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プロセス開発のテンポを煽るモバイル機器市場

スマートフォンおよびタブレット用のプロセッサ最大手、Qualcommが生産委託しているTSMCからの28-nmノード生産が需要に追い着かないということで、ここにきて連日の慌ただしい動きとなっている。かつてのCPUの動作周波数にメモリの速度が追い着かないという事態を思い起こしている。モバイル機器の凄まじいまでの人気需要が、デバイス・プロセス開発のテンポ、そしてロードマップまでも前倒しの書き換えを迫る勢いであり、改めて市場アプリが引っ張るモチベーションというものを受け止めている。

≪連日の動き≫

Qualcommにおける逼迫は以前から言われていたが、TSMCの恒例技術シンポにおけるMorris Chang氏の以下のコメントから事態を改めて気づかされることになる。

◇TSMC's Chang: 'The worst is behind us' on 28-nm (4月17日付け EE Times)
→TSMCのannual技術シンポジウムにて、同社chairman and CEO、Morris Chang氏。同社は28-nmノードでの課題に遭遇しているが、この問題はcapacityに関するもので歩留まりではない旨。28-nmの歩留まりは始めから見通しに沿ってきており、確かにある28-nmの困難は十分なcapacityがないことに起因、歩留まりではない旨。

このシンポジウムでは、28-nmの先の方向性について次のように取り組みが表わされている。

◇TSMC to offer only one process at 20-nm (4月17日付け EE Times)
→TSMCのannual技術シンポジウム(SAN JOSE, Calif.)にて、同社executive vice president and co-chief operating officer、Shang-yi Chiang氏。
TSMCは、20-nmではただ一つのプロセス一本化を提示、ここいくつかのノードにおいて出してきた複数プロセスから変わる旨。また、14-nmデバイスをコスト効率良く作れるリソ技術が出てこなければ、20-nmの後に18-あるいは16-nmプロセスノードを提示する可能性もある旨。TSMCは当初、2つの20-nmプロセス、多分に高性能および低電力、ともにhigh-k metal gate(HKMG)技術を前面に計画していた旨。

XilinxについてはTSMCとの28-nm展開は成功したということで、先の20-nmについて具体的な連携である。

◇Xilinx collaboration with TSMC said to extend to 20nm (4月17日付け DIGITIMES)
→業界筋発。Xilinxが、TSMCの28-nmでのデバイス展開がうまくいって、次世代製品についてTSMCの20-nm技術活用に弾み、20-nm製品のtape-outを2013年に予定の旨。

スマートフォン、タブレットについては28-nmは量的に対応不満足ということか、QualcommおよびNvidiaはTSMC以外のファウンドリーメーカーに対して追加capacityを求めている。

◇Qualcomm, Nvidia said to approach other foundries for 28nm production (4月17日付け DIGITIMES)
→業界筋発。TSMCの28-nmプロセス技術により製造された半導体の供給が逼迫の様相、NvidiaおよびQualcommがsecond sourceとして他のファウンドリーに当たっている旨。Nvidiaは、Samsung Electronicsの28-nmプロセス技術でのサンプル配布を開始、現時点はTSMCだけと製品製造契約を交わしている旨。Qualcommは追加capacityを求めてUMCおよびGlobalfoundriesにアプローチしている旨。

このような状況のもと、Qualcommの業績発表が行われているが、好調な結果とともにもっと伸ばせるという機会損失の様相を感じるところがある。

◇Qualcomm engages other foundries amid 28-nm capacity shortage (4月18日付け EE Times)
→ファブレス半導体ベンダー、Qualcomm社(San Diego)が四半期業績発表の場にて、長きにわたるファウンドリーパートナー、TSMCでの28-nm capacity不足の渦中、他のファウンドリーサプライヤに当たっていることを認めた旨。同社の3月25日締め第二四半期業績は、アナリスト予測を上回って次の通り:
販売高$4.94B、前四半期比6%増、前年同期比28%増

◇Qualcomm Beats Forecast, but Strains to Get Chips-Qualcomm posts good results, can't get enough chips for customers (4月18日付け The New York Times)

◇Qualcomm's S4 Chips for Smartphones, Tablets in Short Supply (4月19日付け PCWorld)
→Qualcomm、木曜19日発。製造capacity不足からタブレットおよびスマートフォン用のQualcomm Snapdragon S4プロセッサが足りなくなっている旨。

