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米国、中国を軸とする業界での駆け引き …買収、綱引き、協調

半導体業界での米国、中国を軸とする様々な駆け引きが見えてきている。売上げ、市場シェアの拡大を目指す買収、統合が引き続いているが、米国メーカーが多くは引っ張る中に、中国の投資家グループが綱引きに加わる構図が見られている。一方、Intelが中国でのモバイル機器用プロセッサの拡販に向けて中国メーカーとの協調を図る動きが進んでいる。政治面、経済面で大きく見ても、米国、中国それぞれ、そして両国の間の同様の駆け引きの動きが一層拡大していく気配が強まってきている。

≪駆け引きの拡大≫

米国のメモリ半導体設計のIntegrated Silicon Solution(ISSI)買収を巡る綱引きが、米国Cypress Semiconductorと中国の投資家グループの間で次の通り繰り広げられている。今のところは、Cypressの方が高値提示となっている。

◇Integrated Silicon says expects to hold talks with Cypress Semi-ISSI will talk with Cypress about a buyout deal (5月15日付け Reuters)
→Integrated Silicon Solutionが金曜15日、Cypress Semiconductorと買収提案について話し合う旨。一方、Summitview Capitalおよび中国投資家コンソーシアムからのbuyout提示も依然サポートしている旨。CypressはISSIの普通株式について$19.75/株を提示しており、該投資家コンソーシアムが出している$19.25/株を上回っている旨。

◇China venture capital firm may target Macronix, Winbond for acquistion, says paper (5月18日付け DIGITIMES)
→中国語・Economic Daily News(EDN)発。中国のventure capital会社、SummitView Capitalが、米国のメモリ半導体design house、Integrated Silicon Solution(ISSI)を買収する試みがCypress Semiconductorからの株式公開買付により阻止の可能性、買収の標的をMacronix InternationalあるいはWinbond Electronicsに切り換える可能性の旨。Cypressは最近、$19.75/株 in cashでISSIを買収する提示を行ったと発表、SummitViewが率いる中国の投資家コンソーシアムからの提示は$19.25の旨。

ISSIがだめならと中国の投資家グループが目を向けたという台湾の2社は、まったく知らないことと打消しの反応である。

◇Winbond, Macronix dismiss speculation over likely acquisition targets (5月18日付け DIGITIMES)
→Winbond ElectronicsとMacronix Internationalが中国のventure capital会社、SummitView Capitalによる買収の標的になっているという報道に反応、台湾の両社ともに該憶測については寝耳に水の旨。Winbondはまた、Taiwan Stock Exchangeでのcompany filingにて、中国の会社に買収される計画はないと特に言及の旨。

CypressのISSI買収の意味が、以下に検討、表わされている。

◇Cypress Eyes ISSI (5月19日付け EE Times)

◇Will ISSI give in to Cypress' offer? (5月21日付け EE Times India)
→CypressがISSI買収に成功すれば、1つにはon-board infotainmentシステムのお蔭で伸びている車載分野で一層offeringsが強化される旨。

次に、こんどは米国内の話。Intelの買収打診を断ったとされるFPGAのAlteraであるが、株主たちの反発を食らって話し合いを再開していると以下の通り伝えられている。

◇Altera Rises on Report That Buyout Talks With Intel Resumed-Report: Altera pressured, resumes Intel talks (5月18日付け Bloomberg)
→Alteraが、Intelとの買収交渉中止について株主から大目玉を食らって、buyoutの話し合いを再開している旨。Intelは、Alteraの普通株式に約$54/株を提示、これを受けて株価が5.7%高の$46.93と約4年で最高値をつけた旨。

◇Altera's Price of Refusing Intel-Altera has strong reasons to return to deal talks with Intel. (5月18日付け The Wall Street Journal)

◇Intel, Altera resume deal talks: NY Post (5月18日付け Reuters)

