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半導体も大きく引っ張る好調な世界経済、大型M&Aの復調、IPOsの復活

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記録づくめ、史上最高を大きく更新する世界半導体販売高も各国・地域で大きく寄与して、活況の世界経済の報道がこのところ方々から伝わってきている。米国、韓国、台湾と、市場予測を上回る、あるいは何年ぶりかの実質国内総生産(GDP)の成長が見られており、このところ鳴りを潜めていた半導体業界M&A(合併・買収)がまたぞろ復調、Broadcomがより大規模のライバル、Qualcommに史上最大のハイテク買収を仕掛ける動きがあらわれている。また、半導体startupのinitial public offering(IPO)も中国を主に復活する兆しがみられている。

≪史上最高の熱い市況のなか≫

好調な経済を伝える報道が続いており、半導体関連の見出しが目につくところがある。

◇韓国7〜9月1.4%成長、7年ぶり高水準、半導体牽引 (10月26日付け 日経 電子版)
→韓国銀行(中央銀行)が26日発表した2017年7〜9月期の実質国内総生産(GDP、速報値)は前期比で1.4%増。半導体メモリが空前の活況で、輸出が同6.1%増えたことが成長を牽引。市場予想(0.6〜0.8%)を大幅に上回る伸びとなった旨。成長率はほぼ7年ぶりの高水準。輸出は前期のマイナス2.9%からプラスに転じた旨。牽引役は半導体メモリ。需給が逼迫し、世界2強のサムスン電子とSKハイニックスが輸出を大幅に増やした旨。

◇米GDP、3.0%成長、7〜9月、利上げ路線後押し−市場予測上回る (10月27日付け 日経 電子版)
→米商務省が27日発表した7〜9月期の実質国内総生産(GDP、季節調整済み)速報値は、前期比年率換算で3.0%増。伸び率は4〜6月期の3.1%をほぼ維持し、巡航速度である潜在成長率(2%弱)も上回った旨。個人消費、設備投資、輸出がそろって堅調で、米連邦準備理事会(FRB)の利上げ路線を後押ししそうな旨。

◇Taiwan 3Q17 economic growth hits 10-quarter high (11月1日付け DIGITIMES)
→台湾・Directorate General of Budget, Accounting and Statistics(DGBAS)発。台湾の2017年第三四半期経済成長率について、8月時点の1.89%から今回3.11%に上方修正、2015年第二四半期以降最高の四半期水準の旨。

活況の経済が後押しする動きが、足元で以下の通り相次いでいる。

◇「待ってられない」米大型M&Aの復調 (11月7日付け 日経 電子版)
→・・・税率が定まっていなければM&A(合併・買収)の損得がはっきりしないため、税制変更の不透明感は米企業の大型M&Aも踏みとどまらせていた旨。しかし、こうした膠着状況に変化が出てきた旨。米ドラッグストア大手、CVSヘルスの医療保険、エトナの買収協議や半導体ブロードコムのクアルコムへの買収提案。足元で米企業による10兆円規模の超大型のM&Aが相次ぎ伝わっている旨。米景気は堅調で、買収資金も緩和状態の金融環境を活用でき、M&Aには好条件がそろうが、本来は税制改正を見極めたいところ。それでも米経営者は「もはや待ってはいられないと感じ始めている」(Goldman Sachs Groupの投資銀行共同責任者、Gregg Lemkau氏)旨。

◇株高に3つの追い風、企業業績・世界景気・金融緩和 (11月7日付け 日経 電子版)
→日本株の上昇が加速している旨。7日の東京株式市場で日経平均株価が1996年6月につけたバブル崩壊後の高値(2万2666円)を超え、25年10カ月ぶりの水準を回復した旨。歴史的な株高の背景には好調な企業業績に加え、世界同時好況、金融緩和の継続という3つの要因がある旨。これら追い風は当面続くとの見方から海外マネーが割安な日本株に流入。市場関係者の間でも先行きに強気の見方が広がっている旨。

