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半導体設計の自己完結を図る動きが急:アップルおよび中国

スマートフォンで世界を引っ張るアップル、そして世界の製造から市場に変貌を遂げながら半導体業界の自立化を国家政策に掲げて邁進している中国、とそれぞれに中核部品について他社あるいは技術導入に頼らず半導体設計をすべて自前で行う自己完結を図る動きが目立ってきている。技術、ノウハウの蓄積を必要とする回路、デバイス、プロセスなど多岐にわたる半導体設計であり、それぞれに日進月歩の更新を伴うということで、多分に戦略的な取り組み、要素を孕んだ今後の展開、進み具合に注目するところである。

≪自前で開発、展開していく重み≫

アップルがGraphics Processing Unit(GPU)コアについて、長年にわたる英国・Imagination Technologiesからのコア使用を止める動きは、以下の通り前回示したばかりである。

◇Apple Drops Imagination-Can Imagination survive without Apple? (4月3日付け EE Times)
→Appleが何年もの間同社への重要GPU core licenserであるImagination Technologies Group(英国)に対し、新製品でImaginationのintellectual property(IP)を用いないと通知の旨。そのGPUコア技術がAppleのphones, tablets, iPods, TVsおよびwatchesに本質的に備わっているImaginationにとって、これは疑いなく壊滅的な大打撃の旨。しかしながら、AppleのGPU人材採用しまくりに気づいているGPU communityメンバーはこれを避けられない展開と見なしている旨。

◇Apple developing own graphics chips for iPhones, to stop using PowerVR -Led to shares in Imagination Tech crashing around 70%, company valued at more than $2.5 bn in 2012-Apple designs graphics chips; no more PowerVR (4月4日付け Business Standard (India)/Indo-Asian News Service)
→Appleが、Imagination Technologiesに対して15-24ヶ月以内にImaginationのintellectual property(IP)使用を止めると通知、iPhone, iPadおよびApple Watchに向けて自前のcustomグラフィックス処理半導体を設計していく旨。AppleはImaginationのPowerVRグラフィックスプロセッサの長年にわたる顧客であり、売上げの半分を占めている旨。

アップル自社での半導体開発を行う動きが進んでおり、プロセッサ・コア技術を取り入れていたクアルコムへの依存をも下げる取り組みとなっていて、過去の高過ぎた特許料の返還を求める係争について両社間の応酬が以下の通りとなっている。

◇Q'comm Returns Fire in Apple Suit-Chip vendor turns up heat in patent battle (4月11日付け EE Times)
→134ページの提出文書、"Qualcomm Answer & Counterclaims"。

◇Qualcomm hits back at Apple's lawsuit, accuses iPhone maker of false statements (4月11日付け Reuters)

◇米クアルコム、アップルに反論、特許料返還訴訟で (4月12日付け 日経 電子版)
→米半導体大手、クアルコムが米連邦地裁に米アップルの訴えに対する反論を提出、アップルは1月、クアルコムが不当に高い特許料を徴収していたとして連邦地裁に訴えていた旨。クアルコムは各国の独禁法の規制当局から次々に訴えられており、アップルはこの機に過去の取引条件見直しを迫っている旨。反論は10日付。クアルコムは「我々の技術はアップルの成功に不可欠だった。それをアップルは不当に安く買いたたこうと世界で攻撃を仕掛けている」と激しく批判した旨。スマホ向け通信半導体でクアルコムは圧倒的な強さを誇るが、アップルは半導体技術の自社開発を強化している旨。クアルコムへの依存を下げる方向で投資を進めており、それが両社の関係を冷めたものにしている旨。

さらにパワーマネジメントICについても自社開発が進められている。

◇Apple has 80 engineers working on a power chip that could increase battery life (4月11日付け Business Insider)
→Appleが、社内でのpower management向け半導体に取り組んでおり、他社から買ったり、ライセンス供与を受けるのではなく、より多くのコア技術を開発したいとする最新の兆候の旨。Bankhaus Lampeのアナリストが火曜11日、Appleが"PMIC"(power management integrated circuit)に80人のエンジニアをかけている、とclientsに説明の旨。

