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業界地図の激変を促す、相次ぐグローバルな動き

モバイル機器で中国、インドの現地メーカーの伸びが目覚ましく、サムスン、アップルの市場シェアの低下が引き起こされているが、それに留まらず世界の国・地域間の半導体・エレクトロニクス業界の地図模様を大きく変える可能性を孕んだ動きが相次いでいる。高い市場価格水準で今のところ推移しているDRAM市場も、プレーヤー統合によるトップ3席巻の構図が定着してきているが、こんどは欧米間のパワー半導体を巡る大型買収の動き、中国が米国イメージセンサメーカーの買収に乗り出すなど、また新たな業界模様の出現を予感させている。

≪市場マップ、市場構造へのインパクト≫

出だしまずは、IC実装およびテストサービス分野での中国の台頭に対する首位、台湾の引き締めぶりである。

◇Taiwan's IC packaging sector warned of Chinese competition (8月16日付け Focus Taiwan News)
→Industrial Technology Research Institute(ITRI)のIndustrial Economics and Knowledge Center(IEK)がリリースしたレポート。台湾のIC実装およびテストサービス・プロバイダーは、中国との競合増大に直面、技術を改善し他の改善を思いつく必要がある旨。台湾はこの分野では世界をリード、グローバル販売高全体の55.2%を占めている旨。

政府系など中国の投資家グループが、CMOSイメージセンサの米国Omnivisionの買収提案を行っている。トッププレーヤーの一角にあるだけに、米国の連邦Committee on Foreign Investmentの関心を引く可能性が指摘されてい る。

◇China moves to buy Omnivision (8月18日付け EE Times Europe)
→CMOSイメージセンサ開発のOmnivision Technologies社(Santa Clara, Calif.)が、中国の投資management会社、Hua Capital Management(HCM) Ltd.から$29/株、約$1.64 billion相当になる買収入札提案を受けている旨。HCMが率いる投資グループには、Shanghai Pudong Science and Technology Investment Co. Ltd.などが入っている旨。

改めて、成熟化しているタブレット市場でのアップルおよびサムスンの市場シェア低下ぶりである。

◇In a maturing tablet market, Apple and Samsung face growth declines, says DisplaySearch (8月18日付け DIGITIMES)
→DisplaySearch発。タブレット市場が成熟して伸びが鈍化、市場リーダー、AppleおよびSamsung Electronicsの席巻度が弱まっている旨。2014年前半のタブレット用ディスプレイ全体出荷が前年同期比10%減の一方、AppleおよびSamsungを合わせた出荷は同34%減の旨。この2社の2013年前半のタブレットパネル出荷シェアは42%であったが、2014年前半では29%に落ち込んでいる旨。

サムスンは歯止めを打つべくか、従来は購入していたモデム半導体の自社生産を始めており、これも市場模様を変える可能性を含んでいる。

◇Samsung starts rolling out its own smartphone communication chip -Samsung debuts a modem chip for its smartphones (8月19日付け Maeil Business Newspaper (South Korea))
→Samsung Electronicsが、Exynos Modem 303半導体の生産を開始、Galaxy AlphaスマートフォンおよびGalaxy Note 4で使用する旨。このSamsung-設計のmodemは、これまでGalaxyスマートフォンで使っていたIntelおよびQualcommの半導体に代わる見込みの旨。

マイクロソフトが、傘下に入れたノキア携帯事業からの低価格スマートフォンに加えて、やはり低価格のlaptopsを掲げて、Google Chromebook対抗を図っている。

◇Microsoft Counters Google Chromebook-HP Stream is sub-$200 Windows notebook (8月20日付け EE Times)
→Microsoftが、Windowsをlaptop市場のlower endにもってくる戦いに拍車を掛けている旨。同社は以前、Lumiaスマートフォンのsub-$200版を販売すると発表しており、$199〜$249のWindows OS laptopsを擁して再びこの価格レンジを目標にする旨。MicrosoftのWorldwide Partners Conference(2014年7月13-17日:米国ワシントン,D.C.)にて、同社COO、Kevin Turner氏が、同社はAcer, 東芝, およびHPと連携、Google Chromebook代替を作ると発表している旨。

パワー半導体分野での大型買収が行われている。約3100億円規模、InfineonがInternational Rectifierを買収するもので、早速今後を窺う分析を含めて以下の反応である。DRAM業界の統合に似た受け止めがある。