米中首脳の間でも貿易不均衡を穴埋めする形での巨額の契約が交わされている。

◇米中が28兆円の巨額契約、貿易不均衡是正へ (11月9日付け 日経 電子版)
→トランプ米大統領と中国の習近平国家主席の首脳会談にあわせ、米中企業が総額約2535億ドル(約28兆7700億円)に達する34件の契約を交わした旨。
トランプ氏が中国に貿易不均衡の是正を強く求めたことから、中国企業による対米投資や米国製品の大量購入が中心となった旨。米国製品の購入積み上げでは、米クアルコムの半導体を小米(シャオミ)などスマートフォン大手3社が合計で120億ドル分購入する旨。

このような経済状況のなか、半導体業界において史上最大のハイテク買収が以下の通りあらわれている。ともに通信用半導体を引っ張る最大手であるが、Broadcomがより大規模のQualcommに$130 billionと記録破りの仕掛けとなっている。Broadcomについてはこの11月2日に、Donald Trump米国大統領からhome addressを米国に法的に移転する発表が行われたばかりである。

◇Broadcom Reportedly Plans $100B Bid for Qualcomm (11月3日付け EE Times)
→unnamed筋引用の報道。半導体メーカー、Broadcom Ltd.が、より大規模のライバル、Qualcommに向けて$100 billionを上回る入札を計画、史上最大のハイテク買収となる旨。1つの報道、Reutersニュースサービスによると、Broadcomは$70〜$80/株での入札を計画、$103 billionを上回る総額の旨。Qualcommは該入札は知らされていない、とされている旨。

◇ブロードコムがクアルコム買収検討、米報道、10兆円規模か (11月4日付け 日経 電子版)
→半導体大手のブロードコムが同業クアルコムの買収を検討していることがわかった旨。複数の米メディアが3日、関係者の話として報じた旨。米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(電子版)によると、今週末にも交渉入りする旨。クアルコムの時価総額は911億ドル(3日終値:約10兆3800億円)にのぼり、実現すれば半導体業界で最大の買収となる旨。

正式な本件買収の発表が以下の通りとなっている。

◇Broadcom Launches $103 Billion Bid for Qualcomm (11月6日付け EE Times)
→Broadcom Ltd.が、より大規模のライバル、Qualcommを約$103 billionで買収するunsolicited公開買付けを発表、史上最大のハイテク買収となる旨。Broadcomは、携帯電話半導体の最大メーカー、Qualcommの買収に$70/株を提示、Broadcomの買収提示計画報道が表面化した前日、11月2日のQualcomm株価終値に対し28% premiumの旨。該入札発表に先立ってBroadcomは取引話し合いでQualcommにアプローチしていない旨。

◇Broadcom proposes to acquire Qualcomm (11月6日付け ELECTROIQ)

◇Broadcom Targets Qualcomm in Largest-Ever Tech Deal-Broadcom makes $130B bid to acquire Qualcomm (11月6日付け The New York Times)
→Broadcomが、ライバルのQualcomm買収に向けて$130 billionのcash & 株式で入札しており、完了すれば史上最大のハイテク取引になろうが、Qualcommは該入札を却下する様相の旨。Qualcommは依然NXP Semiconductorsを$38.5 billionで買収しようとしており、EUのantitrust見直しで遅れた取引になっている旨。

◇Broadcom proposes record-breaking $130 billion bid for rival Qualcomm-If the deal is accepted, the combined company would be the third-largest chipmaker in the world (11月6日付け The Verge)

◇Broadcom offers to buy mobile chipmaker Qualcomm for $103 billion (11月6日付け Reuters)

◇米半導体ブロードコム、クアルコムに12兆円買収提案 (11月6日付け 日経 電子版)
→米半導体大手、ブロードコムが6日、同業のクアルコムに買収を提案したと発表、買収額は$105 billion(約12兆円)の見込みで、半導体業界のM&A(合併・買収)で過去最大となる旨。負債の引き受けも含めた総額は$130 billion。買収が実現すれば通信分野の半導体で他社を圧倒する企業が誕生し、世界のIT産業での影響力が強まりそうな旨。買収が成立すれば米インテル、韓国サムスン電子に次ぐ世界3位の半導体メーカーとなる旨。 クアルコムは6日、「財務や法律のアドバイザーと相談しながら取締役会が(ブロードコムの)提案を査定する。株主にとり最善の利益になるよう行動する」との声明を出した旨。買収の成立には各国・地域で独占禁止法の審査も必要になる旨。