スマートフォンの世界を引っ張るアップルであり、業界そして各社に与えるインパクトが非常に大きく、今後の展開に目が離せないところである。


次に中国における半導体設計の自前の開発の取り組みについて、Yangtze River Storage Technologyのメモリ技術の事例が次の通りである。

◇Yangtze River Storage mulling development of DRAM tech in-house-Chinese chipmaker may craft its own memory tech (4月11日付け DIGITIMES)
→中国のメモリ半導体メーカー、Yangtze River Storage Technology(YMTC)が、自前のDRAM製造技術の開発を考えており、直接18/20-nm生産に入る可能性の旨。2017年2月以降YMTCのexecutive directorに就任のCharles Kau氏によると、500人のR&Dスタッフの開発グループを充てている3D NAND技術に加えて、同社はDRAM製造技術の社内開発を検討している旨。

この上記のCharles Kau氏は、台湾のDRAM業界から移った方であり、自らの経験を踏まえた以下のコメント内容に注目させられている。

◇Developing memory technology in-house: Q&A with Tsinghua Unigroup executive VP Charles Kau-Tsinghua Unigroup exec discusses memory market (4月14日付け DIGITIMES)
→中国の積極的は半導体投資戦略を引っ張るTsinghua Unigroupのexecutive vice presidentでYangtze River Storage Technologyのacting chairmanを務める前Inotera Memories(台湾)のchairman、Charles Kau氏独占インタビュー記事。同氏の中国の半導体メーカーへの移動などの話題。
「Samsungのグローバルメモリ半導体市場席巻は実際グローバルな問題、中国はSamsungの勢力をバランスさせる新興の力として働けると思われる。」
Q:「Yangtze River Storageは社内でのメモリ開発を何故主張するのか?」
A:「Yangtze River Storageがlicensing合意のもとでのDRAMあるいはNANDフラッシュ半導体生産を決めれば、台湾がDRAM業界の展開で以前に耐え忍んだ失敗および苦痛のプロセスを繰り返すことになる。台湾は、計7-8社が不十分なリソースでしのぎを削って自前のDRAM業界の展開に失敗した。中国は成功するためにリソースを集中させる必要がある一方、自前の技術ノウハウを積んでいく必要がある。我々は断じて他から関連技術の盗用は行わない。」

中国における社内での半導体設計開発はすでにいくつか目にしており、現時点で拾って次の通りである。

◇Zhaoxin to partner with TSMC (4月12日付け DIGITIMES)
→中国・Shanghai Zhaoxin Semiconductor(VIA Technologies[台湾]とShanghai Municipal Governmentが共同所有)のvice president、Cheng Fu氏。同社は、社内で開発したZX-Dシリーズプロセッサを展開予定、2017年後半にShanghai Huali Microelectronics(HLMC)による28-nmプロセス技術を用いて作る旨。その次世代ZX-E 8シリーズについては、ZhaoxinはTSMCと協働、16-nmプロセスを用いて2018年に量産予定の旨。Zhaoxinはx86 CPUs開発に専念、競争力を高めるためにファウンドリーパートナーと密接に進めていく旨。

アップルそして中国ともに、半導体の根幹への今後のアプローチおよび展開に特に当面、目が離せない状況を受け止めている。


≪市場実態PickUp≫

【東芝メモリ入札関係】

以下に示す通り、目につく範囲でも入札の各陣営、そしてその間の日々激しい出入りの状況が続いている。現時点、それもたった今だけとしか言えないが、売却先の有力候補が次の通り表わされる。
 (1) 鴻海精密工業(台湾)
 (2) ブロードコム(米国)
 (3) SKハイニックス(韓国)
 (4) ウエスタンデジタル(米国)
資金の額としては、米アップルやソフトバンクグループに共同出資を要請している(1)、米投資ファンド、シルバーレイク・パートナーズと組む(2)が勝る状況のようである。TSMCは撤退する一方、東芝と協業関係にあるウエスタンデジタルは売却の独占交渉権を強く求めている。

