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各国・地域でjobs確保&創出が最大の課題、業際を超える半導体

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半導体そしてパソコン業界について各国・地域各様の事業再構築に迫られる事態となって、大統領選挙を控える米国ではjobsの確保と創出が最大の争点の1つに改めて浮上している。我が国ではルネサスエレクトロニクスの救済に国が乗り出し、トヨタ、日産はじめ約10社が出資に協力する方向となっており、業際を超えて基幹半導体製品を確保する動きとなっている。欧州でもSTマイクロの事業再構築に、フランス政府がjobs確保を最優先に取り上げている動きで、それぞれに将来を担う業界の確保に官民挙げての取り組みが必須という状況をますます伺わせている。

≪それぞれの事業再構築≫

米国では、Intel社が9月は予想を上回ったものの7〜9月期は3年ぶりの減収となって、パソコン販売の停滞を端的に示しているが、ライバルのAMDはさらに厳しい業績の落ち込みとなって、喫緊の再構築を次の通り迫られている。

◇AMD Job Cuts Are Expected (10月13日付け The Wall Street Journal)
→Advanced Micro Devices(AMD)が、10%〜20%の従業員削減を計画している旨。第二四半期末時点の従業員が約11,700人の同社は、第三四半期売上げ見込みについて、前回の前四半期比1%〜3%減から、今回同10%減に下方修正している旨。

◇AMD announces 15% staff cut (10月19日付け EE Times)
→MPUベンダー、Advanced Micro Devices社(Sunnyvale, Calif.)の2012年第三四半期販売高$1.27B、前四半期$1.41B、前年同期$1.69B。グローバル人員を約15%削減、主に2012年第四四半期に完了させる旨。

◇AMD eyes ARM IP, realignment (10月19日付け EE Times)
→AMDの第三四半期業績についてのアナリストとのconference callにて、同社CEO、Rory Read氏。AMDは受け継ぐパソコン市場への依存を下げる動きを早め、伸びの高い新しいform factorsおよびアプリに関わっていく必要がある旨。

Lenovoが大きく伸びる一方、停滞しているHPというパソコン業界の現時点であるが、ゼネラル・モーターズ(GM)が事業に関わるHP従業員を雇い入れる発表が行われている。

◇GM、HPの従業員3千人雇用、IT開発を強化 (10月19日付け 朝日新聞デジタル)
→米自動車最大手、ゼネラル・モーターズ(GM)が18日、パソコン世界最大手、ヒューレット・パッカード(HP)の従業員3千人を雇用すると発表、現在すでにGMのIT関連の事業にかかわっているHP従業員が対象の旨。HPはパソコン販売が伸びず業績が低迷している一方、GMは自動車に載せるIT関連技術に力を入れ、ソフトウエア技術者などを他企業から積極的に採用、米国内にIT開発の拠点を設置する方針も明らかにしている旨。

欧州ではSTMicroelectronicsの製品事業分離の計画に対して、以下の敏感に反応する動きが見られている。

◇STMicro Said to Evaluate Breakup, Digital Unit Sale-Sources: ST may split product lines, sell digital chip business (10月13日付け Bloomberg)
→STMicroelectronicsが製品ラインの分離を検討しており、アナログ半導体製品は残して、ディジタル半導体事業をSamsung Electronicsに売却するという内容の旨。STMicroelectronicsはこの報道を否定、Samsungのspokesmanは根拠のない噂としている旨。

◇Vivendi, STMicro Revamp Face Hollande's Scrutiny Over Jobs-Sources: Job cuts are a key concern as French official meets with ST (10月17日付け Bloomberg)
→STMicroelectronicsのChairman、Didier Lombard氏が、フランス政府のIndustry Minister、Arnaud Montebourg氏と会って、同社の報道されている事業再構築計画を話し合い、政府にとっては従業員削減の可能性が重大な関心である旨。jobsを守ることが、フランス政府の第一優先順位という受け取りの旨。

そして我が日本の半導体では、ルネサスエレクトロニクスを官民挙げて救済する以下の流れの動きとなっている。

◇Japan set to rescue Renesas (10月15日付け EE Times)
→NikkeiおよびDaily Yomiuri発。日本の政府投資ファンド主導の買収により、Renesas Electronics社が今や救済される様相、Innovation Network Corp. of Japan(INCJ)が、Renesasの2/3 stakeと引き換えに約$1.9Bを出資する計画、約10社のグループがさらに計500億円を出資する旨。