◇Qualcomm receives unsolicited takeover offer from Broadcom (11月7日付け DIGITIMES)

肝心のQualcommには寝耳に水というところか、抵抗する構えが伝えられている。

◇クアルコム、ブロードコムの買収提案に抵抗する構え−関係者 (11月6日付け ブルームバーグ)
→米クアルコムは、ブロードコムが準備している1000億ドル(約11兆4600億円)の買収提案を拒否する構えの旨。計画に詳しい複数の関係者が明らかにしたもので、クアルコムの価値を過小評価する内容だと主張する旨。

この買収についての論評が以下の通りみられている。

◇Bargaining chip? China seen closely scrutinizing Qualcomm, Broadcom deal-Broadcom-Qualcomm merger faces China's scrutiny (11月7日付け Reuters)
→BroadcomによるQualcommの買収提案は、中国のregulatorsによる厳しいantitrust精査に直面する可能性、と該分野の法的エキスパート。「これは中国にとって非常に重要な業界であるし、Qualcommは以前にMinistry of Commerceから罰金を課されており、従って注目すべきこと。」とFaegre Baker Daniels law firmのパートナー、Wendy Yan氏。

◇ブロードコム、巨額買収に3つの壁 (11月7日付け 日経 電子版)
→通信用半導体大手、米ブロードコムが6日、同業の米クアルコムに買収提案、負債の引き受けも含めた買収総額は$130 billion(約15兆円)、実現すれば半導体業界で過去最大のM&A(合併・買収)となる旨。ただ大型再編にはハードルも多い。「クアルコムとの合意」「資金調達」「独占禁止法」という乗り越えるべき3つの壁が立ちはだかる旨。

◇Qualcomm buy may pit Broadcom against Intel in 'connected car' fight-Broadcom could target connected cars with Qualcomm (11月8日付け Reuters)
→Broadcomが、Qualcommを買収して特にNXP Semiconductorsが傘下になれば、connected car市場でIntel, Nvidiaなどに対して競争力が一層高まる可能性の旨。Robert W. Baird & Co.のsenior半導体アナリスト、Tristan Gerra氏は、毎年生産される車90 million台のうち12 million台にinternet connectivityがあると見積もっている旨。

そのほかにも半導体業界におけるM&A関連の動きが以下の通りあらわれており、2-3年前の再燃に至るかどうか、注目である。

◇Marvell Technology Group in Advanced Talks to Combine With Cavium -Marvell had market value around $9 billion while Cavium's was above $4 billion-Report: Marvell is in merger talks with Cavium (11月3日付け The Wall Street Journal)
→Marvell Technology Group(Bermuda)が、約$14 billion規模の半導体メーカーを作り出すためにCavium(San Jose, California)との話し合いを進めている旨。半導体業界におけるmergers and acquisitions(M&As)がもう一度加速してきている折りのこの話し合い、Broadcomは1年前にNXP Semiconductorsを買収する計画を発表したQualcommを買収する入札を行っている旨。

◇Lam's Coventor Buy Boosts MEMS Manufacturing-Lam-Coventor tie-up aims to improve MEMS design, manufacturing (11月8日付け EE Times)
→半導体fab装置サプライヤ、Lam Researchが、microelectromechanical system(MEMS)半導体および3D finFETsなどsub-10 nanometer半導体を設計するためのソフトウェアを扱うソフトウェアhouse、Coventorを買収する理由は何か?アナリストは完全に、CoventorがLam Researchに吸収されて、Lamソフトウェアofferingとして見えてくるのみとしているが、SEMIのMEMS & Sensor Executive Congress 2017(MSEC)(SAN JOSE, Calif.)では、両社は分かれたheadquartersにいて、競争のしのぎを削るとしている旨。