◇Toshiba gets \3 trillion offer for chip unit from Hon Hai (4月7日付け The Japan Times/Kyodo News)

◇Phison mulls bid for Toshiba chip unit-Phison may join group bidding for Toshiba unit (4月8日付け The Taipei Times (Taiwan))
→NANDフラッシュメモリコントローラ・サプライヤ、Phison Electronics社(群聯電子)(Miaoli, Taiwan)が、東芝の支援に向けて投資家グループへのNT$26 billion($849.65 million)の寄与を検討しており、東芝のメモリ半導体部門買収を図る旨。約10%を東芝がもつPhisonは、ここ10年にわたって東芝と強い連携を形成してきており、東芝のメモリ半導体部門の売却に欠席とはいかない旨。

◇日本勢、技術流出防ぐ、東芝半導体入札に参加めざす (4月8日付け 日経 電子版)
→官民で資金を負担する「日の丸連合」で東芝の半導体メモリ事業に出資する計画が浮上した旨。4月中をめどに参加企業を募り、経済産業省などと連携して入札手続きへの参加をめざす旨。東芝側は6月下旬に予定する定時株主総会を目標に売却先を選定する方針。5月の二次入札に向けて米韓台の応札企業との個別交渉が本格的に始まる旨。

◇ITC investigating Toshiba over Macronix complaints (4月10日付け DIGITIMES)
→non-volatileメモリソリューション・プロバイダー、Macronix International(台湾)発。米国・International Trade Commission(ITC)が、東芝およびあるその子会社が行なった通商practicesへの調査を開始、メモリ製品に関する同社の特許を侵害と申し立てている旨。Macronixは、該調査に関連する特許はモバイル機器, カーナビゲーションシステム, wearable機器, ディジタルcamcordersおよびサーバ応用製品で用いられるNANDおよびNORなどフラッシュメモリの製造および回路設計に関するものとしている旨。

◇Toshiba Chip Business Makes Hon Hai Willing to Pay $27 Billion-Report: Foreigners bid up Toshiba chip unit (4月10日付け Bloomberg)
→東芝の半導体事業について海外メーカーが$18 billion〜$26 billionで入札していると言われているが、東芝および日本政府は国内の買い手への売却を望ましいとしている旨。Foxconnとしても知られるHon Hai Precision Industryが、最大の入札額提示といわれ、シャープ獲得の成功体験を繰り返す期待の旨。

◇Phison looking to maintain tie with Toshiba memory-chip business (4月10日付け DIGITIMES)
→メモリデバイスコントローラ・サプライヤ、Phison Electronics(台湾)のchairman、Khein Seng Pua氏。東芝の事業譲渡が行なわれても、Phison Electronicsは東芝のフラッシュメモリ事業との連携維持を図っていく旨。

◇Hon Hai Bids $27 Billion for Toshiba Chip Unit (4月11日付け EE Times)
→世界最大のelectronics contractメーカー、Hon Haiが、東芝の半導体部門買収に3 trillion yen($27 billion)を提示、入札のライバルを上回っている旨。

◇Apple and Google in the Memory Business? (4月11日付け EE Times/Blog)
→Apple, GoogleおよびAmazonとこのハイテク最大手3社が、東芝のメモリ半導体事業への入札に関心との日本からの報道。これは本当か?否認材料がいくつか。情報の出元が示されていないし、各社ともに確認していない旨。

◇Western Digital says Toshiba breaching contract, wants exclusive chip talks-WD challenges sale of Toshiba chip unit (4月12日付け Reuters)

