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Intel Developer Forum(IDF)に見る10-nmファウンドリー&新分野移行

Intel Developer Forum(IDF)(2016年8月16-18日:サンフランシスコ)が開催され、パソコン用プロセッサを主導、1990年代の始めから世界半導体サプライヤランキングの首位を引っ張り続けているIntel社の動きにまたも注目である。新たな軸足への移行が喫緊求められる中、この春は人員削減を行い、パソコンから新しい事業分野の売上げ比率を高めている最中にある。今回は、モバイルをリードするライバル、ARMと連携するという大きな動きに出て、持ち前の最先端プロセス技術を活かす"10-nmファウンドリー"が新たな強化策として打ち上げられている。

≪PCの後に向けた取り組み≫

最先端プロセス技術によるファウンドリー事業に入って何年か経ち、2015年末にはFPGA大手、Alteraを買収しているIntel社が、こんどはARMと連携、10-nmファウンドリーに取り組む構図が次の通り打ち上げられている。

◇Intel Grabs ARM for 10nm Foundry-Best density claimed in 10nm node (8月16日付け EE Times)
→annual Intel Developer Forum(2016年8月16-18日:SAN FRANCISCO)にて。Intelの10-nmプロセスが他のファウンドリーより優れる可能性、およびLG Electronicsなどに向けてARM-ベースモバイル半導体を作るのに用いられる、と披露の旨。この動きを可能にするよう、IntelはARMのArtisan部門と連携、64-ビットコアの1つのreference設計を該プロセスに移植している旨。該ニュースは、Intelのプロセス技術における強みの継続を固めている旨。それはまた、依然駆け出しのファウンドリー事業がモバイル市場に完全に参加する必要性を強調している旨。これとは別に、Spreadtum(中国)がIntelの現在の14-nmプロセスでモバイル半導体を作り、加えてIntelの14-nm Stratix 10 FPGAsは、現在の2.5D技法より低コストとなる新規実装技術を用いて来四半期サンプル配布の旨。

業界でのこの動きへの受け止め、反応が以下の通り続いている。

◇Intel to Build 10nm Mobile Chips for ARM-Intel will produce ARM chips under licensing deal (8月16日付け eWeek)
→Intelが、同社モバイル製造事業を高める狙いの動き、ライバルのARM Holdingsと連携してARM設計ベースのモバイル機器用プロセッサを製造する旨。該取引はまた、ARMにIntelの先端生産拠点へのアクセス権を与えている旨。

Appleからのモバイル関係受注を期待する見方が表わされている。

◇ARM pact will help Intel woo Apple into new chip deal (8月16日付け CIO.com/IDG News Service)

◇Intel Licenses ARM Technology to Boost Foundry Business (8月16日付け Bloomberg)

韓国のLGが、10-nmファウンドリー、ARM-ベースモバイル半導体の最初の顧客とされている。

◇Korea's LG plans to make its own mobile chips - in Intel's factories-The move could be a blow to Qualcomm.-LG will tap Intel's facilities to make chips (8月16日付け Recode)
→LG(韓国)がIntel conferenceでのプレゼンにて確認、同社は自らのモバイル半導体の製造をQualcommに頼るのでなく、Intelの工場で生産する旨。
Samsung Electronicsの後についている該韓国phone-makerは、より薄い10-nm半導体を作り出す新しいIntelの技術へのアクセス権を得る旨。

◇ARM, Intel team up for 10nm (8月17日付け DIGITIMES)
→IntelがIntel Developer Forumにて16日、同社ファウンドリー顧客向け10-nm設計プラットフォームがこのほどARM Artisan physical IPへのアクセスが行なえ、最先端ARMコアおよびCortex-シリーズプロセッサベースのPOP IPなどがある旨。Intelはまた、ファウンドリー事業で協働している数社を披露、Achronix Semiconductor, Altera, LG Electronics, NetronomeおよびSpreadtrumなどであり、それらの中でLGEが、Intelの10-nm設計プラットフォームベースのモバイルSoCsを生産する旨。