◇ルネサス、国が救済、革新機構が株3分の2取得へ (10月18日付け 朝日新聞デジタル)
→政府が9割超を出資する産業革新機構が、経営再建中のルネサスエレクトロニクスの株式の3分の2を1千数百億円で取得する方針を固めた旨。ルネサスの半導体を使う自動車や電機大手にも計数百億円を出資するよう打診しており、買収額は計1500億円規模になる見通し、ルネサスも受け入れる意向の旨。

◇ルネサス買収計画提示、革新機構、取引銀行団に (10月20日付け 日経 電子版)
→ルネサスエレクトロニクスと出資交渉中の産業革新機構が19日、三菱東京UFJ銀行など主力取引銀行にルネサス買収計画を提示、トヨタ自動車や日産自動車、パナソニックなど製造業約10社と計2000億円を出資して経営再建を支える旨。銀行団はルネサス再建の実現性を見極めた上で、官民一体の買収計画を了承する考え、ルネサスと革新機構、企業連合は11月中の合意に向け最終調整する旨。

エレクトロニクス業界でみると、ソニーが次の再構築の動きである。

◇Sony to cut 2,000 workers in Japan (10月19日付け EE Times)
→ソニーが金曜19日、早期希望退職制度および国内製造拠点の統合により、2013年3月までに国内従業員2,000人を削減、この再構築策は同社の本社および日本国内のエレクトロニクス事業operationsに影響を与える旨。

最近の中国の国慶節の休みでのテレビの売れ行きでも、政治問題も加わって日本メーカーのシェアが大きく下げる以下の状況となっている。

◇Yoshida in China: Time for Japan to exit TV market (10月18日付け EE Times)
→日本のTVメーカーについて、最近の中国のholiday shopping week、すなわち10月7日までのMoon FestivalおよびNational Day holidaysの間での中国での販売高急落を発表、日本のconsumer electronicsベンダー8社の中国での合わせた市場シェアが、昨年の30%から18%に低下の旨。
・≪円グラフ≫ 中国でのTV販売市場国別シェア:数量ベース
 (Source: All View Consulting)
http://www.eetimes.com/ContentEETimes/Images/Junko/TV%20market%20share%202.jpg


≪市場実態PickUp≫

上記にも触れたIntel社の四半期業績が、次の通りとなっている。

【Intelの業績】

◇Intel's Q3 results not as bad as feared (10月16日付け EE Times)
→Intel社(Santa Clara, Calif.)の第三四半期販売高$13.5B、前四半期並み、前年同期比5%減。net incomeは$3B、前四半期比5%増、前年同期比14%減。9月のPCプロセッサbillingsが該四半期始めと比べて大きく上昇、先月同社が出した改定目標を満たす第三四半期販売高の旨。

◇米インテル、3年ぶり減収、7〜9月純利益14%減 (10月17日付け 日経 電子版)
→米インテルが16日発表した7〜9月期決算、売上高が前年同期比5%減の$13.457B、純利益が同14%減の$2.972B。比較的堅調だった企業のIT機器の購入や中国における個人向けパソコン販売が減速、四半期ベースで3年ぶりの減収になった旨。

Intel社の四半期業績にも大きく影を落とす中国経済の減速基調であるが、裏付けるように以下のデータ内容であり、日本メーカーのリスク分散の動きである。

【中国経済の減速】

◇中国GDP、7.4%増に減速、7〜9月、7期連続で鈍化 (10月18日付け 日経 電子版)
→中国国家統計局、18日発。2012年7〜9月期の国内総生産(GDP)が物価変動の影響を除いた実質で、前年同期比7.4%増と発表、内外の需要の鈍化で成長率は2四半期連続で8%を下回り、中国政府が余裕をもって設定した今年の成長目標(7.5%)の水準を割り込んだ旨。中国政府はインフラ投資の認可加速など景気の下支えに動き、足元では減速に歯止めがかかる兆しも見え始めている旨。

◇日本企業、ASEAN投資加速、中国からリスク分散−4〜6月に4割増の3800億円 (10月18日付け 日経 電子版)
→日本企業が直接投資の軸足を中国以外のアジアにシフトしている旨。
ASEAN向け投資が2012年4〜6月に前年同期比4割増の3800億円となり、中国(3000億円)を上回った旨。中国の賃金上昇や日中関係の冷え込みを背景に、進出先をアジア全体に分散する「チャイナ・プラスワン」の動きが本格化しそうな旨。

これまで厳しい現状の局面が続いたところで、ここで今後を切り拓く先端技術ロードマップについて、TSMCの取り組みである。

【TSMCのロードマップ】

◇TSMC taps ARM's V8 on road to 16-nm FinFET (10月16日付け EE Times)
→TSMCがSAN JOSE, Calif.での同社annualイベントにて、20-nm planar, 16-nm FinFETおよび2.5-D stacksへのロードマップを展開、16-nm FinFET用テストvehicleとしてARM初の64-bitプロセッサ, V8を用い、テスト半導体の最初のtape outを来年中に行う見込みの旨。TSMCのロードマップは、ライバル、Globalfoundriesと大体揃っており、20-nm半導体を来年、14-nm FinFET半導体を2014年に作る期待の旨。