◇東芝「薄氷の再建」険しく、米WD、半導体売却に注文 (4月12日付け 日経 電子版)
→ハードディスク駆動装置(HDD)の世界首位、米ウエスタンデジタル(WD)が、東芝の半導体メモリ事業の第三者への事業譲渡を原則認めないとの意見書を出したことが明らかになった旨。東芝の半導体の高値売却は債務超過の解消に向けた大きな柱。これまでも日本政府や銀行団など、様々な利害関係者の思惑が絡み合い、売却交渉を複雑にしてきており、東芝再建の道のりは一段と険しくなりそうな旨。
WDは昨年5月に170億ドル(約1兆8700億円)を投じて米サンディスクを買収、サンディスクは東芝との合弁工場である四日市工場(三重県四日市市)を運営しており、WDが買収後にその提携関係を引き継いだ旨。東芝とWDは昨年夏に工場内に新製造棟を稼働させ、今後も巨額の増産投資を予定している旨。WDにとっても半導体事業は社運をかけたビジネス。中韓台勢などのライバル企業に東芝メモリの経営権が移ることに危機感を持っており、簡単に妥協できるわけではなさそうな旨。

◇Forming Japanese consortium for Toshiba chip unit seen as difficult task-Will Toshiba Memory have Japanese ownership? (4月12日付け The Japan Times/Jiji Press)
→経済産業省が業界リーダーとともに、東芝メモリに入札する国内コンソーシアム持ち込みを図っている旨。3月後半に完了の入札第1ラウンドでは、Hon Hai Precision Industry, SK HynixおよびWestern Digitalなど海外メーカーだけを引きつけている旨。

◇Japan struggles to keep Toshiba Memory domestically owned-Country's last chipmaker garners interest from only foreign entities (4月12日付け Nikkei Asian Review (Japan))

◇TSMC confirms it is not bidding for Toshiba memory-chip unit (4月14日付け DIGITIMES)

◇東芝の半導体、台湾TSMCが応札断念、CFO「相乗効果ない」 (4月14日付け 日経)
→東芝の半導体メモリ事業の売却を巡って、半導体受託生産最大手、TSMCが応札を断念していたことがわかった旨。13日に台北市で開いた決算説明会で何麗梅(Lora Ho)最高財務責任者(CFO)が「熟考したものの、我々の事業とは異なり相乗効果はない」と話した旨。東芝は2次入札に向けて応札企業との交渉を進めている旨。

◇鴻海、ソフトバンクに協力要請、東芝メモリ買収 (4月14日付け 日経 電子版)
→東芝の半導体メモリ事業の売却を巡って、1次入札に応じた台湾の鴻海(ホンハイ)精密工業がソフトバンクグループに協力を要請したことが14日分かった旨。鴻海は約3兆円と高額の買収額を提示した模様だが、中国や台湾企業への技術流出や軍事転用を懸念する声が出ている旨。鴻海は日本の企業や関係者に働きかけ、状況を打開する狙いがあるとみられる旨。東芝は、いったんWDとの調整を優先させる方針。賛同を得られなければ、2次入札などに影響が出てきそうな旨。

◇Apple considers bidding for big stake in Toshiba chip business: report-Report: Apple may bid for Toshiba chip unit (4月14日付け Reuters)
→匿名筋を引用、NHK発。Appleが、東芝メモリ入札にFoxconnとともに加わる可能性の旨。この新機軸は、入札者自身であるWestern Digitalが東芝と別の会社の間の長年の契約を侵害するものとして該売却に挑んでいることから出ている旨。

◇Toshiba Pares Losses on Report of Apple Investing in Chips (4月14日付け Bloomberg)

◇鴻海、アップルやSBに共同出資要請、東芝の半導体入札 (4月15日付け 朝日新聞DIGITAL)
→東芝の半導体子会社「東芝メモリ」の売却で、1次入札に応じた台湾・鴻海(ホンハイ)精密工業が、5月中旬に予定されている2次入札に向けて、米アップルやソフトバンクグループに共同出資の協力を求めていることがわかった旨。政府が、中国・台湾への半導体技術の流出を警戒しているため、日米企業を巻き込んで懸念を薄める狙いがあるとみられる旨。

【72層3D NAND】

東芝メモリ入札の有力候補の一角、韓国・SK Hynixが、現時点の半導体市場活況を支えるキーワード、3D NANDフラッシュメモリの高密度化の階段を競合各社に先駆けて高みに達している。驚異的とも言える開発速度による72層到達が以下それぞれに表わされているが、先行するSamsungとの実力の詰め具合を今後の市場データで注目するところとなる。

