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半導体業界の脈打つ動きから…東芝分社、米国新政権、新技術分岐

この時期、半導体業界各社の今後に向けた事業戦略、新分野・新技術への取り組みの打ち上げが行われる例年であるが、今年は一層波乱含みの落ち着かない展開が見られている。まずは、分社に向かう東芝を巡る株式売却の買収戦に、有望なNANDフラッシュということで世界の競合、ファンドのエントリーについて連日注目の動きである。Trump新政権の動きが世界にインパクトを与えている中、半導体でもインテルのArizona最先端拠点の打ち上げが大統領とともに発表されている。そして、ISSCC開催の時節、新技術への取り組みについて主要プレーヤーの分岐が目を引いている。

≪落ち着かない波乱含み≫

東芝の分社による株式売却の買収について、韓国からの端的な見方である。

◇世界半導体市場、東芝の株式売却で買収戦が激化 (2月8日付け 韓国・中央日報)
→半導体「銭の戦争」が再び始まった。1990年代、DRAM市場で広がったいわゆる「チキンゲーム」が「大量生産、格安販売」の出血争いだったとしたら、今回の競争は未来市場の先行獲得に向けた最重要企業の株式買収をめぐってだ。

本件について連日、世界の業界各紙からの発信が以下の通りであり、予断を許さない展開となっている。

◇東芝、混迷の半導体分社、出資「魅力乏しい」との声 −5陣営程度が提案 (2月6日付け 日経 電子版)
→東芝の再建策が混迷を深めている旨。分社する半導体子会社への出資提案に対し事業会社や投資ファンドなど5陣営程度が応じたもようだが「2割未満の出資では魅力が乏しい」との声が漏れる旨。東芝本体への出資やグループ会社の売却なども模索するが自己資本の押し上げ効果が不透明、3月末の期限に向けて時間との戦いになっている旨。

◇Micron, Hynix Reportedly Seek Stake in Toshiba (2月7日付け EE Times)
→メモリ半導体大手、Micon Technology社およびSK Hynix社などが、東芝のメモリ半導体部門におけるstake買収に向けて先週末までに入札した5社である旨。火曜7日のReutersニュースサービスによると、東芝はライバルの半導体メーカーからの投資ではなく、private equity入札筋への半導体事業minority stake売却を好んでいる旨。

◇Toshiba Draws Bids for Chip Business-SK Hynix, Foxconn and Western Digital place bids for a stake in Toshiba's computer-chip business (2月7日付け The Wall Street Journal)

◇韓経:SKハイニックス、東芝半導体に3000億円ベッティング…「サムスン追撃」 (2月7日付け 韓国経済新聞/中央日報日本語版)
→SKハイニックスが東芝の半導体事業への出資に乗り出した旨。NAND型フラッシュメモリ世界市場2位の東芝の技術力を確保するための旨。入札したところが多くないため、株式取得に成功する可能性は高い旨。半導体業界によると、SKハイニックスは3日、東芝がNAND事業の株式売却のために東京で行った入札に参加した旨。東芝が売却する株式は優先株だが、推進中のNAND事業の分社が完了すれば、その会社の普通株19.9%に転換できる旨。

◇SK hynix bids for 20 pct stake in Toshiba's memory chip business-Toshiba gets multiple bids for chip unit stake (2月7日付け Yonhap News Agency (South Korea))
→SK Hynix, FoxconnおよびWestern Digitalなどが、NANDフラッシュメモリデバイスの大手サプライヤ、東芝の半導体事業におけるminority equity stake買収に向けて入札している旨。SK Hynixは、NANDフラッシュ強化に向けて20% stakeに対して$2.62 billionを提示している旨。

◇SKハイニックス、東芝半導体子会社への出資提案 (2月7日付け 日経 電子版)
→韓国・SKハイニックスが、東芝が分社化を計画している半導体子会社への出資を提案したことが7日、分かった旨。韓国メディアが一斉に報じ、金額は3兆ウォン(約3000億円)前後とみられる旨。SKハイニックスは、東芝が世界シェア2位の主力半導体「NAND型フラッシュメモリ」で5位。SKハイニックスは、NAND事業で東芝と競合する一方、次世代メモリの開発では提携関係にある旨。東芝との提携関係を強化し、首位の韓国サムスン電子を追撃する狙いがある旨。

◇SK Hynix offers $2.6bn for stake in Toshiba chip business -South Korean chipmaker wants to bulk up against Samsung Electronics (2月7日付け Nikkei Asian Review (Japan))