最先端プロセス技術ロードマップの最重要に挙げられながら難題を抱えて苦闘している状況のextreme-ultraviolet(EUV)リソについて、打開促進を図るASMLの動きである。

【ASMLのCymer買収】

◇ASML to Buy Cymer for $2.6 Billion to Boost Chip Technology (10月17日付け Bloomberg)
→ASML Holdingが、extreme-ultraviolet(EUV)-lithography tools用光源開発の同社連携先、Cymerを、cashおよび株式約$2.6Bで買収することに合意の旨。ASMLとCymerがいっしょになるとEUV技術開発が早められる、とASMLのChief Financial Officer(CFO)、Peter Wennink氏。

◇Challenges Grow For EUV (10月17日付け SemiMD.com)
→EUV光源の遅れが言われてきており、何年もその重要な開発者、Cymerはスペック目標への適合に苦闘、ほかのEUV光源サプライヤ、GigaphotonおよびXtremeも遅れている旨。この長引く問題を打開する劇的な踏み台として、ASMLがCymerを$2.6Bで買収する最終合意に入ったが、依然Cymerの活動を軌道に戻すためにいくつかの難題に直面する旨。EUV光源のほかにも、EUV mask blanks, pelliclesおよびphotoresistsの開発などがある旨。


≪グローバル雑学王−224≫

世界一の美食都市・東京という評価が定着、海外への日本料理店の進出・展開が著しいなか、我が国の食文化について、

『世界がうらやむ日本の超・底力』 (ロム・インターナショナル/著:KAWADE夢新書)  
  …2012年 5月10日 初版発行

より、2回にわたって見ていく。あの『ミシュランガイド』の評価、日本人が育んだ「うま味」、そして海外でもっと人気の居酒屋の切り口が前半である。我が国ならではの食へのこだわり、感性が、世界でさらに拡大して受け入れられる有望さを受け止めている。

5.美食家たちが唸るニッポンの食文化 ≪前半≫

・「本当においしい料理を食べ尽くしたいのなら、東京へ行け!」
 …世界のグルメたちの合い言葉
・フランスの『ミシュランガイド』、東京にある店に対し、地元フランスのパリよりも数多くの星
・日本が誇る食文化、もっとも注目は、やはり日本料理
・海外の日本料理店、最近では自慢の一押し料理で展開する専門店も
・日本料理を支えている料理人の"職人魂"

◆世界のグルメ誌が認めた日本の食文化
・世界一の美食都市・東京
 →『ミシュランガイド東京2008』(最初の東京版)で世界中の飲食関係者のあいだに衝撃
  →星を獲得した店の数が150軒、同年度のパリ版は74軒
 →「日本人はグルメだ」と自負してOK
・日本料理が高い評価を受ける理由
 →『ミシュランガイド』2010年度東京版で星がついた店が197軒、うち132軒が日本料理店
 →寿司店、うなぎ屋、蕎麦屋、焼鳥屋、それぞれ専門に特化した形式で出店
 →それぞれのジャンルごとにライバルとしのぎを削る
 →日替わりで、食べる料理を選ぶという日本人の食に対する繊細な感性

◆日本人独特の感性が発見し、育て上げてきたうま味
・「UMAMI」として世界の共通語に
 →「甘味」「酸味」「塩味」「苦味」に加わる第5の味、「うま味」
 →約80年前に「うま味」の存在を科学的に解明した日本人、東京帝国大学の池田菊苗博士
・「うま味」を科学的に解明した日本人
 →池田博士は、1908年、グルタミン酸ソーダを粉末状にしたうま味調味料「味の素」を開発

◆海外で旋風を巻き起こす日本の居酒屋
・「赤ちょうちん」が外国に出現した!
 →海外で日本以上の居酒屋ブーム
 …寿司ブーム、日本食ブームに続く、最新の「日本発・食文化」のブーム
・日本の居酒屋が愛される理由とは
 →ニューヨークのある人気居酒屋
  →1960年代の日本の歌謡曲やアニメの曲を店内のBGMに
  →日本人の利用客は3〜4割程度
・欧米に日本的な食事スタイルを提案
 →好きなときに好きな物を好きなだけ食べて飲める、日本の居酒屋
 →くつろぎのスタイルで楽しめる…人気の理由の一つ

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