上記の米中首脳による巨額契約でも半導体が大きな1つになっているが、そのQualcomm製品の中国スマートフォンメーカーに対する商談の内容、中身が以下の通りである。

◇米中が28兆円の巨額契約、貿易不均衡是正へ (11月9日付け 日経 電子版)
→トランプ米大統領と中国の習近平国家主席の首脳会談にあわせ、米中企業が総額約2535億ドル(約28兆7700億円)に達する34件の契約を交わした旨。
トランプ氏が中国に貿易不均衡の是正を強く求めたことから、中国企業による対米投資や米国製品の大量購入が中心となった旨。米国製品の購入積み上げでは、米クアルコムの半導体を小米(シャオミ)などスマートフォン大手3社が合計で120億ドル分購入する旨。

◇Qualcomm signs $12 billion in China deals amid Trump visit (11月9日付け Reuters)

◇Qualcomm travels with Trump to China, inks $12B deal to supply top Chinese smartphone makers-Qualcomm to sell components to Chinese smartphone makers (11月9日付け The San Diego Union-Tribune)
→nonbinding合意で、Qualcommが、向こう3年にわたって中国のスマートフォンメーカー、Oppo, VivoおよびXiaomiに$12 billionのコンポーネントを供給すると発表、Qualcommのchief、Steve Mollenkopf氏は、Donald Trump大統領の中国でのDepartment of Commerce(DoC)通商派遣団の一員である旨。

M&Aに加えて、半導体関連でのinitial public offering(IPO)の動きも復活する兆しがみられている。ここでも中国メーカーの進出が目を引くところである。

◇Aquantia up 6% following semiconductor IPO-Aquantia completes its IPO, raises $61M (11月3日付け TechCrunch)

◇Semiconductor IPOs Back in Vogue (11月6日付け EE Times)
→通信用ICベンダー、Aquantia(San Jose, CA)の株価が、待望のinitial public offering(IPO)の日に約6%上昇、半導体分野での一連のIPOs復活の最新の動きである旨。Price Waterhouse Coopers(PWC)レポートによると、半導体領域でのstartup活動が高まっており、第二四半期の半導体IPOsが8件で2010年以降最多、このうち5件が中国メーカーであった旨。


≪市場実態PickUp≫

【インテルとAMDの連携】

まったく信じられない!、歴史的な、といったタイトル表現が見られているが、宿命のライバル同士、インテルとAMDが、Core microprocessor(MPU)の設計で連携している。notebookのgaming用でAMDのRadeonグラフィックス技術を取り入れるもので、伸びが目覚ましいNvidiaのgraphics processing units(GPUs)に対抗する動きとなっている。

◇Intel and AMD team up: A future Core chip will have Radeon graphics inside-Absolutely incredible! Intel will ship a chip powered by AMD's Radeon graphics next year to bring top-tier, triple-A games to the thin-and-light notebook market.-Intel partners with AMD to take on rival Nvidia (11月6日付け PCWorld)
→Advanced Micro Devices(AMD)とIntelが、Core microprocessor(MPU)の設計でコラボ、notebook computersにおけるgaming用でAMDのRadeonグラフィックス技術を取り入れる旨。該連携は、AMDおよびIntelについてNvidiaのgraphics processing units(GPUs)との競争力をより高める可能性の旨。

◇Rivals Intel and AMD Team Up on PC Chips to Battle Nvidia-New laptop-computer chip will combine an Intel processor and an AMD graphics unit (11月6日付け The Wall Street Journal)

◇'Historic' AMD Pact Shows Intel's New Reality (11月7日付け EE Times)

【AMDからインテルへ】

上のインテルとAMDの連携が発表されて2日後、こんどは、インテルがAMDの前グラフィックスchiefをchief architectとして迎える人事を発表している。インテルでのedge computingにおける今後の動きに注目である。