半導体業界の設計および製造を引っ張る最大手、Intelからは、FinFETの22-nmについて積極的な見通しが出ている。

◇Intel says 25% of shipments will be on 22-nm in Q2 (4月18日付け EE Times)
→第一四半期業績発表の場にて、Intelのchief financial officer(CFO)、Stacy Smith氏。IntelのFinFETトランジスタを擁する22-nm製造プロセス技術が、2012年第二四半期におけるIntelのIC出荷の25%に及んでいく旨。

リソ装置最大手、ASML Holding NVからも、モバイル機器による開発前倒しの風圧についてのコメントである。  

◇ASML: Push is on for 20-nm chip production in 2013 (4月19日付け EE Times)
→リソ・ベンダー、ASML Holding NV(Veldhoven, The Netherlands)のCEO、Eric Meurice氏。モバイル機器に向けたARM ecosystem内の競い合いがプロセス開発の速度テンポを前倒ししており、2013年の22-nm/20-nmプロセスノードでのファウンドリー生産が急がされている様相の旨。

折角見込めている市場需要に応えられないということで、今後のスタンスについて以下の提言、コメントである。Time to Marketに向けて巻き込むグローバルな連携規模のタイムリーな構築が、常々に求められている。

◇Time for a return to the customer-backed joint venture foundry? (4月20日付け EE Times)
→Qualcommなどいくつかのメーカーが、ファウンドリーパートナー、TSMCから需要を満たすに十分な28-nm半導体が入手できず、機会損失を出しており、顧客のいくつかは、他のメーカーの半導体をこれらベンダーのICsを巡って以前に設計されたものに切り換えるやり方を模索している旨。ファウンドリーおよびプロセス研究開発への緊密なアプローチが求められている旨。

◇No fab for Qualcomm but firm mulls business evolution (4月20日付け EE Times)
→Qualcomm社のchief operating officer(COO)、Steve Mollenkopf氏。ファウンドリーパートナー、TSMCから十分な28-nm半導体を得る上で同社が遭遇している問題で、自前のfabを構築あるいは買収する決断には至らないが、ビジネスのやり方は徐々に進化、Qualcommは自分の利益に向けて何らか形作っていくに十分な規模ではある旨。


≪市場実態PickUp≫

Intelにとっては新たに取り組む事業領域について、次の動きおよび実態である。

【Intelの新事業】

◇Intel smartphone launched in India (4月19日付け EE Times)
→Intel社のAtom inside、初のスマートフォン、XOLO X900が、インドで打ち上げ、Intelとインドのモバイルhandsetメーカー、Lava International Ltd.の連携に成る該スマートフォンは、約$445の店頭価格で4月23日からインドで発売される旨。

◇Intel grabs 15% of cellular baseband market (4月19日付け EE Times)
→Strategy Analytics発。2011年のグローバルcellular basebandプロセッサ市場は、15%伸びて$15.1Bの規模、Qualcommが市場シェア45%、Intelが15%で2社が引っ張っている形の旨。Intelの該ランキングへの登場は、2011年始めのInfineonワイヤレス事業部門買収に起因する旨。

Intelの22-nm三次元トランジスタ、finFETに対応させて、SOIウェーハのSoitecが、新たな概念を取り入れたロードマップ更新を行っている。

【SOIウェーハ】

◇Soitec Touts FD-2D and FD-3D on SOI Wafers(4月16日付け SemiMD.com)
→来るfully depleted CMOS時代での足場強化を目指して、Soitec(Bernin, France)が、planar(FD-2D)およびfinFET(FD-3D)両方の顧客に対してsilicon-on-insulator(SOI)ウェーハを供給する備えの旨。
・SoitecのSOIウェーハ・ロードマップ図面
http://semimd.com/wp-content/uploads/2012/04/SoitecFinal600.jpg

◇New Wafers For 3-D Transistors (4月17日付け IEEE SPECTRUM)
→ウェーハメーカー、Soitecが、通常のウェーハ上で作るよりも工程数を少なくfabsで3-Dトランジスタ(しばしばFinFETs)が構築できる構造を有するウェーハ生産を目指す旨。
・概念説明図
http://spectrum.ieee.org/img/IBM3D-1334675527104.png

◇Soitec's fully depleted (FD) semiconductor product roadmap (4月17日付け ELECTROIQ)