◇SK Hynix joins bid for Toshiba flash business (2月8日付け DIGITIMES)

◇東芝、半導体メモリ新会社への入札本格化−台湾・鴻海が名乗り (2月8日付け 日刊工業)
→東芝が3月末をめどに分社する、半導体メモリ事業の新会社への入札が本格化している旨。協業する米ウエスタンデジタル(WD)のほか、同マイクロン・テクノロジー、韓国SKハイニックスといったメモリメーカーが名乗りを上げる中、異色と言えるのが台湾・鴻海精密工業。東芝との連携強化で、半導体市場への足がかりを得たい考えの旨。

◇Toshiba receives bids as high as $3.6 billion for chip business stake: source-Source: Toshiba chip unit bids run up to $3.6B (2月9日付け Reuters)
→本件直接関係筋、木曜9日発。東芝が、同社フラッシュメモリ事業の19.9% stakeについて2000億円〜4000億円($1.8-3.6 billion)に及ぶ入札を得ている旨。

◇東芝、半導体の新会社を複数社に売却意向、外部の影響力弱める狙い (2月10日付け 日経)
→東芝が分社する半導体メモリの新会社の株式を複数社に売却する方針であることがわかった旨。外部資本の受け入れを2割未満に抑える考えで、出資企業側は新会社株の19.9%をさらに分け合う形となる旨。東芝は半導体メモリを分社後も中核事業と位置付けており複数社に出資してもらうことで外部企業の影響力を抑える狙いがある旨。

今後どう落ち着いていくか、引き続き注目するところであるが、次に、米国新政権を巡って、これも世界の動揺を連日の報道が示している中、半導体関連業界においても以下の目まぐるしい動きが見られている。まずは、一時的な入国禁止措置に対する反応である。以下の推移の後、連邦裁が命令差し止めとした現時点となっている。

◇Former top diplomats, tech giants blast immigration order as court showdown looms-Appeals court rules against immigration ban (2月6日付け The Washington Post)
→いくつかの世論調査および抗議声明が多くのアメリカ人の反対を示しており、9th US Circuit Court of Appealsが、Donald Trump大統領の一時的な入国禁止措置の中止命令を支持の旨。Apple, NetflixおよびGoogleなどハイテクメーカー数社が禁止を無効にするよう該裁判所に督促、優秀な従業員の採用をさらに困難にしている旨。

◇米ITの97社、入国制限反対の書面、アップルなど (2月7日付け 日経 電子版)
→アップルやグーグルなど100近い米IT企業が5日、イスラム圏7カ国の市民らの入国を一時禁止する米大統領令を違憲として提訴した西部ワシントン州を支持する書面をサンフランシスコの連邦控訴裁(高裁)に提出した旨。
トランプ大統領の措置は「米国の企業、イノベーション、そして成長に著しい損害を与える」と訴えている旨。

そんな中、驚かされたのがインテルのArizona最先端Fabへの投資発表であり、Trump大統領が執務室の机に座る隣に立って、同社CEO、Brian Krzanich氏が行っている。建屋はすでにあって空いたままになっている拠点に7-nm対応設備を入れていく計画の模様である。

◇Intel to Spend $7 Billion on Arizona Fab-Analysts speculate Fab 42 for EUV installation (2月8日付け EE Times)
→Intel社のChief Executive Officer(CEO)、Brian Krzanich氏が水曜8日Washingtonへ行き、White House内の大統領執務室、Oval OfficeにてDonald Trump大統領のそばに立って、Arizonaの半導体fab、Fab 42への$7 billion投資を発表の旨。Chandler, Ariz.のFab 42は、2013年末に完成以降、空き家で設備も入っていないままの旨。

◇Intel uses White House Oval Office for splash on Arizona factory-Intel will spend $7B on fab building (2月8日付け Reuters)
→IntelのCEO、Brian Krzanich氏がDonald Trump大統領とともにOval Officeで記者会見。Intelは、Arizonaの同社工場の装備に$7 billionを投じ、3,000 new jobsを直接作り出す旨。この未完成の製造拠点はこの10年空いたままであり、立ち上げ&稼働に3-4年かかる旨。

◇Intel investing $7 billion in Chandler facility, creating 3,000 high-wage jobs (2月8日付け Phoenix Business Journal)

◇Intel announces $7B investment in next-gen semiconductor fab in Arizona (2月9日付け ELECTROIQ)