スマホ市場での低迷打開に向けた致し方ない決断という見方がある。

◇インテル、英アームからライセンス、半導体受託生産 (8月17日付け 日経 電子版)
→米インテルが16日、ソフトバンクグループが買収を決めた半導体設計の英アーム・ホールディングスと提携すると発表、アームが開発した半導体のライセンス供与を受け、受託生産(ファウンドリー)事業の顧客向けに生産する旨。モバイル機器市場に強いアーム仕様の半導体も作ることで受託生産の規模を拡大、半導体の性能を高める微細化技術でのリードを守る旨。
16日にサンフランシスコで開幕した開発者向けの年次会議「IDF16」で幹部が明らかにした旨。インテルは回路線幅が10-nmの半導体を生産できる最新設備を使って、アーム仕様の半導体を生産、韓国のLG電子から最初の生産委託を受けた旨。生産規模を維持・拡大する目的で2013年に本格参入した受託生産のためとはいえ、ライバルのアームからライセンス供与を受ける決断は、インテルにとってはスマホ市場を巡る戦いで白旗を揚げたに等しい旨。

◇インテル、名捨て実取る、アーム仕様の半導体生産、受託生産の拡大狙う (8月18日付け 日経)
→米インテルが半導体の受託生産(ファウンドリー)事業の拡大に向け、ソフトバンクグループが買収を決めた半導体設計の英アーム・ホールディングスと提携、「独自設計・自社生産」の原則を見直し、アームの回路設計図に基づく半導体を顧客向けに生産する旨。モバイル機器やあらゆるものがネットにつながる「IoT」市場の成長をにらみ、名を捨てて実を取った格好の旨。

IDFと併催のAlteraイベントでのIntelのCEO、Brian Krzanich氏のプレゼン概要である。

◇Intel to Accelerate Altera, Says CEO-Krzanich: ARM cores, long lead times OK (8月18日付け EE Times)
→IntelによるAltera買収に伴って、Altera SoC Developer Forum(ASDF)が今やIntel SoC FPGA Developer Forum(ISDF)に。その最初のISDFイベント(SAN FRANCISCO)にて、IntelのCEO、Brian Krzanich氏。年末前にAlteraのflagship, Stratix 10 FPGAsの出荷を約束、Intel brandをまとい、Intelの14-nmプロセス技術を用いるとともに、同社embedded multi-die interconnect実装技術を用いる最初の半導体となる旨。

今回のIDFでの新分野への移行関係であるが、まずは、Atom半導体を今後自動運転車、internet of things(IoT)およびvirtual reality(VR)に向けていくとしている。

◇Intel's new Atom chips for cars and IoT could shed their ugly mobile past-The next-generation of Atom chips will be detailed at Intel Developer Forum next week.-Intel shifts Atom chip line from mobile devices to cars, IoT, VR (8月11日付け TechHive/IDG News Service)
→モバイル機器への取り組みが上手くいかなかった後、Intelの低電力Atomプロセッサが、自動運転車、internet of things(IoT)およびvirtual reality(VR)における応用向けに準備されている旨。Intel Developer Forum(2016年8月16-18日:サンフランシスコ)にて、Atom半導体はまたdronesおよびロボット用途で披露される予定の旨。

パソコンに続くイメージが、それらの応用に向けられている。

◇Partners Hope Internet Of Things Will Take Center Stage At Intel Developer Forum-Intel to emphasize AI, IoT, VR at developer forum (8月15日付け CRN.com (U.S.))
→Intel Developer Forum(2016年8月16-18日:SAN FRANCISCO)では、artificial intelligence(AI), 自動運転車, internet of things(IoT)およびvirtual reality(VR)がまさにPCのような日常製品になっていく今後にIntelが向かっている旨。同社はまた、データセンターを強調、channelパートナーおよび付加価値resellersを喜ばせる戦略の移行の旨。