◇Chip maker Infineon to buy California firm for $3B-Infineon adds power management ICs in IR buy (8月20日付け SeattlePI.com/The Associated Press)
→Infineon Technologiesが、International Rectifierの$3 billion in cash買収に合意、power management半導体でのofferingsを強化する旨。
該取引は、2014年後半あるいは2015年始めに完了予定の旨。半導体業界では、大手半導体メーカーがoperationsおよび製品ラインの拡大を求めて、空前の統合が行われている旨。

◇Infineon Buys International Rectifier -Pushing toward leadership in the power semiconductor market (8月21日付け EE Times)
→Infineon Technologies(独)が、International Rectifier(California)を約$3 billion in cashで買収、Infineonこれまで最大の買収となる動きの旨。

◇Power Week: IRF Only One of Many Rumored Infineon Targets (8月21日付け EE Times)
→InfineonのInternational Rectifier(IRF)買収の動きは、技術的観点からIRFのGaN技術での強みがInfineonのSiC技術での立ち位置を補完することで合理的と思われる旨。IRFの製品line-upはまたInfineonよりも広く、車載およびエネルギーなど非常に大型の産業に向けた高電圧/高出力デバイスにより重点化している旨。

◇独インフィニオンが3100億円で米同業買収、パワー半導体強化 (8月21日付け 日経 電子版)
→独半導体大手、インフィニオンテクノロジーズが20日、米同業のインターナショナルレクティファイアー(IRF)を30億ドル(約3100億円)で買収すると発表、インフィニオンが強みを持つ自動車や携帯機器などの電気の流れを制御するパワー半導体分野でのシェアを高め、米国などでの事業基盤も固める狙いの旨。

半導体に留まらず、中国の台頭インパクトを受ける韓国の実態が生々しく表わされている。長らく言われている日本と中国の狭間の危機感である。

◇中国の追撃に道失う韓国製造業…半導体材料は日本に依存 (8月20日付け 韓国・中央日報)
→ナイロンに欠かせない原料、「カプロラクタム」の蔚山(ウルサン)化学企業、カプロは、輸出が売上高の80%を占める会社。中国がナイロン原料を自給し、状況が急変、韓国貿易協会によると、カプロラクタムの中国輸出は2012年の2万9648トンから昨年は32トンに急減、今年は5月まで中国輸出がゼロの旨。中国追撃の影響を受けているのはこの会社だけでなく、韓国を代表する企業のサムスン電子にまで暗雲が広がっている旨。サムスン電子は4−6月期、中国市場で小米(シャオミ)にスマートフォン1位を明け渡した旨。韓国電子企業が生産する液晶画面の核心材料である偏光板保護フィルムは日本の2社が世界市場の大半を掌握、半導体の材料となる薄いシリコンウェハーの10個に7個が日本産の旨。

そのサムスンも、DRAMで売上げを支えるべく、以下の通り増産を図るとともに、アップルのiPhone6向けではモバイルRAM半導体のサプライヤとして復帰している。

◇Samsung to produce DRAM chips at Line-17 fab, causes concerns of oversupply-Will Samsung's DRAM production plans affect pricing? (8月21日付け DIGITIMES)
→業界筋発。Samsungが、以前計画していたロジック半導体展開ではなく、DRAM半導体をLine-17 fabで生産すると発表、業界統合から20ヶ月以上活況を呈しているDRAM業界が供給過剰になる可能性の旨。スマートフォンの売上げが減少、Appleのapplicationプロセッサ受注をTSMCにとられて、Samsungは利益を支えるためにDRAM output立ち上げを決めざるを得なくなっている旨。

◇Samsung reportedly resumes supply of mobile RAM for new iPhone-Samsung supplies mobile RAMs for next-gen iPhone, sources say (8月22日付け DIGITIMES)
→業界筋発。Samsung Electronicsが、9月リリース予定のAppleの次世代iPhone向けモバイルRAM半導体のサプライヤリストに復帰している旨。

締めとして、インドのスマートフォン市場についてサムスンのシェアが食われている現地からのデータである。

◇Micromax makes inroads in India's smartphone market (8月22日付け EE Times India)
→インドのスマートフォン市場は、2014年第二四半期に全体で18.42 million台の出荷、伸びを続けている旨。安価なスマートフォンの増大が、Samsungのシェアを食っており、2位につけるMicromaxがSamsungからのリードを取り払う道筋にある旨。


≪市場実態PickUp≫

【アップル関係】

iPhone6への期待をはじめとしてアップル社を巡る動きが喧しさを増している。iPhone6は、過去最高の株価を引っ張っているが、液晶に一部生産の遅れがあるという報道もあり、ここしばらくは台風の目の予感である。