◇Intel announces US$7 billion investment for 7nm fab (2月9日付け DIGITIMES)
→Chandler, Ariz.の該high-volume工場は、7-nm製造プロセス使用を目指し、microprocessors(MPUs)を生産する旨。

インテルと同様、新政権の要請に対応する格好にも見えるが、台湾・鴻海傘下のシャープが米国での液晶パネル工場の建設を発表している。

◇Japan's Sharp may break ground on $7 billion U.S. plant in first half :source (2月8日付け Reuters)

◇米工場新設「シャープ主導で」、首脳が認識示す (2月8日付け 日経 電子版)
→シャープ首脳が8日、台湾の鴻海(ホンハイ)精密工業と共同で検討している米国での液晶パネル工場新設について、シャープが主導するとの認識を示した旨。新工場を運営するパネル生産会社へシャープか、両社が共同出資するテレビ用パネル生産会社(堺市)が出資する旨。鴻海以外の企業からの出資を募る考えも表明。今年前半にも着工し2020年までの稼働を目指す考えの旨。

最後に、新技術の取り組みについて枝分かれに注目させられた2点である。
3D XPointメモリ技術の製品化について、インテルとMicronがそれぞれの道を歩むという見方が1つである。

◇Intel's Optane faces threat as Micron chases future QuantX tech-Micron is researching second- and third-generation 3D Xpoint storage technology-Intel and Micron diverge on 3D XPoint products (2月3日付け ITWorld.com/IDG News Service)
→IntelとMicron Technologyは3D XPointメモリ技術の開発で協働していたが、両社がIntelのOptaneおよびMicronのQuantX製品ラインで別々の道を進んでいる旨。Micronは最近アナリストに対し、同社は2017年末までに少量のQuantXメモリを出荷する計画と話している旨。

もう1つ、以下にも示す今年のISSCCであるが、7-nm技術の取り組みについてTSMCとSamsungの分岐が以下の通り見られている。上記のインテルとともに今後の最先端の微細化に注目するところである。

◇TSMC, Samsung Diverge at 7nm-TSMC's 7nm SRAM sees "healthy" yields-TSMC, Samsung will differ on making 7nm ICs (2月8日付け EE Times)
→SamsungとTSMCが7-nmプロセス技術の取り組みについて2つの非常に異なる今回の見え方、両社ともに次世代nodesの代表的なkey driver、SRAMsについてプレゼンの旨。TSMCの論文は、商用品として通るテスト半導体について述べ、"健全な"歩留りとしている旨。Samsungは、明らかにリサーチ用デバイスの補修に向けたextreme ultraviolet(EUV) lithographyの使用を述べ、7-nmはまだ数年先としている旨。


≪市場実態PickUp≫

【ISSCC 2017から】

半導体デバイスのオリンピックという思い入れが長らく強い恒例のInternational Solid State Circuits Conference(ISSCC) 2017(2017年2月5日〜9日:San Francisco)が開催され、主要各社の講演、論文プレゼンについての記事から以下目に入ったいくつかである。

◇TSMC Calls for New EDA Paradigm (2月6日付け EE Times)
→TSMCのvice president of R&D、Cliff Hou氏基調講演。今日の半導体設計のcomplexityに追いつくために、エンジニアには新しい部類のtoolsが必要である旨。「半導体設計の難題を打開する新しい設計paradigmが必要であり、いまこそ我々の設計paradigmを進化させるとき。設計領域の小さな部分しかカバーしていない。」

◇TI Sees New Exponential Drivers-TI exec looks beyond scaling (2月6日付け EE Times/Blog)
→Texas Instruments(TI)のchief technology officer(CTO)、Ahmad Bahai氏の全体講演。トランジスタscalingが高価になる一途、半導体の明日の急激な伸びは、専門化したプロセスおよび設計methodologiesを合わせて焚きつけられる旨。車載radarプロセッサ用ミリ波高周波ICsなど新しい型の半導体は、mixed技術に依存する旨。