◇Intel is leaving PCs behind to highlight VR and IoT at IDF-This week's Intel Developer Forum is Intel's most important ever as the company lays out a new future (8月15日付け Network World/IDG News Service)

中でも、IoT関係のプレゼンが次の通りである。

◇Intel IoT Executive: We're 'Uniquely Positioned' To Partner For The Internet Of Things-Intel's push into IoT can "spell opportunity" for partners (8月17日付け CRN.com (U.S.))
→Intelのvice president and general manager of Internet of Things(IoT)、Venkata Renduchintala氏、水曜17日のkeynoteプレゼン。Intelは、主として5Gに重点化、急に進展しているIoT領域へのさらなる推進を図る旨。

Microsoftと組むWintelの新たな取り組み、ヘッドマウントディスプレー(HMD)端末「プロジェクト・アロイ」が、以下の通り発表されている。

◇Wintel Reunites in Mixed Reality-Intel's Project Alloy cuts cord on headsets (8月16日付け EE Times)
→IntelとMicrosoftが、Windows 10に向けたmixed-realityプラットフォームでコラボ、Intelからの新しいdepth-sensingカメラを伴うこの活動はannual Intel Developer Forumでの基調講演で興奮をもたらしたが、PC減少の大きさに見合う新しいWintelプラットフォームの定義づけには及ばなかった旨。Intelはワイヤレスhead-mounted display(HMD)で活動に寄与、来年後半そのハードウェアおよび無料ソフトウェアを出していく旨。該HMD、Project Alloyは、IntelのRealSense 3Dカメラを用いて、ユーザがsix degrees of freedom(3次元において剛体が取りうる動きの自由度)で動き、手を使って仮想空間を制御できるようにする旨。

◇米インテルが独自のVR・AR端末、2017年に仕様公開 (8月17日付け 日経 電子版)
→米インテルが16日、仮想現実(VR)や拡張現実(AR)の世界を体験できる独自のヘッドマウントディスプレー(HMD)端末「プロジェクト・アロイ」を発表、外部のコンピュータに接続せずに本格的なVR映像を楽しめるのが特徴の旨。

Googleはじめ人工知能(AI)応用が目玉の流行りとなっているが、Intelもそれに向けたXeon Phi "Knights Mill"プロセッサを打ち上げている。

◇Intel Unveils Upcoming Xeon Phi Chip Aimed at AI Workloads-Xeon Phi "Knights Mill" chip for AI applications debuts (8月17日付け eWeek)
→Intelが来年出荷するXeon Phi "Knights Mill"プロセッサは、データセンターにおけるartificial-intelligence(AI)応用に対応する旨。該半導体は、IntelのAI startup、Nervana Systems買収に基づく旨。

◇Intel unveils next-generation Xeon Phi chips for A.I. (8月17日付け VentureBeat)

◇Intel Unveils Plans for Artificial-Intelligence Chips -Expects to deliver new version of the Xeon Phi processor next year (8月17日付け The Wall Street Journal)

◇インテル、AIサービス向けチップ実用化、2017年にも (8月18日付け 日経 電子版)
→米インテルが17日、米サンフランシスコで開催した開発者向けイベントで、来年にも人工知能(AI)を使ったサービス向けに最適化したチップを実用化すると発表、AIの性能向上のカギとなる「機械学習」や「ディープラーニング」を使った計算処理に適した形に設計する旨。自然言語や画像の認識などで進化が加速しそうな旨。中国のIT大手、百度などが採用する予定、データセンターのサーバ上で動くAIでデータを処理し、分析効率を上げるサービス向けの需要を狙う旨。

今回のIDFでは新たな応用分野に向けたプラットフォームがいくつか登場、あるいは進展しており、引き続き注目である。すぐ下に示すように、本年前半の半導体サプライヤランキングではIntelは首位をキープしているもののSamsung以下の追い上げがさらに急となっている。埋めて積み上げていく今後の推移に注目していく。