◇SK Hynix develops industry's first 72-layer 3D NAND-SK Hynix has successfully developed a 72-layer 256 Gigabit Triple Level Cell(TLC) 3D NAND flash, leapfrogging rivals Samsung and Toshiba.-SK Hynix vaults over rivals with 72-layer 3D NAND (4月10日付け ZDNet)
→SK Hynixが、triple-level cell(TLC)の72-層3D NANDフラッシュメモリデバイスを生産、32 gigabytesのデータが蓄えられる旨。Samsung Electronicsおよび東芝が64-層3D NANDフラッシュメモリを開発しており、SK Hynixは東芝の半導体部門買収に向けて積極的な入札を行っている旨。

◇SK Hynix intros 72-layer 3D NAND flash (4月10日付け DIGITIMES)
→SK Hynixが、同社triple-level cell(TLC) arraysおよび自前の技術に基づく72-層256Gb 3D NANDフラッシュメモリ半導体を投入の旨。同社は、2016年4月に36-層128Gb 3D NAND半導体を打ち上げ、2016年11月以降48-層256Gb 3D NAND半導体を量産しており、僅か5ヶ月で72-層256Gb 3D NAND半導体を開発の旨。

◇SKハイニックス、半導体垂直積層で新記録 (4月11日付け 韓国・中央日報)
→メモリ半導体業界はデータを保存するセルを平面に増やす限界に直面すると、縦に積む3次元(3D)技術で容量を拡大、SKハイニックスの場合は48段が最高だった旨。10日に同社が発表した技術はこのセルを72段まで積み上げるもの。この技術で256ギガビット(Gb)容量を実現したNAND型フラッシュメモリ半導体を開発した旨。
これまでサムスン電子が64層に積み256Gb NAND型フラッシュを量産したが、72段積層は今回が初めて。サムスン電子が第4世代製品である64段積層を昨年末に量産し始めたが、ハイニックスが72段を今年下半期に量産を開始すれば両社の3D NAND型フラッシュ技術格差は1年以内に縮まる旨。
3D NANDは、人工知能、ビッグデータ、クラウドのおかげで需要が大きく膨らんでおり、市場調査機関のガートナーは今年のNAND型フラッシュ市場規模は465億ドル、2021年には565億ドルに達すると予想している旨。

【メモリが引っ張る市場】

NANDフラッシュの価格の過熱ぶりが第二四半期にいったん冷めて、第三四半期にまた盛り返す、と東芝と強く連携しているNANDフラッシュメモリコントローラ・サプライヤ、Phison Electronics(台湾)の見方である。

◇NAND flash prices likely to see correction in 2Q17, says Phison chairman (4月12日付け DIGITIMES)
→Phison Electronicsのchairman、Khein Seng Pua氏。NANDフラッシュ価格がここ数ヶ月にわたって過度に上がっているが、第二四半期後半に下方修正の様相の旨。しかしながら、末端市場需要が急増、第三四半期に再び上昇する見込みの旨。半導体メーカーの2Dから3D NANDメモリの移行が続いて、供給が逼迫、価格を上げている旨。

メモリが引っ張る勢いが続くなか、Gartner社の本年半導体業界販売高予測が、今となっては昔懐かし、二桁%増に上方修正されている。

◇Gartner Ups Chip Market Growth Forecast to 12% -Gartner revises 2017 forecast to 12.3% growth (4月13日付け EE Times)
→Gartner社(Stamford, Conn.)が木曜13日、本年の半導体業界販売高について12.3%増の$386 billionと見込む旨。2016年後半に勢いを得ている好ましい市場状況が、2017年および2018年ともに半導体市場の見通しを押し上げている旨。commodityメモリ市場が引き続き主な牽引役となっており、本年の経過につれ市場伸長予測がより楽観的となる見方が続く旨。

◇Gartner: Worldwide semiconductor revenue forecast to increase 12.3% in 2017 (4月14日付け ELECTROIQ)