◇Intel hires AMD's Raja Koduri to work on high-end, discrete graphics-Koduri, who joins Intel in December, led AMD's Radeon Technologies Group and oversaw the development of its Vega GPUs.-AMD graphics expert hired by Intel (11月8日付け ZDNet)
→Advanced Micro Devices(AMD)でRadeon Technologies Groupを率いたRaja Koduri氏が、来月Intelにchief architect、新しいCore and Visual Computing Groupのsenior vice presidentとして入る旨。同氏は、edge computing技術のgeneral managerも務め、Intelのhigh-end, discreteグラフィックス技術の開発に取り組む旨。

◇AMD's former graphics chief joins Intel as chief architect (11月8日付け VentureBeat)

◇Intel Taps AMD Graphics Chief-Hire marks third attempt at discete GPUs (11月9日付け EE Times)
→グラフィックスプロセッサでAdvanced Micro Devices(AMD)およびNvidiaと接戦を演じているIntelが、AMDの前グラフィックスchief、Raj Koduri氏を採用、新しいcore and visual computingグループのchief architectに就き、Intelでのedge computingにおける新たなinitiativeを引っ張る旨。このニュースは、IntelとAMDがIntel x86をAMD GPUと同じパッケージに入れる製品を作り出すlandmarkコラボを発表した2日後である旨。

【中国のAI半導体startup】

市場の高い評価を得ている中国のAI半導体startup、Cambricon Technologies(北京)が、TSMCの16-nmプロセスで向こう18か月以内にcloud-ベース応用向けプロセッサ半導体を打ち上げることを軸に、今後の取り組みおよび目標が以下の通りあらわされている。

◇AI chip startup sets 1b target-1B devices are goal of an AI chip startup (11月7日付け China Daily (Beijing))
→artificial intelligence(AI)半導体に向けたintellectual property(IP)開発のCambricon Technologies(北京)が、3年以内に同社IP搭載1 billion個を成し遂げたい旨。「中国の高性能AI半導体市場で30%シェアを目指す」と、Alibaba Group, Lenovo Groupなどの投資家が支援するCambriconのCEO、Chen Tianshi氏。

◇Cambricon aims to take 30% of China AI chip market in 3 years (11月7日付け DIGITIMES)
→中国のAI startup、Cambricon Technologies(北京)が、3年以内にAI半導体中国市場の30%シェア獲得を目指しており、Huaweiの新しいflagshipスマートフォンなど1 billion個以上の同社が供給するAIプロセッサ採用を見込んでいる旨。Embedded AI Technology Forum(2017年11月3日:北京)にて、同社co-founder and chief scientist、Chen Yunqi氏は、HuaweiのMate 10はAI機能をサポートするKirin 970プロセッサを特徴としており、次のflagshipモデル、P11も格上げされたKirin 970をまた採用して、HuaweiのAIに向けた動きはAI市場にとって大きな推進力となり、Cambriconの事業を高めていく、としている旨。

◇China AI unicorn Cambricon to launch smart chips using TSMC 16nm process-AI startup will have TSMC make its smart chips (11月9日付け DIGITIMES)
→中国のAI半導体unicorn(評価額が10億ドルを超えるスタートアップ)、Cambricon Technologiesが、向こう18ヶ月以内にcloud-ベース応用向けMLU machine learningシリーズプロセッサ半導体を打ち上げる計画、TSMCの16-nmプロセスで製造、と同社co-founder and CEO、Chen Tianshi氏発表。最近の北京での同社製品プレゼンconferenceにて該計画を発表、データセンターおよび中小型サーバ応用向け推論をサポートするMLU100 AI半導体、および企業のAI R&Dセンター応用をサポートするMLU200半導体を披露の旨。

【iPhone XのBoMコスト】

登場したばかりのApple社のiPhone Xについて、IHS Markitがteardown解析を行い、bill-of-materials(BoM)コストを約$370.25と評価している。
iPhoneでは最高となるとともに、SamsungのGalaxy S8とのコスト&価格対比が以下の通りである。

◇iPhone X BoM Estimated at $370 (11月9日付け EE Times)
→IHS Markitが行なったteardown解析。Appleが最近リリースしたiPhone Xのbill-of-materials(BoM)コストが約$370.25、iPhoneでは今までで最高の旨。64 GBのNANDメモリ搭載iPhone Xの流通価格$999はまたこれまでで最高、Appleは高マージンを維持できている旨。比較のため、Samsungの64 GBのNANDメモリ搭載Galaxy S8のBoMが$302で、流通価格約$720の旨。