◇19 Views of IDF16-PC giant aims to play a new tune (8月19日付け EE Times/Slideshow)
→今年のIntel Develop Forumにて、Intelは、machine vision, Internet of Things(IoT), FPGAs, machine learningなど新しいプラットフォームの広範な一式をもって弾みよく突き進んでいる旨。PCに置き換わるものはないが、その陣容でいつかそのgapを埋める以上のものがある可能性の旨。


≪市場実態PickUp≫

【2016年前半の半導体サプライヤランキング】

IC Insightsにより今年前半の半導体サプライヤランキング・トップ20が表わされ、業界各紙の取り上げとともに以下の通りである。1-3月と4-6月に分けた四半期伸び率が注目されており、上記のランキング首位を維持するIntelは-1%と落とす一方、2位のSamsungは11%増と二ケタ伸長組に入っており、Intelとの差を一層詰める形になっている。

◇Seven Top-20 semiconductor suppliers show double-digit gains in 2Q16 (8月15日付け ELECTROIQ)
→IC Insightsが今月後半リリースするAugust Update to the 2016 McClean Report発。2016年前半の半導体サプライヤランキング・トップ20、下記参照。
http://electroiq.com/wp-content/uploads/2016/08/2q16-fig-1.png
トップ20社の本社が位置する国:
 米国     8
 日本     3
 台湾     3
 欧州     3
 韓国     2
 シンガポール 1

◇Seven Top-20 Semiconductor Suppliers Show Double-Digit Gains in 2Q16-MediaTek and AMD register the fastest 2Q16/1Q16 growth rates of 32% and 23%, respectively (8月15日付け IC Insights)

◇7 Top 20 Semi Companies Have Double-Digit Q2 Growth-Although the top-20 semiconductor companies’ sales increased by 7% in Q2 over Q1, seven companies achieved a double-digit Q2/Q1 jump in sales, says IC Insights. (8月16日付け Electronics Weekly (U.K.))

◇MediaTek, AMD sales surge in 2Q16, says IC Insights (8月17日付け DIGITIMES)

【中国を巡る動き】

中国関係については常に注目して取り上げを要する状況が続いているが、今回も然り、まずは、アップルによる研究開発センター新設の動きであり、中国初となる。

◇Apple to boost China investments as demand slows (8月16日付け Reuters)

◇アップル、中国に初の研究開発センターを建設か (8月17日付け iPhone Mania)
→アップルのCEO、ティム・クック氏が、同社が中国に初の研究開発センターを新設することを明らかにしている旨。スマートフォン市場の飽和傾向を明確に見せている中国であるが、ティム・クック氏は4ヶ月で2度も訪中、それでもなおアップルにとっては重要な市場と思われる旨。同センターは、中国におけるエンジニアとオペレーション・チームを統合するばかりでなく、協業パートナーや大学などとの関係をより深めるための場となることが明らかにされており、かなり大規模なものとなる見込みの旨。

M&Aで2件。中国の投資コンソーシアムによるドイツ・Osramの照明事業買収が1つである。

◇Osram to Focus on Semiconductors Again (8月17日付け EE Times)
→最近2016年7月以降新たに命名されたOsram(Munich, Germany)の一般照明lamps事業、Ledvanceが、戦略的投資家のIDG, 中国の照明メーカー、MLSおよび証券投資家のYiwuから成る中国のコンソーシアムにより400 millionユーロ超ほどで買収される運びの旨。cash取引と並んで該コンソーシアムは、商標権のライセンス合意についてOsramに追加のロイヤルティを支払う旨。該取引でOsram GmbHはかなり縮小、半導体に再び重点化していく旨。2015年度で一般照明がOsramの売上げ約2 billionユーロの約40%に上っている旨。

もう1つ、中国のIC backendサービス、Nantong FujitsuによるAmkor Technology(米国)買収の動きである。この分野では、台湾でASEがSPILを買収したばかりで、今後の収まり具合に注目である。