◇アップル 中国ユーザのデータをチャイナテレコムへ移管 (8月18日付け 人民網日本語版)
→アップル社が17日、中国電信(チャイナテレコム)をアップルのデータセンターのプロバイダーにしたことを明らかにした旨。これにより中国のアップルユーザのデータが中国電信のサーバに移されることになり、アップルが大陸部のサーバを利用して顧客データを保存するのは今回が初めてのケースの旨。

◇iPhone6への期待感、アップル株が過去最高 (8月21日付け 韓国・中央日報)
→来月公開される「iPhone6」に対する期待感とティム・クック最高経営責任者(CEO)の株主還元方針が株価を引き上げたという分析が出ているが、アップルは19日(現地時間)、ニューヨーク・ナスダックで前日比1.38%高の$100.53で取引を終え、昨年4月の$55から1年4カ月間で倍近く上がり、最高値を更新した旨。従来の最高値はiPhone5発売を控えた2012年9月19日の$100.3(株式分割を勘案し現在の価格に換算)の旨。

◇Imagination Technologies benefits from Apple and Motorola news-Analysts say new products and currency moves should benefit chip design company-Imagination shares rise as Apple stock goes up (8月20日付け The Guardian (London)/MarketForcesLive blog)
→Appleの株価が最高を記録というニュースを受けて、Imagination Technologies Groupの株価が上昇、AppleはImaginationの売上げの3分の1を占めている旨。株式brokerageのLiberumも、Motorola Mobilityの次期360 smart watchにはImaginationのグラフィックスコア設計を備えたTexas Instruments半導体が含まれると特に言及の旨。

◇米アップルの新型iPhone、液晶生産の一部に遅れ=関係筋 (8月22日付け REUTERS ロイター)
→今秋にも発売される米アップルの新型iPhone(仮称:iPhone6)について、搭載する液晶の生産が一時停止していたことがわかった旨。薄型化をねらった設計のため、量産工程に無理が生じたためとみられている旨。新しい設計により生産は回復に向かっているが、部品メーカーに対するアップルの厳しい要求が改めて浮き彫りになった旨。

【中国の半導体設計】

中国の半導体業界の自立化強化がここにきて富に謳われているが、輸入依存体質からの脱却を図る論調が高まるとともに、特に半導体設計について切磋琢磨を図る動きが急と受け止めている。

◇China Will Influence Half Of All Electronics Hardware Design Worldwide: Report-Study: China's role in electronics design to grow (8月18日付け International Business Times)
→McKinseyレポート。中国は、electronics製造で用いられる半導体の90%を輸入しているが、半導体設計および製造の拡大を図っている旨。設計移入が続いて、中国はまもなく電話、ワイヤレス機器などconsumer electronicsはじめグローバルにハードウェア設計の最大50%影響を与える可能性の旨。

◇Analog Bits to Design Mixed-Signal IPs for China-Phase II of IP licensing wave in China-China has a growing appetite for mixed-signal IP (8月19日付け EET/Designlines blog)
→中国のファブレス半導体メーカーが、モバイル機器、wearable electronicsおよびInternet of Things(IoT)応用に向けたエネルギー効率の良い低電力半導体の設計にさらに磨きがかかってきている旨。このようなIC設計で必要とするmixed-signal intellectual property(IP)について、いくつかの中国メーカーがAnalog Bits(Sunnyvale, Calif.)に向かっている旨。

【ARM関係】

ARM社を巡る対照的な論調に注目している。wearablesに向けた超低電力プロセッサに自ら自信を示す一方、ARM-ベース・サーバに向けてはソフトウェアはじめまだまだやること多々とユーザ側の反応が見られている。

◇Q&A: ARM Mobile Targets Wearables-ARM chip designs take aim at wearables (8月18日付け EET/Designlines blog)
→wearable市場に現在注力、ARMのモバイル分野marketing manager、David Maidment氏インタビュー。「wearablesは、小型形状および小型電池から我々の価値ある仕事に途方もないopportunityを示している。」「人々はそんなにしばしば充電することは望まず、たぶん週に1回。結果として、超低電力プロセッサが必要になり、ARMの製品プラットフォームおよび我々の設計に完全にマッチするものだ。」