もう1つ、そのIntelが中国でのモバイル用SoCs拡販に向けて中国のRockchip Electronicsとの連携強化を進めている。

◇Intel, Rockchip jointly promoting SoFIA 3G-R SoCs in China -Sources: SoFIA SoCs get push in China from Intel and Rockchip (5月22日付け DIGITIMES)
→台湾のタブレットsupply chain筋発。Intelと中国のRockchip Electronicsが最近、中国のwhite-boxタブレット分野へのquad-core SoFIA 3G-R (C3230RK) SoCソリューション販売を推進する共同活動を踏み上げ、MediaTek, Allwinner Technology, およびSpreadtrum Communicationsなど競合するサプライヤからさらに市場シェアを搾り取る狙いの旨。Intelは、該SoCソリューションを採用しているすべての末端市場デバイスについて$3近い奨励金を提示しており、その奨励金額は購入量に応じて増やされる旨。

米国、中国を巡る他の大きな動きをいくつか。まずは、中国の製造業の10年計画である。建国100年に向けた表わし方があり、半導体を自前にもっていく5ヶ年計画のさらにその先の視点となっている。

◇中国、10分野に重点、ロボットやバイオ、生産効率高める、製造業の10年計画発表 (5月20日付け 日経)
→中国政府が19日、製造業の高度化をめざす今後10年の行動計画「中国製造2025」を発表、情報技術やロボット、バイオなど10分野を重点産業に指定し、金融や税財政の仕組みを使って集中的に支援する旨。安い労働力を大量に投じて安価な製品をつくる手法が限界に近づくなか、国を挙げて研究開発を強化して製造業の底上げにつなげる旨。製造業の強化は建国100年に当たる2049年まで3段階で進める旨。まず2025年までにITなどを活用して製造業全体の効率や水準を向上し、2035年までに米国やドイツ、日本など世界の「製造強国」の仲間入りを果たす、さらに2049年に「総合力で世界のトップ級の製造強国になる」ことを目標に掲げた旨。

産業スパイを巡る米国と中国のさや当て、警戒感も高まりをみせている。

◇米、中国政府関与に懸念、産業スパイ、戦略対話で議論も (5月21日付け 日経)
→米政府が中国による産業スパイに警戒を強めている旨。米司法省は19日、米企業2社から携帯電話などに使う無線通信技術を盗んだとして、大学教授ら中国人6人を起訴したことを明らかにした旨。米は中国企業の競争力向上のために中国政府や軍が産業スパイに関与しているとみており、6月の米中戦略・経済対話で議論する可能性がある旨。

パソコンを引っ張ってきているHewlett-Packard(HP)にしても、市場低迷のなか、中国で合弁を組んでLenovoに対抗する動きとなっている。

◇HP Strikes China Deal, Sales Slump-Whitman says PC market slower than expected (5月21日付け EE Times)
→Hewlett-Packard(HP)の第二四半期全体売上げが$25.45 billion、前年同期比7%減、利益が$1.01 billionで前年同期$1.27 billionから減少。この発表は、同社が中国におけるサーバおよびnetworking事業を中国のLenovo対抗を狙う合弁に運んでいく取引の発表と同日の旨。「PC市場は年初に予想したより弱含み」(HPのchief executive、Meg Whitman氏)旨。

最後に、これは日米のことであるが、特許審査を共同で行い取得までの時間短縮を図る動きである。業界での駆け引きが高まるなか、先端技術の市場展開加速化、先行者利益など有効性を期待するものと思われる。

◇特許審査、8月から日米共同で、取得を半年に短縮 (5月21日付け 日経 電子版)
→特許庁と米国特許商標庁が8月から、日米両国で出願された発明の共同審査を始める旨。調査情報を日米当局で共有、判断の結果を互いに参考にするなどして大幅な作業の効率化、時間短縮が見込める旨。企業にとっては特許取得までの期間が短くなり、日本では約10カ月かかっていたが約6カ月に短縮できる旨。審査が同時に終わるため、日米同時に新製品を投入しやすくなる旨。日米の特許当局は21日にも、共同審査の枠組みで合意する旨。


≪市場実態PickUp≫

【Samsungの10-nm取り組み】

Samsung Electronicsが、10-nm FinFETプロセスを来年末までに量産にもっていくとイベントで披露している。Intelとの最先端開発の差を詰めているとの見方がある一方、TSMCが打ち上げている線表とよく似ているという感じ方がある。