◇iPhone X costs Apple US$370 in materials, says IHS Markit (11月9日付け DIGITIMES)
→IHS Markitのteardownエンジニアが新しいApple iPhone Xの物理的解体を完了、64GBのNANDメモリ搭載モデルA1865版のbill of materials(BOM)が$370.25の旨。

【変わる業界構図】

IoT、自動運転はじめエレクトロニクス業界と異業種業界の交流、そして融合がこのところ目覚ましくなってきているが、その一端がここまでということで、特許紛争の構図においても異業種間の紛争が目立ち始めたとのことである。

◇変わる特許紛争の構図、IoT普及で異業種間増加 (11月5日付け 日経 電子版)
→特許紛争の構図が大きく変わり始めている旨。あらゆるモノがネットにつながる「IoT」の普及に伴い、通信大手が自動車メーカーにライセンス料を求めるなど異業種間の紛争が目立ち始めた旨。交渉を巡るルールが未成熟のうえ当事者の相場観や慣習も違い、深刻な対立に陥りやすい旨。


≪グローバル雑学王−488≫

通貨と資本から見た中国のここ10年足らずでの変わりようというものを、

『「米中経済戦争」の内実を読み解く』
 (津上 俊哉 著:PHP新書 1105) …2017年7月28日 第1版第1刷

よりふり返っていく。日々のニュース記事で見ているものの、どうしても細切れになりがちになるが、大きくは、「投資をしてもらう」側から「豊かになって投資をする」側への変身であり、お金の流れの向きと量の変化ぶりである。そして、もう1つ、中国経済の先行き不安から、資産を海外に移す動きの高まりであり、中国政府の統制が随時慌ただしさを感じさせるところとなっている。華僑たちも含めた広い意味での中国人による「資本流出」、老後に備えた蓄えの必要性からくる過剰貯蓄、などとグローバルそして中国国内両面の根深い問題を受け止めている。


第8章 人民元と資本流出

〇中国が資本輸出国に変身
・中国の「発展段階」の変化
 →「貧しくて投資をしてもらう」側から「豊かで投資をする」側へ
 →お金の流れの向きと量に変化
・中国から外に出るお金の流れを制約していた要因が過去数年の間に大きく緩和
 →中国は、先進国でも金を落としてくれる「投資家」として見られるように

〇資産海外移転ニーズの芽生え
・もう1つ、中国経済の先行き不安から、資産を海外に移す動きの高まり
・中国人にとって、10年前は外国より中国の方がずっと「金儲け」をしやすい状況に
 →2009年以降の投資の爆発的増大から、国内で儲かる投資先を探すのが困難に
 →「お札の刷りすぎでお金の値打ちが大きく下がった」という中国人の実感
 →いまの元高の為替レートのうちに、海外に分散投資しておいた方が良いという考え方
・2014年春頃から為替市場の需給の潮目が変化
 →元売りが目立ち始め、「人民元先高」観が薄れていく

〇2015年8月の元安騒ぎ
・2015年8月11日、中国人民銀行はレート(中間値)の決め方を突然変更
 →さらに元安方向へ誘導するようなレートを発表
 →この政策変更は、IMFの運営する通貨単位SDR(Special Drawing Rights:特別引出権)算定の通貨バスケットに人民元を加えるよう中国が要望、IMFの提案をなぞるように履行するもの
・8-9月にかけて記録的な規模の「資本流出」
 →当局は市場介入でこれに立ち向かった
・この事件以来、海外でも中国経済の先行きを不安視する声が高まった

〇「資本流出」の正体
・いま中国で起きている「資本流出」のイメージ
 →元を売る取引の大半は、外国でなく中国企業・中国人によって行われている
 →中国企業・個人に加えて、香港、台湾、シンガポールなどの華僑たちも含めた、広い意味での中国人
・ドル建ての借金は元安(ドル高)が進むと弁済負担が重くなるから、繰り上げ償還する
 …自然な実態、行為
・元締めのIMFの提唱に基づき、以前はお金のイン/アウトの動きを重視
 →いまは資産・負債の変動を重視するように変わった