◇Intel Shows 2.5D FPGA at ISSCC-EMIB forms lower cost 2.5D bridge-Intel details FPGA with 2.5D packaging (2月7日付け EE Times)
→Intelが、同社Stratix X FPGAについての論文で2.5D実装に対する低コスト化代替の最も詳細を説明、同じセッションでAMDが、Intelの最新14-nm CPUsより10%小さいdieのZen x86プロセッサを披露の旨。該Stratix Xは、FPGAを4個の外部transceiversとつなぐのにIntelのEmbedded Multi-die Interconnect Bridge(EMIB)を用いている旨。該bridgeは、BGA基板搭載シリコンdieを用いて作られており、TSMCが開発したCoWoSプロセスで用いられ、およびライバルのFPGAベンダー、XilinxおよびGPU設計のNvidiaが用いているシリコン基板よりかなり小さい旨。
EMIBは、各96 I/Osの最大24 transceiver channelsをサポートするのに55 micron micro-bumpsおよび100+ micron flip-chip bumpsを合わせて用いている旨。独自固有のprotocolを用いて1.2 pJ/bit/dieで2 Gbits/second/pinが得られる旨。

全体的な見え方がまとめられている。IoTそしてAI(人工知能)など新分野の高まりが映し出されている。

◇16 Views of ISSCC-IoT rising at big chip design event (2月10日付け EE Times)
→かつてISSCCにてheadlinesを席巻した大規模プロセッサおよび豊かなメモリは今年も見られるが、Internet of Things(IoT)に向けたslimセンサ、ワイヤレスコンポーネントなどの大きなうねりがますます高まっている旨。以下、続く注目内容:
 Sigfox slashes IoT node costs
 Authentication on an IoT budget
 Image sensors get smarter
 Disposable chip detects diseases
 Sensitive sensor, fast oscillator
 The x86 shrinks in size and power
 IBM plugs into fast servers
 Deep learning draws attendees
 Deep learning packs in the MACs
 STT MRAM hits 4 Gbits
 Fired for award-winning work
 Cold future of quantum computing

【M&A取引の阻止】

半導体関連M&Aについて、中国に対する米国の警戒感があらわされたばかりであるが、米国Cree社のパワー&高周波部門のドイツ・Infineonへの売却に米国政府から以下の通り待ったがかけられている。

◇Infineon, Cree warn U.S. might block Wolfspeed deal-US may stop Infineon-Cree deal over security (2月8日付け Reuters)
→InfineonおよびCree、水曜8日発。米国政府が、Wolfspeed PowerのInfineon Technologiesへの$850 million売却について国家安全の観点をめぐって阻止する可能性の旨。Creeの子会社、Wolfspeedは、アメリカ軍などの顧客が用いるgallium nitride(GaN)-ベースデバイスを供給している旨。

◇Cree-Infineon Deal Challenged by U.S. Government (2月9日付け EE Times)
→LEDメーカー、Cree社(Durham, N.C.)が同社Wolfspeed Power and RF部門をInfineon Technologies AGに売却する$850 million取引が、米国政府委員会、Committee on Foreign Investment in the United States(CFIUS)により今のままでは承認が難しく、暗礁に乗り上げる可能性がある旨。

【シリコンウェーハ出荷】

2016年の世界シリコンウェーハarea出荷がSEMIから発表され、面積総計は過去最高を更新するものの売上げは滞る流れが続いている。以下のここ10年の推移に示す通りである。

◇Annual silicon volume shipments remain at record highs (2月7日付け ELECTROIQ)
→シリコン業界年次推移:

 2007  2008  2009  2010  2011  2012  2013  2014  2015  2016
  Area Shipments (MSI:100万平方インチ)
 8,661 8,137 6,707 9,370 9,043 9,031 9,067 10,098 10,434 10,738
  Revenues ($B)
 12.1  11.4  6.7  9.7  9.9  8.7  7.5  7.6  7.2  7.2
(注) 半導体応用向けの出荷が対象、solar応用は含まない

◇Wafer revenues languish-SEMI: Wafer shipments rise 3%, revenue 1% (2月7日付け Electronics Weekly (U.K.))

◇Annual silicon volume shipments remain at record highs (2月7日付け DIGITIMES)
→SEMI発。2016年の世界シリコンウェーハarea出荷が2015年比3%増、一方、シリコン売上げは同1%増。
              2015年  2016年
 シリコンウェーハarea出荷 10.434  10.738  billion平方インチ
 シリコン売上げ      $7.15   $7.21  billion

【中国市場での動きから】

中国のスマートフォン市場について、中国地場メーカーの伸びが高まって、Appleが初めてシェアを落とす事態となっている。

◇iPhone Share Drops in China for First Time (2月8日付け EE Times)
→IDC発。中国現地製のhandsetsがますます消費者に受け入れられて、中国のスマートフォン市場のAppleのシェアが初めて低下、ランキングの中国メーカー・ビッグ4(Oppo、Huawei、Vivo、Xiaomi)のシェアが、2015年の46%から2016年は57%に高まっている旨。
・2016年第四四半期の中国市場スマートフォンベンダー・トップ5
http://www.eetimes.com/document.asp?doc_id=1331325&image_number=1