◇Samsung Ramps 10nm in 2016 -FinFET Roadmap Aligns with TSMC's Plans-Samsung to put 10nm chips in mass production next year (5月22日付け EE Times)
→Samsung Semiconductorが、2016年末までに同社10-nm FinFETプロセスを量産化する計画、また、同社14-nm FinFETプロセスが韓国の2つのウェーハfab拠点およびAustin, Texasの1拠点にて、New YorkのGlobalFoundries fabとともに取り入れられていると披露の旨。

◇Samsung to put 10nm chips into mass production by end of 2016 (5月22日付け ELECTROIQ)
→Samsung Electronicsの子会社、Samsung Semiconductorが木曜21日のSan Franciscoでのイベントにて、10-nm FinFET半導体であるとする12-インチウェーハを展示、来年末までに10-nm FinFET半導体を量産化すると発表の旨。向こう18ヶ月にわたってSamsungは、該10-nm FinFET半導体に向けたプロセス設計キットおよびmulti-dieウェーハを供給していく旨。

【2015年第一四半期の半導体ランキング】

ファウンドリーを含めたIC Insightsの2015年第一四半期半導体販売高サプライヤランキング・トップ20が、下記の概要で表わされている。モバイル用プロセッサ、CMOSイメージセンサなどが大きく押し上げる構図があり、トップ20の顔ぶれも激しいアップダウンが見られている。

◇Six top 20 semiconductor suppliers show >20% growth (5月21日付け ELECTROIQ)
→IC Insightsが今月後半リリースするMay Update to the 2015 McClean Reportから、2015年第一四半期の世界半導体販売高(ICおよびO S D[optoelectronic, sensor, and discrete])サプライヤランキング・トップ20、下記参照。
http://electroiq.com/wp-content/uploads/2015/05/six-top-20-suppliers-fig-1.png

20社について本社を置く国別、次の通り:
 米国 7社、日本 4社、台湾 3社、欧州 3社、韓国 2社、シンガポール 1社
前年同期比20%超伸びた6社:
 TSMC、SK Hynix、Avago、Sony、GlobalFoundries、Sharp

◇IC Insights releases top-20 semiconductor suppliers in 1Q15 (5月21日付け DIGITIMES)

【台湾のIC設計業界】

中国からの人材引き抜きに対する台湾のIC設計メーカーの動きである。

◇Taiwan's IC design companies raise pay to prevent brain drain (5月17日付け The China Post)
→市場アナリスト、土曜16日発。中国の競合が台湾の人材を採用してきており、台湾のIC設計メーカーが、頭脳流出を防ぐべく賃金を増やしている旨。

このIC設計業界の2015年第一四半期売上げランキング・トップ10が、以下の通り表わされている。改めて確認させられる内容である。

◇ESMT, Etron enter Taiwan top-10 IC design houses in 1Q15 (5月19日付け DIGITIMES)
→2015年第一四半期の台湾IC design housesトップ10データから:
1 MediaTek      売上げNT$47.54 billion($1.56 billion) …モバイルプロセッサ
2 Novatek Microelectronics NT$12.7 billion …LCD driver IC
3 Realtek Semiconductor  NT$7.45 billion …WLAN半導体
4 Himax Technologies  NT$5.64 billion …panel driver ICs
5 Richtek Technology  NT$3.17 billion …アナログ半導体

8 Elite Semiconductor Memory Technology(ESMT) NT$2.31 billion …メモリIC

10 Etron Technology NT$1.96 billion …メモリIC

 Elite SemiconductorおよびEtron Technologyは今回トップ10入りの旨。

【半導体製造装置業界4月BB比】

北米そして我が国の半導体製造装置業界4月のBook-to-Bill(BB)比データが、SEMIおよびSEAJから以下の通り発表されている。北米は1.04とまずまずの方向、日本は2ヶ月連続で1を下回っている。

◇SEMI April 2015 book-to-bill report shows continued improvements in bookings and billings (5月21日付け ELECTROIQ)
→SEMIのApril EMDS Book-to-Bill Report発。北米半導体装置メーカーの2015年4月の受注が$1.57 billion、book-to-bill比が1.04。ここ6ヶ月の推移、以下の通り(金額:USM$):