◇China market: Nantong Fujitsu reportedly to acquire Amkor, says paper (8月17日付け DIGITIMES)
→中国語・Economic Daily News(EDN)発。中国のIC backendサービスのNantong(南通:江蘇省) Fujitsu Microelectronicsが、Amkor Technology(米国)を買収する旨。実現すれば、Nantong Fujitsuは、中国最大のIC backendサービス会社、並びにAdvanced Semiconductor Engineering(ASE)(台湾)に次ぐ世界第2位のそれとなる旨。

以下は半導体製造装置についての概観であるが、中国の国内開発の下りの中身が注目するところである。

◇China's Capital Equipment Market To Boom-IC gear vendors to benefit from China's chip plan (8月18日付け Semiconductor Engineering)
→中国政府の"Made in China 2025"計画が、ウェーハ製造拠点建設の投資増加につながっており、完成すると半導体製造装置で満たされる必要がある旨。中国政府は、海外サプライヤ依存を減らすべく半導体製造装置の国内開発を強めている旨。

【中国スマホ市場の激動】

またまた中国になってしまうが、ここでは現下のグローバルスマホ市場に注目している。中国ベンダーが伸びて、この第二四半期で全体の44.1%を占めるとのこと。そして、ベンダー別では、あのXiaomi(小米)の急速な位置づけ低下に気づかされている。

◇Digitimes Research: China vendors ship over 145 million smartphones in 2Q16 (8月11日付け DIGITIMES Research)
→Digitimes Research発。2016年第二四半期に中国ベンダーがグローバルに出荷したスマートフォンが145.9 million台、前四半期比13%増、前年同期比22.9%増、グローバル全体の44.1%を占める旨。海外市場に出荷されたスマートフォンが58.6 million台、前四半期比20.7%増、前年同期比17.7%増。ベンダー別出荷シェア:

Huawei Technologies
18.8%
Oppo
11.5%
Vivo
9%
Xiaomi Technology
9%
TCL
5.3%
ZTE
5.3%
Lenovo
4.7%
GiONEE
4.5%
Meizu
2.5%
Coolpad
2.1%

◇スマホ「風雲児」の面影なく、小米の急失速 (8月17日付け 日経産業)
→中国・小米(シャオミ)がスマートフォン市場で急失速している旨。2010年の創業から一気に世界販売シェア3位に登り詰めたが、昨年には勢いを失い、ついに今年は世界販売トップ5から完全に姿を消した旨。中国国内でも昨年の首位から5位に転落、客離れが著しい旨。中国ではメーカーが雨後のたけのこのように現れては消え、また現れては消える、こうした企業に共通するのは目先の利益を優先し、中長期的な視野に立つ計画性の無さにある旨。

【今年これから伸びるのか?】

今年後半の半導体市場について、なかなか定まらない見方を方々受け止めているが、台湾では、今年のIC生産額の伸びの予測が市場の戻し基調を受けて大幅に上方修正されている。

◇IEK raises forecast for IC sector's output growth in 2016 (8月13日付け Focus Taiwan)
→台湾・Industrial Technology Research Institute(ITRI)のIndustrial Economics and Knowledge Center(IEK)が、今年の台湾IC分野の生産額の伸びについて、5月時点の1%増から、今回7.2%増のNT$2.43 trillion($77.64 billion)と上方修正の旨。IC設計の需要増およびメモリ半導体価格の戻しを反映している旨。
第二四半期のモバイルDRAMは、上記の中国スマホベンダーが引っ張って、Samsung筆頭に以下の状況となっており、後半どうなるかにこれも注目である。

◇Samsung's share in mobile DRAM market hits record high in Q2-Samsung reaches record 61% share of mobile DRAM market, study says (8月17日付け Yonhap News Agency (South Korea))
→業界tracker、DRAMeXchangeがまとめたデータ。第二四半期のグローバルモバイルDRAM市場、トップ3サプライヤ:
 Samsung Electronics Co. $2.42 billion シェア61.5%
 SK hynix社        $ 988 million    25.1%
 Micron                    11.4%
Huawei, OPPOおよびVivoが引っ張る中国brandedスマートフォン出荷拡大、並びにモバイルDRAM市場のbit供給伸長が、トップ3すべてに利益をもたらし、Samsungは最高を記録の旨。