その中国メーカーも自前設計のプロセッサ導入を図る動きが見られ、Huaweiに続くXiaomiという現時点である。

◇China's Xiaomi to Take On Top Tier With Smartphone Chip of Its Own-Struggling at home but with global aspirations, it looks to join the likes of Apple, Samsung and Huawei -Report: Xiaomi to debut a custom phone chip (2月9日付け The Wall Street Journal)
→Xiaomiが、自ら設計したモバイルプロセッサを搭載したスマートフォンを投入する計画、この同社カスタム"Pinecone"プロセッサは、Huawei Technologiesの自前シリコンを開発する動きに従っており、AppleおよびSamsung Electronicsが何年もやっていることである旨。

半導体fab拠点構築について、GlobalFoundriesのChengdu, China(成都)での$10 Billion計画がスタートしようとしている。

◇Plan for $10 Billion Chip Plant Shows China's Growing Pull-GlobalFoundries to spend $10B on China fab (2月10日付け The New York Times)
→GlobalFoundriesが土曜11日、Chengdu, China(成都)のウェーハfab拠点を起工、建設および設備装備に約$10 billionかかる見込みの旨。同社はまた、ドイツ、シンガポールおよび米国の現状fabsの拡張を発表の旨。

【人材引き抜きの噂】

中国の12-インチファウンドリーメーカーから台湾・UMCのR&Dチーム50人を引き抜きという記事があらわれたが、UMCの即打消しの応答が見られている。半導体新興市場に付き物の展開ではある。

◇China foundry reportedly headhunting from UMC (2月6日付け DIGITIMES)
→業界筋発。UMCのR&Dエンジニア50人ほどのチームが、中国の12-インチファウンドリー、Huali Microelectronics(HLMC)に引き抜かれている旨。
HLMCの28-nm技術量産移行をできるだけ早める目的の旨。UMCは該憶測を否定の旨。

◇UMC denies reports on employee poaching from China (2月6日付け The China Post)


≪グローバル雑学王−449≫

米国のトランプ新政権がスタート、"Make America Great Again"の選挙スローガンに基づく矢継ぎ早の大統領令が連日、世界に動揺を与えている現時点であるが、タイムリーにこれに合わせて現下の新しい流れを読み解く書、

『経済大変動 「日本と世界の新潮流」を読み解く60の視点』
 (伊藤 元重 著:PHPビジネス新書 368) …2017年1月6日 第1版第1刷発行

を今回から読み進めていく。半導体業界でもスマートフォンに続く引っ張るキーワードとしてIoT、AIへの熱い注目が席巻している状況があるが、ここでも章のスタートは、今後のビジネスを変えるこれら最新技術の本質に目を向けている。


≪まえがき≫

・トランプ大統領登場によって経済の風景がどう変わっていくか
 →それまでの経済を見直すことも重要

[トランプ大統領登場と、トランプリスク]
・1981年に大統領に就任したレーガンとの共通点が少なくない
 →強いアメリカの復活を訴え、既存の政治勢力を批判
 →大統領就任時にトランプ氏は70才、レーガン氏もほぼ70才と高齢
・レーガン政権の初期には大胆な減税と歳出増
 →金利上昇とドル高が先行している現状は似ている面
・両政権の類似点で気になるのは、新興国への影響
 →新興国が巨額の債務を抱えていること、そして足元で新興国の通貨が大幅に安くなっていることは、大きな懸念材料
・トランプ政権のもうひとつの懸念は、トランプ氏が選挙期間中に保護主義的な発言を繰り返してきたこと
 →連想されるのが、1980年代から1990年代にかけて起こった厳しい日米貿易摩擦
  …いろいろな産業や分野で、日米で続いた厳しい応酬
・レーガン政権時代の経験がどこまで今後の予測材料になるかはわからない
 →共通の要素が多くあることも事実

[チャイナリスクと先進国の長期停滞]
・米国経済と並んで影響力の大きな経済、中国経済
 →ニューノーマルへの移行という大きな転換点
  …輸出産業から内需産業へ
  …製造業からサービス産業へ
  …投資から消費へ
 →ソフトランディングできるかどうかは不透明
・グローバル経済のもうひとつの注目点、secular stagnation(長期停滞)
 →先進国全体を覆う経済停滞
  →主な理由:1)リーマン・ショックの尾を引く後遺症
        2)いっせいに少子高齢化に直面