BillingsBookingsBook-to-Bill
(3ヶ月平均)(3ヶ月平均)
November 2014$1,189.4$1,216.81.02
December 2014$1,395.9$1,381.50.99
January 2015$1,279.1$1,325.61.04
February 2015$1,280.1$1,313.71.03
March 2015 (final)$1,265.6$1,392.71.10
April 2015 (prelim)$1,510.3$1,572.21.04
[Source: SEMI (www.semi.org), May 2015]


◇North American semiconductor equipment industry posts book-to-bill ratio of 1.04 in April, says SEMI (5月22日付け DIGITIMES)

◇BBレシオ、連続1未満、4月、半導体製造装置 (5月21日付け 日経)
→日本半導体製造装置協会(SEAJ)が20日に発表した4月の日本製半導体製造装置のBBレシオ(3カ月移動平均の受注額を同・販売額で割った値、速報値)は0.96と、2カ月連続で1を下回った旨。

【2015年第一四半期の世界シリコンウェーハ出荷】

これもSEMIからの恒例の発表、シリコンウェーハ出荷面積総計であるが、2015年第一四半期は四半期出荷ベースの新記録となっている。半導体販売高の大きな指標として、市場動向を睨みながらの展開となっていく。

◇First Quarter 2015 Silicon Wafer Shipments Reach Record Levels (5月18日付け SEMI)

◇First quarter silicon wafer shipments reach record levels (5月19日付け ELECTROIQ)
→2015年第一四半期の世界シリコンウェーハ出荷面積総計が2.637 billion平方インチ、これは四半期出荷の新記録の旨。

◇Silicon wafer shipments increase in 1Q15, says SEMI (5月19日付け DIGITIMES)
→SEMI発。2015年第一四半期の世界シリコンウェーハ出荷面積総計が2.637 billion平方インチ、前四半期(2.55 billion平方インチ)比3.4%増、前年同期(2.363 billion平方インチ)比11.6%増。

【2014年の産業用半導体市場】

2014年は18%増と大きく伸びたグローバル産業用半導体市場となっている。

それにしても、リーマンショック明け2010年の36%増以来とのこと、産業景気を如実に表わす変動の振れ幅を受け止めている。

◇2014 Was a Banner Year for the Global Industrial Semiconductor Market, IHS Says -Highest annual growth rate since 2010, with strong growth expected through 2019 (5月20日付け IHS iSuppli)
→IHS社発。2014年のグローバル産業用半導体の売上げが$40.4 billion、2013年の$34.3 billionから18%増、2010年の36%急増以来最大の年間伸び率の旨。

◇2014 banner year for global industrial semiconductors, says IHS (5月21日付け DIGITIMES)


≪グローバル雑学王−359≫

徳川300年、正確には1603年〜1868年までの265年の徳川の時代において外国人の目から我が国がどう見えたか、2回にわたって

『外国人がみた日本史』
 (河合 敦 著:ベスト新書 469) …2015年3月20日 初版第1刷発行

より見ていく。閉ざされた鎖国の時代にどうやって見れたのか、と思うところもあるが、どっこいオランダ商館の幕府との謁見、東南アジアとの交易など条件、制限はありながら機会はいろいろあったとのこと。以下に示すように我が国を眺めた記録が残されている。□以下の各アイテムについて、最初の◎以下に注目する記録の出典が示されている。


第三章 外国人がみた江戸時代―――平和な国の礼儀正しき人々=2分の1=

【江戸時代の日本 概説】

・江戸時代は鎖国をしていたイメージ →それは大きな間違い
 →江戸初期の大名や豪商は、幕府から許可証(朱印状)を得て、東南アジアの諸地域へ盛んに貿易船(朱印船)を派遣して大規模な交易
・徳川家康も外交や交易には積極的
・やがて幕府は、キリスト教を厳しく禁じるようになり、1624年にスペイン人を国内から駆逐、1635年には日本人の海外渡航を禁止
 →鎖国体制と呼ぶが、オランダと明(のち清)とは長崎で交易
・対馬藩も幕府から朝鮮との貿易を認められ、釜山に倭館(貿易センター)、500人近い藩士を常駐させて交易
・オランダとの貿易は、出島の商館で行われた
 →オランダが大量に日本から購入した品として伊万里(有田)焼
 →ドイツのマイセンは、日本の陶磁器に似せたものをマイセンの町で生産させたのがはじまり
・江戸時代の最大の貿易相手国は、中国(明→清)
 →なぜ、中華思想を曲げてまで清朝は日本と貿易をしたかったのか
  →銅銭の原料のうち、なんと6割〜8割が日本産の銅