◇Global 2Q16 mobile DRAM revenues increase 17%, says DRAMeXchange (8月19日付け DIGITIMES)
→DRAMeXchange発。2016年第二四半期のグローバルモバイルDRAM販売高が、前四半期比17.2%増の$3.93 billion。

【3-D XPoint】

MicronとIntelが共同で打ち上げた新しいメモリ技術、3-D XPointも約1年になるが、両社よりsolid-state drives(SSDs)での披露が以下の通り進められている。

◇Micron, Intel Prepare to Launch XPoint Memory -3D XPoint products to come to market from Micron, Intel (8月15日付け EnterpriseTech)
→Micron Technology社が先週のFlash Memory Summitにて、Intel社と共同開発した3-D XPoint("cross point"と読む)メモリ技術の新ラインを展開する一方、solid-state drives(SSDs)で該技術を披露の旨。Micronは、向こう12ヶ月にわたって3-D XPoint技術ベースの新しいメモリ製品を投入予定、その展開には前進させて採用を促進するecosystemを必要とする旨。
一方、Intelは先月、3-D XPointメモリ技術ベースのOptane SSDsをまた2016年末までに市場投入するとしており、4月には2 Gb/secの速度で動作するOptane SSDsを披露している旨。

上記のIntel Developer Forum(IDF)でのIntelの3-D XPointの現状が以下の通り。メモリ自体の中身はまだよく見えないところとなっている。

◇Intel will provide early access to fast Optane SSDs via the cloud-Intel's Optane SSDs nearly ready for cloud testing (8月16日付け CIO.com/IDG News Service)
→solid-state drive(SSD)の速度記録を破れる新種のストレージ&メモリ、IntelのOptane SSDsが、まもなくcloudでのテストの用意にある旨。
3D XPoint技術ベースのOptaneは、標準SSDsより10倍高速、従来のDRAMsに置き換え可能の旨。


≪グローバル雑学王−424≫

前回取り上げた英語力のほかに、我々がグローバル人材に育っていくための不可欠な条件、すなわち、情報力、「個」の力、ロジック力、そして人間力について、

『世界に負けない日本 −国家と日本人が今なすべきこと』
 (薮中 三十二 著:PHP新書 1045) …2016年5月27日 第一版第一刷

より著者のどうすべきか、どうあるべきか、に触れていく。豊富な外交の経験に立脚した著者の具体的なアプローチ、やり方に照らし合わせて、業界の動きを追って今後の方向性を考えている立場から共感するところ多々と受け止めている。


第1章 グローバル人材五大必須条件−「微笑と言い訳」だけでは世界に屈してしまう =後半=

2 情報力――世界で本当に起きていることに無知な日本

・英語で実際に話さなくては。まず必要なことは世界情勢を的確に把握すること
・欧米の新聞は、情報量と分析力が優れていて、世界情勢の把握に不可欠な道具
 →こうした新聞記事を読み解く習慣を

■英字新聞の読み方
・残念ながら英語を読みこなす能力はネイティブにかなわない
 →どの記事が大事かを嗅ぎ分ける能力。これも慣れ
 →切り取るに値する記事、すこし時間が経っても役立つ記事を探すのが大事
・インターネット、テレビよりニュース源として世界の動きをフォローすれば、大体の流れが見えてくる