[底流にある経済のトレンドを見極める]
        3)イノベーションと成長の関係
・経済成長の中で技術革新や産業構造の変化などによって説明される部分
 …TFP(total factor productivity:全要素生産性)
・米国経済では、1880年ごろから1980年ごろまで、このTFPが非常に高い水準
 …黄金の100年
 →残念ながら、1980年以降は、米国のTFPは低い水準に
 →日本では、米国から遅れること10年、1990年ごろからTFPの顕著な低下
・最近注目を浴びることが多いAI(人工知能)、IoT、ビッグデータ、ロボットなどの技術革新
 →2つのポイント:1)技術革新のスピードが加速している
          2)あらゆる分野がこの技術革新の影響を受けながら大きな変化を遂げようとしている
・経済では、常に出てくる新しい動き
 →トランプ大統領の登場などはその典型
 →新しい動きについて考察することも重要、同時に底流にある経済のトレンドをしっかりと見極めることも重要

第1章−1 最新技術が変えるビジネスの未来地図 −AI・IoTの本質を読み解く

□技術革新は私たちに何をもたらすのか
・「社会を本当に変えるのはイノベーションである」
 …AI、IoT、ビッグデータ、ロボットなど、技術に関わる話は、つねに注目しておく必要
 →期待ができる2つの理由:
  ゝ蚕儚弯靴離好圈璽匹加速化してきている
  ⊆匆颪里曚箸鵑匹△蕕罎詈野が、情報技術によって大きな変化の波にさらされている
・情報革命は光の部分だけではない
 →ロボットやAIによって奪われる雇用、サイバー攻撃にさらされる企業や社会的インフラなどの問題は深刻
 →情報化の光と影、両方の面から技術革新の行方を見守る必要

◆人工知能は人間の仕事を奪うのか?
・ネット上の自動通訳は、音声認識と自動翻訳の機能の両方を活用
 →一生懸命に英会話を勉強するよりも、機械が翻訳しやすい日本語を話す勉強をした方がよいかも
  →最近の技術進歩をみていると、もはや冗談ではなくなってきたよう
 →自動翻訳や自動通訳の機能は、あと10年もすれば完成する可能性も
・コンピュータが人間の能力を超える分野が広がる世界
 →コンピュータに仕事や生活を奪われるのではなく、コンピュータを使いこなして生活をより豊かにする必要
【視点1】人工知能が人間の能力の限界を超える日は近い。私たちはその来たる日に備えて、豊かな生活のために人工知能を活用する方法を編み出す必要がある。

◆「シンギュラリティ」の衝撃−学習能力の深化によって人工知能は人間を超える
・人工知能を備えたコンピュータが、世界の囲碁のチャンピオンを負かした
 →該人工知能ソフトを作成したのは、グーグル傘下の英国のベンチャー企業、ディープマインド社
・deep learning…いくつもの経験をすることによってパターンを認識する能力
 →人工知能が新しいステージに到達
・人工知能が人間の能力を超えることが好ましいこととは限らない
 →「シンギュラリティ」現象
  …人工知能が人間の能力を超えた時点からは、人工知能の学習能力が深化することで、人間との差が広がる
【視点2】人工知能は自ら「学習」することで、これまで不可能だった無数のパターンが認識可能となった。私たち人類はこうした人工知能を「知恵」によって制御すべきだ。

◆影響力の大小がビジネスの成功を左右する−スーパースターの経済学に学ぶ
・なぜ、一流のプレーヤーは、最高レベルの高校教師の何100倍もの収入が稼げるのか
 →その活躍が、テレビやインターネットなどを通じて非常に多くの人に伝えられる
・ビジネスの世界での成長の秘訣
 →社会的リーチの長さや広がりをいかに拡大していくのかということにかかっている
 →フランチャイズビジネスはその典型
・情報技術の革新は、すぐれたノウハウやビジネスを世の中に広げていく大きなチャンスを提供
 →AIによるサービスは、こうしたノウハウを広げていく活動を様々な分野で可能に
・クラウドやAIは、これまで局所に閉じ込められていたノウハウや知見を世界中の人に広く利用可能にする道を開いた
【視点3】ビジネスでは、商品やサービスが働きかける対象が広ければ広いほど、利益が増える。今後はAIや技術革新によって、その影響力の範囲が飛躍的に広がる可能性がある。

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