【AMDの新分野への取り組み】

AI、自動運転など各社が繰り広げている新分野への取り組みのなか、今回はAMDのVirtual Reality(VR)対応に向けた以下のM&Aに注目している。コードなしのVR headsetsが、パソコンあるいはゲーム機につながる展開である。

◇AMD Brings In More Virtual Reality Capabilities By Acquiring Nitero's IP And Talent-AMD buys Nitero in push for AR/VR tech (4月10日付け CRN.com (U.S.))
→Advanced Micro Devices(AMD)が、augmented/virtual reality(AR/VR)半導体を開発するNitero(Austin, Texas)のintellectual property(IP)を買収、AMDはNiteroのエンジニアを採用、NiteroのCEO、Pat Kelly氏はAMDでワイヤレスIP、vice presidentの役職に就く旨。

◇AMD to cut wires from VR headsets with Nitero acquisition-Nitero's WiGig intellectual property will help AMD link wireless VR headsets to PCs (4月10日付け CIO.com/IDG News Service)

◇AMD Betting on Wi-Fi to Open Up Virtual Reality-Why AMD bought Nitero's Wi-Fi tech (4月13日付け Bloomberg)
→Nitero(Austin, Texas)は、通常のlatencyなしで高解像画像を描写できる60 gigahertz Wi-Fi半導体を設計、該技術はvirtual-reality(VR)応用に役立つ旨。Advanced Micro Devices(AMD)はNiteroの技術を買収、コードあるいはwireなしにVR headsetsをPCsあるいはゲームconsolesにつなぐ旨。

【新メモリ工場の打ち上げ】

まずは注目の中国。Tsinghua Unigroupが、南京で3D NANDフラッシュおよびDRAMに向けた工場の起工を行っている。

◇Tsinghua Unigroup breaks ground for Nanjing plant-Tsinghua Unigroup begins construction on new memory fab (4月11日付け DIGITIMES)
→中国メディア発。中国・Tsinghua Unigroupが最近、Nanjing(江蘇省南京市)のメモリ工場を起工、3D NANDフラッシュおよびDRAM半導体の製造を行う旨。約100 hectaresの面積の該工場建設は、2段階で行われ総投資約$30 billion、2019年までに完了予定の旨。

もう1つ、Giheung(器興)、Hwaseong(華城)に続くSamsungの大拠点、世界最大の半導体工場とされるPyeongtaek(平沢)が、この夏に製造を始める運びとなっている。

◇Three-legged Chip Cluster Completed-Samsung Electronics to Start Operating World's Largest Semiconductor Factory -Samsung starts up the "mother fab" (4月12日付け BusinessKorea magazine online)
→Samsung Electronicsが今夏、Pyeongtaek(大韓民国京畿道平沢市)の同社最新ウェーハfab拠点で3D NANDフラッシュメモリデバイスの製造を開始、Giheung(器興区)のシステム半導体工場およびHwaseong(華城市)のDRAM fabに加わる旨。2017年後半の間はPyeongtaekでのNAND生産は限定的とし、その後スマートフォンなどの製品用3D NANDフラッシュメモリのhigh-volume製造を行っていく旨。


≪グローバル雑学王−458≫

米国トランプ政権がシリアへのミサイル攻撃を発動、ロシア、スウェーデン、そしてエジプトとテロ事件が相次いで、世界の激動を目の当たりに知らされる現時点で、世界の政治&経済情勢への一層の注目の必要を説く

『経済大変動 「日本と世界の新潮流」を読み解く60の視点』
 (伊藤 元重 著:PHPビジネス新書 368) …2017年1月6日 第1版第1刷発行

を読み進めてきたが、今回で終えることになる。世界そして国内とこのところの推移、実態を改めて知った、知らされたところ多々である。次回から読み進める新書も現時点の世相を反映して、激変の世界に別の視点から迫っていく期待でいる。