■世界の流れを正確に読み解くために
・何度もニュースになり始める時
 →何度も同じ話題が複数の新聞で取り上げられると要注意
  →2015年の初夏からの、シリア難民のヨーロッパへの急増のニュース
  →日本の新聞では、何ヶ月もの間、この関連の記事が取り上げられることはほとんどなかった
 →2015年9月2日のこと。3才の男の子がトルコ側の浜辺に打ち上げられた一枚の写真
  →2015年秋の国連総会にて、ロシアのプーチン大統領が「問題はイスラム国打倒」と打ち上げ
  →機を見るに敏、世界の流れを読み、的確なイニシアティブをとった
・中国の南シナ海での埋め立てが世界的なニュースに
 →New York Timesが2015年4月に一面トップに写真入りで大きく報道
  →この報道は、米国防省によるリークと考えられる
  →オバマ大統領に働きかけることが主目的であったのではないか
 →中国の南シナ海での行動が国際的に厳しくチェックされるきっかけに
  →ちなみに日本の各紙は5月になるまで中国の埋め立て工事の報道はなし
・2016年春の段階でいえば、イギリスのEU脱退の可能性が注目すべきニュースの1つ

2 「個」の力――「個」を際立たせ、自分の考えを押し出せ

■「自分の意見」を聞かれたくない日本人
・次は世界の出来事や主要な案件について、自分なりの考え方や意見を持つこと
 →組織の中で多数説は何かを読み、それに合わせていくのが日本流
 →ところが、グローバルな世界では、「個が自分の考えを主張する」のが大原則
・グローバルな世界では、当然のことながらグローバル・スタンダードに沿った戦い方が必要に
 →日本人特有の遠慮や相手への配慮は、グローバル世界では通用しない

■かなり尖った意見でも、グローバル世界は耳を傾けてくれる
・自分はこう考える、かなり変わった意見でも大いに展開すればよい
 →グローバル世界は変わった考え方に寛容
・世界に出て行けば、親元のことばかり考えたり、組織の一員として周りに従うという意識では通用しない
 →「個」の力が求められる

4 ロジック力――面倒でも、「世界共通語」で話すこと

■ロジックは世界共通語
・「個が」自分の考えを主張するとき、ロジックが不可欠
 →ロジックというのは、世界共通語のようなもの
 →ものの考え方としての共通語
・よく、アメリカ人と中国人は意外と話が通じる、と言われる
 →どちらも異なる人種や文化の混在した社会
 →ロジックをもった話し方が普段からなされているからでは
・アメリカは人種のるつぼ
 →人種も文化も異なる多くの人口を抱えており、そこでは共通の言葉としてロジックのある語りかけが不可欠

■日本の主張にはロジックがなかった
・日米経済摩擦が激しかった1990年頃の日米間のやり取り
 →貫かれていたアメリカ側のロジック重視の姿勢
 →「公正で平等な競争機会」、まさにこれがアメリカ流のロジック
・牛肉交渉の際、日本側からは、日本側の特殊事情として「日本人の胃腸は細いから無理だ」という説明
 →まったくロジックがないとしてアメリカ側から猛反発

■遠慮などせず、ロジック力で攻めること
・日米間の構造協議においても、日本はロジックを使った主張が苦手
 →とりわけ、アメリカをロジック力で批判することに臆病
・アメリカには遠慮せず、ロジックをもって攻めることが必要

5 人間力――相手の立場に立って考える

■ケミストリーが合う
・グローバル世界で成功するには、相手の共感を得ること、そして信頼関係を築くことが不可欠
 →相手の立場を理解することが一つの鍵
・グローバル社会といえども、人情もあれば、好き嫌いも
 →どうすれば相手の共感を得ることができるかを考えるのが次の段階
・日米交渉の場でも、相手がどうにも馬の合わないことも
 →食事を共にし、相手の趣味を聞き出し、相手の心を開くように
 →そして相手の立場を思いやる
・「人間力」で相手の信頼感を勝ち取り、自分の有利な方向へと話をもっていく

■「日本文化」という武器
・「人間力」を磨く上で役に立つのが文化
 →日本文化は、有力な武器。欧米人の関心も強く
・話の輪に入り、こちらに有利な土俵の上に呼び寄せることも大事
 →日本文化について、自分の得意な話を二つ、三つ用意していくこと

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