◇ARM Stressed in Server Bid-ARM-based servers are coming to market, albeit slowly (8月20日付け EE Times)
→ARM-ベース・サーバを作り使おうというメーカーによると、ARM-ベース・サーバはやってくるものの、かつて考えられていたより遅く、たぶんに狭くなる旨。「今年ARMサーバ製品は確かに出荷され、来年はそれなりの数だが、本当に立ち上がり始めるのは2016年以降」(Dell社サーバグループ、general manager、Forrest Norrod氏)。Intel x86にあるような豊富なサーバ・ソフトウェアをARMにもってくるまでにまだたくさんの仕事がある(中国のe-commerce会社、Alibaba、データセンターグループのchief technologist、Wu Peng氏および上記Norrod氏)旨。例えば、MicrosoftにしてもWindows ServerでのARMサポートは約束していない旨。

【通商関係】

通商摩擦の動きが以下の通り見られている。米国が中国および台湾に対し反ダンピング関税を課す動きとその波紋が1つ、中国が独占禁止法違反で日本の自動車部品メーカー12社に罰金を求めてさらなる広がりへの懸念がもう1つである。

◇Competitors to expand capacities in wake of US anti-dumping tariffs on China and Taiwan (8月18日付け DIGITIMES)
→台湾の業界筋発。中国および台湾から輸入されたPV製品へのanti-dumping関税を米国が課すことにより、その2つの国のメーカーの競争力が削がれることが見込まれ、米国などの国々のいくつかのPVメーカーが主に米国市場向けに生産capacitiesを拡大する計画の旨。

◇中国が外資たたき?日系10社に罰金210億円 (8月21日付け YOMIURI ONLINE)
→中国の国家発展改革委員会が20日、日本の自動車部品メーカー12社が独占禁止法に違反する行為(カルテル)を行っていたと認定した旨。そのうち10社が受けた罰金処分は計12億3540万元(約210億円)に上り、中国の独禁法違反事件として最大規模になった旨。運用の不透明さを抱えたまま中国当局は取り締まりを強化しており、他業界にも影響が広がる懸念がある旨。

【レノボ関係】

中国のレノボ・グループについて2件。注目のIBMのlow-endサーバ事業買収が米国の承認を以下の通り得たことが1つ、もう1つは、第一四半期の業績の好調ぶりで中国市場でサムスンを抜くという下りがここでも見えている。

◇IBM Obtains U.S. Approval for Sale of Server Business to Lenovo-IBM-Lenovo deal clears U.S. security hurdle (8月15日付け Bloomberg)
→IBMのlow-endサーバ事業のLenovoへの売却を、米国Committee on Foreign Investmentが承認の旨。米国の通信を見張る悪意のある行為がx86サーバに潜入する可能性を、該panelは調べた旨。両社は、該取引が年末までには完了すると見ている旨。

◇レノボ、第1四半期は23%増益、海外での収入も急増 (8月18日付け 人民網日本語版)
→中国のレノボ・グループ(聯想集団)の第1四半期(4-6月)売上げが$1.04 billion、前年同期比18%増、純利益が$214 million(約214億円)、同23%増。主な商品の市場占有率も大きく向上、海外における收入が全体の64%を占めている旨。同社のパソコンの世界市場のシェアは、3ポイント増加し、約20%と過去最高を記録、シェア世界一の座を保った旨。タブレットPCのシェアも初めて3位に入ったほか、スマートフォンのシェアでは4位につけた旨。さらに、最も重要な中国市場だけを見ると、初めてサムスンを抜いて、トップに立った旨。


≪グローバル雑学王−320≫

ボヘミア紛争、そしてビンラディンを巡る経緯からメディアを活用した国際的な情報戦を、迫真的な密着取材で見てきているが、こんどは我が国、日本について、

 『国際メディア情報戦』
  (高木  徹 著:講談社現代新書 2247) …2014年1月20日 第1刷発行

より、国際的に強みをPRする固有の「資産」というものを考えてみる。2020年の東京五輪開催を昨秋に勝ち得て我が国全体のモチベーション高揚につながっている現時点であるが、開催地競合相手の1つで本著者がじっくりと取材経験をもつイスタンブールについて、魅力はありながら騒乱で後退せざるを得なくなったそのときの状況が示されている。"おもてなし"も然りであるが、飛びぬけて安全で平和なことという我が国の「資産」の重みを知らされている。