□女性のお歯黒
◎C・P・ツュンベリー(Carl Peter Thunberg)の『江戸参府随行記』
 …オランダ商館の医師として1775年長崎の出島に着任
・お歯黒という風習がとても異様に映ったよう
・お歯黒の風習は平安時代の貴族から広まり、江戸時代は女性の化粧として定着、既婚者の象徴に
・とにかく欧米人にはお歯黒は不評

□日本独特の床材・畳
◎前掲、ツュンベリーの『江戸参府随行記』
・日本人が部屋に敷き詰める畳
 →来日した外国人には特筆に値するシロモノだったよう
・実際、畳というのは、中国にも朝鮮半島にも存在しない日本発祥の床材
 →その起源として、東大寺の正倉院には奈良時代の畳が所蔵されているのが1つ
・畳が隙間無く床に敷き詰められるのは、書院造という形式が確立する室町時代のこと
・畳は全国共通の大きさ、規格品であることに朝鮮人も驚き
 →申維翰著『海游録』

□殉死の風習
◎フランソア・カロン(Francois Caron)の『日本大王国志』
 …1619年に来日、第8代オランダ商館長となって20年以上日本に滞在したフランス人
・武士独特の殉死という風習
 →江戸時代という戦乱のない平和な時代になると、寵臣が主君の後を追うという習慣が生まれた
・1660年代、四代将軍、家綱の時代に幕政は武断政治(強圧的)から文治政治(儒教の徳治主義)へ移行
 →幕府もこの時期に家臣の殉死を禁止し、次の主君に奉公することを義務づけ

□教育の普及
◎ゴロウニン(Vasilii Mikhailovich Golovnin)著『日本幽囚記』
 …1811年に国後島を測量しているところを幕府の役人に捕まり、その間の体験を出版
・18世紀の後半になると、日本では「教育爆発」と学者たちが呼ぶ現象
 →多くが率先して寺子屋という初等教育機関に学び、読み書きができるように
 →おおむね6、7才になると入学、ある程度、読み書きができるようになると退学したよう
・意外なことに、体罰らしい体罰はほとんどなかった
 →江戸中期に来日したC・P・ツュンベリー(前出)も、子供に対する大人たちのおおらかさに感動

□苛酷な刑罰
◎前掲、ツュンベリーの『江戸参府随行記』
・日本の刑罰が、残虐で峻厳なものに変わったのは戦国時代のこと
・その厳しさには批判もあり、八代将軍、徳川吉宗は、刑罰を緩和
・アメリカの駐日総領事のハリスは、1858年に幕府と日米修好通商条約を締結
 →日本で犯罪を犯したアメリカ人をアメリカの領事が裁くことに
  …領事裁判権と呼ぶ治外法権制度
  →当時の江戸幕府の刑罰があまりにも厳しく残酷、アメリカ人に適用されたら大変との危惧

□煙草の流行
◎前掲、ゴロウニンの『日本幽囚記』
・日本人が煙草を吸うようになったのは確かに戦国時代から
 →喫煙の風習は、数年のうちに日本全国へ
 →農民たちは換金性の高い煙草葉を競って栽培、すぐに栽培地は全国へ
・米や麦からの年貢徴収を基本とする幕府は、早くも1605年に煙草栽培禁止令を発令
・日本の煙草は、葉巻や紙煙草ではなく、きざみ煙草を煙管(キセル)を用いて吸った
・国産の紙巻き煙草がはじめて登場するのは、明治維新の直後、1869年のこと
 →煙草業者の煙草販売合戦がエスカレート
 →1904年、煙草が国家の専売に
 →専売公社の民営化は、1985年の中曽根内閣のとき

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