インドの低価格、教育用$35タブレット開発の出だしに時間がかかっている模様、およびインド政府機関の名称変更が、以下伝えられている。

【インドでの動き】

◇Indian tablet for education project in fresh controversy (4月16日付け EE Times)
→10月に正式に打ち上げられたインドの教育目的の低コストタブレット、"Aakash" (あるいはsky)が、スタートから論議に陥っている旨。該Aakash契約を元々獲得したDatawind Ltd.が、この$35タブレットの第2版に依然手がかかっていると述べて、事態が月曜16日さらに込み入ってきている旨。

◇'Aakash' in controversy again... (4月18日付け EE Times India)

◇Electronics policy to be approved soon: Sibal (4月20日付け EE Times India)
→Department of Information TechnologyからDepartment of Electronics and Information Technology(DEITY)に名称変更する式典にて、インドIT and Telecom Minister、Kapil Sibal氏。2020年までにインドのエレクトロニクス分野から$400Bの売上高を描く'National Policy on Electronics'が、今月承認される情勢の旨。

スーパーマンのように壁の先のものが見える機能が携帯電話にまもなく入るかも、という以下の研究アプローチである。秘密というものがなくなっていくかと、果てしなく進む展開に心配すら覚えてくる。

【透視できる携帯電話】

◇Chip could let smartphones see through walls -- and clothes-Imaging chip could bring "X-ray vision" to smartphones (4月19日付け Los Angeles Times)

◇Imagine...your mobile phone seeing through walls (EE Times India)
→University of Texas at Dallasの研究。携帯電話を壁、森、プラスチック、紙などを通してものが見える機器に変えられるimager半導体が今や可能に、consumer用および医療アプリに向けてマイクロ波と赤外の間の波長範囲の1つ、electromagnetic spectrumのterahertz帯を作る方法を見い出した旨。


≪グローバル雑学王−198≫

一杯やった後はカラオケ、盛り上がる歌の競演はお酒につきものであるが、古代からなにかしらの芸事、すなわちエンタテインメントが伴なっていたことを、

『居酒屋の世界史』 (下田 淳/著:講談社現代新書 2120)  
 …2011年 8月20日 発行

より確認していく。それにしてもいろいろな芸があるもの、歯を抜くのを見せるのも一つ、森の薬草売りも芸に入った中近世とのことであるが、我が国江戸時代のガマの油売りだって立派な芸と、改めて納得である。


第九話 芸人と居酒屋

・古代から近代にいたるまで、居酒屋には芸事(エンタテインメント)がつきもの
・19世紀は、居酒屋と芸人が結びついた最後の時代
 →「棲み分け」へ

○酒神にして演劇の神ディオニュソス
・古代ギリシアでは、劇場とともに、演劇や芸事が、上流階級の私的宴会、「シャンポシオン」の場で
 →ラテン語の「シュンポシウム」、つまりシンポジウム
 →哲学的議論、飲食、芸事は同時に同じ場所で …混淆

○ギャラの由来−−−居酒屋のなかの芸人
・ヨーロッパ中近世では、あらゆる種類の芸人が居酒屋を中心に活躍
・放浪の芸人は、居酒屋が一時しのぎの宿に
 →出演料を意味するギャラ(ンティ) …担保、抵当という意
 →芸人の質草のこと
・英語のハーロット(harlot:売春婦) →もともと放浪芸人の意味

○医療行為は芸
・しばしば医療行為と結びついていた芸事
 →芸人外科医の代表が抜歯屋
・中近世当時の芸人は複数の芸事を装備
 →「薬売り」や「医療行為」もその一つ
 →森にある薬草の知識をもつ連中
・18世紀ドイツ →「農村医者」、「根堀人」、「森人」による人間への医療行為を厳しく禁止
・アカデミズムの医学がヨーロッパ社会に浸透するのは、19世紀以降、とくに農村ではその後半期

○芸術と大衆演芸
・19世紀になっても、居酒屋はさまざまな歌手や役者などの芸人が活躍するエンタテインメントの中心地
・ミュージックホール、音楽カフェ、キャバレーは、19世紀後半から20世紀前半にかけての大衆演芸の代表

○そして誰もいなくなった
・20世紀になると、居酒屋から芸人が去っていく
 →映画の登場
 →テレビの普及は決定的

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