第5章−2 今、世界では何が起こっているのか−重大ニュースから読み解く未来のカタチ

◆テロ、移民、新興国の低迷…… 世界的なリスクが与える経済への影響
・2015年11月13日、フランスで大規模なテロ事件が発生
 →それまでは中東で起きている問題だった
 →世界経済にもたらす影響について懸念の声が広がるように
 →自由な人や物の流れが前提となっている世界経済に大きな影響が及ぶ
・2001年の9・11のテロ事件
 →その後の世界経済は悪化するどころか、歴史始まって以来の成長率を実現することに
 →主役が、BRICsに代表される新興国や途上国
・今回はどうだろうか?
 →そのBRICsが世界経済のリスク要因に
 →米国では景気回復が続き、当分は世界経済の牽引車となることが期待
  →万が一にも9・11事件規模のテロが再び起きないことを強く願う
【視点56】仏での同時多発テロ事件は世界経済の萎縮を懸念させるに十分だった。米国が世界経済の鍵を握る今、米国で大規模なテロが起きれば、国際経済への影響は計り知れない。

◆難民問題、日本の選択が問われている
・世界のあちこちで政治的混乱が続き、難民の数が増えている
 →どのように支援の手を差し伸べるのかということは、先進国共通の課題
 →日本も難民問題に積極的に取り組まなくてはならない
・日本も、国際情勢の現実を直視しなくてはいけない
 →どこまで移民や難民を受け入れるのかということが大きな政治的な問題に
 →欧州でこれから起きることを注意深く見て、日本の将来の選択と対応に活かす必要
【視点57】日本に大量の難民や移民が押し寄せてくる可能性はゼロではない。受け入れるか、制限するか、制度的な面とあわせて真剣に取り組んでいかなければならない。

◆気候変動が自動車業界を変える
・2050年までに自動車1台当たりの温暖化ガス排出をどれだけ削減しなくてはいけないか
 →90%は削減しなくてはいけない、とある自動車メーカーのトップの方
 →2050年までにすべての自動車を電気自動車(EV)か燃料電池車にしなくてはいけない
・地球気候変動は大変な問題だが、それへの対応も産業や社会の姿を大きく変える力に
【視点58】温暖化ガスの国際的な規制目標が与える自動車産業への影響は甚大だ。しかし、この機会を前向きにとらえ、技術変革やよりよい社会を実現する原動力とすべきである。

◆フォルクスワーゲン社の不正を他山の石とせよ
・自動車業界を大きく揺るがしているフォルクスワーゲン(VW)社の排ガス性能の不正
 …規制当局の検査のときだけ条件を満たすようなソフトウェアが組み込まれていた
・現場で行われる不正をチェックすることが管理体制の役割
 →そこに経営陣は責任を負っている
 →問題が発生したら、どれだけ速やかに必要な対応をとれるかどうかで、その企業の評価が決まる
・ジョンソン&ジョンソン社の鎮痛剤、タイレノールの事例
 →すべての商品を回収して、安全な商品に置き換え
 →本当に毒が混ぜられていたかどうかもわからない段階での素早い対応、同社に対する評価は非常に高くなった
【視点59】VW社の不正は、組織的な隠蔽にせよ、現場の暴走にせよ、経営トップの責任が大きく問われるべき不祥事だ。今後は、その対応の手際に対する評価に注目したい。

◆日本企業はアマゾンに勝てるのか?
・改めて見せつけられた、世界的な通販業者、アマゾンが持っている価格パワー
 →アマゾンは、品揃えと低価格で他の店を潰してきた大型量販店、カテゴリーキラーのキラー
 →カテゴリーキラー以上の品揃えと価格の安さ
・ニトリ、ユニクロの強み
 →自前の企画商品、それも他では購入できないような特徴のある商品を提供するSPA(製造小売り:Speciality store retailer of Private label Apparel)
・大手コンビニなどプライベートブランド(PB)の商品も同じような狙い
 →有力なメーカーは小売業と組んでメーカーと小売りのダブル・ブランドなどの商品を展開するという動きも
  →セブン&アイ・ホールディングスとキリンビールの例
【視点60】世界的通販業者・アマゾンの持つ品揃えと低価格の影響は日本にも及んでいる。今後の小売業はアマゾンが扱えない独自の特徴を持った商品を生み出す必要がある。

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