〇激減した外貨準備は何処へ行った?
・ピークの2014年6月、4兆ドルあった外貨準備
 →2016年末にはいっとき3兆ドルを割り込んだ
・同時期の中国の国際収支上の純資産は、1兆8300億ドルから1兆8700億ドルへと逆に増加
 →政府が持つ外貨準備が急減する一方、直接投資(資産)、貿易与信(資産)などを含むその他資産が増加
 →政府の外貨準備は大きく減ったが、その傍らで民間が保有する外貨資産が増えた
・中国は、2015年末時点で193兆円相当、日本、ドイツに続く世界第3位の対外純資産保有国に

〇「資本流出」の影響は中国よりも周辺国が大きい
・不動産バブル崩壊よりもっと心配すべきこと
 →元安が周辺の東南アジア諸国、台湾や韓国、新興国や資源国など他の国の為替を引きずるように通貨安の連鎖を引き起こすこと
・中国の周辺で将棋倒しのような異変が先に起きる
 →中国の経済規模は、いまやそれほど大きくなっている

〇「資本規制を強化するしかない」 黒田日銀総裁の予言
・国際金融での有名な「トリレンマ」という理論
 …他国の影響を受けない独立した金融政策、為替相場の安定、そして自由な資本移動の3つを同時に成立させることは不可能
 →中国の為替管理政策が直面する「あちら立てればこちら立たず」の状況は、まさにこの理論を地で行くもの
・2016年1月、スイスのダヴォスでの世界経済フォーラム
 →「資本規制を強化すべきだと思う」と、日銀の黒田総裁
・2016年10月、人民元が晴れて5番目の主要通貨としてSDRバスケットに加えられた
 →中国から資金を外に移動させるための行政許認可手続きが強化
  …流入側と流出側で不対称な管理政策
 →この運用強化が行われて以降、「資本流出」は取りあえずの小康状態に

〇過剰債務か過剰貯蓄か
・2016年10月、米国財務省OB、ブラッド・セッツァー氏が注目すべき小論を発表
 →過剰貯蓄を解消しないと過剰債務問題も解消しない
・資金の持ち主が、「第三の道=海外」へ急激に動けば、「資本流出」問題が起きる
 →他方、第三の道を塞げば、過剰な貯蓄は株や不動産の間を右往左往、資産バブルがますますひどくなる恐れが大きい
 →中国の今の過剰貯蓄は、そういうことを起こし得る規模に

〇過剰貯蓄はなぜ生じるか
・これほど大きな過剰貯蓄の原因
 →貯蓄の過多、消費の不振といった中国経済のバランスの悪さ
 →「社会保障が整備されていないせいで、老後に備えた蓄えが必須だから」等々の説明
・投資バブルで生まれた不良債権の処理が進んでいない
 →過剰貯蓄問題がさらに深刻に
・中国の場合、大枚の金を借りられるのは特権的な国有企業や地方政府絡みの企業
 →消滅すべき企業がいつまでも生きながらえ続ける…ゾンビ企業
・貯蓄の過剰を解消するには、国有セクターを中心とした「お金をたくさん借りる経済」に溜まった不良債権の処理をしっかり進めること
 →その実行は政治的に困難

〇中国の資金還流事業に日本も加わるべき
・中国に大量の過剰貯蓄が生まれているということは、貯蓄不足で悩む国・地域が世界のどこかにあるということ
 →過剰貯蓄減らしとして実効性が見込める1つの方法は「資金還流」
・世界的な資金過不足のまだらを平準化することが世界経済の健全性、効率の向上に繋がる
・この資金還流を現実の政策に落とし込む早道
 →中国がいま進めている「一帯一路」やAIIBという舞台の活用
  →世銀やADBと比べて、マンパワー(スタッフ数)がはるかに乏しい
 →世界の圧倒的大勢はすでに「一帯一路」やAIIB事業に期待し協力する方向

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