第6章 日本が持っている「資産」

1 日本の強みをどうPRするか

□雪の降らないソチでなぜ五輪が?
・ソチは、むしろ「避寒地」としての名声
 →なぜ、冬季五輪開催地に立候補し選ばれたか
 →ロシアの国家としてのPR戦略の意図

□ロシアの思惑
・北カフカスに隣接するソチでのオリンピック成功裏開催
 →紛争をほぼ解決、ロシアは事態を掌握しているというこの上ない国際的なメッセージに
・夏も冬も、五輪の開催地誘致合戦は、大きな国際PR戦争の「戦場」に

□イスタンブールが放つメッセージ
・NHKスペシャル「沸騰都市」の取材で、(著者は)イスタンブールに2008年と2009年都合3ヶ月滞在
 →人口1300万人、トルコの人口とGDPの2割弱を占めるという一極集中の巨大都市
 →ボスポラス海峡を境に、西半分がヨーロッパで東半分がアジア、「文明の十字路」に存在
 →イスラム世界を代表する有名なモスクが市内各地にある一方、キリスト教東方正教会の総本山たる教会も現存
・「文明の結節点」として、東西両にらみの特性を生かした戦略を実現
 →国家経営の先頭にはイスタンブールの市長から転身したエルドアンという名物首相
・市内モスクの地下に、チェチェン共和国で独立派としてロシア政府を相手に戦っている「戦士」
 →傷を癒やすため、そこに一時的に居
・その「アジト」からそう遠くない別の地区には摩天楼が林立、ブランド店や高級レストラン
 →二つの世界が見事に共存

2 情報戦どころではない

□イスタンブールでデモに遭遇
・イスタンブールが五輪招致で「失速」
 →2013年の5月末から始まった反政府デモとその取り締まりの嵐
・イスタンブールにおいてはデモはしばしば
 →ときには警察との「市街戦」に発展することも
・2013年に起きたデモは、これまでのものとは違う意味
 →今回は世界的な大ニュースに

□情報戦どころではない
・このデモは、ツイッターなどSNSを媒介とした自然発生的なデモ
 →強権的な政治体制や、矛盾を抱えた社会の変革を新しい形で志向
・国際メディア情報戦でやっていけないのは、デモそのものではなく、デモを強権的に取り締まること、あるいは必要以上に敵視すること
・「デモを力で封じる非民主的で遅れた国」というイメージを世界に
 →イスタンブールは招致レースから大きく後退
・この先イスタンブールの事態は、五輪招致といったことを超えた次元に突入

3 なぜ東京は勝てたか

□東京招致団の作戦
・2013年9月、IOC総会の最後の決選投票で東京五輪が決定
 →日本が世界を相手に「PR戦略」的な手法を競って大きな成果をあげた希有な事例
・今回、東京招致団のプレゼンテーションを支えたのは誰か
 →報道の中で目を引いたのは、イギリスの「コンサルタント」、ニック・バーリーという人物
  →バーリー氏の言葉「・・・彼らに英語を常に話させる。・・・
   彼らは自分では不愉快に感じるくらいまでに(オーバーな感情表現を)しなくてはならなかった。・・・」
・欧米人が過半を占めるIOC委員たちへの、あるいはそれを報じるメディア向けの周到な作戦

□日本の「資産」
・日本社会が飛びぬけて安全で平和なこと
 →いまでも存在する日本の「売り」の大きなポイントの1つ
・「素晴らしい五輪の理念を間違いなく実現する平和な社会、日本」は、今回の招致で確実に奏功

□メガメディアの「スーパーアンカー」
・アメリカのテレビ界を代表する女性キャスター、クリスチャン・アマンプール
 →ボスニア紛争では銃弾飛び交う首都サラエボに乗り込み、流血の惨状を決死のレポート
 →今ではメガメディアのまさに大御所
・他にもアメリカのメガメディアに絶大な影響力を誇る「スーパーアンカー」
 →CNNのアンダーソン・クーパー、ABCのジョージ・ステファノプロス

□銃乱射事件の報道で
・2012年の大統領選挙がオバマ再選で終わったあと
 →アメリカのニュース報道の焦点は、「財政の崖」問題、そしてコネチカット州の小学校で起きた銃乱射事件
・アマンプール記者の非常に効果的なコメント
 →「日本は世界でも、最も銃を所持する人の割合が少ない国。2008年に、アメリカで銃が引き起こした殺人事件が1万2千件。日本では11件。」

□日本がやるべきこと
・まだまだ日本には、欧米社会に暮らす人々の心に響くいくつかの美点
 →この時にようなきっかけ(起きてはならないことだが)があった時、すかさずそれをアピールするように動くべき

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