト、リビア、イエメンで独裁体制打倒
 →ヨルダン、モロッコ、バーレーンでは、民主化の要求に沿った憲法改正実施
 →シリアでは政府と反政府勢力との対立が内戦に発展、一番悲惨なことに
・アメリカにとって予定外だったのは、同じく反アサドで共闘できるといって、アルカイダやダーイッシュ(イスラム国)までくっついてきてしまったこと
・シリアの内情
 →国家が国家として存立するために必要な当事者能力のある政権維持能力があるのが多数派ではなく少数派
 →多数派に任せれば宗教原理主義に傾く
・アメリカにとって、中東は生命線ではなく、利益線でしかない

□日本はシアターからアクターになれるか
・トランプが求めているのは、当事者能力のあるパートナー
 →日本はその声に、果たしてどう応えるか?
・日本はいま、自らがアクターとなり、舞台に立つ意思と能力が問われる、戦後何度目かの局面
・日本はかつて、世界一国際法を熟知し、遵守することができた国
 →舞台に立つ能力はあり、あとは使いこなす意思と学ぶ意思だけ
 →安倍政権が掲げる戦後レジームからの脱却の鍵は、この「国際法」にあるのでは

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